2023年12月27日水曜日

冬のウイルス

 薬不足深刻化、冬の感染症流行

 本日は「国際疫病対策の日(International Day of Epidemic Preparedness)」です。新型コロナウイルスの世界的且つ爆発的な大流行を機に「12月27日を疫病の大流行に対する備えの必要性を認識する日にしよう」と、国連総会本会議で可決され、国際デーの一つとして記念日に制定されています(2020年)。

 感染症の本格的流行を前に、薬の供給不足が全国的な問題となっています。ジェネリック医薬品(後発薬)の不祥事に加え、新型コロナウイルスの感染「第9波」や、それ以外の感染症が流行したことなどが大きな要因ですが、薬価が抑えられた結果、多くの後発薬が不採算品目になっているという構造的問題もあります。国は増産などに向けた対応策を打ち出しましたが、薬不足が収束に向かうかはなお不透明です。

 感染症薬だけではありません。実はここ数年、抗菌薬や止血剤など様々な薬の不足が深刻化しています。昨年5月から継続調査する業界団体「日本製薬団体連合会」によると、今年9月末の段階で製造販売されている品目の2割超が供給停止か限定出荷の状態でした。

 不足する品目としては、せき止め薬の「メジコン錠」や去痰薬「ムコダイン錠」など。11月に入り、インフルエンザ治療薬(主に乳幼児向け)の在庫逼迫も明らかになりました。「タミフル」の名で今季、ドライシロップ130万人分を用意していた中外製薬は11月8日から限定出荷に。原料調達が困難などとして未だ「増産は難しい状況」といいます。


 感染症の治療薬不足が深刻化する中、厚生労働省の要請を受けた製薬会社は対応を急いでいます。ただ、慢性的な供給不安に陥っている薬の多くは、国が普及を後押ししてきた安価な後発薬です。当面の増産だけでなく、安定供給を促す産業構造の抜本的な改革が急務となっています。

 薬の安定供給は国民の命に影響を与える重要な課題であり、国の安全保障の問題でもあります。今起きている事象だけでなく、これから起きうる問題も考えた議論が必要です。

(出典:産経新聞)


■冬のウイルス、予防と対策

 冬に流行することが多い感染症。インフルエンザやノロウイルスなどかかると苦しくつらいため、特に気をつけておきたいものです。

 インフルエンザウイルスは、A型、B型、C型の3つの型に分けられ、冬に流行する季節性のものは、A型とB型です。A型は大変異により数十年に一度大流行(パンデミック)を起こします。典型的なインフルエンザでは、せきや頭痛、鼻水やのどの痛みなど上気道の症状に加えて、38度以上の高い熱、倦怠感や関節痛などの全身症状が起こります。また、症状が急激に表れるのも特徴です。しかし、最近のインフルエンザの研究では、軽症例や無症候性感染の人も多くいると言われています。ただし、高齢者や乳幼児、妊婦、免疫力が低い人などは、インフルエンザにかかると重症化の恐れがあります。

新型コロナとインフルエンザの同時流行、そしてノロウイルス

 コロナとインフルが同時流行する中で、発熱など体調不良の症状が出た場合どう受診すればいいか、政府は考え方を示しました。小学生以下の子供や妊娠中の女性、基礎疾患のある人や高齢者など重症化リスクのある人は、速やかに発熱外来やかかりつけ医を受診します。新型コロナウイルスとインフルエンザの検査を受け、診断に応じて、治療薬の処方を受けるなどの対応をとります。若い人など重症化リスクの低い人が発熱した際には、基本的に外出しないで自宅での検査と療養を勧める、としています。

 まず、熱が出た場合は、自宅で新型コロナの自己検査を行います。この自己検査で「新型コロナ陽性」と出たら自治体の「健康フォローアップセンター」に連絡し、自宅療養を行います。一方、陰性の場合は、電話やオンライン、かかりつけ医などで診療を受けることになっています。ただ、症状が強い時は、医療機関を受診することが勧められます。

 感染力がとても強いノロウイルス(感染性胃腸炎)の流行期は11~3月です。感染経路は主に2つ。1つは食べ物を介した感染で、特にノロウイルスをためやすいカキやホタテによる感染が多くなっています。もう1つは人から人への感染で、感染者の"吐瀉物"や"便"に触れた手を介して、ノロウイルスが口から体内に入ることで感染します。

 感染を広げないためにも汚物をきちんと処理することが大切です。

==================

 流行性感染症の予防は、うがい、手洗い、鼻うがいを基本とし、食品はしっかりと火を通し、調理器具はこまめに洗って使用しましょう。

 また、日常的な備えとして、バランスの良い食事や適度な運動により免疫を高めておきましょう。良好な血流を維持して免疫機能を高める「HM-3000(特系霊芝)」や、質の高い睡眠、ストレス解消にも役立つ「ラフマ葉エキス」の使用もお勧めです。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2023年12月20日水曜日

飲酒と健康

 アルコールと健康について

 この時期は、忘年会やクリスマス、お正月とお酒を飲む機会が増えます。連日の忘年会で、肝臓を酷使しているという方も多くなると思います。

飲酒から排泄まで

1.吸収:お酒の成分は主にアルコールと水です。口から入ったアルコールは、胃や小腸で吸収されて血液に溶け込み、全身を巡り、そして肝臓へと送られます。

2.代謝:肝臓では、主にアルコール脱水素酵素(ADH)によってアセトアルデヒドに分解されます。アセトアルデヒドは、お酒を飲んだ時にお顔が赤くなったり、動悸や吐き気、頭痛などを起こしたりする原因となる物質です。さらに、アセトアルデヒドはアルデヒド脱水素酵素2型(ALDH2)によって、人体に無害の酢酸に分解されます。肝臓で分解しきれなかったアルコールは血中に戻り全身を通って再び肝臓に運ばれて分解されます。

3.排泄:酢酸は血液によって全身を巡りながら水と二酸化炭素に分解されて、尿や汗、呼気となって体の外に排泄されます。

 肝臓がアルコールを分解するスピードには個人差があります。飲みすぎてしまうと分解が追い付かなくなって、アルコールやアセトアルデヒドが血中に残り、「酔い」をもたらします。さらに、翌日まで残っていると二日酔いになってしまいます。

アルコールと肥満

 醸造酒(日本酒・ビール・ワインなど)は糖質を含みます。糖質はごはんやパンなどの主食にも多く含まれるものなので、取りすぎは肥満につながります。一方、蒸留酒(ウイスキー・ブランデーなど)は糖質が少ないお酒です。では、糖質が少ないお酒ならたくさん飲んでいいの?と思われる方も多いと思いますが、そうではありません。

 アルコールが体内に入ると肝臓では優先的にアルコールの代謝をするため、脂質や糖質の代謝が後回しになります。よって、主に食事由来の中性脂肪が代謝されずに肝臓に蓄積してしまいます。ですから、おつまみに高脂質、高エネルギーのものを食べてしまうと太りやすくなってしまいます。このような状態が続くと脂肪肝、肥満、動脈硬化などの生活習慣病につながっていきます。

 アルコールとうまく付き合うには、お酒を飲まない日を作る、おつまみは脂質の少ないものにするなど工夫をしましょう。特に、アルコールの代謝にはビタミンB群が必要になるので、枝豆や大豆製品などがお勧めです。また、脂質が少ない野菜ステックなどもよいでしょう。エネルギーを気にするあまり、空っ腹でアルコールを摂取すると、胃の粘膜を刺激するため、気を付けましょう。

 アルコールとうまく付き合って、健康で楽しく新年を迎えましょう。

(出典:https://kentei.healthcare/)


■少量のお酒は体にいい?

「酒は百薬の長」という言葉があります。この言葉の起源は、中国では約二千年前に酒と塩・鉄を国の専売とする政策が行われ、その際に「税金を多く集めるためのキャッチフレーズ」として作られたという記録が残っているそうです。日本では『徒然草』の一節に、「酒は百薬の長とは言えど、万の病は酒よりこそ起これ」と、デメリットとして記されています。つまり、いずれも医療からの言葉ではありません。さらにWHO(世界保健機関)では、「アルコールの有害な使用は、すべての死の3.8%を占める」ことから「アルコールの有害な使用を低減するための世界戦略」があるほど、アルコールの適正量での摂取を訴えています。

 アルコールの代謝能力は個人差があり、適正量は性別や体重、生活環境などによっても違いますが、純アルコール量20~25g程度と考えられています。では、適正量とはどれくらいでしょうか(右表参照⇒)

 お酒は、その種類により含まれるアルコール濃度や純アルコール量が異なることを知っておきましょう。日本酒では1合程度、ビールでは中瓶1本(500ml)程度が適正量です。したがって、1日の飲酒量は、この「ほろ酔い気分」になるくらいの量にとどめることが重要です。

 適正量の飲酒は、楽しい気分や食欲を増大させ、緊張感やストレスを緩和します。また、適正量の飲酒の習慣がある人は、お酒をまったく飲まない人や大量に飲む人に比べて、死亡率も低くなるとされています。少量の食前酒は、胃液の分泌を促します。しかし、空腹で多量に飲むと、胃腸を強く刺激し、粘膜を荒らす上に、アルコールは吸収されやすく、急激に血中アルコール濃度が上昇することで、様々な障害が起こりやすくなってしまいます。したがって、飲酒をする際は、肉や魚、卵などたんぱく質や脂質を含む食品を一緒に摂り、アルコールの吸収ペースを緩やかにすることで、アルコールと胃粘膜の接触を緩和し、胃腸障害などを予防することが重要です。一方で、少量飲酒の習慣が腹部内臓への脂肪沈着やインスリン抵抗性、高血圧、発癌、脳への影響などの原因となるとされています。

 飲酒は、その量や飲み方によっては"薬にも毒にもなる"ということを理解した上で、コロナが確実に落ち着いた頃に、また楽しみたいものです。

===============

 二日酔いによいと言われるウコンはアルコールの分解を助けますが、実は刺激によって(強引に)肝機能を高めているので、副作用に注意が必要です。生薬の「HM-3000(特系霊芝)」は肝臓細胞の保護や代謝酵素の活性、糖新生も抑制し、そのうえ副作用もありません。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2023年12月13日水曜日

老化物質“AGE”

 糖化とアルツハイマー

「アルツハイマー病」とは、脳を構成している神経細胞が通常の老化による速度よりも急に減っていってしまうことで、正常な脳の働きが徐々に失われていき、認知症(痴呆)になっていく病気です。

 65歳以上で年齢が高くなるにつれて発病率が増加し、現在日本に約200万人いる認知症患者の約半数がアルツハイマー病患者です。また、10年後には認知症患者数は300万人に達し、過半数がアルツハイマー病患者になると予想されています。

 アルツハイマー病は、詳細な原因はまだわかっていませんが、遺伝的な要因に加えて生活習慣(食生活)が深く関係していると考えられています。

小冊子『最悪の老化物質 AGE』
(康復医学学会発行)
 アルツハイマー病の原因として、脳内の組織にアミロイドβというたんぱく質が蓄積して、脳の神経細胞が死滅すると考えられています。アルツハイマー病の患者さんの前頭葉を調べたところ、健常な老人に比べ、3倍以上も老化物質のAGE(Advanced Glycation End products:終末糖化産物)が蓄積していることが報告されています。

