2021年7月29日木曜日

心臓血管疾患

コロナ禍で“隠れた心臓病”が増加?

 新型コロナウイルス感染症の拡大以降、世界各国で心筋梗塞をはじめとする心臓病の患者数が減少したという報告がありました。しかし、その実情は心臓病そのものの減少ではなく治療が必要な患者さんの「受診控え」があり、その影響で状態が悪化したり命を落としたりする方がいる可能性があるようです。

 コロナ禍の2020年春、アメリカ、イギリス、南米など世界各国で心筋梗塞を含む心臓病(虚血性心疾患)の患者数が減ったという報告がありました。

 患者数の減少はなぜ起こったのでしょうか。今後解析しなければ分かりませんが、心筋梗塞の患者さんが減少する大きな要因は見当たりません。そのため多くの専門家は、新型コロナウイルス感染症の流行の影響で「受診控え」をする方が増えたのではないかと予想しています。つまり、感染を恐れて受診を控える人や、病院医療が逼迫していることを案じて「どうせ診てもらえない」と自己判断して受診を諦める人などが増えたということです。

 この状況で懸念されるのが、本当は治療が必要な状態にも関わらず受診控えによって適切な治療が受けられず、状態が悪化したり命を落としたりした人が数多くいるかもしれないという点です。このような受診控えによる"隠れた心臓病"には注意が必要です。

 日本ではコロナ禍の前から、心筋梗塞が発症しても病院を受診せず治療を受けられずに亡くなってしまう人が30%程度いると言われていました。これは、体に異変が生じても病院の受診を見送ってしまう方がいるためです。受診を見送ってしまうのには主に3つの理由があると考えられています。

 1つ目は、症状が生じても「自分は大丈夫だろう」と根拠なく思い込んでしまうケース。このように、緊急時に心の平静を保とうとする力が働くことを「正常性バイアス」と呼び、この働きが過剰になると適切な判断ができなくなってしまうため注意が必要です。

 2つ目は、症状が現れたものの病院を受診する前に次第に軽快するケース。これは原因となった血栓が自然に消滅することで一時的に症状が和らいだ状態ですが、血液の状態は決してよい状態ではなく、近いうちに再び心筋梗塞にかかる可能性が高いといえます。

 3つ目は、胸ではなく肩や顎などに痛みが生じたことで、心筋梗塞の診断に至るチャンスを逃してしまったケース。心筋梗塞では胸以外の部位に痛みが生じることがあり、これを"関連痛"といいます。関連痛はそれまでに経験したことがない痛み(ただ事ではない痛み、死ぬかもしれないと思うほどの痛み)で、冷や汗を伴うことなどが特徴です。

 病院を受診することでコロナにかかるのではないか」と心配する人もいますが、外来診察はもともと感染リスクが低いうえ、対策をしっかり行っている病院がほとんどですから、過度に心配して治療の機会を逃すことがないよう、適切に受診することが大切です。

(出典:https://medicalnote.jp/)


■心臓血管の病気、狭心症と心筋梗塞

 なぜ心臓は動いているのか。それは心臓にも酸素の豊富な赤い血液が供給されているからです。心臓は脳や筋肉、肝臓、腎臓などに血液を送っていますが、自らの筋肉にも血液を送って心臓を働かせています。心臓の筋肉に血液を送っている血管が冠動脈です。

 冠動脈は心臓に巻きつくように存在しています。右冠動脈は心臓の右心室、左心室の下側に存在します。左冠動脈は2本に別れ、左心室の前面に左前下行枝が、左心室の側面後面に回旋枝が存在します。この右冠動脈1本、左冠動脈2本の計3本によって心臓へ均等に血液が供給されています。冠動脈に異常をきたし、心臓の動力源が不足する病気が狭心症、心筋梗塞であり、この2つを称して冠動脈疾患と言います。


心筋の血のめぐりが悪くなる狭心症

 心臓は1日に約10万回血液を送り出しています。このため常に新鮮で酸素のある血液が心臓にも必要です。心臓の筋肉に血液を送っている冠動脈が細くなったり、詰まりかかったりすると、心臓への血液の供給が少なくなります。このように心臓の筋肉への血のめぐりが悪くなることを狭心症といいます。しかし、まだ心臓の筋肉の機能は完全には低下していません。いわゆる黄色信号の状態です。このとき多くの人は胸痛を訴え、無理な運動はしなくなります。少しでも心臓の負担を少なくし、心臓への血のめぐりが不調に対応しようとします。しかし、心臓に負担をかけた場合、また同じような胸痛を繰り返すことになります。


