2021年4月28日水曜日

痩せ女性の栄養問題

 痩せの若年女性に多い“肥満者体質”

 順天堂大学大学の研究グループは、日本人の痩せ形の若年女性では食後高血糖につながる耐糖能異常例が多く、その原因として、肥満者と同様にインスリン抵抗性脂肪組織の異常が生じていることを世界で初めて明らかにしたと発表しました(米・内分泌学会雑誌J Clin Endocrinol Metab 1/29オンライン版)。研究グループは「十分な栄養と筋肉量を増やすような生活習慣の改善が重要」としています。

 欧米諸国では、若年層での肥満の増加に伴い耐糖能異常例が増加、肥満若年者に対する減量指導が推進されています。日本では、BMI値18.5未満の痩せた女性の比率が約20%と先進諸国で最も高く、肥満と同等に糖尿病のリスクが高くなっています。ただし、それは中年以降を対象とした研究に限られ、痩せた若年女性と糖尿病リスクとの関連は不明でした。

 そこで研究グループは、痩せた若年女性における耐糖能異常の割合とその特徴に関する調査を実施。対象は18~29歳で痩せ形(BMI16.0~18.49)の女性98例と標準体重(BMI18.5~23.0)の56例。75g経口糖負荷試験により、耐糖能異常(糖負荷2時間後140mg/dl以上)の割合を調べました(各種測定やアンケート含む)。

 その結果、耐糖能異常の割合は、標準体重の1.8%に対し、痩せ形では13.3%と約7倍でした。この比率は米国の肥満者で耐糖能異常が見られる割合(10.6%)よりも高率です。さらに、痩せ形の若年女性の特徴として、エネルギー摂取量や身体活動量、筋肉量がいずれも少ないことが明らかになっています。

 次に、痩せ形若年女性の耐糖能異常の特徴を解析したところ、インスリン分泌の低下だけでなく、主に肥満者の特徴であるインスリン抵抗性が生じていました。また、痩せているにも関わらず、脂肪組織から全身に遊離脂肪酸が溢れ出て、ばら撒かれている状態を呈していました。体力レベルが低く、糖質からのエネルギー摂取割合も低い一方で、脂質からの摂取割合は高いことがわかりました。

従来、インスリン抵抗性は肥満に伴って出現するもので、痩せ形の糖代謝異常はインスリン分泌障害が主体であり、インスリン抵抗性との関連はないと考えられてきました。しかし、今回の結果から、痩せ形の若年女性における耐糖能異常にも、肥満者と同様にインスリン抵抗性や脂肪組織障害が生じる『代謝的肥満』が存在することを世界で初めて示したのです。

 痩せ形の若年女性の多くは、食事量も運動量も少ない「エネルギー低回転タイプ」であり、それに伴い骨格筋量も減少しているため、研究グループは「十分な栄養と運動により筋肉量を増やすような生活習慣の改善が重要と考えられる。また、耐糖能異常の病態には、インスリン抵抗性も関与する可能性が示された」と指摘。昨今の研究で、インスリン抵抗性は運動や脂質の摂取割合を減らすことで改善することが示唆されているとして、「糖尿病の予防には、そうした生活習慣の見直しが必要と考えられる」と結論づけています。

(出典:https://medical-tribune.co.jp/)


■痩せ願望が引き起こす栄養問題

 多くの若い女性が持つ「痩せ願望」やダイエット指向。実はその多くが痩せる必要がないのに、偏食や極端なダイエットを繰り返しています。女性の「痩せ」の問題が改善しない背景には、適切な体形についての認識不足や「痩せているほうがいい」という価値観の普及、様々なダイエット法の氾濫など様々な因子が影響を及ぼしていると考えられます。そして誤ったダイエットによる偏った食事は、鉄欠乏など潜在的な栄養不良のリスクを高めます。


栄養不足になりやすい

 鉄欠乏やそれに伴う貧血は、だるい・疲れやすいといった自覚症状や発育障害などをもたらします。鉄欠乏を防ぐには鉄を豊富に含む赤身の肉や魚、ほうれん草などの緑葉野菜をしっかり摂り、その吸収を高めるビタミンCの豊富な果物なども組み合わせて、バランスの良い食生活を送ることが大切です。月経のある20~40歳代の女性では、鉄は1日に10.5mg摂ると不足のリスクが少なくなると考えられていますが、実際には多くの女性で不足していることが指摘されています。無理なダイエットや偏った食事は、鉄以外にも健康を維持する上で大切な栄養素の不足を招きます。また「食べない」といった無理なダイエットを繰り返すと、エネルギーを体脂肪として蓄えやすい体質になります。