 アミロイドβというたんぱくが何らかの作用を受けて組織に沈着しやすくなり、それが溜まって脳の神経細胞の死滅を引き起こすという考え方が一般的ですが、糖化がアミロイドβの凝集や沈着を促進、加速させていとも考えられています。

 また、糖化によって体内に発生したAGEが細胞死(アポトーシス)を引き起こすことも分かっています。

 糖尿病を抱えている患者さんがアルツハイマー病になる確率が高いのも、こうした糖化の影響を裏付けていると言って過言ではありません。

 このようにアルツハイマー病の発症に糖化、AGEが大きく関わっていることがわかってきました。つまり、極力糖化を避ける生活を送れば、アルツハイマー病にならないようにはできないまでも発症をずっと遅らせることが可能になるのです。

アルツハイマー病とは別に、認知・機能障害を起こす疾患として、「脳血管性認知症」があります。脳の神経細胞は情報を伝達するため、隣にある細胞に軸をのばしています。この軸は情報漏れで思考が混乱しないよう「ミエリン鞘」というカバーのようなもので覆われているのですが、認知症の患者さんではここの部分が非常に薄くなっています。

 動脈硬化による血流不足で、酸素と栄養が十分に届かないことが原因です。動脈硬化は糖化によって悪化することがわかっています。またミエリン鞘自体が糖化している可能性もあります。

 いつまでも若々しく自立した生活を送るためには、糖化させない生活習慣、食生活を実践することが重要なのです。

(出典:https://rivercity-clinic.jp/)


■AGEが引き起こす体への影響

 糖化が進み、体内にAGE(終末糖化産物)がたまると、様々な病気を引き起こします。

 抜け毛や切れ毛、白髪 :顔の皮膚と同様、頭皮の真皮層でAGE架橋(AGEがたんぱく質に橋を架けて劣化させる)が起こったり、髪の毛の主成分ケラチン(たんぱく質の1種)が糖化してAGEが溜まったりすると、抜け毛や切れ毛、白髪が増える。

 動脈硬化 :動脈硬化とは、血管がもろく、かたくなった状態。心筋梗塞や脳梗塞の危険性が高まる。血管を構成しているコラーゲン繊維が架橋でつながってAGEが溜まると、血管が硬くなり弾力性が失われて、動脈硬化が起こりやすくなる。

 骨粗しょう症 :骨の中がスカスカになる骨粗しょう症になると、ちょっと転んだだけでも骨折しやすくなる。骨は主にカルシウムとコラーゲンでできているので、コラーゲン繊維がAGE架橋になると、骨がもろく折れやすくなる。

 白内障 :白内障とは、目のレンズ役をしている水晶体がにごり、かすんで見えたり、物が二重に見えたりする目の病気。水晶体を構成するクリスタリンというたんぱく質が糖化してAGEが溜まると、水晶体のにごりの原因になる。

 糖尿病の合併症 :血糖値が高い状態が続く糖尿病では、AGEが体内に蓄積されやすく、糖尿病合併症*の原因になる。*糖尿病の3大合併症‥‥糖尿病神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病腎症

 非アルコール性脂肪肝 :高血糖状態が続き、脂肪の貯蔵庫である肝臓に中性脂肪が溜まる病気。AGEの蓄積が原因の1つ。

 アルツハイマー型認知症 :認知症の原因の大多数を占めるアルツハイマー病。特徴の1つとして、脳内に老人斑と呼ばれるシミのようなものができる。その老人斑からAGEが大量に検出されたため、長年の糖化がアルツハイマー型認知症の原因の1つとされている。

AGEの害を少なくする食べ方のコツ

 糖化を防ぐためには、食後の血糖値の上昇をおさえることが基本です。

●懐石料理のように、野菜→魚・肉類→ごはん・パンの順に食べる 

●食後の血糖値上昇がゆるやかなGI値*の低い食べものを選ぶ 

●単品ものにはサラダなど食物繊維を多く含む副菜をプラスする 

●糖質量の少ない外食メニューを選ぶ 

●AGEを多く含む食品やジュースは避ける。

*GI値とは:食品による食後血糖上昇に与える影響の違いを比較できる指標(Glycemic index:GI)。GI値はブドウ糖を摂取した際の血糖値の上昇を100とし、それに対して食べ物を食べた時の血糖値の上昇がどの程度かを測定して求めた値。GI値が低い食品は摂取後の血糖値が上昇しにくいとされ肥満や糖尿病のリスクを軽減すると言われている。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2023年12月6日水曜日

脂質異常症

 脂質異常症、放置は認知症にも関与?

 血糖値や血圧が高いと、治療が必要なのかなとは思いますが、コレステロールが高いっていうのは、いまいちピンとこない人が多いのではないでしょうか。

 コレステロール値が高い場合に診断されるのが「脂質異常症」。かつては高脂血症と呼ばれていました。コレステロールは血中に含まれる脂質(血中脂質)で、LDL(悪玉)コレステロールとHDL(善玉)コレステロールがあります。

 血中脂質には、中性脂肪もあります。コレステロールと中性脂肪はどちらも脂質ですが、働きが異なります。コレステロールは、"細胞膜を構成する成分"で、ホルモンや胆汁酸の材料にもなります。一方、中性脂肪は"活動するためのエネルギー源"となります。

 どちらも生きていく上で必要ですが、血液中の量のバランスが崩れると害になります(=脂質異常症)。LDLコレステロールは増えすぎると血管壁にたまり、血管の機能を低下させます。HDLコレステロールは減りすぎると余分なコレステロールを十分に回収できません。そして中性脂肪は過剰になると体脂肪として蓄積されてしまいます。

 脂質異常症は、血管が硬くなる動脈硬化を進行させ、脳卒中や心筋梗塞などのリスクを上げます。糖尿病や高血圧と同様に、しっかりと対策を講じる必要があります。また、脂質異常症がある人は、糖尿病や高血圧も抱えていることが少なくありません。

 また、「こんなに運動をしているのに!」という人でも脂質異常症になります。実はLDLコレステロールは、運動だけではなかなか下げることができません。

コレステロールは生きていく上で必要な成分で、体内に再生産する仕組みが備わっています。エネルギー源である中性脂肪は運動すれば減りますが、コレステロールはエネルギーにならないので、運動しても減らないのです。コレステロールは、運動よりも"食事の見直し"が重要です。悪玉コレステロールが高いのは、脂質異常症の発症や進行に大いに関係しますので、まずは生活習慣の改善、それでダメなら薬物治療の検討が必要になります。

 脂質異常症は認知症の発症にも関与するとみられています。そもそも脂質異常症は脳卒中の危険因子で、血管性認知症のリスクを高めます。さらにはアルツハイマー型認知症の関連も報告されています。脂質異常症の中でも、高LDLコレステロールと低HDLコレステロールがアルツハイマー病の発症リスクに影響を与えるとされているのです。

 ただ、脂質異常症がアルツハイマーの発症を抑制するとの報告もあります。"脂質異常症=アルツハイマーの危険因子"とする一定の見解はまだ得られていない状況ですが、血管性認知症との関係は明らかなわけですから、認知症の発症対策を考えるなら、コレステロールが高い人は、速やかに生活の改善、必要に応じての薬の治療を開始することです。

(出典:https://hc.nikkan-gendai.com/)


■脂質異常症のリスク別管理

 血液中には脂質として、コレステロール中性脂肪(トリグラセライド)リン脂質遊離脂肪酸の4種類があります。コレステロールは人の細胞膜や、消化吸収に必要な胆汁酸、ホルモンのもととなる重要な物質です。中性脂肪は、エネルギーとして貯蔵したり、保温、外部からの衝撃を和らげたり、内臓を固定したりして、体内で重要な役割を果たしています。

 しかしながら、これらの脂質が多すぎると問題になってくる場合があります。脂質異常症とは、これらの脂質の中でも特に、LDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪が多過ぎる、あるいはHDL(善玉)コレステロールが少なすぎる、等の状態を示す病気のことです。LDLコレステロールは、余分なコレステロールを血管の壁に沈着させ、動脈硬化を起こしますが、HDLコレステロールは逆にその血管内にたまったコレステロールを肝臓へ戻すように働きます(右図)

LDLリスク別の管理目標

 糖尿病とメタボは、脂質異常症と併さって血管障害のリスクを大幅に高めます。そのため、生活習慣病の合併、あるいは、すでに動脈硬化で心筋梗塞を起こした人には、LDLコレステロールの管理目標値に注意が必要とされます。

 体内にはLDLコレステロールによる酸化を防ぐためのしくみがあります。酸化を防ぐ物質(酸化還元酵素)の働きで酸化を防いでいます。酸化還元酵素は、人間の体内で作られる酵素ですが、加齢や生活習慣、飲酒、喫煙などで、体内において産生する能力が低下します。

===============

 康復医学学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」には酸化還元酵素のひとつ、GSH-Px(グルタチオンペルオキシダーゼ)の活性化に関するデータがあります。

 HM-3000(特系霊芝)は、血流改善・血栓形成抑制・血管内皮細胞の改善を促すため、脂質異常症→動脈硬化による心筋疾患の発症予防や再発防止に期待が持てます。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2023年11月29日水曜日

“うつ”と認知症

 高齢者の異変、うつも疑う

 身近な日課をこなせなくなるなど普段と様子が異なると認知症を疑いますが、それはうつ病かもしれません。高齢者には脳の変化や人生の転機、喪失体験などによる固有のうつ病のリスクがあるのです。身体症状も伴って判断しにくいものの、兆しをとらえ、適切な治療につなぐことが欠かせません。

 うつ病は年齢を問わず発症しますが、高齢者に多くみられる症状と要因があります。多くの高齢者は日常的に胃の不調や頭痛などを抱え、身体症状を訴える例も少なくありません。うつ病の身体症状か、元からの不調なのかを判断しにくいのです。専門医は「身体疾患からうつ症状が生じることもある」と指摘します。

 高齢者のうつの特徴として、不安や焦燥感が前面に出てじっとしていられなくなることが多いそうです。重症化すると、うろうろと歩き回り、休むこともできずにつらくなる場合があるといいます。

 高齢者のうつ病の主因は何か――。専門家は「加齢自体がうつを起こしやすい要因だ」と指摘します。脳の機能が低下し、変化への柔軟な対応に必要な「流動性知能」が50歳前後から衰えるからだと言います。

 柔軟な対応が難しくなる年代の高齢者は生活の変化に見舞われやすくなります。喪失体験が増え、体力の衰えなど健康面のほか、友人の死などによる心理的喪失や、プライドや経済面など社会的喪失もあります。コロナ禍で交友関係が希薄になった影響や、女性の場合は夫の定年退職後の生活リズムの変化や、経済面の不安によってうつ病に至る例もあります。

 うつ病と認知症は似た症状がありますが、相違点もあります。認知症の患者が知的能力の低下を認めたがらないのに対し、うつ病の場合は本人が訴えるほど記憶力や知的能力は低下していません。さらにうつ病は発症時期が特定しやすいことが多いのです。うつ病と認知症の鑑別は難しい上に併発も多く、うつ病治療の専門家は「まずはうつ病の治療を優先する」といいます。無気力症候群(アパシー)と見分けることも重要です。うつは休養が必要なのに対し、アパシーはリハビリや投薬で行動活性化を促すなど治療の方向性が異なります。