冠動脈が完全につまると心筋梗塞へ

 冠動脈がさらに完全に詰まったり、急速に細くなったりして、心臓の筋肉細胞が死んでしまい機能が低下するのが心筋梗塞です。心筋梗塞はほとんどが急に出現しますが、知らず知らずのうちに出現してしまっている場合もあります。死んだ心臓筋肉細胞の範囲と程度によりますが、不整脈や極端な心機能の低下によって突然死を引き起こすこともあります。


大きな要因は動脈硬化

 なぜ冠動脈の血管が詰まるようなことが起こるかというと、動脈硬化が大きな原因です。動脈硬化は血管の異常であり、加齢に加えて、糖尿病、高脂血症、高血圧、腎臓病、喫煙、肥満などによって起こりやすくなります。冠動脈の壁が動脈硬化によって徐々に内腔が細くなる場合もあれば、血液が急に固まって細くなった冠動脈につまることもあります。


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 康復医学学会の主要研究生薬である「霊芝」には、動脈硬化の要因となる物質(「ICAM」などの接着因子)の発生を抑える性質があることが発見されています。


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愛・感謝 村雨カレン

2021年7月23日金曜日

コレステロール

 コレステロールが気になったら

 私たちの血液中に含まれる脂質には、「コレステロール」や「中性脂肪」が存在します。

 これらには“健康によくない”イメージがありますが、中性脂肪は体を動かすための貯蔵用のエネルギー源となり、コレステロールは細胞膜やホルモン、胆汁酸のもとになる体に必要不可欠なものです。

 大切な働きをするこれらの脂質ですが、LDLコレステロール(悪玉)や中性脂肪が増えすぎたり、HDLコレステロール(善玉)が少なすぎたりすると「脂質異常症」につながります。脂質異常症に自覚症状はありませんが、そのまま放置すると動脈硬化を促進し、脳卒中や心筋梗塞のリスクが高まります。一般的に、血液中のLDLコレステロールや中性脂肪は加齢とともに増加します。

 男性は、年齢を重ねるにつれ、内臓型肥満をもとに高血圧、高血糖、脂質異常が重なるメタボリックシンドロームを招きやすくなり、45歳以降、動脈硬化のリスクが高まります。

 女性は、女性ホルモンであるエストロゲンが脂質の代謝に関わっているため、閉経前の動脈硬化のリスクはそれほど高くありません。しかし、閉経後のエストロゲン低下に伴い、血中のLDLコレステロールや中性脂肪が上昇、50歳以降に脂質異常症を疑われる人が増える傾向があり、動脈硬化のリスクも高まります。

 脂質異常症の最大の原因は、高脂肪の食事や過食、運動不足といった生活習慣。男性も女性も未病の若いうちから、健康的な生活習慣を身につけておくことが大切です。

 LDLコレステロールが高めの人は、特に食事に気をつけることが大切です。LDLコレステロールを増やす作用のある動物性脂肪を控え、減らす作用のあるオリーブオイルやなたね油などの植物性油、アジやイワシなどの魚類の脂など、良質の油脂を摂りましょう。緑黄色野菜や海草類、きのこ類などの食物繊維にはコレステロールの吸収を抑える働きがあります。

 中性脂肪が高めの人は、腹八分目を心がけ、特に清涼飲料水や菓子類などの糖分やアルコールを控えめにしましょう。

 さらに、HDLコレステロールを増やし、中性脂肪を減らすために有効なのが「運動」です。ウオーキングや軽いジョギング、水泳など、少し息が弾む程度の有酸素運動が効果的です。運動する時間がとれない人も、日常生活の中で体を動かす習慣を身につけましょう。

 また、喫煙はHDLコレステロールを低下させるため、禁煙しましょう。

(出典:https://www.kyoukaikenpo.or.jp/)


■コレステロール神話

 長い間「動物性の飽和脂肪は血中コレステロール値を上昇させ、コレステロールやほかの脂肪を動脈内にプラークとして堆積させる」と言われてきました。

 しかし、近年では高コレステロールの集団と低コレステロールの集団の間で冠動脈疾患(狭心症、心筋梗塞)、がん、感染症による死亡リスクに差はないこと、そして高コレステロールの集団のほうが死亡リスクは48%低く、高コレステロールが延命のカギであること、コレステロール値と心疾患罹患率との相関は見いだせないことなどがわかってきました。

