2015年5月29日金曜日

プリン体と高尿酸値対策

高尿酸血症・痛風 プリン体少なくても過食は厳禁!

血液の中の尿酸の値が7mg/dlを超えると高尿酸血症と診断されます。そして高尿酸血症の状態が長く続くと、血液に溶けきらなかった尿酸は結晶になって関節に沈着し、急性関節炎(痛風)を引き起こします。指の付け根に激痛が走る症状はよく知られています。高尿酸血症の人は痛風にリーチがかかったと思っておいた方がいいと思います。

 痛風患者の9割以上は男性で、女性患者は非常に少ないのですが、これは女性ホルモンが尿酸の排せつを促す作用があるからだといいます。成人男性の約4人に1人は尿酸値が7mg/dlを超えているそうです。
 尿酸値が高くなる最大の要因は、食べ過ぎと肥満。生活スタイルから見ると、仕事も遊びもバリバリやり、激しいスポーツも楽しみ、たらふく食べて、エネルギッシュで元気な男性ほど痛風になりやすい傾向があります。

 東京女子医大付属膠原病リウマチ痛風センター所長の山中寿教授は、痛風の予防策として「まずは食べ過ぎとアルコールの飲み過ぎに注意することが大事だ」と強調します。
 尿酸値が高めでアルコールを飲む人なら、量を減らす。太っているなら、食べ過ぎに注意しやせる努力をする。水分を摂る量が少ない人は1日2リットル程度の水を飲むようにするなど、まずは生活習慣を改善することが不可欠です。
 尿酸値の高い人は血液中の中性脂肪やコレステロールが高かったり、高血圧だったりするケースが多く、脳卒中や心筋梗塞などのリスクも高くなる傾向があるので、「尿酸値が高いと言われたら、それは生活習慣病への警鐘だと受け止めてほしい」(山中教授)。

 プリン体は細胞の核を構成する成分で、ヒトの体内でも生成、分解されており、それ自体は細胞の新陳代謝に必要です。穀物、肉、魚、野菜など食物全般に含まれます。
 しかし、プリン体は体内で尿酸に代謝されるため、プリン体の多い食品を大量に摂取すると体内の尿酸が増えることになるのです。

 プリン体の多い食品は鶏や牛、豚のレバー、イワシやサンマの干物、シラコ、カツオなどです。プリン体はうまみ成分でもあるため、おいしいものに多いのが悩みです。ただし、どの食品にも多かれ少なかれ含まれているため、プリン体の少ない食品でも、たくさん食べればプリン体の摂取量は増えることになります。
 山中教授は「どんな食品を食べようが、食べ過ぎないことが一番大事だ」と語っています。

■プリン体と高尿酸値対策

ビールはプリン体が多いから他のお酒にすべき?

アルコールではビールに多く、ウイスキーや焼酎など蒸留酒にはあまり含まれません。だからといって蒸留酒ならどんどん飲んでよいわけではありません。山中教授は「アルコール自体が尿酸値を上げるリスク因子。プリン体の少ないアルコールをどんどん飲めば、尿酸値は上がってしまい、逆効果だ」と述べ、飲み過ぎ食べ過ぎは禁物だと指摘しています。
 つまり、どの種類のアルコールを選ぶかは高尿酸血症の予防にとって本質的な問題ではないのです。

吸収を抑える乳酸菌

最近、プリン体に作用して腸管から吸収されるプリン体の量を減らすという乳酸菌(PA-3乳酸菌)入りヨーグルトが登場しました。この乳酸菌はプリン体を菌の体内に取り込んだりする働きがあり、ラットを使った動物実験でプリン体の代謝産物である尿酸量が減ることが確かめられています。同乳酸菌の効果を人でも確かめた山中教授は「尿酸値がやや高めの人が食べ過ぎに用心しながら、利用する分にはお勧めしたい。ただし、尿酸値が高い状態が続き、すでに痛風を発病した人が利用しても効果はない」とし、生活スタイルを改善するきっかけにしながら利用する方法を勧めています。

果糖の摂り過ぎにも注意が必要!

意外ですが、気をつけたいのは果糖の摂り過ぎです。
 果糖は、肝の酵素(フルクトキナーゼ)によって代謝され、フルクトース1-リン酸になりますが、その際、ATPからリン酸を奪うため、ATPの分解が進みます。その結果、最終産物として、尿酸が増えてくるのです。
 果糖の摂り過ぎは尿酸値を上げる要因になるため、果物の摂取もほどほどに。
(毎日新聞)

痛風の発症するメカニズム

 高尿酸血症が長く続くと、関節の滑液膜という場所に尿酸塩結晶が析出して微小さな結節(微小痛風結節)を作り次第に大きくなっていきます。さらに経過すると、ある日突然に結節から針状結晶が関節腔内に崩れ落ちます(結晶脱落)。関節腔内に脱落した針状結晶は生体にとって異物ですから、これを排除しようとして白血球が激しく攻撃するので炎症が起こります。
 これが痛風性関節炎、すなわち「痛風発作」です。