「痩せ願望」が引き起こす病気

 さらに「痩せ願望」が深刻化すると、「神経性食欲不振症(拒食症)」や「過食症」を招く恐れがあります。いずれも摂食障害ですが、前者は太ることを恐れて食物を避けるために極端な痩せを伴います。多くは思春期から青年期早期にかけて発症すると考えられています。後者は週に数回・数ヶ月間にわたる過食と、体重増加を防ぐための不適切な代償行動(嘔吐、下剤の使用など)の両方が存在し、拒食症よりは発症が遅い傾向があります。

 摂食障害が慢性化すると、無月経や低血圧・不整脈など多くの健康障害を招く恐れがあります。摂食障害の要因には、強い「痩せ願望」以外にも不安やストレスなど精神的な要因もあります。まずは適切な体重を理解し、誤った「痩せ願望」を持たないようにしましょう。また食べること以外に、運動や趣味などの時間を持ってストレスを解消してみましょう。


次世代の子どもへの影響も

 日本では低出生体重児(2,500g未満)の割合が増えていますが、その背景の一つに若い女性の痩せや妊娠中の体重増加不足があると言われています。小さく生まれてきた子どもは、エネルギーを溜めこみやすい体質であるため、成人後に生活習慣病(高血圧・糖尿病など)にかかりやすいと考えられています。

 妊娠に気づいてからではなく、妊娠する前からの適切な食生活が、自身の健康の維持・増進と、将来生まれてくる子どもの健康にとってとても大切です。適正体重の維持とバランスのとれた食生活の確立を目指しましょう。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2021年4月23日金曜日

脳腫瘍

脳腫瘍・悪性脳リンパ腫

 頭蓋骨の内側にできた腫瘍の総称を「脳腫瘍」と呼びます。頭蓋骨の中は、脳実質と呼ばれる脳本体を中心に、脳実質外の組織である、脳を包む膜や脳神経、下垂体などで構成されていて、これらの各部位から様々な種類の腫瘍が発生します。

 脳腫瘍は、その場所から生じた「原発性脳腫瘍」と、体の他の部位のがんが転移してきた「転移性腫瘍」とに分けられます。原発性脳腫瘍については、検査を経てさらに150以上に分類される他、良性腫瘍と悪性腫瘍にも大別されます。良性腫瘍と悪性腫瘍では発症する部位が異なり、腫瘍の増殖速度は良性のほうが遅い傾向があります。脳腫瘍の患者数は10万人に10~15人程度とされ、あらゆる世代に見られるのが特徴です。

 原発性脳腫瘍の主なものに、神経膠腫(=グリオーマ)、中枢神経系原発悪性リンパ腫、髄膜腫、下垂体腺腫、神経鞘腫、頭蓋咽頭腫などが挙げられます。ちなみに、現在スポーツ庁長官の室伏広治さんが病気を公表しており、また、2017年に松方弘樹さんが亡くなった病気は中枢神経系原発悪性リンパ腫です。

 このような原発性脳腫瘍の原因として、遺伝子の変異などいくつか疑われている要因はありますが、実際はまだ不明なことが多く、現在でもはっきりとした原因は特定されていません。髄膜腫については、女性の患者が多いことから、女性ホルモンと関連があるという説もあります。転移性脳腫瘍については、全身にできたがんが転移して引き起こされます。特に原発がんとしては肺がんが最も多く、次に多いのは乳がんですが、それぞれのがんによって原因は異なります。また、白血病の放射線治療が原因で脳腫瘍ができるケースもあります。

 腫瘍に共通して起こる症状として、頭蓋内圧亢進症状があります。腫瘍によって頭蓋骨内部の圧力が高まるために起こる症状で、頭痛や吐き気、視力障害や意識障害などがみられ、朝起きた時に症状が強く出るのが特徴です。他に、腫瘍の部位によっては、まひや言語障害、性格の変化、ホルモンの過剰分泌など、様々な局所症状(巣症状)が引き起こされます。