 同時多発的に身体症状が起きたり、内科で「異常なし」といわれたのに症状が続いたりするなら、「加齢による衰えだろう」と放置せず、医師に相談した方がよいでしょう。本人から「眠れない」との訴えがあれば、精神科や心療内科の受診を勧めやすくなります。

 抗うつ薬による治療は、若い人より効果が出るのに時間を要するうえ、副作用が出やすくなります。専門家によるカウンセリングを用いた支持的精神療法や過去を振り返る回想療法などの心理的治療が有効だと言われています。

(出典:https://www.nikkei.com/)


■認知症と誤解されやすい高齢者うつ

 うつ病も認知症も精神疾患に含まれ、現状では、他の病気のように何らかの検査の数値で明確に判別できるものではありません。あくまで、ご本人の訴えや周囲に見える症状から判断しなければならないので、難しいのです。

 うつ病の症状には、抑うつ気分、意欲の低下、不安、焦燥、妄想、自律神経症状(不眠、食欲低下など)などが含まれますが、うつ病かどうか判断するときには、多くの方が、抑うつ気分や意欲の低下に注目することでしょう。

 若齢者のうつ病の場合には、仕事や学業に支障が生じることで気づくことが多く、明確な抑うつ気分や意欲の低下の兆候がほとんどなので、鑑別するのは比較的容易です。しかし、高齢になると、うつ病でも、抑うつ気分や意欲の低下が目立たなくなり、どうしても「老化→認知症」という思い込みがあるため、認知症と誤診されることがあるのです。

うつ病が原因で、本当の認知症を生じるケースも

 うつ病なら、薬物治療が可能です。抗うつ薬の服用で症状を抑えることができるだけでなく、長期的な治療によって感知する例もみられます。しかし、認知症と誤診されると、適切なうつ病の治療を受けられなくなってしまいます。さらに問題なのは、うつ病の治療を行わず放置すると、本当の認知症になってしまうことがあることです。

 栄養状態の悪化や脱水症状に陥ると、それらが認知症の誘因になります。意欲の低下によって、物事に取り組まなくなり、頭を使わなくなることで脳機能低下が進むこともあります。若齢でも、意欲の低下から活動度が落ちて、日常的に脳を使わない暮らしが続けば、脳機能低下が加速化し、認知症を発症するリスクが高まる可能性があります。うつ病は、認知症予防の点から、早期発見・早期治療が大切です。

うつ病と認知症の見分け方・チェックポイント

 うつ病は、感情障害が主で、認知症に含まれる「記憶障害」「見当識障害」「判断実行機能障害」「失語・失行・失認」などはありません。

 医師からの質問で、見当識や記憶力、計算力、言語力などが試される認知症の「ミニメンタルステート検査(MMSE)」では、うつ病の人は、時間制限を設けると得点が低くなる傾向にありますが、十分に時間をかければ高得点を示します。反応が遅いだけで、本質的な認知・記憶障害はないのです。うつ病の方が物忘れをしたとしても、それは注意力や集中力の低下によって起きているだけで、認知・記憶障害によるものではないのです。

 うつ病と認知症を見分けるには、単に物忘れや失敗が増えたことにとらわれず、それが感情障害によるものなのか、明らかな記憶障害によって起きているのかに注意しましょう。

===============

 康復医学学会では、「ラフマ葉」⇒うつ症状の軽減及び仮性認知症予防、そして「HM-3000(特系霊芝)」⇒脳血管血流の改善による認知症の発症抑制――に関するデータを有しています。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2023年11月22日水曜日

帯状疱疹

 帯状疱疹…発症したら脳神経科?

「これって帯状疱疹かな?」と疑ったなら、何科を受診しようと考えるでしょうか。おそらく多くの方が皮膚科を訪れるのではないかと思います。

 実際、日本では皮膚科に行く人が圧倒的に多いのですが、実は海外では神経疾患であるとの考え方が周知されていることから、脳神経専門の医師が診ることも多い病気です。

「片頭痛の予兆として、顔や頭皮がピリピリとする異痛症(アロディニア)が起きる人がいる。これらの人の帯状疱疹ウイルスの抗体価を調べてみると、片頭痛の発作が起こるタイミングで、帯状疱疹ウイルスの抗体価も上昇傾向になっていることが判明。片頭痛発症前は免疫力が低下し、帯状疱疹ウイルスが活性化するせいで、顔面や頭皮がピリピリするアロディニアが起きるとともに片頭痛も悪化していると考えられる」と、東京女子医大脳神経外科客員教授の清水俊彦氏は言います。

 片頭痛持ちで治療薬であるトリプタン製剤を月に4回ほど服薬していた40代女性がある日、左三叉神経第2枝領域に帯状疱疹を発症。患者いわく「1週間ほど前から、アロディニアがあり、片頭痛も悪化していた」とのこと。

 医師はすぐに抗ウイルス薬を処方し、服用したことで帯状疱疹は改善したのですが、その約3カ月後に帯状疱疹が発症していた側と同じ左の後頭部に、まるで何かに刺されているような強い神経痛が出て、1週間ほど続いたのです。その後、痛みの性質は変わり鈍痛が持続しているとのことで、すぐに病院へ行き頭部MRI検査を行いました。結果、左椎骨動脈に脳血管解離と脳動脈瘤の形成があることを発見。

 この女性の場合は経過観察で自然修復・治癒となりましたが、このように帯状疱疹と脳血管障害との関連をうかがわせる例は多いようです。

 これは海外のデータになりますが「顔面に帯状疱疹が出た人は、1年以内に脳卒中を起こす率が高い」という研究結果も出ています。

 帯状疱疹を発症した人で、片頭痛持ちの人は、できれば脳神経内科・外科を受診することが大切です。ピリピリすると感じたら、我慢や様子見をせずに、すぐに受診するようにしましょう。

 なお、「帯状疱疹は一度なったら、もうならない」という都市伝説みたいなものがあるようですが、それは間違いです。罹患後の免疫の獲得には個人差があるため、人によっては何度でもかかりますが、一度罹患すると抗体価がしばらくは高い状態となるので、すぐに再発することはありません。免疫持続期間は人それぞれなので油断は禁物です。免疫力を落とさないよう規則正しい生活や十分な睡眠を心掛けましょう。

(出典:https://hc.nikkan-gendai.com/)


■疲労やストレスでウイルスが活性

 帯状疱疹は、「背中から胸にかけての半身」、「背中・腰からお腹にかけての半身」、「目の上から頭にかけて」に出る場合がほとんどで、半数以上の人は胴体部分です。皮膚症状の前に神経痛が出ることが多く、きちんと治療しないと、皮膚症状が治った後も神経痛だけが残ることがあるので注意が必要です。

帯状疱疹の初期症状は、「チクチクする」など感覚に頼ることになるので、初めて感じるときには、「この感覚は何だろう?」と半信半疑になってしまうかもしれません。チクチクの感覚とともに湿疹が出たときは、病院で早めに治療することをお勧めします。

 帯状疱疹が出るきっかけは、加齢や過労、ストレスなどによる免疫機能の低下です。そのため、50代以上の発症例が多くなっています。ただ、過労やストレスによる場合は、20~40代の人も発症しますので、症状が出ているときは、早めに病院で診察を受けましょう。


帯状疱疹の症状と合併症

 帯状疱疹は、他の人に帯状疱疹としてうつることはありませんが、帯状疱疹の患者から、水ぼうそうにかかったことのない乳幼児などに、水ぼうそうとしてうつる場合があります。

 神経に沿って帯状にやや盛り上がった赤い斑点が現れ、その後、水ぶくれができます。水ぶくれの大きさは粟粒大~小豆大で、ウイルスが原因となる水ぶくれの特徴として中央部にくぼみがみられます。皮膚と神経の両方でウイルスが増殖して炎症が起こっているため、皮膚症状だけでなく強い痛みが生じます。

 一般的な合併症として、発熱や頭痛がみられることがあります。また、顔面の帯状疱疹では、角膜炎や結膜炎などを起こすことがあります。その他の合併症として、まれに耳鳴りや難聴、顔面神経麻痺などが生じることがあります。これをハント症候群と呼びます。

 通常、皮膚症状が治ると痛みも消えますが、その後もピリピリするような痛みが持続することがあります。これを帯状疱疹後神経痛といいます。これは急性期の炎症によって神経に強い損傷が生じたことによって起こります。 


病院での治療 ――"痛みの軽減"

 病院での治療は、原因となっているウイルスを抑える抗ウイルス薬と、痛みに対する痛み止めが中心となります。帯状疱疹の痛みは発疹とともに現れる痛みと、その後、神経が損傷されることにより長く続く痛みに分けられ、それぞれに合った痛み止めが使われます。必要に応じて、消炎鎮痛薬が使われたり、夜も眠れないほどの強い痛みが続く場合には、神経ブロックと呼ばれる治療が行われることもあります。

===============

 康復医学学会では、帯状疱疹を含むウイルス系疾患に対して「霊芝エキス(HM-3000)」「ルチン成分」との組合せによる回復対応をお勧めしています。ルチン成分がウイルスを不活化させるとともに、霊芝がウイルスへの防衛機能を高めて身体を正常化に導きます。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2023年11月15日水曜日

酵素

 どんな食事も消化酵素しだい?

 私たちにとって大事な三大栄養素は、口から胃や小腸に至るまで、それぞれの場所で異なる消化活動によって分解・消化されていきます。数多い消化酵素のうち、代表的な三大栄養素の消化役は、炭水化物のアミラーゼ、たんぱく質のプロテアーゼ、脂質のリパーゼです。これら3つはそれぞれ総称で、体内で働く消化酵素群は、このほかにもたくさんあります。

 私たちは食物を口にすると、唾液によって分泌されるアミラーゼの一種プチアリン(唾液アミラーゼ)という消化酵素を用いて、その食物に含まれている炭水化物を消化することから作業を始めます。この酵素は、よく噛むことで多く分泌されます。ゆっくり食べる、よく噛むことの重要性がこのことでよくわかります。

 食道を通過できるほどのサイズまで砕かれた食物は胃に到達し、胃酸とペプシンという酵素でたんぱく質を消化していきます。ここで食物は「キーマ」と呼ばれる混合された状態まで分解され、小腸に向かいます。

 小腸では、膵臓から分泌されるたんぱく質分解酵素のトリプシンやキモトリプシン、炭水化物分解酵素のアミラーゼ、脂肪分解酵素のリパーゼなどの消化酵素により、ほとんどの栄養素は分子レベルまで分解・変換され、小腸の微細な穴(栄養吸収細胞)から体内に吸収されていきます。

 概ね消化された食物は、その後大腸へ移動し、ここで水分や電解質の吸収が行われ、排泄されることになります。これが消化の流れです。

 要は、どれほど栄養価の高い食物を食べても、糖質は単糖類に、たんぱく質はジペプチドやアミノ酸に、脂質はグリセリンと脂肪酸に分解されなければ、体内に吸収もされず、栄養にはなりません。消化酵素の働きがあってはじめて、適正な栄養素を獲得できるのです。

 小腸に分泌される膵液のトリプシンなどは、1時間で300gのたんぱく質を消化、膵液や腸液からのリパーゼは、1時間で175gグラムの脂質を消化、膵アミラーゼや腸液のスクラーゼやマルターゼは1日に300gの炭水化物を消化します。