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 正常ならば、血液中に溜まった尿酸は腎臓から尿中へ排泄します。しかし、プリン体を過剰に摂取し、新陳代謝機能が衰えて尿酸の排泄機能が低下してくると、尿酸値は上昇してしまいます。尿酸が過多に蓄積された状態は、いわゆる「瘀血(おけつ)」という病理症候といえます。

 当学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」の免疫増強・消炎・血栓溶解等の各作用は、瘀血を改善することで新陳代謝機能を促します。これまでに多くの高尿酸血症や痛風に苦しむ方々の尿酸値を下げ平癒させています。


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 村雨カレン

2015年5月27日水曜日

ペット由来感染症

ペットによる感染症のリスク

  かわいいペットを撫でたり抱きしめたりするのは、飼い主にとって至福の時。しかし、多くの愛玩動物がもたらす「ペット由来感染症」の危険にはもっと注意を払って、とカナダとアメリカの研究者が警告しています。

 オハイオ州立大学のJason Stull氏らは、カナダの医学誌「カナディアン・メディカル・アソシエーション・ジャーナル」に、ペットに起因する感染症のリスクとその対処法についての研究成果を公開しました。
 指摘されているのは犬や猫、鳥やハムスターに爬虫類や両生類まで、あらゆるペットからの感染症が持つ危険性です。感染の機会は、噛み付かれたり引っかかれたりといった接触の他、糞の始末、かごや水槽の清掃、顔をなめられた際など様々。
 具体的な病原菌としては、犬や猫からは下痢をもたらすカンピロバクター、猫ではさらに発熱や炎症の元となるバルトネラ菌。さらにESBL産生菌メチシリン耐性黄色ブドウ球菌ディフィシル菌といった耐性菌も挙げられています。
 たとえば、パスツレラ属菌は約1μmという小さな短桿菌で多形成を示し、ネコの口腔内には約100%、イヌでは約75%と他の人畜(獣)共通感染症と比較にならないほど高率に常在しています。
 また、爬虫類や両生類で注意が必要なのはサルモネラ菌の感染。20歳以下のサルモネラ症患者のうちおよそ11%が、そうしたペットからの感染によるといいます。

 また犬や猫からは寄生虫感染のリスクもあり、特にトキソプラズマは胎児に感染し流産の原因ともなりうるといいますから、妊婦には注意が必要です。
 妊婦以外でも、とりわけ5歳以下の子ども、65歳以上の老人、免疫系に問題を持つ人は、ペットからのあらゆる感染症に気をつけるべき、と研究者たちは警告しています。一般人より重い症状、長期の症状、複合症を患うリスクが高まるのです。感染症の予防としては、まずは一般の衛生規則に従い、ペットに触れたあとは必ず手を洗う必要があるとアドバイスしています。
 その他、かごや水槽、トイレの掃除は手袋をはめて行い、また、定期的に獣医に点検してもらうことが推奨されています。

 ペットとの生活は心理的な癒しともなりますし、身体的にも活動の機会を増やしてくれます。しかし衛生上のリスクについて知識や配慮が欠落すれば、飼い主にとってもペットにとっても不幸な事態を呼び起こしかねません。十分に注意をしておきましょう。
出典元:Reducing the risk of pet-associated zoonotic infections - CMAJ

■ペット由来感染症の予防

ペット由来感染症が最近増加した原因

1.ペットの数と種類が増加したこと(一人暮らしが増え、また輸入動物が増加)。
2.室内で飼育することが多くなったこと(感染の機会が増加)。
3.濃厚接触する機会が増えたこと。

感染経路の理解と予防対策

予防は個々の病気について、どのようにして感染するのかよく理解して感染しないようにするのが第一です。そのために日常生活上注意することは、

1.過剰なふれあいはしない(細菌やウイルスなどの病原体が動物の口や爪の中にいる場合があるので、スキンシップや口移しで餌をあげない)。手洗いを励行する。
2.動物とその飼育環境を清潔に保つ。
3、糞尿は速やかに、適切に処理する。

などがあげられます。


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 ペットの糞の始末、かごや水槽の清掃には、当学会の研究素材「ホタテ貝殻焼成カルシウム」の強アルカリ性(除菌・抗ウイルス作用)が期待できます。また、「HM-3000(特系霊芝)」のリンパ球増殖への影響や免疫因子産生の促進、「センダン葉」によるウイルス不活化作用・細胞膜安定作用は、ウイルスの進入阻害に期待できます。
 ペットをお飼いになっている方は、ぜひペット由来感染症の予防にお役立てください。

 皆さんが正しい知識を持って、ペットと一緒に健康で豊かな生活を送って頂く助けとなれば幸いです。

いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 村雨カレン

2015年5月22日金曜日

視覚障害発症後の予防策

成人眼科検診で日本の失明者数が減少する!?

