隠れ疲労と心身症
日頃生じる生理的な疲労は、「精神あるいは身体に負荷を与えた際、作業効率が一過性に低下した状態」と定義されます。この状態になると眠気や休みたいという欲求、倦怠感などを伴うことが多く、人はこれを自覚し休養などをとります。しかし「使命感や達成意欲の強い人は、休息欲や倦怠感を感じにくい」と大阪市立大学大学院疲労医学講座の梶本修身教授はいいます。「疲労」のような自覚症状がない場合でも、心理的なストレスが原因となって体に障害が生じるものに「心身症」があります(うつ病などの精神疾患を伴う身体症状は、心身症から除外されますが、心身症からうつ病への進行はあります)。ストレスは、内臓の機能を調節する自律神経系や、ホルモンの放出に関係する内分泌系、感染症を防ぐ免疫系など、体の各機能に悪影響を及ぼします。その結果、体に自覚症状や疾患となって現れます。代表的な病気では、過敏性腸症候群、胃・十二指腸潰瘍、気管支ぜんそく、狭心症、心筋梗塞、緊張型頭痛など160種にも及びます。
心身症はストレスが原因となっているため、体の治療だけでは不十分なことが多く、ストレスに対処することが必要になってきます。
■精神的疲労の特徴
人は運動した後に疲れを感じるのはもちろんですが、日常生活では、特に体を動かさなくても、精神的なことが原因で疲れることの方が多い傾向にあります。疲れを感じやすいのは朝方
肉体的疲労は、筋肉などを酷使することが原因なので、一日の活動と共に強くなり、活動を終えた夜間にピークになります。しかし精神的な疲労は、朝、目が覚めた時、一日を始める前のほうが大きい傾向があります。休んでも疲れが取れにくい
筋肉の疲労が原因の肉体的疲労では、休息を取ることで疲労から回復できますが、精神的疲労は、休息をとってもあまり疲れが取れない傾向にあります。精神的疲労は睡眠にも影響しますので、睡眠の質が低下してしっかり眠ることができず、疲れが取れなくなるのです。疲労を感じやすいとき
通常、疲労は、体に負荷がかかればかかる程大きくなるものですが、精神的疲労ではストレスのかかり具合によって、疲労感が大きくなったり小さくなったり変動する傾向があります。何が精神的なストレスの原因なのかをはっきりさせる為には、どんな時、どのように疲れたかを記録しておくのもよいでしょう。精神疲労は慢性化しやすい
肉体的な疲労は、通常は数日以内で回復しますが、精神的な疲れは慢性化しやすい傾向があります。もしも、疲労感が1~2週間以上続いていて、睡眠障害があったり、イライラしやすくなったり、仕事の能率が低下してしまったりする場合には、疲労からうつ傾向になっている場合がありますので注意が必要です。【疲労対策】
ストレスからくる精神的疲労は、気力・活力の低下、睡眠の質の低下を招く恐れがあります。リラックスハーブといわれる「ラフマ」は、セロトニンの産生を促し、それによって神経伝達物質のバランスを整えます。すると睡眠を司るメラトニンに影響し「睡眠の質」の改善に期待ができます。肉体的疲労の原因であるエネルギー産生の低下には、霊芝・コエンザイムQ10・L-カルニチン・α-リポ酸が機能して働くシステム「ミトコンドリアスクエア」が有効です。また、霊芝による血流対策は、肉体・精神疲労の回復に期待できます。