"何だか不調"と感じる、体が苦手な成分
「食物不耐性」‥‥これは、消化不良症状の一つで、食物を消化・吸収するための消化酵素が、ある成分に対して働かない体質のことを言います。アレルギーとは異なり、症状があまり重篤にならないので、気づかない人も多くいます。「食物不耐症」の原因は、特定の酵素の不足ないしは欠如です。人は食べ物をエネルギーに変えるため、消化、吸収、分解など一連の代謝を必要としますが、この代謝に必要な「酵素」は、食べ物ごとに決まっています。ですから、この酵素が欠如や不足していると、食べ物を消化できません。
一方、体はそれを消化あるいは排除しようと、昼夜を問わず膨大なエネルギーを消費します。そのため、慢性疲労等の様々な症状が出てしまうのが、「食物不耐症」という疾患です。アレルギーのように「免疫」に問題があるのではなく、「分解力」に問題があるのです。
日本人の多くが苦手としている成分は、主に以下の四つがあります。
食物不耐性の成分は、大きな病気などを引き起こすことはあまりありませんが、体調がスッキリしない状態をもたらします。それは、気持ちいい毎日を過ごすのに、とても不安な要素。心当たりがある人は、自分の食生活を一度確認してみるのもいいでしょう。
他には、カフェイン、アルコール、人工甘味料、食品添加物なども、不耐性が起こりやすいと言われています。
(出典:『YOLO.style』vol.1 /「身体に合う食事で腸からシェイプ」)
■乳糖不耐と牛乳
https://www.interest.co.nz/rural-news/より |
1リットル当たりの乳糖の含有量は、人乳で約75g、牛乳で約45gです。
牛乳を飲んだ後、乳糖が腸管から吸収されて血液に流入するには、まず、2つの単糖類に分解されなければなりません。乳糖を分解するにはラクターゼという酵素が必要になります。ラクターゼは腸管上部の細胞に存在し、それが最も多く集まっているのが、小腸の中ほどにある空と呼ばれる部分です。ラクターゼの活性が始まるのは妊娠第三期(7カ月以降)の胎児の腸管の中で、活性がピークになるのは生れ出た直後です。
ほとんどの子どもの小腸におけるラクターゼの活性は、生後1年半から4年の間に徐々に低下します。これは成長過程における正常な生理的変化であり、離乳期に至ったほとんどの哺乳動物にも見られます。
以前は、腸管の中のラクターゼが欠損しているのは、遺伝による先天異常のためにごく一部の子どもだけに見られる症状(ラクターゼ欠損症)と考えられていました。しかし、すでに1965年には、白人の15%、黒人の70%が乳糖を消化できないことが確認されています。世界の乳糖不耐の割合を統計でみると有色人種が多いことがわかります(上表)。世界中の大多数は有色人種ですから、人類の大多数は乳糖不耐だと言うことがわかります。
乳糖不耐の問題だけではなく、牛乳が身体に悪い理由には様々な根拠があります。飲み続ける人は、遺伝子組み換えと牛成長ホルモンが主な原因で、乳がん、前立腺がん、結腸がんなどになるリスクが高いことが報告されています。また、子供にたくさんの牛乳を与える北欧では、1型糖尿病の発生率が高いこともわかっています。
牛乳は、あくまでも仔牛が発育するための飲み物であり、人間にとってはお酒やコーヒーなどと同じ嗜好品の一つであることを認識することが大切です。
いつもありがとうございます。
愛・感謝 村雨カレン