成人眼科検診を行うと、日本の視覚障害の主要原因5疾患による失明者数が36%減少するとの予測が発表されました。
これは、日本眼科学会総会(4月16~19日)のシンポジウム「成人眼科検診は必要か?」で杏林大学眼科学・山田昌和教授が報告したものです。
 日本の視覚障害は著しく増えていて、2030年には200万人に達するとみられています。また、疾病負担の指標の1つ、障害生存年数(YLD)は脳卒中に匹敵するとされ、患者のQOL(生活の質)に与える影響は極めて大きくなっています。このため、視覚障害の増加阻止に向けた対策の必要性が叫ばれています。

 日本の視覚障害の主要原因疾患は、緑内障、糖尿病網膜症、変性近視、加齢黄斑変性および白内障。この5疾患で全原因の4分の3を占めます。年齢は半数が70歳以上、72%が60歳以上とされることから、高齢者の対策が望まれています。

 視覚障害発症後の予防策として近年、期待する声が高まっているのが成人眼科検診です。
「発症から障害発生までの期間が比較的長く、有効な治療法が存在することから、眼疾患は検診に適した病気といえる。しかし、その医学的効果や費用効果は十分に検討されていない」(同教授)
 日本では従来、老人保健法に基づく基本健康診査で、医師の判断の下に眼底検査が行われていました。しかし、特定健診が導入された08年以降はほとんど実施されなくなりました。特定健診で血糖、脂質、血圧、腹囲の4項目全てが異常値を示し、医師が必要と認めた場合にのみ対象となる仕組みに変わったからです。

 日本の眼底検査(糖尿病患者対象)施行率は先進国の中で最低とされてきましたが、特定健診導入以降の眼底検査受診率はそれまでの約100分の1に落ち込みました。現在、眼科検診を独自に行っている自治体は、全市町村の数%でしかありません。今回の報告では、疾患ごとの検討から、疾患によって検診の効果が異なることも示されました。
 最適な検診プログラムも異なる可能性が推測されますが、眼科検診は「5疾患全般をある程度の感度、特異度で発見できる強みがある」(同教授)とし、治療効果が現状のままであったとしても、5疾患全体で失明者を36%減少させることができると予測しています。
 また、失明者を30%減少させるには、検診を40歳で開始し、70歳まで5年に1回実施する必要があるとしています。

■視覚障害の主要原因5疾患

【緑内障】

眼圧により視神経が慢性的に圧迫されることで視神経の障害を生じ、放置するとかすみがかかったように視野が狭くなり、失明する可能性もある病気です。ごくまれに、急激に眼圧が上昇し、一時的に吐き気や頭痛、眼の痛み、目のかすみを自覚することがあります(急性緑内障発作)。

【糖尿病網膜症】

糖尿病の合併症のうち、目に起こるものの中で最も重要なものが糖尿病性網膜症です。一度進展してしまうと治りにくく、しばしば失明の原因となります。現在日本において、年間3000人が糖尿病が原因で失明しており、中途失明の原因の第一位となっています。

【変性近視】

病的近視ともいい、眼鏡をかけても視力が1.0未満しか出ないか、視野に異常が出る近視をいいます。

【加齢黄斑変性】

網膜の黄斑というところに異常な老化現象が起こり、視力や視野が低下してくる病気で、視野の中央がよく見えない、ゆがむ、暗く見えるなどの症状が表れます。黄斑は網膜のほぼ中央にある、物を見る要の部分です。欧米では中途失明原因のトップが加齢黄斑変性です。

【白内障】

本来透明なはずの水晶体に濁りが生じて、網膜に鮮明な像が描けなくなる病気です。濁りの範囲は少しずつ拡大し、濁り度合も進んで、徐々に見づらさがひどくなっていきます。白内障の大多数は加齢白内障(老人性白内障)で、加齢とともに誰にでも起きる変化です。

重要な目には常に十分な酸素と栄養を!

人の五感=五官(目、耳、鼻、舌、皮膚)といって、その人が現在おかれている状況を的確に察知・判断するためのレーダーとなる組織です。五官には多くの毛細血管や微小血管が存在しており、ここの不調を総称して微小循環障害と呼びます。人の身体を形成している約60兆個といわれる細胞はそのほとんど全てが微小循環の影響を受けています。
 とりわけ目は、光を感じ、物の形や色を識別することで、他の感覚器と比べても豊富な情報を得ることが出来る器官です。重要かつ繊細な働きをするために、目は常に多くの酸素や栄養を必要としているのです。

『和漢研アイマスク』
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 「HM-3000(特系霊芝)」の特異成分トリテルペノイド(ガノデリン酸など)は、微小循環を改善して細胞に必要な酸素や栄養分を十分に供給しますので、目の病気対策として重要な役割を果たします。
 また、人が日常的に情報量として脳がインプットしている割合は、視覚から80%以上が入るといわれています。アイマスクをかけて強制的に光をシャットアウトし目と目の周りを温めると、網膜や三つの眼筋(虹彩筋、毛様体筋、外眼筋)の緊張が緩和され、脳のストレスも一気に解消されます。