 栄養補給には三大栄養素を中心に、体内で合成されない9種類のアミノ酸、13種類のビタミン、19種類のミネラルが必要とされています。

 毎日の食生活でこれらの栄養素を取り入れていくことが大事なのです。

(出典:https://gooday.nikkei.co.jp/)


■微小循環と、酵素を摂る食事

 心血管系を循環する液体(血液)は、生命の維持に極めて重要です。血液の主な役割は、以下の3つ。 酸素や栄養素の「運搬」(戻るときは二酸化炭素や老廃物を持ち帰る) pH、ホルモン、体温などを一定にする「緩衝」 病原体や異物などから体を守る「防御」

 そして、これらの大事な役目を担っているのが、血管の93~98%を占めると言われている「毛細血管とその血流」(=微小循環)です。

 ところが、血漿内が高たんぱく状態になったり、酸化油脂などの悪い油や糖化たんぱくが増えると、赤血球の間にそれらの物質が入り込み、糊の役目をしてコインのようにつなげてしまいます(ルロー=連銭形成)。赤血球は2個つながっただけでも極細血管には入れません。微小循環が悪化し、全身に酸素も栄養素も回らなければ、組織は飢餓状態になります。この微小循環不良が、病気を引き起こす最終段階です。特に目、腎臓、脳、子宮、卵巣など血液循環が必要な臓器は、より大きなダメージを受けます。卵巣嚢腫や子宮筋腫、腎臓病、眼疾患、下肢静脈瘤、脳梗塞などは、この微小循環不良から起こるのです。痔や手足の冷え性などもそうです。その他、「あらゆる病気がこの微小循環不良から起こる」といっても過言ではありません。全身の37兆2000億個すべての細胞に、リアルタイムでほとんど休むことなく影響を与え続けているのが微小循環なのです。

 がんもその一つです。組織が飢餓状態や酸素不足になると出現するのが活性酸素。その活性酸素が細胞核の中のDNAを傷つけたり破壊したりして突然変異を起こします。そして、細胞のがん化へと発展するのです。ノーベル生理学・医学賞の受賞者、ワールブルグ博士(ドイツ)も「がんは、まず酸素のない所に生じる」と、指摘しています。

 赤血球のルローをほどく力は、「酵素」にしかありません。この仕事をするのは主に代謝酵素ですが、食物酵素も体内で吸収され、血中でルローをほどくことがわかっています。

 微小循環を改善する一つの方策として、"酵素の入った食事を摂ること"があげられます。酵素の入った食事とは「生の物」「発酵物」です。

===============

 血液(ヘモグロビン)によって全身の隅々に酸素を効率的に届けるには、消化酵素の力を借りてルローをほどき粘性を減らすと同時に、運搬した酸素を必要なところで切り離すことが重要です。そのカッタ―の役割をするのが酸素親和性を調節する物質「2,3-DPG」です。この2,3-DPGには糖化ヘモグロビン(HbA1c)の生成阻害作用もあります。

「HM-3000(特系霊芝)」には、2,3-DPGの産生及び増加作用があります。また、毛細血管の血流改善に有効な「一酸化窒素(NO)」や、強い抗酸化作用で活性酸素除去機能を持つ酵素「GSH-Px(グルタチオンベルオキシダーゼ)」の産生を促すこともわかっています。だからこそ、微小循環の改善に寄与するHM-3000(特系霊芝)をお勧めしているのです。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2023年11月9日木曜日

エルゴチオネインの健康効果

 米麹がストレスによる症状を軽減! 

 新潟大学は10月17日、八海醸造、新潟県農業総合研究所との産官学連携による研究で、米麹から抽出されたエキスが、心理身体的ストレスが引き起こす不安や痛みを軽減することを、モデル動物および培養細胞モデルを用いて解明したと発表しました(詳細は、栄養学に関する全般を扱うオープンアクセスジャーナル「Nutrients」に掲載)。

※新潟大学の研究については以下をご覧ください

⇒ chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.niigata-u.ac.jp/wp-content/uploads/2023/10/231017rs2.pdf

 現代社会ではさまざまなストレスが存在し、時に過度なストレスが心身の健康障害を引き起こすこともあります。そのため日々のストレスを解消するには、生活習慣の工夫によって対処することが必要です。中でも食習慣は、ストレス軽減のみならず健康生活を維持するためにも重要となります。

 そこで研究チームは、甘酒や日本酒などの原料となる米麹に着目。日本国内では奈良時代から摂取されてきた米発酵食品の代表的な存在であり、多くの栄養素を含むことから健康食として親しまれてきた米麹については、近年の研究で、ストレス軽減効果のある機能性成分を含んでいることが解明されていました。しかし、日常的な米麹の摂取がストレスの軽減に関与するか否かについては、明らかになっていませんでした。

 研究チームはまず、八海醸造より供与された米麹エキス、または米麹エキスに含まれることが示されている「エルゴチオネイン」を、心理身体的ストレス状態のマウスに連日経口投与した。なおエルゴチオネインは、麹菌を含む真菌類などの一部の微生物のみが産生できる抗酸化能を有した天然物で、ヒトが取り込むためには麹菌発酵食品やキノコ類から摂取するほかない物質です。

 この研究では、ストレス誘発性の不安や痛みに関連する行動が軽減することが確認されたとしています。そしてそのメカニズムを詳細に探ったところ、視床下部や延髄の大縫線核、腰髄など、不安や痛みの情報を処理する領域に存在する神経細胞の興奮性の改善によることが示唆されたとのことでした。

 また、ヒトの神経細胞様細胞を用いた実験では、米麹エキスまたはエルゴチオネインが、神経栄養因子であるBDNFの発現を調整するなど、細胞レベルでの機能発現に影響を与えることも明らかになったといいます。

 これらの結果から研究チームは、日常的な米麹の摂取がストレスを軽減できることが示唆されたのに加えて、日本古来の食習慣が健康増進に有益であることの事例を、科学的に説明することになるとします。そして今後は、米麹に加え、新潟県の看板食品ともいえる酒粕などの米発酵食品によるストレス軽減作用を検討することで、より安全性が高く簡便なストレス軽減法の開発を目指すとしています。

(出典:https://news.mynavi.jp/)


■エルゴチオネインの健康効果

「エルゴチオネイン」は私たちの体中に広く分布するアミノ酸の一種ですが、年齢を重ねるに従って減少することが実証されています。エルゴチオネインは主にキノコや麹などの菌類に含有されており、食品由来のアミノ酸は、還元成分であり体を保護することで長期間健康をサポートすると考えられています。


キノコの特有成分に脚光 機能性表示受理も

「菌」という漢字の訓読みが"きのこ"又は"くさびら"だと知らない人は意外と多いです。

 霊芝、アガリクス、タモギダケ、冬虫夏草、ヤマブシタケ、ハナビラタケなど、健食・サプリに活用されるキノコは多種多様です。キノコにはβ-グルカンをはじめ、食物繊維、ビタミンD が豊富で、免疫賦活、整腸、美肌などが訴求されています。そして近年、エルゴチオネインの特有成分に着目した研究が進展。脳機能、フェムケア分野でのエビデンスを蓄積し、他素材と差別化した提案が加速しています。機能性表示食品分野でもキノコ由来成分の活用が進み、脳機能改善、肝機能改善、整腸、体脂肪減少などの届出が受理されています。

 エルゴチオネインはキノコなどの菌類や一部細菌のみが生成できる強い抗酸化作用を持つアミノ酸の一種。過剰な活性酸素は細胞にダメージを与え、老化や疲労、生活習慣病を引き起こす原因になっています。近年は腸内フローラへの注目の高まりから「菌活」がブームとなりました。また、インフォーマグループの米業界紙NBJが発表した「2022年のトレンド予測」にも機能性キノコが入っています。


エルゴチオネインで認知症予防、健康長寿!

 活性酸素は認知症のリスクを高めるとも言われており、強い抗酸化力を持つエルゴチオネインは、各種動物試験や心象試験で認知症予防に対する効果も認められてきています。

 また、老化と共に血中のエルゴチオネイン濃度が低下するため、キノコで菌活による積極的かつ日常的なエルゴチオネインを補給することがお勧めです。

 スウェーデンでの調査では、エルゴチオネインの血中濃度が高い人は、心血管疾患リスクと死亡リスクが低かったという研究報告もあります。エルゴチオネインは健康に長生きするために役立つ可能性があります。

===============

 エルゴチオネインは体内では作ることができないため、食品の摂取が必要です。また、エルゴチオネインは体内に長期間蓄積が可能な成分のため、毎日少しずつ摂取して常に十分な量を体内に蓄えることで、日々の健康づくりにつながります。

 菌類に特異的に含まれるエルゴチオネイン。中でも、特に食用キノコでは「ヒラタケ属(霜降りひらたけ、エリンギなど)」に、薬用キノコでは「霊芝」に多く含まれていることが分かっています。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2023年11月2日木曜日

脳機能の老化

 脳の老化に関連する3つの部位

 ある年代になると、固有名詞が思い出せない、集中力が低下したように感じるなど、脳の老化が心配になってきます。老化しやすい代表的な部位は「前頭前野」「海馬」です。

 前頭前野は、額の後ろあたりにあり、記憶や学習、感情、言語などを制御する司令塔の役割を果たしています。一方、海馬は短期記憶(新しい記憶)の保存や取り出しの作業をする部位です。前頭前野や海馬の働きが低下してくると、「あれ」「これ」「それ」が増え、「瞬間的に覚えて瞬間的に対応する」といった、ややこしい作業が苦手になってきます。ある目的があって動いたのに「何をしようとしていたんだっけ」ということが起こりやすくなります。

 一方で、脳内部にある「線条体」は、40、50歳あたりに最も充実することが分かってきました。線条体は、経験の蓄積をエサにして活性化しやすくなるという側面があり、「やる気の中核」とも言われる部位で、快感に関わるドーパミン神経と強くつながっています。ですから、仕事に対するやる気は、むしろ中高年世代のほうが高まりやすいのです。

 経験を重ねることによって「この仕事で使ったロジックやノウハウが、あの仕事でも生かせる」というメタ認知(自分の認知活動を客観的に捉えること)が得意になってきます。これとあれはつながってるな、と発見することで仕事の面白みも増しますし、40、50歳ぐらいになると、仕事そのものを自分の人生観とのつながりで理解することも増えてくる。それが仕事の醍醐味や、やりがい、価値になっていくというわけです。

 つまり、年を重ねても脳は衰える一方というわけではないのです。ただ、前頭前野と海馬は衰えやすくなる。前頭前野や海馬は、「流動性知性」に関係する部位です。

 知能研究の草分けであるレイモンド・キャッテル(英・心理学者)とジョン・ホーン(米・心理学者)は、知性を以下のように区分しています。

【流動性知性】:その場その場で何かを覚えて対処する能力。脳トレで鍛えようとするのがこの知性。 

【統括性知性】:現状把握、企画、意思決定などを担う、企業で言えば管理職に求められる知性。

【結晶性知性】:知識や経験に裏打ちされる知性。経験が結びつき、結晶化するように伸びていく。

 流動性知性というのは、記憶力がその代表。18~25歳をピークに低下していきます。とはいえ、その部分はそれこそスマホやインターネットが補ってくれます。統括性知性は、40代以降、伸びる人と低下する人に二極化する可能性が指摘されていますが、50代ごろがピークといわれます。「鍛えようがある」知性といえます。そして、結晶性知性は、知識や経験や知恵が結びつきを強めることで、人生観、仕事観、社会観などを形成していく、まさに年の功、年を取らないと伸びていきにくい知性なのです。3つの知性の中で、統括性知性と結晶性知性は、年を取っても伸びていく可能性があるのです。

(出典:https://gooday.nikkei.co.jp/)


■記憶の引き出しを鍛えるコツ

 仕事のパフォーマンスを高めたい時やウォーキングや筋トレを続ける時には、「線条体」の働きが重要です。実は線条体も工夫次第でその働きを高めることができるといいます。

■オノマトペで行動を表す

 線条体は、新たな行動を始めるときに活性化される部位。まずは始めること。すると線条体は発火し、やる気が生まれ、その行動は維持されます。

 仕事を「やりたくない」のも自分の脳、「やりたい」のも自分の脳。そこで、「やりたくない」脳を「5分だけやろう」「伝票の整理だけしよう」などと軽くだましつつ、「このくらいなら始められる」ことに仕事を分解して始めるといいでしょう。

 このとき、オノマトペ(擬声語、擬態語)を使うと脳活動が強くなるといいます。その結果、線条体の活動もさらに高まりやすくなります。(例)「パッと立ち上がり、ダダッと歩いて、スッと座って、ガバッと資料を開いて、バリバリ片付けるぞ!」

 線条体は、行動と快感を結びつける部位なので、だまされやすい一面もあります。筋トレをしながら「筋肉が喜んでる!」と言うのも線条体の活性にはプラスになります。

■行動している自分を映像で思い描く

 線条体の活動を高めるには「行動イメージを具体的に思い浮かべる」という方法も効果的です。「やらなきゃ」と言っているうちは、発話や聴覚に関わる部位の脳しか活性化しません。つまり、言葉だけの空回状態で、行動につながる線条体は活性化していません。そこで、ビデオカメラで引いて見るように実際に行動している自分を思い描いてみることです。

(例)ジョギングしたいがやる気が出ない⇒颯爽と走る自分をリアルにイメージしてみる。

■こまめに休憩して体を動かす/脳をクールダウン

 人間の集中力は長く続くようにはできていません。計算課題などで脳活動を調べると、集中力は開始15~20秒ほどがピーク、7分もすればダレてきます。そして10~15分ぐらいで切れてしまいます。10~15分で休憩をしたほうが線条体の活動は維持されやすいのです。休憩時には深呼吸を。副交感神経が優位になり、集中しやすくなります。トイレに立つなど体を少し動かすと線条体が発火しやすくなります。また、脳のクールダウンも有効。冷たい水を飲む、首を冷やす、などにより脳の働きがクリアになります。

===============

■霊芝で脳機能を高める

 インドのパンジャーブ大学の研究(2017年)で、「霊芝エキス」はアセチルコリンエステラーゼの活性化を低下させ、脳の酸化ストレスを軽減することによって、認知症や記憶力の対価を防げ、脳神経を護る効果があることがわかりました。

※過激なアセチルコリンエステラーゼ(高濃度化や異常な活性化)と酸化ストレスは、アルツハイマー病などの認知症を引き起こす主な原因になると認められています。

 また、国内の某化粧品メーカーは、「霊芝エキス」が血液脳関門の働きを高め、脳の機能(記憶・思考・理解など)を高める効果が期待できることを発表しています(2019年)。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン


2023年10月26日木曜日

肺機能を高める

 肺機能を強めて潤いを与えるフルーツ

 咳が止まらない。だんだん痰もからんでひどくなってきた‥‥。

気管支の粘膜での急性炎症がもととなって起こる「急性気管支炎」。多くはウイルスや細菌の感染によって引き起こされます。

 空咳から始まって、次第に痰を伴う激しい咳になり、炎症が進むと黄色い粘った痰が出るようになります。喉から胸にかけてのひりひりした痛みや発熱、倦怠感といった症状が現れるケースもあります。高齢者は、老化によって免疫力が低下し、気管支炎を起こしがちになります。また、体力がないために治りにくく、長引く場合が多く見られます。こじらせて重症化すると肺炎に移行して、命に関わりかねないので早めの対策が必要です。

 中医学では、気管支は「肺」と呼ばれる臓器と関係が深いと考えます。五臓の肺の主な機能(肺気)は、呼吸により空気中から必要な成分(酸素など)を吸入し、体内の不要物(二酸化炭素など)を排出することです。これを「肺は気をつかさどる」といいます。肺を滋潤し、栄養を与える陰液を肺陰と呼びます。肺陰は、肺や気道や体表の分泌液や組織液と強い関係にあります。肺の働きが低下すると、喉の痛み、咳や痰が出る、扁桃が腫れるといった気管支系トラブルを引き起こしやすくなります。

 肺は乾燥に弱い臓器です。空気が乾燥する秋は、もっとも注意が必要な季節。外気の影響を受けて肺も乾燥し、気管支トラブルが起きやすくなります。肺はほかの臓器と違って、外気に直結している分、その微妙な変化をキャッチしやすいといえます。もともと気管支系トラブルがある人は、秋は症状が悪化しやすいので万全の対策を講じましょう。

 急性気管支炎の予防や改善のためには、肺を強めて潤いを与える食材を取り入れることが必要です。おすすめは"梨(なし)"。肺の機能をアップし、しっかりと潤す高い効果があります。とくに空咳、喉の腫れや痛み、痰のからみなど、喉の不調に優れた働きがあり、まさに「のど飴フルーツ」。秋にはぜひ積極的に取り入れることをおすすめします。また、便秘、二日酔い改善効果もあり、女性にとっては乾燥肌、しわ対策にも役立ちます。

 気管支炎の症状が出ているときにおすすめなのが「梨のはちみつコンポート」です。鍋に食べやすく切った梨を入れ、水、白ワイン、はちみつを加えて15分ほど煮ます。咳や喉の痛みをやわらげるのに役立ちます。

 梨の急性気管支炎改善効果を高めるには、長芋、大根、蓮根、白ごま、豆腐、はちみつなどと組み合わせるのがよいでしょう。また、症状が起きているときは、トウガラシがきいた料理や、ネギ、ショウガの大量摂取は悪化の原因になるので控えましょう。 

(出典:https://hc.nikkan-gendai.com 他)


■肺機能を高めれば免疫も高まる!

 私たちは普段、無意識に呼吸をしているため、「肺を大事にしよう」とあまり意識しませんが、肺の機能は20代から加齢と共に低下します。肺機能が低下すると、呼吸は浅くなり、自律神経のバランスが乱れる原因になります。それにより、腸内に生息する免疫細胞の働きも悪くなります。しかも、酸素と二酸化炭素のガス交換を担う「肺胞」は一度壊れてしまうと再生できません。しかし、呼吸筋を鍛え、肺機能を高めることは可能です。

 肺には筋肉がないため、自ら膨らんだり縮んだりすることはできません。右図にあるような肺の周りにあるさまざまな筋肉(呼吸筋)の働きによって動いています。

 短期間のトレーニングでも肺年齢は若返ります。実際に、呼吸筋を鍛えるトレーニングを2週間しただけでも肺年齢が若返ったという例も多くみられます。

「良い呼吸」とは「深い呼吸」のこと。呼吸を司っているのは自律神経ですから、自律神経のバランスが良い状態で深い呼吸ができるのがベスト。毎日数分から、次の3つを意識して良い呼吸をする時間をつくりましょう。

●口呼吸を改め「鼻呼吸」

 マスクの有無に関係なく、常に鼻呼吸を心掛けましょう。鼻呼吸をすると、冷たく乾いた空気でも、鼻の粘膜を通る間に温められ、適度に湿るので肺への負担が軽くなります。また、鼻毛がウイルスや細菌を濾過するので病気予防の効果も。さらには、副鼻腔で作られる一酸化窒素(NO)が肺の血管を拡張し、より多くの酸素を取り込めることが分かっています。こうしたさまざまなメリットは口呼吸にはありませんから、意識して鼻呼吸をするようにしましょう。

●背筋を伸ばして「姿勢よく」

 猫背や前かがみの姿勢でいると肺が圧迫され、必然的に呼吸が浅くなります。浅い呼吸が続けば、血流が悪くなり、臓器の機能低下、疲労、肩こりなどを引き起こします。日常生活でも胸を張り、背筋を伸ばすことを意識しましょう。「ちょっと疲れたな」というときも、姿勢を正した状態で、鼻からゆっくりと息を吸い、口をすぼめながらゆっくりと息を吐き切ることで、副交感神経が優位になりリラックスできます。

●いつでもどこでも「タッピング」

 私たちが無意識に呼吸をしたり、食べ物を消化したりできるのは、自律神経が働いているからです。自律神経のバランスが乱れる要因の1つがストレス。そのストレスによる乱れをいかに整えるかが重要となります。そこでお勧めなのが「タッピング」。副交感神経の働きを高めるツボが多い頭全体を、両手の指でトントンと軽く30秒ほど叩きましょう。これだけで自律神経のバランスを整える効果が期待できます。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2023年10月18日水曜日

冷え性

 自覚症状のない冷えもご用心

 手足が冷たい、足が冷えて眠れない……。冷えは女性に多い悩みですが、温めても治りにくい冷えは、自律神経と深く関わっている場合があります。冷えは万病の元と言われますが、冷えの自覚症状のない人や様々な症状の背後に冷えが存在していることもあります。

 暖かい部屋に入ると、すぐに手足が温かくなりますか。それとも、なかなか温かくならないですか。みなさんは、どちらでしょうか?