 症状がない良性腫瘍の場合は、経過観察もありますが、治療が必要な場合は腫瘍の除去手術が基本です。腫瘍の性質や部位によっては、脳の機能を温存しながら腫瘍除去できるかが問題になることもあります。全切除ができなかったり、悪性腫瘍とわかった場合などには、さらに放射線治療や化学療法(抗がん剤)などを組み合わせます。通常の放射線の他に、腫瘍の状況によってはガンマナイフ、サイバーナイフなどの方法で、腫瘍にピンポイントで放射線照射することもできます。外科的手術が難しい部位でも治療することが可能です。

 脳腫瘍は原因が特定されていないため具体的な予防は難しいですが、基本的には生活習慣病に気をつけて、まずはがん予防に有効とされる健康的な日常生活を送るようにしましょう。最近では、脳ドックを行う医療機関での検査によって脳腫瘍が発見されることもあります。

(出典:https://doctorsfile.jp/)


■がん予防は生活習慣の見直しから

 現代は情報があふれていますので、多くの情報を容易に手に入れることができます。科学的根拠に基づく情報もあれば、そうではないものも少なくない中で、科学的根拠の有無や程度を見極めて、確かな情報を選んでいくことが大切です。

 がんの発生は生活習慣と深いかかわりがあるので、がんのリスクを下げるためには現在の生活習慣を見直すことが重要です。たとえば、食生活。栄養のバランスのよい食事を摂ることが原則です。医師の指導がない限り、特定の食品を食べ続けたり特殊な食べ方をすることは、必要ないばかりか栄養の偏りを招きます。また、がん予防になるからと、普段運動習慣のない人が突然激しい運動を始めるのは禁物です。徐々に時間を増やして慣らしていきましょう。また、禁煙は自己流では続けられなくなることもあります。喫煙習慣は一種の病気です。希望者は、医療機関でのカウンセリングや禁煙補助剤の活用も検討してみましょう。

 がん予防の生活習慣は、生活のなかで無理なく段階的に組み入れ、地道な積み重ねを続けていくことが大切です。国立がん研究センターの研究班は、日本特有の生活習慣、さらにはウイルスや細菌の感染への配慮を踏まえて、科学的根拠に基づいた「日本人のためのがん予防法」を提案しています。2017年8月改訂版では、「喫煙」「飲酒」「食事」「身体活動」「体形」「感染」の6項目についての予防法が示されています(右表)。

 以上の項目を、それぞれの生活に無理ない方法で取り入れて生活することこそ、科学的根拠に基づく現代のがん予防です。もちろん、今後の研究によって、項目や内容が追加・変更されていきますので、情報に関心をもつことが大切です。

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 健康的な日常生活を営むにあたり、康復医学学会で提唱しているのが、①血流②睡眠・ストレス③体力 の3つ。この「健康の3本柱」は、精神疾患、糖尿病、がん、脳血管障害、心疾患、高血圧、認知症、サルコペニア、肥満など、生活習慣病から老化まで、すべての健康生活の礎を築くものです。

 血流の改善ポイントは"微小循環"。これは「霊芝(HM-3000)」が対応します。また、睡眠・ストレスには"セロトニン(脳内ホルモン)"の働きが重要なので、「ラフマ葉エキス」をお勧めします。そして、体力維持には"エネルギー産生(ミトコンドリア活性)"がポイントで、「コエンザイムQ10」が必須です。それぞれの明確な改善ポイントに対応する康復医学の療法(生薬・栄養素)は、使用されてきた長い歴史と豊富なデータに裏付けられています。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2021年4月14日水曜日

細胞呼吸

 外呼吸と内呼吸

 エネルギーとは「仕事をする能力」という意味を持つギリシャ語の「エネルゲイア」から派生した言葉です。意味としては「①活動の源として体内に保持する力。活力。精力 ②物理学的な仕事をなし得る諸量(運動エネルギー・位置エネルギーなど)の総称」(広辞苑)。

 そして、人が生きていくために必要なのもエネルギーです。そのエネルギーになるのは、食べ物などから摂取する栄養素「炭水化物」「脂肪」「たんぱく質」です。これらはすべて代謝され、ミトコンドリアで酸素と反応させてATP(アデノシン三リン酸)というエネルギーを作ります(TCAサイクル)。この反応の過程で、およそ300gの水が副産物としてできます。酸化の過程でできるので"酸化水"と呼ばれていますが普通の水です。

 成人1人が1日に必要な水は約2.5リットル。酸化水は必要量の1/8程度で、大した量ではありませんが、この程度の水が重要な意味を持つ動物がいます。灼熱の大地、砂漠にいるラクダです。コブの中には水があるのでは? とお思いでしょうが、実はあのコブの中には脂が蓄えられているのです。皮膚から汗をかかないなど、水を極端に節約できる体の構造をもつラクダは、このコブの中の脂肪を酸化して作る酸化水を役立てているのです。