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光・愛・感謝 村雨カレン

2015年5月20日水曜日

アルツハイマー病

アルツハイマー病に関する明るい話題、次々と

今月、認知症の中で最も症例が多いアルツハイマー病の進行に、免疫細胞が関与している可能性があるとする論文が、米研究チームにより発表されました。
 米デューク大学の研究チームが米専門誌「神経科学ジャーナル(Journal of Neuroscience)」に発表した論文によると、免疫系がヒトに近い形に作られたマウスでの実験の結果、アルツハイマー病の初期段階で、本来は脳を保護する「ミクログリア」という免疫細胞が分裂して変化し、重要な栄養素であるアルギニンを消費し始めることが分かったとのこと。
 チームは、発症前のマウスにジフルオロメチルオルニチン(DFMO)という低分子薬剤を投与しこのプロセスを阻止することで、脳内のプラーク発生と記憶喪失予防に成功したといいます。
 今回の研究では、免疫細胞の具体的役割の解明はできませんでしたが、アルツハイマー病発症の新たな要因特定と治療法開発につながる可能性がある、と伝えています。

 一方、日本では、アルツハイマー病の治療薬と市販の漢方薬「人参養栄湯」との併用で、患者の認知機能低下や病気に特徴的なうつ状態に回復傾向がみられたというニュースが流れました。
 慶応大などのチームが、近く日本老年精神医学会の英文誌に発表します。今後、患者数を増やし、効果の検証や仕組みの解明を進めるとのことです。
 アルツハイマー病患者の脳では、情報をやり取りする神経細胞の突起を包む「ミエリン」と呼ばれるサヤが失われることが分かっています。チームが、アルツハイマー病マウスに、様々な薬剤を投与したところ、病後の体力低下や疲労回復などに使われる人参養栄湯では、失われたミエリンが再生されたのです。自ら意思決定できる中程度の進行度の患者を選び、同意を得た上で、2011年から2年間、既存の治療薬「ドネペジル」(毎日5mg)と人参養栄湯(同7.5g)を患者12人(平均年齢75歳)に投与。ドネペジルのみの患者11人(同75歳)と、症状の変化を比較しました。その結果、6カ月後には、併用した患者群ではドネペジルのみの患者に比べ、うつ状態を示す数値が改善し、その効果は2年続きました。また、記憶や判断力などの認知機能もほぼ同様の効果がありました。
 一方で、妄想や無関心など他の症状では両者に差はありませんでした。
 チームの阿相皓晃・慶応大講師(神経科学)は「人参養栄湯のみでも有効なのか、重度の患者に効果があるのかなど、研究を続けたい」と話しています。

■ミクログリアとミエリン

ミクログリアは“諸刃の剣”

脳の中には大きく分けて2種類の細胞が細胞が含まれています。一つは私たちが見たり聞いたり触ったりした情報を修理する「神経細胞(ニューロン)」で、もう一つはそのニューロンを支え栄養を与える「グリア細胞」です。グリア細胞は主に3種類ありますが、その中でちょっと変わった細胞が「ミクログリア」です。

 ミクログリアはマクロファージのような性質を持っており、脳細胞が死んでしまえばそれを食べて組織をきれいに保とうとします。病原体などと戦うときには倒すために様々な毒性の物質を出しますが、うまく制御できないとそれが健康なニューロンにも作用して殺してしまうことがあります。もちろん、ミクログリアはニューロンの栄養となる物質を出してニューロンを保護することも知られており、ここからミクログリアは“諸刃の剣”といわれるのです。
 浜松医科大の研究では、自閉症の人はミクログリアが過剰に働いていることを突き止めており、これがセロトニントランスポーターの低下と相関関係にあることがわかっています。

 また、慢性疲労症候群の原因の一部にミクログリアの活性化の可能性があるとする名古屋大学などの研究や、今号1枚目の、ミクログリアがアルギニンを消費することがアルツハイマー病の一要因とする研究発表など、ミクログリアのさらなる解明により、現代病のいくつかの治療が進むことが期待されています。

ミエリン再生に対する研究に期待

 生後何らかの理由によりミエリンが壊れはがれる病気を「脱髄疾患」といいます。脱髄疾患の中で最も多いのは「多発性硬化症」と呼ばれる疾患で、世界で250万人の患者がいます。

 また脱髄疾患には分類されていませんが、脳梗塞やアルツハイマー病においてもこのミエリンに障害が出ることが分かっており、最近では統合失調症等の精神疾患においてもミエリン異常が仮説として提唱されています。即ち、世界で数千万人規模の人がミエリンに障害を持ち、そのための症状に苦しんでいると推定されています。

 現在のところ、一度壊れた髄鞘を治療として再生させる薬はありません。前項の慶応大などの研究に期待が寄せられています。

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 微小循環の改善は、アルツハイマー病も含めた認知症全般に対して有効です。「HM-3000(特系霊芝)」は、血流改善だけでなく、スコプラミン薬による記憶障害などに対しても影響を与えることがわかっています。
 今年、宮崎県の認知症患者がHM-3000配合商品を使用して症状が改善したとの報告がありました。この件は、来年開催される「第1回康復医学学会日本」の大会で、薬局の先生から発表していただく予定です。
 また、神経細胞膜の流動性に影響するデータを持つ「ラフマ」は、ミクログリア活性の抑制に期待ができます。