「手足などの末梢の血流は、自律神経の働きによって調節されている。ストレスがかかって交感神経が緊張すると、末梢血管は収縮して血行が悪くなる。手足がなかなか温かくならない人は、自律神経の働きが乱れているために血流の調節がうまくいっていない可能性がある。これを"ストレス冷え"と呼んでいる」(東京女子医科大学東洋医学研究所副所長・木村容子准教授)。

 ストレス冷えはこの他にも、自覚症状はあるのに診察しても冷えがない人、逆に足が氷のように冷たくても自覚症状がない人など、冷えの認識にずれが生じていることもある。

 冷えは本人が自覚的に感じる症状ですが、客観的な評価もされています。例えば、冷え症の人が寒冷刺激を受けた場合、冷えを訴える部位の血流量は減少し、実際に皮膚温の低下が認められるという報告があります。また、手足の冷えを訴える人では、寒冷刺激を受けた際に皮膚温の回復が遅延している場合があります。ラットの実験では、オスよりメスの方が血管拡張の反応が遅いという報告もあり、一般的に女性に冷え症が多いということを裏付ける結果と考えられています。

 女性の冷えは、女性ホルモンの乱れから自律神経に変調をきたすことも多く、このような場合は、冷えだけでなくのぼせの症状も現れます。また、甲状腺の機能低下、貧血、低血圧、膠原病などによって、冷えの症状がみられることがあります。病気による冷えは、原因に対する治療が重要です。冷えの症状が続くときは、医療機関に相談しましょう。

 そのほか、肩こり、頭痛、腰痛、不眠、むくみ、疲れやすい、やる気や元気がない、肌のくすみやしみ、乾燥なども、実は冷えによって起きやすい症状です。不調を訴えて受診しても体が冷えていることに気づいていない人は多く、注意が必要です。

 右のような生活が習慣になっていないでしょうか。これらはすべて体を冷やします。「朝食を抜くと体温が上がる機能は働かず、筋肉不足では熱が生み出せません。昼夜逆転は日内リズムを乱して、日中に体温が上がらない人もいます。便利な生活がかえって冷えを助長している可能性があります」(木村准教授)。       

(出典:https://www.healthcare.omron.co.jp/)


■タイプ別“冷え症”の原因と特徴

(1)皮膚温度上昇タイプ

(血管拡張型・ニュータイプの冷え症:全体の30~40%)

 次世代型冷え症 【冷えの場所】手足はもちろん全身に冷えを感じる。【原因】偏った食事、低血圧、基礎代謝の低下、自律神経の乱れ、冷房の影響、家電、OA機器からの電磁波や静電気が影響。足先の温度は高く、普段は血管が拡張して皮膚から熱を放散するために寒さを感じる。何かのきっかけで冷たさを感じると、一気に血管が収縮し、皮膚温度が極端に低下する。【特徴】自律神経が軽い麻痺を起こしており、足先がほてったり冷えたりする。

 かくれ冷え症 【冷えの場所】自分では冷えを感じない。【原因】次世代型と同じ。【特徴】手や足は温かく、ほてりを感じているが、内臓の温度は低下している。冷えに気づきにくく、対応が遅れがちになってしまう。


(2)皮膚温度低下タイプ

(血管収縮型・従来の冷え症:全体の60~70%)

 抹消血管収縮型冷え症 【冷えの場所】主に手足、足先に強い冷えを感じる。【原因】冷房刺激で抹消血管が過度に収縮し、その結果、血液が足先まで運ばれなくなる。関節が硬くなったり、足の筋力低下により足指の機能低下により起こる。【特徴】秋口から春に掛けて症状が強い。手足の血流が通常の1/10に低下することもある。

 内臓温度低下型冷え症 【冷えの場所】腰から下の冷えを感じる。【原因】みぞおちのあたりの温度が、下腹の温度より低いタイプで、下腹部にうっ血を起こし血流量が増加。上腹部の血流が減少して起こり、体に血液がまわりにくくなる。下腹部の臓器が複雑な女性に多い。【特徴】このタイプの人は、女性は婦人科系疾患、男性は腎臓や泌尿器科疾患になりやすい。

ストレスによる自律神経の反応

 ストレスを受けると生体反応は、視床下部→自律神経系→交感神経→副腎髄質と伝播し、ノルアドレナリンやアドレナリンなどが血中に放出されます。すると血糖値の上昇・胃腸機能低下・心拍数の上昇・血圧上昇など循環機能が亢進し、冷えのぼせや、ほかにも肩こり・疲労などが発症します。また、ノルアドレナリン、アドレナリンは、細動脈の収縮から毛細血管への入口を収縮させて微小循環の血液が低下します。そのため、冷えをはじめとする様々な自覚症状を発症してしまうのです。

===============

 神経伝達物質のセロトニンには、細動脈の拡張・自律神経のバランスを整える働きがあることが確認されています。康復医学学会の研究素材「ラフマ」にはセロトニン産生を促進するデータがあります。また、ストレスの影響で毛細血管の入口が収縮することにより、微小循環血流は低下してしまいます。毛細血管の入口拡張には、一酸化窒素(NO)が大きく関わっています。当学会が長年研究を続けている「特系霊芝(HM-3000)」には、その血中一酸化窒素の産生を促すデータがあります。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2023年10月12日木曜日

血小板

 血小板因子が脳を若返らせる

 3チーム3様の視点で取り組んだ脳の若返り因子探索がどれも1つの成分に行き着き、それらの成果が8月にNature誌とその姉妹誌2つに同時に報告されました。

 若い動物と老いた動物の血液循環をつなぐと老いた動物が若返ることが知られています。実験で、"血漿"にその効果があることが示されました(2014)。若いマウスの血漿を老マウスに注射すると、老化に伴う認知機能障害が改善し、学習や記憶が向上したのです。

 その筆頭報告者であるカリフォルニア大学の研究者はさらなる研究で、「血小板第4因子」(PF4)が老化マウスの認知機能を改善することを突き止めました(Nature誌)

 若いマウスの血漿の血小板分画を老化マウスに投与すると、脳の老化の特徴である神経炎症指標が落ち着くことを見出し、そして若いマウスの血漿にはPF4が豊富なことを発見したのです。ヒトでも同様で、老人より若い人の血漿検体にはPF4がより豊富でした。

 運動には老化に伴う認知機能低下を抑える働きがあり、運動により脳の海馬(の歯状回)の神経新生の増加についてPF4が寄与していることが示唆されています。また、ヒトやサルのPF4が老化に応じて減ることが確認されています。

 PF4に若返りの作用があるという予想は正しく、研究チームが老いたマウスにPF4を注射したところ、若い血漿を投与したときと同様の効果が認められました。PFの投与で、海馬の神経炎症が和らぎ、記憶や学習の検査成績が良くなったのです。

 運動による神経新生の増加にPF4が寄与することを示した上述の成果を報告(2019)した研究者らの新たな研究でもPF4の抗老化作用が示されました(Nature Communications誌)。研究の結果、運動で血小板が活性化することで老化マウスの海馬の細胞増殖が向上し、血小板由来の成分であるPF4の全身循環の増加が海馬の神経新生促進を介して認知機能を若返らせることが示されています。

 同時に発表されたもう1つの報告では、延命効果が知られるホルモンの働きに必要な因子の探索でPF4が発掘されました。「クロトー(klotho)」というそのホルモンは延命に加えて脳機能も改善します。しかし末梢に投与したクロトーは血液脳関門(BBB)を通過できず、脳に到達しません。そこで、クロトーと脳機能改善の関係を仲介する成分を探索し、意外にもPF4がその作用を担うことがわかったのです(Nature Aging誌)。研究の結果、クロトーはPF4を含む血小板因子を増やし、末梢に投与したPF4は脳に到達可能であり、マウスの老いも若きもPF4投与で認知機能が上向きました。

 血小板因子の手入れで老化による脳の衰えを回復できるかもしれない、と研究者らの報告には記されています。また、アルツハイマー病などの高齢者の認知症の治療にも血小板因子が役立ちそうです。

(出典:https://www.carenet.com/)


■血小板の働きと関連する病気

 血小板は骨の中心部の骨髄という部分で産生され、外傷などの原因で血管が破れた場合に、その部位を修復し出血を止める作用を担っています。

 出血時には、血液中の血小板が血管壁の傷口に集まってきて、血小板による血栓を作り、傷口をふさぎます。血小板だけの血栓では、血を止めるにはもろくて不安定です。そこで、血液中の凝固因子と呼ばれる一群のタンパク質が働き、最終的には血小板血栓の全体をおおい固めて、止血が完了します。

 血小板が多すぎると正常な血管内でも血栓で作られやすくなり、放置すると血栓症(心筋梗塞や脳梗塞など)を発症する場合もあります。少なすぎると出血が止まりにくくなります。

 血小板の数値検査は、血液を採取し、自動血球計数装置により測定します。血小板の基準範囲は医療施設によって異なりますが15万~35万/μL(マイクロリットル)で15~35×104/μLと表記されることもあります。


 血小板に関して疑われる病気の例としては、本態性血小板血症、慢性骨髄性白血病、特発性血小板減少症、再生不良性貧血などがあげられます。


 特発性血小板減少性紫斑病 

 血小板減少をきたす他の明らかな病気や薬剤の服薬がなく、血小板数が減少し出血しやすくなる病気です。


 血小板増加症 

 血小板が40万/μL以上に増加したときに血小板増加症といいます。

 原因は血小板が作られる骨髄機能自体の異常である一次性増加症と骨髄以外に原因のある二次性増加症、家族性(遺伝性)血小板血症の3つに大別されます(右表)


 このほかにも、本態性血小板血症、慢性骨髄性白血病、特発性血小板減少症、再生不良性貧血などの病気が疑われます。

===============

 康復医学学会の主要研究生薬である「HM-3000(特系霊芝)」。この霊芝の子実体から単離されたトリテルペノイド(脂溶性の化合物群)は120種を超えており、薬理研究から、血小板抗凝固作用をはじめとする血小板に関する影響はもちろん、肝臓保護解毒抗酸化抗菌血糖降下抗HIVとヘルペスウイルス主要細胞抑制前立腺肥大改善効果骨密度低下抑制効果等の作用等が確認されています。

「老化」は、医学的な見地からは、動脈硬化、虚血性心疾患、脳卒中、癌、糖尿病、骨粗鬆症、認知症などあらゆる成人病に共通の、かつ最大の危険因子とみなされていますが、確認された上記の作用を見れば、HM-3000(特系霊芝)の抗老化に対する様々なメリットは、大きなものであることがわかります。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2023年10月5日木曜日

睡眠不足症候群

 夜中に目覚めて眠れなくなる

 年齢を重ねると、睡眠に変化が起きて、夜が明ける前に目が覚めてそのまま眠れなくなってしまうことも珍しくありません。また、トイレなどで夜中に何回も目を覚ますようになり、「朝までぐっすり眠る」ことも難しくなってきます。睡眠には多くの役割がありますが、中でも重要なのは日中の心身の疲れを回復する「休養」。年を取ると一般に日中の活動量は若い頃より少なくなり、肉体を維持するための基礎代謝も下がってきます。

 基礎代謝とは、呼吸や消化など、肉体を維持するために最低限必要なエネルギー消費量のこと。年を取るとそれが下がるため、疲れを回復するためにたくさん眠る必要がなくなっていくというわけです。そのため、朝早く目が覚めるようになります。

 約3600人を対象にした疫学研究によると、25歳の平均睡眠時間は7時間、40歳は6時間半、65歳は6時間、80歳は5時間半となっています。秋田大学大学院医学系研究科精神科学講座教授の三島和夫氏は、「毎日8時間眠れるのはせいぜい中学生くらいまで。70代以降はがんばっても6時間くらいしか眠れなくなる」と解説します。

 加齢により眠りが浅くなってくるのはなぜでしょうか。それには、脳の温度(深部体温)の変化が関係しています。

 脳の温度は夕方過ぎから眠りに入る5時間~2時間前くらいに最も高くなり、就寝前の2時間ほどで一気に下がります。深部体温をグラフにしたときに、この落ち込みが大きいほど深い睡眠が増えることが分かっています。

 年を取ると自律神経の機能が低下してくるため、夜間の深部体温の落ち方は高齢者のほうが少なくなるのです。脳の温度が高いと、深いノンレム睡眠は出にくくなります。さらに、高齢者はわずかな刺激でも目を覚ましやすくなります。若者なら眠り続けられる軽い尿意やちょっとした物音でも高齢者は目を覚ましてしまいます。加齢とともに「覚醒閾値(いきち)」が下がるためです。

 以上のような理由で、年を取ると深い睡眠が出にくくなり、しかも刺激に対して目を覚ましやすくなります。その結果、中途覚醒や早朝覚醒に悩まされるようになるのです。

(出典:https://gooday.nikkei.co.jp/)