 話はそれましたが、人は1日にどれくらいのエネルギー(ATP)を作っているのか計算すると‥‥。成人男子が1日分の食事として摂取した2000kcalのうち、半分の1000kcalがATPの合成に消費されます。これは重さに換算すると、およそ50kgにもなり、体重分ほどの量のATPを毎日合成していることになります。この合成には、ATP合成酵素という酵素が働いています。もちろんエネルギー産生機能が正常に働いてのことです。生活習慣やストレス、老化などで産生機能が数字よりも低下している人が大半です。

 各細胞内に酸素・栄養素を取り込んでミトコンドリアがエネルギーを産生するのと同時に、細胞外に二酸化炭素・老廃物を排出するので、このガス交換現象のことを生化学的に「細胞呼吸」といい、「内呼吸」とも呼ばれています。そして、もうひとつの呼吸、体に酸素を取り入れる肺でのガス交換を「外呼吸」と呼んでいるのです。

(出典:『生命にとって酸素とは何か』小城 勝相/ブルーバックス)


■ミトコンドリアの細胞呼吸

 通常の細胞は酸素・養分を取込み、細胞内に存在するミトコンドリアが細胞の中で呼吸をして、体が機能するためのエネルギーを産生しています。また、二酸化炭素や老廃物などの不要物を処理・排出します。酸素・養分・不要物を運ぶのは血液です。

 エネルギー産生の要、細胞呼吸はその機能だけではなく、酸素や栄養素の供給、不要物の排出などを行う血液・血管(微小循環)などとの連携プレーが必須です。

 地球上の生物のほとんどは、酸素を使って栄養素からエネルギーを取り出しています。しかし、太古の原始生物の中には、酸素を使わずにエネルギーを産生するものもありました。


エネルギーを作り出すしくみ 【解糖系】と【TCA回路+電子伝達系】

 人間が60兆個の細胞の中に"2つのエネルギー工場"を持つのは、太古の細胞同士の合体の名残だと言われています。

 無酸素でエネルギーを作り出す「解糖系」は、瞬発力に必要な運動に対応する筋肉細胞などに使われますが、長時間には対応できません。また、産生効率もよくありません。

 解糖系ではエネルギー産生に限界があり、わずかな生物しか存在しませんでした。しかし、多くの生物が細胞にミトコンドリアを宿すことによって、酸素を使い効率よくエネルギーを産生して飛躍的に進化していったのです。


エネルギー産生と酸素

 人は酸素を使って栄養素からエネルギーを産生しています。エネルギー産生に必須な酸素は、血液の赤血球のヘモグロビンと結合し、全身を網羅している血管によって体の隅々まで運ばれ、微小循環の毛細血管によって60兆の細胞へ供給されます。しかし、運ばれた全ての酸素が細胞に供給されるわけではありません。

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 赤血球のヘモグロビンは、酸素と結びついて細胞に酸素を届けますが、せっかく吸収した酸素も細胞に供給できないと意味がありません。結合した酸素を切り離し、酸素を効率よく供給するのが「2,3-DPG」という物質です。低酸素の高山地域に住んでいる人々は、この2,3-DPGが体内に多く存在することが知られています。

「HM-3000(特系霊芝)」には、2,3-DPGの生成を促す作用があることがわかっています。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2021年4月10日土曜日

男性の不妊症

 コロナで少子化想定超え

 日本の少子化が想定を超える速さで進んでいます。結婚しない人の増加や晩婚化に、新型コロナウイルスの感染拡大のため妊娠を控える傾向が重なり、2021年の年間出生数は80万人を割り込む試算が出ています。現実になれば公的推計より10年以上も少子化が前倒しになり、人口減に拍車がかかります。現役世代が高齢者を支える社会保障制度は一段の改革を迫られることになります。

 妊娠する女性の減少は統計からも明らか。厚生労働省が発表した昨年1~10月の妊娠届の件数は前年同期比5.1%減。5月に前年同月比17.6%減となるなど、4月に緊急事態宣言が出た後、大きく落ち込みました。地域別にみると4月以降は10月まで東京都が9.1%減、北海道が8.1%減、大阪府が7.6%減といったように感染者数の多いところで減少が目立ちます。