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光・愛・感謝 村雨カレン

2015年5月15日金曜日

腸内細菌

“和食”で腸内細菌のバランスを維持

2013年、和食の「ユネスコ無形文化遺産」への登録は記憶に新しいところです。

 そして、様々な食材を少しずつ食べる和食のスタイルが腸内細菌のバランス維持に寄与していることが最近の研究でわかりました。
 東北大大学院農学研究科の都築毅准教授は、食事を摂った際の消化・吸収のために働く部位や経路に関する研究を行いました。
 その結果、少量ずつ多種類の食材を摂れば、異なる消化・吸収機構で処理され、特定の臓器への負担が減少することを突き止めたのです。様々な食材を少しずつ摂るメニューは、かつて日本の多くの家庭で日常的に食卓に上っていたものです。
 「伝統的な和食は、消化吸収機構にとって大きなメリットがあるだけではない。特定の栄養素に偏らず、脂肪の摂り過ぎも防げる」(都築准教授)
 高脂肪食によるメタボや糖尿病など生活習慣病の予防が期待できるのです。

 腸内細菌と病気の関係に詳しい慶応大医学部微生物学・免疫学教室の本田賢也教授も、「細菌によって餌となる栄養素が違うのだから、多種類の食材を摂取するのがよい」と指摘します。
 腸内にいる1,000種類、100兆もの細菌は重さ1kgにも上り、総称して腸内細菌叢(そう)といいます。

「腸内細菌叢の共生関係のバランスを保つことが大切。しかし、少品種の食材や同じメニューの食事ばかりを続けると、特定の細菌にだけ餌を与えることになり、バランスが崩れてしまう」(本田教授)
 そうなると、肥満やメタボのほか、アレルギーなどの免疫疾患につながることもあります。腸内細菌の中でも悪玉菌に対しては餌を与えない方がいいようにも思えます。しかし、「単独では悪玉に見えても、周囲の菌との共生により善玉の働きをする場合もある。多種類の菌を保つことが何より重要」とのこと。
 多種類の菌に効率的に餌を行き渡らせることができる和食に対し、欧米型の高脂肪食は、肥満を起こす細菌が増えていく食事です。

 忙しい現代人にとって「多種類の食材を少しずつ」という食事はなかなか難しいものです。牛丼ならば大盛りをやめて卵やサラダを注文するとか、ラーメンならトッピングの種類を増やすなど、外食にも工夫が必要です。
 そして、腸内細菌の働きに着目した研究は世界でも注目されています。米ワシントン大の研究は、食べ過ぎや運動不足だけでなく、腸内細菌が肥満の原因となることを突き止め、米科学誌「サイエンス」に論文が掲載されました。

■食物アレルギーと腸内細菌

厚生労働省によると、正確な人数は把握できないものの、日本人の全人口の1~2%(乳児に限定すると10%)に、何らかの食物にアレルギーがあると考えられています。

 米国でもやはり大きな社会問題になっており、3歳下の子どもの6~8%、大人の3%が食物アレルギーを発症しています。また米国の食物アレルギーの子どもの数も増加しており、その原因について、これまでの研究では、近年の除菌し過ぎた生活環境や食習慣が、私たちの体にいる自然な細菌の組成を乱すためではないかと示唆されています。

腸内細菌が食物アレルギーを予防する!?

先日、米国シカゴ大学の研究チームは、私たちの腸内に住んでいる細菌が食物アレルギーを予防するという非常に興味深い発見を、米国科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America)に報告しました。
 共著者キャサリン・ナグラー教授は、研究報告の中で次のように述べています。
 「抗生物質の乱用、高脂肪食、帝王切開による出産、一般的な病原体の除去、さらには人工乳のような刺激などが、人類とともに進化してきた体内の細菌叢(細菌の集合体)に影響を与えています。我々の研究結果からは、このことが食物アレルギー増加の1つの原因と考えられます」

食物アレルギーが起こる仕組み

腸内で吸収されず残ってしまった余分な栄養素は、それに対応する腸内細菌の餌となります。ところが腸内にその食物に適合した細菌がいない(または少ない)と栄養素は異物(=抗原:アレルゲン)となり、対する抗体が多くできて強い免疫反応を起こしてしまいます。いわゆる免疫系の機能不全で、この免疫反応がアレルギー反応となって現れるのです。つまり、アレルゲンに対応した腸内細菌が多ければ食物アレルゲンへの感作を減らせるのです。たとえばピーナッツのアレルゲンに対しては腸内に常在しているクロストリジウム菌が防御的な役割を持っていることが発見されています。

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【食物アレルギーに対する改善策】

○多種類の菌を保つ食事を心がける:
 同じメニューや少品種食材の食事では特定の腸内細菌ばかりが増えアレルギーを起こしやすい腸内細菌叢を形成してしまいます。さまざまな食材を摂って腸内環境を整えましょう。和食のメリットはここにあります。

○腸壁の絨毛内の微小循環を改善する:
 必要な栄養素の腸内での吸収が悪いと、その栄養素がアレルゲンとなり免疫反応を起こす場合があります。微小循環を改善することで、腸壁の抹消血管の栄養素吸収効率が高まり、アレルギー反応の減少が期待できます。康復医学学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」には、微小循環系の改善作用と、免疫系のバランスを調整する作用に関するエビデンスがあります。


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光・愛・感謝 村雨カレン

2015年5月13日水曜日

腸と脳のセロトニンの働き

小腸は脳の支配を受けない!?