 さらに、高コレステロールは認知症、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症などの神経性変性疾患に於いても良好な効果をもたらします。実際、コレステロールは細胞膜の構築や維持に不可欠であり、ステロイドホルモン・胆汁酸・ビタミンDの原料となり、血管の内側に膜をつくり、血流による損傷から血管を保護し、脳の神経細胞の維持を行い、脳が適切にコミュニケーションを取り、機能するための進行役など重要な役割を持っています。

 現在では「コレステロールはアテローム性動脈硬化にほとんど関係がない」ことが明白となって、「コレステロールは増え過ぎると動脈硬化を進行させて、心筋梗塞などに結びつく」(コレステロール悪玉説)というコレステロール神話は今や完全に崩壊しています。


動脈硬化の原因

 では、アテローム性動脈硬化の原因は何か? それはリポたんぱく粒子の大きさの問題です。コレステロールや中性脂肪などの脂質は、そのままでは血液に溶け込むことができません。そのため脂質は、水と相性の良いたんぱく質などの成分に包まれるようにしてできた"リポたんぱく"という粒子となって、血液中に溶け込んでいます。リポたんぱくの中に、LDL、HDLなどの粒子があり、LDLは肝臓から全身へコレステロールを運び、HDLは余分なコレステロールを回収します。アテローム性動脈硬化の原因となるのはLDLの中でも直径の小さな小粒子LDLです。この小粒子LDLは酸化・糖化されやすく、血管の壁の中に入り込んで異物と見なされてマクロファージ(免疫系の細胞)に取り込まれていき、血管内皮細胞内でコレステロールを蓄積させ動脈硬化を促進します。


糖質を控える食生活

 “糖質の過剰摂取”によりインスリンが過剰に分泌され、中性脂肪がたくさん作られます。そして、中性脂肪は小粒子LDLを生みだし、これがアテローム性動脈硬化の原因となるのです。心臓病、脳血管障害は単なる高コレステロールの問題ではなく、原因は、酸化、糖化、炎症、小粒子LDL、つまり糖質の過剰摂取が引き金となって起こります。中性脂肪が多くて、HDLコレステロールが少ない人は小粒子LDLがたくさんある可能性が高いので要注意です。HDLコレステロールが多くて、中性脂肪が少ない人は小粒子コレステロールと酸化LDLコレステロールは少ないので安全です。糖質制限食実施中の人は、HDLコレステロールが多くて、中性脂肪が少ないのです。したがって、糖質を控えて、インスリンに負担をかけない食生活が心血管系疾患予防のカギとなるのです。 


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2021年7月15日木曜日

ジャンクフード

 脳機能の低下がジャンクフードを求める

 疲れたときに甘いものが欲しくなるように、無性にジャンクフードが食べたくなる‥‥。

「自分は疲れているからジャンクフードを食べたくなっているんだ。だから食べてしまうのは仕方がない」と考える人が多いと思うのですが、カナダ・ウォータールー大学では「前頭前皮質(脳の左背外側)の機能を一時的に低下させると、カロリーが高い食べ物を欲するようになるだけでなく、実食においてもジャンクフードを食べる傾向が高くなる」との研究が行われています(2018年)。

 前頭前野を含む前頭葉は、注意力、集中力、判断力などと関係し、感情や欲求を抑制する脳の大切な部位です。そのため前頭葉の機能が低下すると、普段は「悪いからやめよう、我慢しよう」と思っていることについての判断が鈍くなり、我慢できなくなってしまうのです。

 また、背外側前頭前皮質の機能低下は、ストレスが原因で引き起こされます。つまり、ストレスが蓄積して、脳の背外側前頭前皮質の機能低下が生じると、それに応じて判断が鈍ってしまうというわけです。

 多くの人が、ジャンクフードは太りやすく、健康上あまりよくないものだと認識していると思います。「疲れているから仕方がない」と思いたいところですが、実はそうではありません。脳が十分に休めていないからジャンクフードに手が伸びてしまう‥‥。普段は体に悪いからやめておこう、我慢しようと思っている抑制のフタが外れてしまった結果、ポテトチップスの袋を開けてしまうのです。

 先の研究は、ジャンクフードを食べたいという気持ちになってしまう原因は、脳の機能低下にあると指摘しています。脳にジャンクフードのおいしさが刷り込まれており、脳が十分に休めていないからこそ"止まらない"のです。

「本来は我慢しなければいけないジャンクフードを食べてしまう=脳に十分なリフレッシュが足りていない」というサインでもあるわけですから、ジャンクなものを食べたくなったら仮眠を取るなど体を休ませた方がいいかもしれません。

 また、どうせ食べるのであれば、「疲れているから」という具合に脳のせいにするのではなく、「好きだから食べているんだ」と割り切ったほうがよいでしょう。自己決定は、自らの幸福度を上げる効果があります。「この選択は自分を満足させるために好きで食べているんだ」と考えれば、幸福度も高まり、脳も安心感を覚えます。

 罪悪感に苛まれながら食べると、ますます脳がストレスを抱えて抑制のフタが外れてしまい、さらにジャンクな食べ物を求める‥‥というように、心身ともに負のサイクルに陥ってしまう恐れもあります。食べたいときは"自己決定感"を持つようにしましょう!

(出典:210618 日刊ゲンダイヘルスケア)


■ジャンクフード、体への影響

「ジャンク」とは「がらくた」「くず」の意味です。ファストフードのハンバーガーやフライドポテト、カップ麺にポテトチップス、菓子パンやドーナツ、スナック菓子、甘い飲料水など、一般的には糖質・脂質・塩分が多く高カロリーで、ビタミン・ミネラル・食物繊維が不足している食品のことをジャンクフードと呼んでいます。

 ジャンクフードには以下のような体の機能への悪影響があります。

 免疫システム 

 ジャンクフードの摂り過ぎは、免疫システムにも悪影響を及ぼす。私たちが口にする食べ物は、腸内の免疫細胞と相互作用する腸内細菌に影響する。主に脂肪、塩分、砂糖からなるジャンクフードの過剰摂取は、免疫機能を低下させ、炎症の原因となることが確認されている。

 炎症 

 ジャンクフードは、一般的に脂肪が多く食物繊維が少ないため、腸内細菌のバランスを崩す。また、炎症を抑える役割がある酪酸のような有益な短鎖脂肪酸を生成する善玉菌の成長を妨げる。こんな研究結果も報告されている。南アフリカ人に、西洋風のファストフードを食べてもらい、アメリカ人に、南アフリカ人が食べるような食物繊維を多く含む食事を2週間してもらった結果、南アフリカ人のグループでは、酪酸レベルが半減し、その一方で、アメリカ人グループでは酪酸のレベルが約2倍に増加した。

 代謝 

 ジャンクフードの大量摂取は代謝にも影響する。実際、インスリン抵抗性のリスクを高め、毎日身体が消費するエネルギーの熱量を減らす恐れがある。また、高脂肪な食事は代謝に影響する腸内細菌を変化させることが分かっている。微生物叢は、食事からエネルギーを抽出する方法や、脂肪(エネルギー)を蓄える方法にも関係している。健康な腸内細菌は代謝を高める一方、不健康な腸内細菌は脂肪を蓄える。

 精子異常 

 ジャンクフードなどの不健康な食事は、脂溶性毒素が上昇して、エストロゲンを過剰に分泌させる。また、不摂生を続けて肥満になると、酸化ストレスが上昇し、増加した活性酸素が精子形成に悪影響を及ぼす。さらに脂肪細胞は男性ホルモンのテストステロンを減少させる。男性ホルモンの減少が精子異常や精子形成の低下を招く。

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 重要なことは、腸の健康のために、加工食品や食品添加物を極力避け、自然な食品を食べるということです。そして、日々の食事で不足していると思われる栄養分は補助食品等を利用して、腸内細菌の健康をサポートしましょう。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

心原性脳塞栓

 この時期、脳梗塞にも注意を!

 心臓病や全身血管病は、冬に多い病気とされています。しかし、脳梗塞は夏にも多いのをご存知でしょうか。

 かつて、厚生労働省の研究班が全国156の病院を対象に「脳梗塞発症者数」を調べたところ、6~8月が最も多かったのです。汗をかき体内の水分が減少、血液もドロドロしてきて血栓ができやすくなるのが理由と言われますが、高齢者、糖尿病、高血圧の人などは心臓の働きのチェックが大事だということです。

 脳梗塞は、脳の血管に血栓(血の塊)が詰まって血流が途絶え、脳の組織が壊死していく病気で、大きく3つのタイプに分けられます。

 1つは、脳の細い血管に動脈硬化が起こって詰まる「ラクナ梗塞」。2つめは、脳の太い血管に血栓ができて詰まる「アテローム血栓性脳梗塞」。アテロームとは、血液中のコレステロールなどが血管壁に入り込んでできた、粥状の塊のことです。そして3つめは、心臓の血管内にできた血栓が脳に飛んで詰まる「心原性脳塞栓症」です。

 このうち、一番怖いのが心原性脳塞栓症で、別名"ノックアウト型脳梗塞"とも呼ばれています。実際、脳梗塞の3割を占める心原性脳塞栓症は、10%近くが突然死し、半分が寝たきりになると言われています。ノックアウト型脳梗塞はもともと冬に多いタイプで、気温が高く汗を大量にかく夏は、血液から水分が抜けて固まりやすくなり、脳の動脈に血栓ができるタイプ(ラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞)が多いと言われてきました。しかし、最近の猛暑と気温の急激な変化が、夏でもノックアウト型脳梗塞のリスクを高めている可能性があります。欧州の研究でも、猛暑による心房細動の増加が証明されているのです。

 ノックアウト型脳梗塞が起きやすいのは、突然、動悸や息切れがしたり、意識がフッと遠のいたりする人。このタイプの人は要注意です。一般的な不整脈なら問題ありませんが、心房が細かく震えることによって起こる不整脈は心房細動といい、非常に危険です。ノックアウト型脳梗塞の3分の2が心房細動が原因だからです。心臓の中で血液がよどみ、血の塊ができて、それが脳に飛び、脳細胞に大きな損傷を与えるのです。

(出典:http://www.nikkan-gendai.com/)


■致死率が高い心原性脳塞栓

 不整脈の一種の心房細動が起り、心臓の中で血液がよどんで固まりやすく血栓になり、脳へ移動して脳の動脈を詰まらせてしまうのが心原性脳塞栓です。脳梗塞の中では最も重症になりやすく、症状も急激に現れやすくなります。


小さな血栓が心臓で巨大化する!

 心原性の血栓は、心臓だけでできる場合もありますが、他の動脈などでできた小さな血栓が不整脈の心臓で巨大化することもあります。

 右図を参考にすると、通常、動脈では血管の内膜である血管内皮(①)が血栓の予防や血管の収縮に関わっていますが、高血圧や動脈硬化などで血管内皮細胞の機能が低下すると、血管内皮がもろくなり損傷します。損傷を修復するために血小板(②)が働きます。次に網目状の物質「フェブリン」(③)が血小板など他の血液成分をからめ取り、本来は傷ができたときに固まって止血する役割を持っていますが、フィブリンが網目状になって固まってしまい、これが離れ血中に流れ血栓(④)になり心房細動の心臓で巨大化することもあります。また、血管内皮細胞の機能が低下しているとフェブリンができやすく、フェブリンが心臓内で血栓になることもあります。


血栓の発生から脳への移動

 心臓の外側の左右に左心耳、右心耳という耳のような形をした部位があり、中は袋状になっています。正常時には、血液が滞ることなく中に入りまた出ていくという流れを続けますが、一旦、心房細動になると左心+耳内の血流が滞り始めます。やがて血の塊である血栓が発生します。その血栓が血流に乗って脳へと移動し、脳の動脈に詰まります。一旦、血管が詰まると、そこから先の組織は時間の経過とともに壊死の範囲が拡大します。壊死した部位により、身体の麻痺してくる箇所も増え、麻痺の程度も悪化するのです。

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 心原性脳塞栓は不整脈の心房細動が一因ですが、高血圧や糖尿病、動脈硬化などがある場合、発症率は上がります。対策としては、康復医学学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」がお勧めです。HM-3000(特系霊芝)には、高血圧対策はもちろんですが、血栓ができやすい血管内皮細胞の機能促進血栓形成の抑制微小循環の血流・環境の改善に対するエビデンスがあります。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2021年7月1日木曜日

セロトニンの作用

 “瞑想”が脳に与える変化

 心や体に、様々な恩恵をもたらす瞑想。脳科学の観点からも、コロナ禍の今こそ、日常生活に瞑想を取り入れるチャンスといえるのです!

瞑想によって活性化!セロトニンの作用とは?

