2019年6月26日水曜日

がん対策




がん罹患率トップは長崎県で最下位は沖縄県、「全国がん登録」初集計

2019年1月、厚生労働省から2016年の「全国がん登録」の結果が報告されました。同年に施行された「がん登録推進法」に基づき、国主導でがん患者をデータベース化したもので、初の集計結果となります。

 性別不詳を含め、2016年に新たにがんと診断された患者は99万5132例(男性56万6575例、女性42万8499例)でした。
 臓器別の男性1位は胃がん(16.4%)で、前立腺がん(15.8%)、大腸がん(15.8%)、肺がん(14.8%)、肝臓がん(5.0%)が続きました。女性は乳がん(22.1%)、大腸がん(16.0%)、胃がん(9.8%)、肺がん(9.7%)、子宮がん(6.6%)でした。
 興味深いのは、同じ日本国内でも罹患率(がんになる割合)に地域差があることです。男女の年齢調整罹患率のトップは長崎県で、人口10万人当たり454.9人、次いで秋田県が446.3人、香川県436.7人でした。最も低い都道府県は沖縄県で356.3人、次いで愛知県の367.5人、長野県が367.6人でした。

 部位別でも地域差があります。たとえば胃がんの罹患率は、全国で人口10万人当たり48.2人に対し、新潟県74.7人、秋田県70.3人など、寒さが厳しい日本海側の地域が上位を占めました。一方、肝臓がんは全国の14.7人に対し、佐賀県が21.6人、愛媛県20.7人、福岡県20.6人など、近畿以西から四国・九州地方に多い傾向が認められています。
 胃がんリスクである塩分過多の食生活や、肝炎ウイルス感染者が多い地域など、以前から指摘されてきた危険因子の影響が如実に表れました。今後は各地の実情に沿った対策が求められるでしょう。

 国立がん研究センター・予防研究グループによる「日本人のためのがん予防法」では、
(1)禁煙(受動喫煙を含む)
(2)節度ある飲酒
(3)食塩は最小限に、野菜や果物を食べ、熱い飲食物を避ける
(4)1日60分以上の身体活動
(5)適正な体格指数(BMI)の維持
(6)肝炎ウイルス、胃がん予防につながるピロリ菌感染の有無を知り、適切に処置する
の6点を推奨しています。
※がん予防法パンフ ⇒ https://epi.ncc.go.jp/files/02_can_prev/150303E4BA88E998B2E38391E383B3E38395s.pdf

 個人的ながん対策も怠りなく。
(出典:https://diamond.jp/)

■"霊芝" がん対策の可能性

「霊芝はがんに対してすべて有効に働く」などと断定することはできません。しかし、霊芝に関する様々な研究では、がん対策に有効と思われる成果も多く、活用次第では思わぬ効用もあります。以下のような研究や可能性は知っておいて損はないところだと思います。

霊芝の有効成分など

●霊芝の特徴である苦味は、特異成分であるガノデリン酸(トリテルペノイド類)によるものです。ガノデリン酸は、がん細胞の増殖阻害活性が見いだされている成分です。

●200種以上の霊芝多糖類(β-D-グルカンなど)には、抗腫瘍をはじめ、双方向の免疫調節、抗酸化、肝組織の修復など、数多くの作用・効用が実証されています。

●キノコにはその生育中に特定元素を吸収し集積する特性があることが知られていますが、霊芝は特にGe(ゲルマニウム)の吸収と濃縮が著しいことが指摘されており、高単位のGeを含みます。霊芝に含まれるGeによって、体の中でインターフェロン*を誘起させる機能を高め、制がん効果を表すといわれています。また、Geには鎮痛作用も認められています。霊芝を長期間服用することにより、インターフェロンの産出能が高く維持され、がん細胞の自然退縮を促す可能性があります。
*インターフェロンとは:もともと人間の身体には"自然治癒力"が備わっているが、その能力に直接的に
も間接的にも働く物質がインターフェロンである。このインターフェロンには、免疫能を高める働きの他に、
強力な抗ウイルス作用や、がん細胞に対する抑制作用のあることも知られている。