 「小腸がん」という言葉はあまり聞きません。非常に稀な病気です。それに対して大腸がんは部位別がん死亡率の男性が3位、女性が1位と近年増加しています。

 小腸にがんが少ないのはなぜでしょう? 

 一つには発がん性物質の分解酵素が大腸よりも強く免疫細胞の働きが活発で、がん細胞を排除するためと考えられています。その仕組みは、小腸の粘膜には「バイエル板」というリンパ球細胞が密集している独自のリンパ節があり、このリンパ球が体に有害な物質を撃退し、体内に吸収させないようにしているのです。

 小腸にがんが少ないもう一つの理由は、小腸の神経細胞が脳の支配から独立しているからと考えられます。小腸には約一億個の神経細胞がありますが、それらは脳の神経細胞とほとんどつながっておらず、脳の支配を受けていないのです。胃、肝臓、腎臓などは腸から分かれた臓器で、小腸から指令を受けているのです。それに対して、大腸は脳と密接につながっています。そのために、小腸は脳のストレスの影響を受けにくいのに対して、大腸はストレスの影響を受けやすいのです。それが、大腸にはがんができやすいのに対して小腸にはがんができにくい理由ではないかと考えられます。

 小腸はときに、脳にも指令を出しています。たとえば、毒物などが入ってきたときには、脳の嘔吐中枢を刺激して吐かせようとするのです。

 アメリカの生理学者マイケル・D・ガーションは『セカンドブレイン~腸にも脳がある』という本を書いています。彼は、脳内に存在している「セロトニン」が腸内にも存在することを発見したのです。さらに、体内のセロトニンの95%が腸で作られていることをつきとめたのです。そこで、腸を「セカンドブレイン」と名付けたのです。彼はこの本の中で、「現在我々は腸に脳があることを知っています。とても信じられないことかもしれませんが、あの醜い腸は心臓よりずっと賢く、豊かな感情を持っているのです。脳や脊髄からの指令がなくとも反射を起こさせる内在性神経系を持っている臓器は腸だけです。‥‥頭蓋と腸の両方にそれぞれ別の感情を持つ脳を発達させたのです」と述べています。

 小腸は、脳とは別の系統で、体の動きをセロトニンをもってコントロールしているのです。免疫もその一つで、小腸の動きと密接にかかわっているのです。

■腸内のセロトニン、脳内のセロトニン

セロトニン (serotonin, 5-HT)は、トリプトファン(必須アミノ酸の一種)から生合成される神経伝達物質(ホルモン)です。体内に存在する約10mg程度のセロトニンのうち90%以上は消化器内にあり、これが「腸は第2の脳」といわれる理由の一つになっています。

 小腸の粘膜細胞内にあり、ぜん動運動に作用し、消化を助けて整腸作用があります。昨今急増している過敏性腸症候群(IBS:慢性的な下痢や便秘などを伴う腹痛が繰り返される疾患)の症状にもセロトニンが関連しているといわれています。

 体内の残り10%のセロトニンのうち、8%は血小板に収納され血液中を流れています。血液中のセロトニンには、血液を凝固させる止血作用や、血管の収縮作用などがあります。

人間の活動に大きな影響を与える脳内セロトニン

そして、ほとんどの病気の原因といわれる“ストレス”など人間の精神面に大きな影響を与えているのが、脳内の中枢神経に存在している残りの僅か2%の脳内セロトニンです。

 体内時計を調節したり、睡眠ホルモン・メラトニンの原料となったり、ドーパミンやノルアドレナリンの作用を制御して、気分や感情のコントロール、衝動行動や依存症の抑制をしたりしています。また、痛覚の抑制(鎮痛作用)、海馬における記憶力や学習効果にも影響を及ぼしています。咀嚼や呼吸といった反復運動の機能にも作用しています。

 脳内セロトニンは日常の些細なストレスによっても使われるため、ストレス社会といわれる現代においては、セロトニン量は不足気味で、セロトニン神経系の働きも鈍ります。うつ病などの精神疾患が増える原因でもあります。

脳内セロトニンの原料を食事で摂るのは難しい

脳内セロトニンを増やすために、原料のトリプトファンを多く含む食材を食べればいいと勧めている先生もいらっしゃいますが、実はそう簡単ではありません。トリプトファンの代謝は極めて多様であり、また複雑です。食事で摂ったトリプトファンがセロトニン経路に使われるのはごく一部で、しかも大部分が腸内のセロトニン合成に消費されます。

 また、食事で摂ったトリプトファンはなかなか脳内には入りません。トリプトファンは、血管から脳へと入る物質の関所「血液脳関門」の通過にあたり、他のアミノ酸(バリン・ロイシン・イソロイシン・フェニルアラニン・チロシン・メチオニン)と共通の輸送体を使って脳内に入るため、高たんぱく食など他のアミノ酸が多い環境ではトリプトファンは脳内へほとんど入らず、脳内セロトニンの合成にはつながらないのです。