■睡眠不足症候群と認知症の睡眠

 睡眠不足症候群は、夜間睡眠が慢性的に不足しているために、日中の過度の眠気、集中力の低下、活力の低下などが生じる睡眠障害です。患者は、故意ではないが自発的に慢性の睡眠不足状態を続けています。身体機能の異常を認めることができません。慢性化や睡眠不足の程度によって、いらいら感、集中力の低下、活力の減退、注意散漫、意欲の低下、無反応、不快、疲労感、落ち着きのなさ、協調性の欠如、倦怠感などが出現することがあります。

睡眠不足症候群の対策

 生活習慣を改める :寝る前はカフェインやお酒、タバコなどの刺激物は摂らない、入浴で体を温めてリラックスする、テレビやゲーム、スマホなど画面の光が眠気を減らすので控えるなど。多忙型では、勤務や勉強のスケジュールを再検討する必要があります。

 仮眠をとる :夜の睡眠時間が不足するなら、昼間に仮眠を積極的にとりましょう。午後3時以降や30分を超える昼寝は夜の睡眠に悪影響があるので、お昼から午後3時までの間で、20分くらいにとどめましょう。

 睡眠リズムを整える :睡眠促進ホルモンといわれるメラトニンは、夜間に分泌量が多くなり、朝方に減少します。太陽光を浴びるとメラトニンの脳内分泌量は抑制され、目覚めることができます。また、メラトニンの原料はセロトニンです。セロトニンは、脳内ホルモン全般を調整しています。太陽光やリズム運動でセロトニンは活性化しますが、日常のストレス対応に追われて減少してしまっているとメラトニンも減少します。

認知症の睡眠問題

 認知症の方には、様々な睡眠問題がみられます。重度の認知症の方ではわずか1時間程度の短時間でさえ連続して眠ることができなくなるといわれています。夜間の不眠とともに昼寝(午睡)が増え、昼夜逆転の不規則な睡眠・覚醒リズムに陥るようになります。またしっかり目が覚めきれず「せん妄」(もうろう状態)がしばしば表れます。この時には不安感から興奮しやすく時に攻撃的になるため、介護の負担が増します。認知症患者の一部では、夕方から就床の時間帯に徘徊・焦燥・興奮・奇声などの異常行動(日没症候群)がみられます。これも睡眠・覚醒リズムの異常が関係していると考えられています。

 認知症の睡眠障害に有効な薬物療法は知られていません。効果が出ても一過性の場合が多く、長期間使用することは避けねばなりません。睡眠薬や鎮静薬を使いすぎると、生活の質が低下し、結果的に介護負担が増加します。

 認知症の方に対する睡眠薬の使用については、高齢者では若年者に較べて睡眠薬に対する感受性が高く、体内から排泄する力も弱くなるので、注意深く使用する必要があります。

===============

 康復医学学会の研究素材「ラフマ葉」にはセロトニン産生に関するデータがあり、睡眠リズムを整える助けとなります。また認知症の方に関しては、睡眠薬の前に、安全性が十分確認されている「ラフマ葉エキス」のサプリメントを使用することをお勧めします。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2023年9月28日木曜日

エクソソーム

 老化研究で注目の物質 “エクソソーム”

 私たちの体のさまざまな細胞から放出され、細胞の情報伝達に関わる小さなカプセル状の物質「エクソソーム」。最近はメディアでも話題で、医療や美容などを中心に、応用に向けた研究や開発が進んでいます。

「がん転移」のメカニズムや老化とも深く関わることで注目されるようになったエクソソームですが、エクソソームは、健康な細胞からももちろん放出されています。がん細胞から放出されるエクソソームはいわゆる“悪玉”ですが、“善玉”もあります。動物や植物の幹細胞、間葉系幹細胞のエクソソームなどです。

 動植物の幹細胞のエクソソームは、スキンケアを始め、アンチエイジングに働くことがわかっています。また、セラミドを含む間葉系幹細胞のエクソソームは皮膚の保湿やバリア機能の維持において重要です。

 化粧品などの美容分野でもエクソソームの応用が進められていますが、体の中からのアンチエイジングとして注目したいのが、様々な食品に含まれるエクソソームです。牛乳や卵、肉や魚といった動物性食品や、野菜や果物などの植物性食品、様々な微生物が作用する発酵食品などにエクソソームは多く含まれます。こうした食品を毎日の食事で摂ることで、エクソソームに含まれるよい情報を体内に取り入れられるという一面は確かにあるようです。旬の野菜や果物、特に強い紫外線を浴びて育ったドラゴンフルーツに代表される南国フルーツ、味噌や醤油、酒などの発酵食品には善玉のエクソソームが豊富に含まれています。

 将来の健康リスクのひとつに、加齢に伴う筋量の減少や筋力の低下によるサルコペニアやフレイルがあります。その治療にエクソソームを活用する研究も進んでいます。筋量・筋力に優れた人の間葉系幹細胞に含まれるエクソソームを"移殖"するイメージです。

 エクソソームの表面には異物を認識する分子が存在し、不要なものは排除します。人から人へ移しても体が抵抗するといった心配はありません。

 医薬品以外でも様々な可能性を持つエクソソームですが、その多くはまだ研究段階にあり、医学的根拠が確立されていくのもこれからです。

「扱い方を間違えれば事故につながる可能性もある。医薬品としてのエクソソームについては、PMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)で専門部会を設置し、正しい使用法などを提言している」(東京医科大学医学総合研究所教授・落谷孝広氏)

 エクソソームの持つ抗老化作用などについて、詳しいメカニズムはまだ解明されていません。今後研究が進むことで、アンチエイジングや皮膚の再生などもより期待できるようになるはずです。

(出典:https://gooday.nikkei.co.jp/)


■エクソソームの新しい可能性

 エクソソーム(Exosome)は、多くの細胞から分泌されて血液(血漿、血清)、尿、唾液、母乳など様々な体液中に存在する細胞外小胞(Extracellular Vesicles; EV)の一種です。体液だけではなく、多くの細胞株の培養上清にも放出されています。由来する細胞の特徴を反映し、他の細胞に取り込まれ、細胞間の情報伝達を担う、と言われています。大きさは直径30~150 nmで、その膜上に特徴的な抗原(CD9、CD63、CD8等)や脂質(ホスファチジルセリン等)を有しており、また内部にはタンパク質、メッセンジャーRNA(mRNA)、マイクロRNA(miRNA)、DNAを含んでおり、これらの分子が由来細胞の特徴を反映すると言われています。

エクソソームの仕組み

 細胞から分泌されたエクソソームは細胞間の情報伝達の役割を担っていると言われています。エクソソームはその内部に核酸やタンパク質を含んでいますが、その核酸(miRNA等)がエクソソームを介してもう一方の細胞に伝達され、機能していることが報告されており、エクソソームは細胞間のコミュニケーションツールとしてはたらいていると考えられています。

エクソソームと病気の関連性

 エクソソームは、がんの転移、ウイルス感染の媒介、疾患バイオマーカー、組織修復など多岐にわたり様々な疾患との関わりを持っています。

 エクソソームは超遠心法、限外ろ過法、密度勾配遠心法、ポリマー沈降法や、免疫沈降法などで単離、精製することができます。

 体液中のエクソソームの分析から得られる情報としては、含まれるmiRNAの種類と量、mRNAやDNAの配列情報、膜の構成脂質の種類、エクソソームの数、エクソソームの粒度分布、エクソソームの密度などが挙げられます。中でも特にmiRNAなどの核酸に関連した分析は集中的に研究が進んでおり、具体的には体液中に含まれるmiRNAを網羅的に解析し、そのプロファイルから複数のがん種の発がんリスクを判定するサービスなどが開発されています。その他、エクソソームが細胞間コミュニケーションツールとしての役割を担っていることに着目し、ドラッグデリバリーシステムに応用する検討がされています。

 また、エクソソームの分泌機能研究を応用し、がん転移抑制などのがん治療法が開発されているなど、エクソソーム分析、研究成果を応用して、医療分野で様々な活用が期待されています。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2023年9月20日水曜日

人工甘味料

 “合成甘味料”のリスク

「糖質」とは、炭水化物から食物繊維を除いたものです。糖質はさらに糖類とその他の糖に分類されます。糖類にはブドウ糖や果糖などの単糖類、ショ糖(砂糖)や乳糖、麦芽糖などの二糖類があります。その他、糖質にはデンプン、グリコーゲンなどの多糖類、キシリトールやソルビトール、マルチトールなどの糖アルコールなどからも構成されています。他にも、化学的に合成して製造された甘味成分(非糖質系甘味料)があります。非糖質系甘味料は、天然甘味料(ステビア、羅漢果など)とアセスルファムK、スクラロース、アスパルテームなどの合成甘味料(人工甘味料)があります。

一方、「糖類」とは、糖質のうち、ブドウ糖や果糖などの単糖類とショ糖や乳糖などの二糖類の総称です。

「糖質ゼロ」「糖類ゼロ」「糖質オフ」など、栄養成分の含有量が少ないことや多いことを示すための表示については、消費者庁の食品表示基準で定義が定められています。

「糖類ゼロ」と表示されるものは、糖類の含有はありませんが、キシリトールなどの糖アルコールやアスセルファムKなどの非糖質系甘味料が使われている場合があります。

「糖質オフ」は、表示できる基準が決まっていないので注意が必要です。販売者の責任において、比較対象品に比べて低減されていれば「糖質○%オフ」と表示可能です。例えば100gあたり糖質50gを含むチョコレートと100gあたり25gの糖質を含まれているチョコレートがあれば、その差は25gとなので、後者は「糖質50%オフ」と表示できます。

これを踏まえると、ダイエットには「糖類ゼロ」や「糖質オフ」よりも「糖質ゼロ」という表示のある商品がおすすめです。しかし、糖質ゼロを表示することができるのは100g当たり(清涼飲料水などの飲料の場合は100ml当たり)0.5g未満の糖質を含む食品なので、完全に「ゼロ」とは限らないため、注意が必要です。

また、「糖質ゼロ」とうたう商品には、砂糖よりも甘味を出すことができ、低カロリーまたは、ゼロカロリーであることが特徴の非糖質系甘味料が使われていることが多く、清涼飲料水や菓子類をはじめとした多くの商品に使用されています。

 砂糖に比べて低カロリーで甘味を感じられるため、ダイエット目的や健康意識から砂糖を控えたい人に人気がありますが、最近、世界保健機関(WHO)は、非糖質系甘味料(NSS)に関する新しいガイドラインを発表し、体重管理や非感染性疾患のリスク軽減を目的としたNSSの使用を推奨しませんと公表しています。非糖質系甘味料の長期使用により、2型糖尿病、心血管疾患、成人の死亡率のリスク増加など、望ましくない影響が潜在的に存在する可能性があることを示唆しているようです。

(出典:https://diamond.jp/articles/)


■糖質ゼロの甘味料!?