 婚姻数が減っているのも懸念材料です。厚労省の人口動態統計によると、婚姻数は2020年1~10月の段階で42万4000件と前年同期から13%以上も減りました。非婚化は中長期的にも出生数の減少をもたらす可能性があります。

 少子化が進めば、既に減少局面に入っている日本の人口は一段と先細ります。試算では、日本の人口は2049年に1億人を切り、推計値から4年の前倒しとなります。今後わずか30年で、現在の東京都2つ分に近い2500万人以上が減る超人口減時代です。

 在宅勤務などが浸透して外出が減れば出会いの機会も減ることになります。専門家らは、社会の変化で出生や婚姻数の減少傾向が止まらない可能性があるとして、「コロナ収束後、出生や婚姻数が元に戻るような施策が必要だ」と主張しています。

 日本の社会保障制度は現役世代が高齢者を支える仕組みです。政府は2018年から世代間の負担の偏りを抑える「全世代型社会保障改革」を掲げますが、想定より早く若年人口が減れば、改革は追いつきません。年金の支給額減少や医療費負担の増大などのしわ寄せが若年世代に一段と向かえば、経済不安などから結婚や出産をさらにためらう悪循環に陥ります。

(出典:https://www.nikkei.com/)


■男性の不妊症 

コロナ禍も原因の一つでしょうが、現代においては不妊の原因が男性側によるものが増えています。造精機能障害とは精子を造る能力自体が低いか全く無いもので、男性不妊全体の90%以上を占めます。造精機能の損傷、精子を作る細胞の欠如、精子の発育停止、あるいは極端な量または質の問題などの場合が考えられます。

精子自体に問題がある場合も

【精子無力症】

 通常、射精された精子は、前進運動によって卵子にたどり着いて受精しますが、運動能力の低い精子だと、受精するどころか卵子にたどり着くことさえ難しいのです。

【精子奇形症】

 奇形の精子が多い場合、正常な精子を比べて運動率が悪い、または受精能力が低いため、妊娠の成功率も減少してしまいます。


現代人は精子が減少傾向にある!

 過去50年の間に精子数が半減したという報告がされています。原因としては環境ホルモンが指摘されていますが、ストレスも大いに関連があると言われています。社会活動などにストレスを抱える男性は多く、今後、精子数はさらに減少すると言われています。

 世界保健機関(WHO)によれば、正常な精液とは精液量、精子濃度、総精子数、精子運動率または高速に前進する精子、正常形態率、精子生存率、白血球数などを調べます。中でも精子が受精するのに大切なのが、総精子数(浮遊率)、精子運動率などです。


ペプタイド型たんぱく質は、精子の浮遊率と質に期待ができる!

 精子に影響を与える成分としてはアルギニン(アミノ酸の一種)がよく知られていますが、アミノ酸単体ではその影響力は未知数です。小腸には、ペプタイド状態のたんぱく質を一度に吸収する仕組みと、アミノ酸を個々に吸収する仕組みが別々に存在します。ペプタイドを摂取した場合には、ペプタイドからアミノ酸になり吸収されるものもあるので、両方の吸収システムを効率よく使うことができます。そして、アミノ酸単体ではなくペプタイドの状態で精子に対して影響を与えることも考えられます。


精子の運動力影響するセレン

 細胞精子にはミネラルのセレンが大量に含まれていますが、体内に入ったセレンの25~40%は睾丸に集中し、精子の生成とその活動に多大な影響を与えています。そして、セレンの不足は精子の鞭毛に影響し、運動能力が劣り、受胎率の低下を招きます。

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 総精子数が少ないと診断され不妊に悩んでいた男性。当学会の研究により製品化したサプリを使用すると、徐々に精子浮遊率も上がり程なく受胎に至りました。このような症例が多くあります。必須アミノ酸や精子の質と量に影響する成分豊富な「サバペプタイド」と、セレンなど多くのミネラルを含有する「HM-3000(特系霊芝)」を配合するサプリです。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2021年4月1日木曜日

アディポネクチン

 血糖値を自力でコントロールする

 糖尿病は、食事によって血液中に増加したブドウ糖(血糖)を体に取り込むインスリンの働きが悪くなり、高血糖が続く病気です。その結果、血管や神経に障害が生じ、様々な症状が出ます。現在、糖尿病の患者は約740万人、その予備軍は約880万人。まさに日本の国民病といえるのです。