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【脳内のセロトニンを活性化させるには】 

PCやスマホの登場が
睡眠不足に追い討ちをかけている
基本は不規則な生活や睡眠不足などの生活習慣の改善です。セロトニンは太陽の出ている昼間に分泌されやすく、睡眠中や日が沈んでからは分泌が少なくなります。人間が本来持っている『昼間に活動し夜は寝る』という生活リズムが大切です。
 また、セロトニンにはリズミカルな運動によって活性化されるという特徴がありますから、歩行運動、食事の際の咀嚼、意識的な呼吸などを心がけましょう。

 康復医康復医学学会の研究素材「ラフマ」には、脳内セロトニンの分泌促進に影響するデータ、及び脳神経細胞膜の流動性に影響するデータがあります。


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 村雨カレン

2015年5月8日金曜日

心因性腰痛

ストレスと腰痛の関係

一見何の関係もなさそうに見えるストレスと腰痛ですが、整形外科医の間では「当たり前」の間柄なのだそうです。

――Aさん(男性45歳)は10年来の腰痛持ち。一日中パソコンに向かっているうえに、自他ともに認める“悪姿勢”。イスに浅く座るか、反対に猫背になるかの両極端。次第に腰の痛みは激化し、日によっては歩くのもつらいほどの激痛に襲われることもある。
 腰の痛みで車の運転ができず、しかたなくバスと電車を乗り継いで出勤することもある。電車では、席が空いても座れない。一度座ってしまうと、立ち上がるのに大変な労力を要するからだ。なのに職場の仲間は、「健康的でいいじゃない!」と笑うだけ。腰痛に対する深刻さの度合いに、当人と周囲の間に大きな温度差がある。Aさんが「死ぬほど痛い」と訴えても、周囲は「腰痛では死なないから大丈夫」と取り合わない。彼のストレスは無限大だ。――

 「そのストレスが腰痛を悪化させている可能性がある」と語るのは、帝京大学溝口病院整形外科教授の出沢明医師。その仕組みをこう解説します。

 「何らかの要因で腰痛が起きると、脳の側坐核が反応して報酬・快楽物質であるドーパミンという物質を出します。ところが精神的ストレスが多いと側坐核が正常に働かなくなり、痛みのコントロールができなくなるのです。腰痛に対する周囲の無理解などは、まさにその典型的な例です」

 出沢医師によると、ストレスが原因で痛みが増強している人の場合、いわゆる痛み止めの薬ではなく、抗うつ剤などの精神症状に対して使われる薬を服用することで、症状を緩和させられることも多いとのことです。心の悩みと腰の痛みが“深い仲”だということは、やはり本当だったのです。

 自分の腰痛のひどさ、つらさを訴え続けるAさんと同じ悩みを抱いている人は、一度病院に行って診てもらいましょう。

■心因性腰痛と下行性疼痛抑制系

腰痛の中には、ストレス、不安、うつなどの、心の不調が原因の一つとなって起こるケースがあります。こうした腰痛は「心因性腰痛症」と呼ばれ、ストレスの多い現代社会においてとてもよく見られるようになりました。

心因性腰痛の特徴

ストレスや不安などの“心理・社会的要因”が絡んだ腰痛では、以下の様な特徴が見られます。

○腰が痛いのに検査をしても異常がない:
 X線(レントゲン)やMRIなどの画像検査を行っても、腰の骨、椎間板、筋肉、神経などの組織に異常がみられない。

○治療の効果がない:
 色々な治療法を試しているのに治らない、鎮痛薬もあまり効かない、手術をしても痛みが消えない、一度治ったり症状が和らいでもすぐに再発する、など。

○腰痛以外の症状がある:
 腰だけでなく、全身のあちこちに腰痛以外の不調がみられることが多い(肩こり、不眠、胃の不快感、吐き気、動悸など)。

痛みを抑えるシステム「下行性疼痛抑制系」

人間の脳には、身体の損傷部分から神経を伝わってくる痛みの信号を抑制するシステムが備わっています。これを「下行性疼痛抑制系」といいます。
 下行性抑制系にはセロトニン系ノルアドレナリン系の二つの系があります。

セロトニン系の痛み抑制作用

痛みの信号が脳神経系に伝わる途中で、セロトニン神経は鎮痛効果を発揮します。一つは感覚神経が脊髄に入るところで起こり、次に痛みの情報がストレス反応に変換されるところで起こります。さらに、ストレス情報が恐怖や不安などの情動を起こすところでも抑制作用が現れます。このように、痛みの情報が順次処理されていく過程で、セロトニン神経は抑制作用を発揮します。

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また、ストレスの蓄積は「自律神経」のバランスも崩れます。自律神経が過敏になると痛みを感じるセンサーが強く働くようになり、少しの症状でも強い痛みを感じるようになります。
 セロトニンには、ドーパミン、ノルアドレナリンなど他の神経伝達物質の過剰な働きを抑制する作用自律神経のバランスを整える作用があるので、セロトニン不足になるとうつ状態やパニック発作、摂食障害などを引き起こします。
 当学会の研究素材「ラフマ」脳内セロトニンの増加及びセロトニン神経通過性の安定に作用します。


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 村雨カレン

2015年5月1日金曜日

慢性閉塞性肺疾患(COPD)

長期の喫煙習慣で発症する“COPD”

寄席やテレビでお茶の間に笑いを提供し続ける噺家の桂歌丸師匠。歌丸師匠といえばヘビースモーカーで有名な方です。
 01年の急性腹膜炎を始め、腰部脊柱管狭窄症、肺気腫、肺炎と、度々入退院を繰り返しますが、「慢性閉塞性肺疾患」と診断されるまでタバコを吸い続けていたそうです。今は禁煙生活を送っていますが、移動時に携帯用の酸素吸入器が手放せません。

 慢性閉塞性肺疾患(COPD:Chronic Obstructive Pulmonary Disease)とは、従来、慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気の総称で、タバコの煙を主とする有害物質を長年にわたり吸入曝露することで生じる肺の炎症性疾患であり、喫煙習慣を背景に中高年に発症する生活習慣病といえます。
 40歳以上の人口の8.6%、約530万人の患者が存在すると推定されていますが、大多数が未診断、未治療の状態であり、治療に取り組んでいるのは1割も満たしません。全体では死亡原因の9位、男性では7位を占めています。

 喫煙以外の危険因子には、大気汚染、職業上で吸入する粉塵、化学物質(蒸気、刺激性物質、煙)などがありますが、なんといっても喫煙はCOPDの最大の外因性危険因子であり、COPDの発症に関与することが立証されています。喫煙者の15~20%がCOPDを発症します。
 タバコの煙を吸入することで肺の中の気管支に炎症がおきて、せきやたんが出たり、気管支が細くなることによって空気の流れが低下します。
 また、気管支が枝分かれした奥にあるぶどうの房状の小さな袋である肺胞が破壊されて、肺気腫という状態になると、酸素の取り込みや二酸化炭素を排出する機能が低下します。COPDではこれらの変化が併存していると考えられており、治療によっても元に戻ることはありません

 症状としては、歩行時や階段昇降など身体を動かした時に息切れを感じる労作時呼吸困難や、慢性のせきやたんが特徴的です。一部の患者では、喘鳴や発作性呼吸困難などぜんそくの様な症状を合併する場合もあります。
 また、肺がんになる可能性が高く、同じ量のタバコを吸っていても、COPDの人はそうでない人に比べ、約10 倍肺がんになりやすいといわれています。さらに肺以外の病気も引き起こします。

 40歳以上で喫煙歴があり、せき、たんが長く続く場合や階段や坂道での息切れに気づいたら、医療機関を受診して肺機能検査を受けることをすすめます。

■COPD(慢性閉塞性肺疾患)の治療法と対策

一度破壊され変化を起こした肺は元に戻らない!

COPD で肺胞が壊れ、細気管支に炎症を起こすと肺機能が低下します。残念ながら、一度破壊され変化を起こした肺を元に戻すことはできません。しかし、症状を和らげたり、病気の進行を抑制したりすることは可能です。

COPDの治療

COPD 治療の管理目標は以下の6項目です。

 ① 症状とQOL(生活の質)を改善する。
 ② 運動能力や身体能力の向上させるまたは維持する。
 ③ 増悪を予防する。
 ④ 疾患の進行を抑制する。
 ⑤ 全身併存症や肺合併症を予防する。 
 ⑥ 寿命を延長する。

 COPD が進行すると呼吸困難の症状により、運動能力やQOLが低下します。このような状態を改善するために、薬物療法に加えて、運動療法や栄養療法、在宅酸素療法、日常生活の管理などを総合的に行うことになります。このような包括的な治療は「呼吸リハビリテーション」と呼ばれています。
 COPD は慢性の病気なので、治療は長期間に及びます。患者自身が病気と向き合い、病気とうまく付き合う能力を身につけ(セルフマネジメント)、生涯治療を続けていくことが必要になります。

最も重要な治療は"完全な禁煙"です!

 COPD 患者は、症状の急激な悪化(増悪)が命にかかわることがありますので、普段から増悪を起こさない対策が重要です。喫煙は呼吸機能の低下だけでなく増悪を起こす危険や肺がんになる可能性が高いので、すぐに禁煙をする必要があります。

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 人は、肺の中にある3億個の肺胞とその周りに網のように絡みつく毛細血管との間で行われるガス交換によって酸素を得ています。

 COPD患者の肺は肺胞壁が壊れてガス交換できない肺胞(肺胞死腔)があり、通常の呼吸だけでは全身組織への酸素量が足りなくなります。在宅酸素療法により酸素量を増やす必要があるのです。

 しかし、体内の血液と血流の働きが正常でなければ酸素が末端の細胞まで届かないのは同じこと。当学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」の血液循環に対する様々な作用は、肺胞と毛細血管とのガス交換、および全身への酸素の運搬・配送の改善を促します。

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光・愛・感謝 村雨カレン