レクチンという糖たんぱく質が、がん細胞のアポトーシス(細胞死)誘導活性を促すことがわかっています。植物や動物由来のレクチンに比べて、菌類(キノコ類)の研究は浅く、成果も少ないのですが、霊芝からはいくつかのレクチンが分離精製され、それらの特性が明らかになっています。

がん対策に有効な霊芝の作用

▶微小循環の血流改善
 体内環境を改善し、転移・浸潤の可能性を減らす。
▶免疫の調整作用
 生体機能恒常性の維持に影響を与え、腫瘍マーカー改善に導く。
▶酸素供給量の促進
 低酸素下では嫌気性であるがん細胞は細胞死しにくく、治療にも大きな障害になっている。霊芝は、酸素の供給量を増やす物質2,3-DPGの産生を促進してがん細胞の増殖を抑え細胞死を促す。
▶血栓の抑制
 がんによるストレスは血栓による副作用が起こる。しかし、血栓の溶解は異常出血の原因にもなる。霊芝は次々と形成される血栓の抑制に働く。
▶貧血対策
 がんは、治療の過程で造血系に影響が出る。そのため貧血になりやすく、細胞を低酸素状態にする。霊芝は造血前駆物質の活性を促す。


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愛・感謝 村雨カレン

2019年6月19日水曜日

食中毒と腸内環境

食中毒は減っていない!

梅雨時から夏にかけては、気温・湿度が共に上昇し、細菌が繁殖しやすくなります。それだけに一年で最も食中毒に気を付けなければならない時期です。食中毒は、腹痛、下痢、嘔吐などの不快な症状が重なり、時には生命が奪われることもあるだけに、油断はできません。 近年、冷凍・冷蔵技術が進歩したため、食中毒は減っているように思われています。ところが厚生労働省の統計調査では50年以上にわたり、毎年25,000~40,000人もの食中毒患者が発生しているのです。
 食中毒にはきのこやふぐの毒によるものなどもありますが、原因の大半は、細菌性のものです。こうした細菌をいかに繁殖させないようにするかが重要です。
 また同じものを食べても、食中毒を起こす人と起こさない人がいます。その違いは免疫力の差です。それだけに日頃から免疫力を低下させない生活を心がけることも、予防の大切なポイントです。
 食中毒は飲食店での発生が多く、家庭での発生率は20%程度。しかし保健所などに報告されていない、家庭での軽い食中毒の発生数は、実際には非常に多いと考えられています。冷凍庫付き冷蔵庫が普及した結果、食品保存が容易になり、それが油断につながります。
食中毒の原因となる細菌には、次のようなものがあります。

 最近は輸入食品が増え、また海外旅行での感染も少なくありません。日本ではあまり見られない細菌もあるので、知らない食品を生で食べるのはやめましょう。
(出典:https://www.healthcare.omron.co.jp/) 

■腸内環境を整えて、食中毒を遠ざける!

細菌が付着した食物を食べても、食中毒になる人とならない人がいるのは、免疫機能の違いによるものです。人は、悪影響を及ぼす菌などを撃退する免疫力を備えており、乳幼児やお年寄りなど免疫力が弱い人やお腹の調子が悪い人は、中毒を起こしやすくなります。日頃から免疫力を強くすることも大事な予防法の一つです。

腸内環境が免疫力を左右する

免疫力のカギを握るのが腸です。腸には、体内の免疫細胞の約6割が集中しているといわれています。健康的な腸内環境は、ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌が活発に機能しており、悪玉菌などがあまり活動していない状態です。善玉菌は乳酸や酢酸などを生み出し、腸内を酸性にします。これが悪玉菌の増殖を抑えて腸の運動を活発にし、食中毒菌や病原菌による感染を予防するほか、発がん性物質を抑制する腸内環境をつくります。腸内の善玉菌を増やすのに効果的なのが野菜です。特に「食物繊維」の豊富なさつまいも・切り干し大根・かぼちゃ・ごぼう・たけのこ・ブロッコリー・モロヘイヤなどはオススメ。「オリゴ糖」も善玉菌を増やす力があり、大豆・たまねぎ・ごぼう・ねぎ・にんにく・アスパラガス・バナナなどの食品に多く含まれているので、積極的に食事に取り入れていきましょう。

控えるべき、腸内環境を乱す食品

戦後の食生活の変化を一言で表現すれば、「三白食品の氾濫と肉(牛乳)の過食」にあると言えます。三白食品とは、白米(精白パン)、白砂糖、添加物のこと。白米(精白パン)と白砂糖は、ビタミン・ミネラル・酵素・食物繊維の大半を削り取られているため、腸内から排泄されにくく、消化酵素の活性鈍化、腸粘膜の機能失調を招き、その結果、腸内で異常発酵を起こして腸内腐敗を助長してしまいます。また、添加物はその大半が不自然な化学合成品なので、腸内フローラを乱すもとです。また、マーガリンやショートニングに使われているトランス脂肪酸も、細胞内の生化学構造を狂わせ、腸内環境に多大な悪影響を与えます。
 悪玉菌が大変好む肉や牛乳は、悪玉菌を繁殖させ、腸内を腐敗させます。当然、便は強烈な悪臭を発します。この悪臭成分には、硫化水素、アンモニア、インドール、ニトロソアミン等があり、肝臓を傷めたり、発ガン物質となったりします。これらの毒素が血液を汚し、生活習慣病の元凶となっているのです。
ほかに、腸内フローラを乱す要因として、冷え便秘暴飲暴食薬の乱用睡眠不足、それに忘れてはならないストレス等があります。

 腸内細菌は、ビタミン・ホルモン・タンパク質・酵素を合成し、消化吸収に加え、免疫機能にも大きく関わります。腸内環境を乱す要因をできるだけ少なくして、免疫機能を高めることは、食中毒の予防になり、ひいては健康寿命を延ばすことにつながるのです。


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愛・感謝 村雨カレン

2019年6月12日水曜日

PM2.5

大気汚染による死亡数、喫煙を上回る

世界疾病負担研究2015による推定値の2倍に

独マックス・プランク化学研究所の研究者らは、大気汚染による死亡を新たなモデルで検討。その結果、世界の大気汚染による死亡数は年間880万人(推定値の約2倍)と推定され、、喫煙による死亡数を上回ったとEuropean Heart Journal(20190312オンライン版)に発表しました。

欧州では79万人、40~80%がCVDで死亡

研究者らは世界保健機関(WHO)の人口密度、地理的情報、年齢、各種疾患の危険因子、死因などに関するデータと、16カ国41件のコホート研究に基づく新たなモデルを組み合わせ、大気汚染による死亡について検討しました。
 その結果、大気汚染による年間の直接および間接的死亡(超過死亡)数は欧州全域で79万人、欧州連合(EU)の28カ国では65万9,000人と算出。世界では880万人と算出され、世界疾病負担研究(GBD) 2015の推定値(450万人)の約2倍に及んでいます。

 また、世界の大気汚染による年間超過死亡率が人口10万人当たり120人であったのに対し、欧州ではこれを上回る133人となり、大気汚染は欧州人の平均余命を約2.2年短縮すると推定されました。

 欧州の大気汚染による超過死亡の原因は、虚血性心疾患(40%)が最も多く、脳卒中(8%)と合わせて少なくとも48%の死因が心血管疾患(CVD)でした。さらに、死因の32%を占めるその他の非感染性疾患も心血管疾患に関連すると見なされるとし、これらも合わせるとCVDが大気汚染による死因の40~80%を占めると推定されました。

 研究責任者で独ヨハネス・グーテンベルク大学マインツのThomas Munzel氏は「WHOは2015年の喫煙による超過死亡数を720万人と推定している。つまり、今回の結果は大気汚染による超過死亡が喫煙による超過死亡より多いことを示している。喫煙は回避できるが、大気汚染は個人の努力では回避できない」と指摘。「大気汚染による呼吸器疾患とCVDの主な原因は、微小粒子状物質(PM2.5)である。現在、EUにおけるPM2.5の年間平均濃度限度値は25μg/m3なので、これをWHOガイドラインの10μg/m3に引き下げるべきだ」と強調しています。