 定期的な健康診断では、ほとんどが空腹時に採血をし、血糖値を測ることで糖尿病を診断します。しかし、軽症の場合は食後2~3時間程度血糖値が上昇することが多く、糖尿病の診断からもれてしまう場合があるのです。この状態が「隠れ糖尿病」と呼ばれる状態です。日本人は食後に血糖値が上がるタイプが多いため、隠れ糖尿病には特に注意が必要です。気づかないうちに、いつのまにか重度の糖尿病に進行してしまう危険もあります。


自力でできる3つの血糖値を下げる方法

食事は「野菜ファースト」で 

 野菜に含まれる食物繊維が胃や粘膜に貼り付いて糖の吸収を抑えてくれます。さらに先に野菜を食べることで、糖質量の多い主食(ごはんやパン、麺類)を食べるころから満腹ホルモン(レプチン*)が分泌され始めるため、量を減らすことができます。ただし、野菜の中には糖質の高いものがあるので注意が必要です(いも類、とうもろこし、根菜類など)。また、ドレッシングも要注意です。

*レプチンは、食事を始めてから20~30分後に分泌され始めます。

体重を2~3%落とす 

 脂肪細胞には、インスリンの働きを悪くしてしまうレジスチンやTNFαなどといったいわゆる悪玉ホルモンがあります。これらは皮下脂肪ではなく内臓脂肪の方から分泌されます。私たちがやせようとして努力すると、まず内臓脂肪から先に減っていきます。体重を2~3%落とすということは、ほぼ内臓脂肪が落ちるということで、インスリンの効果が高まるのです。

善玉ホルモン「アディポネクチン」を増やす 

 脂肪細胞から分泌されるアディポネクチンは、増えることでインスリンの効果を高めてくれます。やせている人は極端に分泌が少ないですが、脂肪が多すぎてもまた、分泌量は減ってしまいます。アディポネクチンを活性化させるためにも内臓脂肪は減らす必要があります。このアディポネクチン、実は「やせホルモン」とも言われていて、脂肪を燃焼させる働きも持っています。アディポネクチンを増やすということは、つまり血糖値を下げるとともに体重を減らすことにもなるのです。


 食品でアディポネクチンを増やすには、大豆たんぱくに含まれるβコングリシニンや、青背魚のEPAがよいと言われています。また筋肉を鍛えることも効果的です。インナーマッスルは脂肪を、そしてアウターマッスルは糖をそれぞれエネルギー源として働きます。

(参考:https://www.terumo.co.jp/、https://www.youtube.com/watch?v=YIJyWrAyaFM、他)


■脂肪細胞とアディポネクチン

 脂肪細胞は、文字通り細胞内に脂肪を蓄える細胞です。体の脂肪のかたまりは、脂肪細胞の集合したものです。少し前まで脂肪細胞は、体のエネルギー源として脂肪を蓄えるだけの細胞と考えられていましたが、内臓の周囲にある脂肪細胞(内臓脂肪細胞)は、さまざまな物質を細胞外に分泌していることがわかっています。


脂肪・糖の燃焼を促進するアディポネクチン

 脂肪細胞から分泌される善玉ホルモンの一種「アディポネクチン」は、筋肉細胞に働きかけ、それが、エネルギーの代謝を担っているミトコンドリアを活性化し、糖や脂肪の燃焼を促進します。

 脂肪細胞が肥大するとひとつひとつの脂肪細胞が必要以上に脂肪を吸収して巨大化した「内臓脂肪型肥満」では、肥満細胞から分泌される物質の量が変化(物質により増えるものもある)します。中でもアディポネクチンは、減少すると高血圧、高血糖、高脂血症などを引き起こします(右図)。

 高血圧や糖尿病、脂質異常症といった病気は「生活習慣病」と呼ばれる病気です。アディポネクチンが正常に分泌されていれば、これらの生活習慣病を防いでくれる可能性があります。そのためアディポネクチンは「長寿ホルモン」とも呼ばれているのです。

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 メタボに関係なくとも、内臓脂肪の増加によるアディポネクチンの減少は、循環器疾患の原因になることは事実です。当学会の主要研究素材である「HM-3000(特系霊芝)」「コエンザイムQ10」は、ミトコンドリアの働きを活性化し代謝のアップに影響するため、肥満細胞の肥大化の抑制が期待できます。

 また、内臓脂肪は、脂肪や糖の代謝をさらに悪くするという悪循環に陥り、微小循環や動脈硬化に影響します。ダメージを受けた微小循環の改善にも、「HM-3000(特系霊芝)」の働きが期待できます。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン