GWのお出かけ、マダニの感染症に注意!
ゴールデンウィークを迎えるこれからの季節、屋外で活動する機会が増えますが、従来は主に西日本の太平洋岸での発生が多かったマダニによる感染症「日本紅斑熱」が、近年は日本海側や東北地方にも増えているので注意が必要です。専門家は「病気を持っているマダニの割合は少ないが、屋外ならどこでも起こり得る『常在感染症』だ」と警鐘を鳴らしています。
Aさん(70代男性)は、発熱と全身のだるさという風邪のような症状でかかりつけ医を受診しました。抗生物質でも改善せず、別の医療機関に入院することになりました。
足や腹部に日本紅斑熱の特徴の一つ、赤い発疹が出ていましたが、入院先の担当医師も「原因が分からず、薬によるアレルギーも疑った。いろいろな抗生物質を試したが全く良くならなかった」と話しています。
Aさんは重症化して一時心不全の状態になり、発疹も広がっていました。担当医師は前任地での経験から日本紅斑熱感染を疑い、その治療薬を使ったところ、症状が劇的に改善しました。ただ、Aさん本人は、山や日本紅斑熱が多い地域には行っていないしダニに刺された記憶もないと話していたそうです。
人に付くことが最も多いタカサゴキララマダニの成虫 |
同研究員らが福井県の海岸部でマダニの生息状況を調べた結果、感染症を媒介する南方系のチマダニ類やキララマダニ類が多く見つかりました。これは西日本と変わらない生息状況でした。
日本紅斑熱は、発生地域の拡大とともに患者数も急激に増えています。84年の病気発見以来、年間の発生数は10~20例でしたが、国への届出が義務付けられた99年以降は右肩上がりで、14年は240例に上りました。
急増するシカやイノシシの北上に伴うマダニの移動が原因とみられています。
また、これまでに全国で110人の死亡例がある重症熱性血小板減少症候群(SFTS)のウイルスも福井県のマダニから確認されています。
マダニの生息は山林や野原だけではありません。海岸部、民家の裏庭、田畑、あぜ道、河川敷でも感染例があるそうです。
高田特別研究員は「医療者にも(マダニの感染症は)山野で起こるという誤解がある。長袖、長ズボンでも、マダニは裾から入ってくるので、屋外で活動した後は刺されていないか注意してほしい」と呼び掛けています。
(福井新聞 150417)
■ダニからの感染症とその予防対策
ダニに刺されることで起こる感染症はリケッチア*やウイルスという病原体を保有するダニなどに刺されることにより起こる感染症です。2011年に初めて特定された新しいウイルス(SFTSウイルス)を保有するマダニに刺されることによって引き起こされる「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」や、リケッチアや細菌など病原体を保有するマダニに刺されることで感染する「日本紅斑熱」「ライム病」「回帰熱」、また「つつが虫」に刺されることによって感染する「つつが虫病」などが主な病気です。 いずれも、すべてのマダニ、つつが虫が病原体を持っているわけではありませんが、ダニ等に刺されないための注意が必要です。*リケッチア:Rickettsia属の微生物の総称。ウイルスと同様細胞外で増殖できない。
SFTSの発生時期と発生地域 (国立感染症研究所)
ダニの感染症を予防するには
予防するためのワクチン等はありません。ダニに刺されないようにするのが一番の予防法です。マダニやつつが虫は木の葉や草むらの土の表面に生息しています。たとえ住宅地であっても次のことを心がけることが重要です。
★ できるだけ草むらに入らない。
★ 野山に行く時は長そで、長ズボンなどできるだけ肌を露出しない。
★ 草の上に直接座ったり、寝転んだりしない。敷物を利用する。
★ 脱いだ上着やタオルは、不要意に地面や草の上に置かない。
★ 虫よけスプレーを活用する。
センダン葉エキス配合の『ルチンG』
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康復医学学会の研究素材の一つ「センダン葉エキス」には、さまざまな感染症の病原体に対応する予防作用が認められています。
センダンには、もともと虫を寄せ付けない“忌避効果”があり、センダン葉オイルの20~100%各濃度において、マダニの幼生が27時間以内に死滅するという試験結果が確認されています。
今後、SFTSや日本紅斑熱など、ダニの感染症に対する予防対策としての製品開発とその効果に期待が寄せられています。
いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 村雨カレン