 また、今回の研究者の一人は「欧州では、大気汚染物質の大半が化石燃料の燃焼により発生している。再生可能エネルギーへの切り替えにより、欧州の大気汚染による死亡率が最大55%低減できる」と述べています。
(出典:https://medical-tribune.co.jp/) 

■PM2.5と循環器疾患の発生・増悪

日本国内では大気汚染物質のうち、二酸化硫黄、一酸化炭素、二酸化窒素、光化学オキシダント、浮遊粒子状物質、微小粒子状物質について大気環境基準が定められています。70年代に環境基準が設定され、ガス状汚染物質や浮遊粒子状物質の濃度は大きく減少しました。一方、粒径が2.5μm以下のPM2.5は、粗大粒子よりも肺の奥深くに沈着することからその健康影響が懸念され、09年9月に環境基準が設定されました。そして、PM2.5の健康影響に関する国内外の疫学的知見がまとめられました。欧米を中心に循環器疾患に対する影響の知見は多いのですが、日本国内での疫学知見はほとんどなく、最近ようやく認識されはじめている状況になってきています。

 動物実験や毒性学的研究により、呼吸により肺に吸入されたPMから循環器疾患の発症や既存の循環器疾患の増悪に至るまでには以下の3経路が考えられています。
  ① 肺組織での酸化ストレスと炎症を介する経路 
  ② 肺の知覚神経終末や受容体を介する経路 
  ③ PMやその成分が直接血管内へ移行する経路

 PMへの曝露により,肺胞洗浄液や血液中の炎症性サイトカインが増加することが報告されています。肺局所で放出された炎症誘発物質(サイトカインなど)や生理活性物質が全身循環に広がり、血管系や凝固系へ影響を及ぼす可能性があります。これまでの多くの動物実験より、PM曝露による肺の炎症の程度が、全身のサイトカインレベルや血管の機能不全と相関することも観察されています。このような炎症を介して、動脈硬化の進展やプラークの脆弱化をきたし、最終的には循環器疾患の発症に関わると考えられています。
 一方ラットへのPM曝露により心拍変動の減少がみられ、ヒトへの曝露実験でも同様の変化が観察されました。これはPM曝露による急性の反応であり、自律神経のアンバランスを介して不整脈を起こしやすくし、血管収縮や内皮機能不全をきたすと考えられています。

吸い込まれたPM2.5の行方

気管、気管支に達したPM2.5

気道の表面(上皮)の粘液に溶けやすい成分は、 細胞から血液中に吸収されます。不溶性粒子は、食道に飲み込まれるか、痰としてはき出されます。

肺胞に達したPM2.5

不溶性粒子の一部は肺胞マクロファージに"食べられ"、その後、マクロファージが気管支末端まで移動します。また、不溶性粒子の一部は、そのまま肺組織に沈着します。そして、溶けやすい成分は、血液中に吸収されて全身を巡ることになります。


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愛・感謝 村雨カレン

2019年6月5日水曜日

胃の機能障害

“機能性ディスペプシア”という病気

機能性ディスペプシア(FD:Functional Dyspepsia)とは、胃の痛みや胃もたれなどの様々な症状が慢性的に続いているにもかかわらず、内視鏡検査などを行っても、胃潰瘍・十二指腸潰瘍や胃がんなどのような異常がみられない病気です。生命にかかわる病気ではありませんが、つらい症状により、患者の生活の質を大きく低下させてしまいます。

主な症状は「つらい食後のもたれ感」「食事開始後すぐに食べ物で胃が一杯になるように感じ、それ以上食べたくない(早期飽満感)」「みぞおちの痛み(心窩部痛)」「みぞおちの焼ける感じ(心窩部灼熱感)」の4つです。
 日本人の4人に1人はFDを持っているという調査結果もあり、決して珍しいものではなく、誰もが罹患する可能性のある病気です。