1. 精神安定作用:神経伝達物質・アセチルコリンの過剰な働きを抑え、覚醒した中でも高ぶりすぎることのない、安定した精神状態をキープします。

2. 自律神経の調整:交感神経優位になりすぎない適度な状態を保つと同時に、過剰になると興奮状態となるドーパミンを適度に抑制し、平常心を維持します。

3. 鎮痛作用:体の炎症を抑えたり、脊髄からの痛みの伝導路を抑制する働きがあり、医療現場でも偏頭痛などの治療薬に応用されています。

4. 皮膚感覚の抑制:感覚をゆるめる作用があり、皮膚感覚が抑制されることで、自分と外界との境界線が曖昧になり、自分へのこだわりがなくなります。

5. 抗重力筋の促通効果:延髄から下方へと分泌されるセロトニンが脳からの司令を強化。抗重力筋を使いやすい状態にし、良い姿勢を保持します。


脳内神経物質・セロトニンが活性化し、心身に作用

 脳科学の分野では、瞑想による脳の機能的、形態的な変化を報告する論文が、これまでに多数発表されています。これらの論文から、瞑想によって個人個人に最適な、オーダーメイドのような脳内ネットワークが形成されることがわかってきました。

 脳内で発見されている神経伝達物質は60種類以上あり、意識、覚醒、認知、思考、記憶、感覚など様々な機能の調整役として働き、体全体に大きな影響を与えています。このうち、瞑想によって活発になるのが「セロトニン」。“幸せホルモン”とも言われ、ストレスを軽減して免疫力を高めるのはご存知の通りです。瞑想を行い、脳の前頭葉にある前頭前野が活性化されることで、このセロトニンの分泌が活発化し、脳内全体を巡ります。


コロナ禍の今、なぜ瞑想が大事なのか?

 不安や心配を解決する唯一の方法が瞑想です。コロナ禍では、いつも以上に不安や心配、悩みが増え、いろいろな思いや考えが頭の中を駆け巡るのではないでしょうか。ネガティブな思考や感情は、自分の意識レベルを上げることでしか解決できません。そのために必要なのが、瞑想です。瞑想を行うとセロトニンが活性化し、"心の免疫力"が上がることが医学的にもわかっています。すると、強さと優しさが心に備わり、自然とマインドを平穏に保つことができるようになるのです。また、"心の免疫力"が上がると、体の免疫機能も自然と高まり、コロナ禍を健康に乗り切る力が高まるのです。

(出典:https://news.yahoo.co.jp/)


■セロトニンの作用

 セロトニンは、モノアミン神経伝達物質の一つで、視床下部や大脳基底核、延髄の縫線核などに高濃度に分布しているトリプタミン誘導体の一種です。"睡眠ホルモン"と言われるメラトニンは、このセロトニンから合成されます。


人体とセロトニン

 セロトニンはヒトを含む動植物に一般的に含まれる化学物質で、トリプトファン(アミノ酸の一種)から生合成されます。人体中には約10ミリグラムのセロトニンが存在しており、そのうちの90%は小腸の粘膜にあるクロム親和細胞(=EC細胞)内にあります。クロム親和細胞はセロトニンを合成する能力を持っていて、ここで合成されたセロトニンは腸などの筋肉に作用し、消化管の運動に大きく関係しています。ここで合成されたセロトニンの一部(総量の約8%)は血小板に取り込まれ、血中で必要に応じて血液凝固・血管収縮、疼痛閾値の調節、脳血管の収縮活動の調節などに用いられます。

 一方、脳内の中枢神経系に存在する2%のセロトニンが脳内の神経伝達物質として働きます。脳内セロトニンは脳幹の縫線核で合成されます。腸で生成されたセロトニンは血液脳関門を通らないため、脳のニューロンに直接作用する可能性はありません。セロトニン前駆体の5-ヒドロキシトリプトファン(5-HTP)は血液脳関門を通過しますが、種々の副作用を示すため、脳内セロトニンを増やすには栄養学的にトリプトファンの摂取が重要となります。


うつ病とセロトニン

 抗うつ薬には、三環系抗うつ薬・四環系抗うつ薬・SSRI(選択的セロトニン再取込阻害薬)・SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取込阻害薬)・MAO阻害薬などの種類があります。憂うつ感や気分の落ち込み、不安感を改善する抗うつ薬の作用機序は、脳内のセロトニンレベルやノルアドレナリンレベルによって精神状態や気分の高低が決定されるという脳内モノアミン仮説を前提としています。つまり、脳内の神経細胞(ニューロン)終末と他の神経細胞終末との間にあるシナプス間隙において、セロトニンやノルアドレナリン、ドーパミンといった神経伝達物質(情報伝達物質)の分泌・受容が行われるというのがモノアミン仮説です。 

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 当学会の主要研究素材の「ラフマ葉」は、脳内セロトニンの増加、およびセロトニン神経通過性の安定に作用することが認められています。ラフマ葉の含有成分が、鎮静作用抗ストレス作用睡眠改善血圧安定などに効果をもたらすのです。


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愛・感謝 村雨カレン