 FDという病気の概念は、近年になって新しく確立したもので、それまでは、FDの患者の多くは「慢性胃炎」や「神経性胃炎」と診断されていました。本来「胃炎」とは、胃の粘膜に炎症が起きている状態を表す言葉です。ところが、胃炎があっても症状があるとは限らず、逆に症状があっても胃炎が認められないことも多々あります。そこで、症状があってもそれを説明できる異常が様々な検査でも認められない場合、胃に炎症があるなしにかかわらず「機能性ディスペプシア」(FD)と呼ばれるようになりました。

注)機能性疾患:内視鏡検査などで症状の原因となる異常がみつからないにもかかわらず、臓器や器官などのはたらきが悪くなる病気。ディスペプシア:もともと消化不良を意味するが、「機能性ディスペプシア」におけるディスペプシアとは、胃や十二指腸における痛みやもたれなどの様々な症状を示す。

 FDは、よく起こる症状によって大きく以下の2つのタイプに分けられます。ただし、両方の症状が重なって起こったり、日によって症状が変わったりすることもあり、どちらのタイプであるかはっきり分けられない場合も多くあります。

■食後愁訴症候群(PDS)
 食後のもたれ感や早期飽満感が週に数回以上起こるタイプです。
■心窩部痛症候群(EPS)

 みぞおちの痛み(心窩部痛)やみぞおちの焼ける感じ(心窩部灼熱感)が起こりやすいタイプ。これらの症状は、PDSと異なり食後だけでなく空腹時に起こることもあります。
(出典:https://www.astellas.com/) 

■胃の機能障害について

正常な状態の胃は、口から入った食べ物が食道を通って胃に入ってくると、胃の上部を広げて、胃の中に食べ物を蓄えようとします(貯留機能)。さらに胃は、波打つように動くぜん動運動によって食べ物と胃液を混ぜ合わせ(攪拌機能)、食べ物を消化して粥状にし、粥状になった食べ物を十二指腸へ送り出すはたらき(排出機能)を行っています。このように、胃には貯留、攪拌、排出という3つの運動機能があります。機能性ディスペプシアの症状は、これらの運動機能に障害が生じて引き起こされると考えられています。

機能性ディスペプシア(FD)の原因と症状

貯留機能の障害 胃の上部が広がらず、食道から入ってきた食べ物を胃の中に留められなくなる状態。早期飽満感痛みなど。

排出機能の障害 胃の中にある食べ物を十二指腸へうまく排出できず、胃の中に長く留まってしまう状態。⇒胃もたれなど。胃から十二指腸への排出が速くなる。痛みなど。

貯留機能と排出機能の関係 胃の貯留機能と排出機能は密接に関係している。本来、胃の中の食べ物は十分な時間をかけて十二指腸へ送られるが、胃の貯留機能が障害されると、急に十二指腸へ食べ物と胃酸が運び込まれてしまう。すると、十二指腸は胃の排出機能を抑えるように働きかけ、食べ物が胃から排出されなくなる。胃もたれなど。

胃の知覚過敏「知覚過敏」とは胃が刺激に対して痛みを感じやすくなっている状態。少量の食べ物刺激で胃の内圧が上昇。早期飽満感胃酸に対し過剰な痛みや灼熱感など。

胃酸分泌 十二指腸に胃酸が流れ込むことによって胃の運動機能が低下。胃もたれなど。また、知覚過敏の状態では胃酸分泌が正常でも痛み灼熱感などを感じることも。

心理的・社会的要因 生活上のストレスなど、心理的・社会的要因。⇒FDの症状。

ピロリ菌 ピロリ菌は胃潰瘍や十二指腸潰瘍、慢性胃炎、胃がんなどに関わる、胃粘膜に生息する細菌(このピロリ菌とFDの関係は明らかにされていません)。

 FDの診断や治療は、主治医が患者の症状をきちんと把握することから始まります。またFDは、症状や症状の出ている場所が変化することがよくある病気です。そのような時には治療法を変える場合もありますので、症状に変化があれば、その都度、遠慮せずに主治医に相談し、根気よく治療に取り組むことが重要です。


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愛・感謝 村雨カレン