 一般的な、非糖質甘味料には、アセスルファムK、アスパルテーム、アドバンテーム、シクラメート、ネオテーム、サッカリンなど、「糖質ゼロ」とうたう商品に含まれていることが多いため、原材料の表示を確認するとよいでしょう。

 世界保健機関(WHO)が発表した非糖質系甘味料(NSS)に関する新しいガイドラインは、日本では使われていない非糖質系甘味料も含めた調査結果のため、そのまま日本人に当てはまるとは限りません。また、NSSの摂取が有意に健康へ悪影響を及ぼすかどうかを断定するためには、複数の論文を集めて検証する必要があるため、引き続き各個人が正しい情報を得ていく必要があります。

糖質ゼロの商品によく使われている合成(人口)甘味料

 現状、糖質ゼロをうたう商品に、日本でよく使われている合成甘味料は以下の3つです。

アスパルテーム

 砂糖の約200倍の甘味を持ち、日本では1983年に使用が認可されている。苦味が少なくスッキリとした甘さが特徴。

スクラロース

 砂糖を原料に一部が「塩素」に置き換えられて作られており、砂糖の600倍の甘味がある。2002年認可。

アセスルファムK(カリウム)

 砂糖の約200倍の甘味を持ち、2000年に認可。ほかの甘味料と併用すると砂糖に近い甘みを引き出せるため、組み合わせて使われることが多い。


 合成甘味料は、砂糖の何倍もの甘味があるため、少量で甘味を感じることができますが、この甘味に慣れてしまうと、更に甘いものが欲しくなり、甘いものが止められなくなる可能性もあります。また、摂取しても血糖値が上昇しないため、満足感が得られず、食欲が止まらなくなってしまうことも懸念されます。

 同じ糖質ゼロ商品でも、原材料を見てみると添加物が多く含まれているものがあります。

 添加物が多い食品をたくさん取る習慣は、肝臓の機能低下につながります。それほど神経質になることもないのですが、商品を選ぶ際は、表に記載されている糖質ゼロや糖類ゼロの表示だけではなく、裏の原材料も見ておくとよいでしょう。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2023年9月14日木曜日

食事と健康

 自分に合った食事量とは?

 同じものを食べているのに、体重が変わらない人もいれば、太る人もいます。食べる量が昔と変わらないのに、年とともに体重が増えてくる人もいます。

 体重が増えてしまうのは、体が必要とするエネルギー以上に食べ物をとっている証拠。では、自分に必要なエネルギー量は、どうすればわかるのでしょうか?

 日本人の成人が活動するのに必要なエネルギー量(活動量が少ない場合)は、男性なら2,200±200kcal程度、女性なら1,400~2,000kcal程度とされています。

 けれども、必要なエネルギー量は、体格や活動量によっても異なります。1日に必要なエネルギー量は、次の式で求められます。

「標準体重×身体活動量(kcal)」

 標準体重は、「身長(m)×身長(m)×22」という式に、自分の身長を当てはめて求めます。身体活動量は、1日の活動量の目安で、大きく以下のように分けられます。

デスクワークが主な人、主婦など、身体活動量がやや低い人……25~30kcal/標準体重1kg

立ち仕事が多い職業の人など、身体活動量が適度な人……30~35kcal/標準体重1kg

力仕事の多い職業の人など、身体活動量が高めの人……35kcal~/標準体重1kg


 例えば、身長158cmで身体活動量が適度な人なら、標準体重は‥‥

1.58m×1.58m×22=54.9kg、約55kg

 これに身体活動量30~35kcalをかけると、約1,650~1,925kcal。これが、1日に必要なエネルギー量です。デスクワークがほとんどという人なら、25~30kcalをかけると、約1,375~1,650kcalです。

 1日に必要なエネルギー量がわかったら、3等分して1食の目安を求めます。上記のケースでは、身体活動量が適度なら1食あたり約550~642kcal。朝食を500kcal、昼食と夕食を600kcalずつにすれば、およそこの範囲に収まりますね。身体活動量がやや低いなら1食あたり約458~550kcalです。朝食を400kcal、昼食と夕食を500kcalずつと考えておけばよいでしょう。

 健康のための理想的な食事量は、年齢・性別などによって人それぞれ。食事ごとに主食・主菜・副菜といった料理区分ごとのバランスを考える必要があります。自分にとっての適量のめやすを手軽に知るために「食事バランスガイド」*も活用してみましょう。

*「食事バランスガイド」:詳細は下記農水省ホームページをご覧ください。

⇒https://www.maff.go.jp/j/balance_guide/index.html(右QRコードもご利用ください)


(出典:NHK出版、明治の食育)


■和食に軸足を置いた食事を

 これを食べれば健康になる、あれは体に悪い。多くの人が日々様々な食事と健康の情報に惑わされ、混乱しているはず。しかし、食事はもっと保守的で頑固でもよいと思います。

 明治の初めまで、日本では肉食は一般的ではありませんでした。にもかかわらず、江戸時代の人々は現代人よりも体力があったと言われています。日本人は農耕の普及によって、徐々に農耕に沿う穀物の消化を得意とするスタミナ豊富な肉体に進化してきたのです。

現代社会の食事で意識すべき3つのポイント

(1)季節に合ったものを食べる

⇒旬に育った作物こそ栄養価が高く、東洋医学から見ても旬の物を摂ることは自然の摂理に沿ったことです。

(2)日本の風土に合ったものを食べる

⇒「身土不二」と言われるように、身(体)と土(土地)は不二(切り離せない)の関係なのです。日本の有名なイタリアンやフレンチの店で、和の野菜を使うところが増えてきているのは良い傾向です。

(3)食材を丸ごと食べる

⇒東洋医学の「一物全採(ホールフード)」の考えです。穀類や根菜類などは糖質が高いですが、丸ごと食べれば食物繊維も摂れるので、糖質の吸収を穏やかにし、体に適した間接糖で取り入れることができます。また、味噌や醤油、納豆、漬け物などの発酵食品も、乳酸菌や酵母菌など微生物も含んだまま摂ることになるので一物全採と言えます。


日本に伝わる健康的な食文化の考え方

 まごわやさしい 

 (まめ)=豆類、(ごま)=種実類、(わかめ)=海藻類、(やさい)=緑黄色野菜、淡色野菜、根菜、(さかな)=魚介類、(しいたけ)=キノコ類、(いも)=イモ類 

※重要な栄養素を摂るための食材ですが、現在では放射能の問題を考えざるを得ない状況です。


 しょうわそうす 

 しょう=少食わ=和食そ=粗食うす=薄味 :これは、食品添加物の現状や食生活の危機を訴えた著書を多く持つ食品添加物評論家の安部司氏が提案している考え方で、食事の軸足をここに置くように薦めています。


 揺食 

 和食、洋食などの枠にとらわれない日本独特の食事の考え方。日本では唐揚げや焼肉も食べるし、刺身や鍋料理、そしておむすびやそうめんのようなあっさりした食事も摂ります。ちょうどブランコが揺れるようにあれもこれも食べるので「揺食」と呼びます。


 ひふみの原則  

 =非伝統的な食べものは控える(あまり食べない)、=不自然な食べものは控える、=未経験な食べものは控える 

 この原則さえ押さえておけば、化学物質の毒性や、新しく認可された添加物などの悩み・ジレンマから解放されます。


▼健康を考え、遠ざけるべき食品&食に関する技術

 食品添加物、砂糖、人工甘味料、精製食塩、農薬・化学肥料、合成油、遺伝子組み換え食材、化学調味料、放射能、電磁波(電子レンジ調理)、ホルモン剤・成長剤‥‥


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2023年9月6日水曜日

男性ホルモン

 男性ホルモンとは?

<テストステロンの作用部位>
 男性ホルモンでは、テストステロンと呼ばれるものが有名です。テストステロンの95%は精巣、5%は副腎で作られ、生殖機能や筋肉、骨格などの成長に関わります。思春期はテストステロンの分泌が増加することで、第二次性徴を促進させ、肉体的な影響だけでなく精神的にも影響を与えます。また、男性ホルモンの分泌が多くなると、集中力ややる気の向上、精神状態の安定、内臓脂肪の低下など、成人後も心身への影響に関与するとされています。そのため、男性ホルモンの分泌を維持することが健康維持に重要です。

 なお、女性にも男性ホルモンは少量ながら分泌されますが、小学校高学年ぐらいから、分泌量の差が大きくなります。

男性ホルモンの働き

 男性ホルモンは、以下のような健康を維持するためにとても重要なホルモンです。

●筋肉量と骨密度を保つ:男性ホルモンの分泌は、筋肉量と強度の維持、骨密度の維持に関与しています。そのため、女性と比べて筋肉がつき、骨格も大きくなるのです。

●内臓脂肪を減らす:男性ホルモンの分泌によって筋肉量が増えると、基礎代謝量が増えます。基礎代謝量が増えると、内臓脂肪が減少して脂肪がつきにくくなり、太りにくい身体の維持が可能です。

●造血作用:男性ホルモンの分泌により、造血作用が促進されます。65歳以上の男性の貧血のうち、20~30%が男性ホルモンの分泌の低下によるものとされ、そのことからも、男性ホルモンは血液を作る上で大切な役割を果たしているのです。

●性欲を起こす:男性ホルモンの分泌が多くなると、性欲を起こす作用があります。しかし、男性ホルモンの分泌は20代をピークに徐々に低下するため、性欲も加齢とともに減少するとされています。

男性ホルモンの減少で生じる疾患

 男性ホルモンの低下で、以下のような症状が起き、健康的に問題が生じることがあります。

【男性更年期障害】 

 男性更年期障害は、男性ホルモンの分泌が低くなることで起きる症状であり、LOH症候群とも呼ばれます。男性更年期障害には、いらだちや不安感、不眠、性欲の減少などの精神・心理症状、筋力の低下や関節痛、疲労感、性機能低下などの身体症状が見られます。 

【糖尿病】 

 インスリンは、上昇した血糖値を減少させる働きを持つホルモンです。男性ホルモンが低下するとインスリンが働きにくくなるため、血糖値が下がらずに糖尿病のリスクを上昇させます。

【勃起障害 】

 男性ホルモンは、性機能に対しても重要です。男性ホルモンの減少によって、性欲の減少、性交時の障害、勃起不全に陥りやすい傾向が見られます。 

【メタボリック症候群】 

 メタボリック症候群は、内臓脂肪型肥満を機に、高血圧や高血糖、中性脂肪が上昇した状態です。男性ホルモンが低下すると内臓脂肪が増加傾向となることから、メタボリック症候群のリスクを上昇させます。

(出典:サントリーウエルネス『comado』)


■男性ホルモンを活性化させるには

 健康的で活力のある生活をするためには、男性ホルモンの維持が重要です。

男性ホルモンを活性化させる4つの方法

(1)ストレスをためない 男性ホルモンの分泌にはストレスも強く影響するため、普段からストレス対策を行なうことが重要です。

(2)質の良い睡眠 睡眠不足は、男性ホルモンが減少する原因になります。睡眠は、時間よりも"質"が重要です。就寝前にテレビやスマホなどを見ていると脳が興奮状態になるため、睡眠の質が低下します。睡眠の質を高めるため、就寝前に、ぬるい温度のお風呂に浸かったり、部屋を暗くしてリラックスしたりできる状態にしたほうが良いでしょう。

(3)栄養バランスの良い食事を心がける 筋肉や身体の組織を作るためには、さまざまな栄養素が必要です。男性ホルモンの生成に関わるビタミンやミネラル類、身体の組織を作るアミノ酸も積極的に摂取しましょう。また、根菜類やねぎ類、大豆製品などは性ホルモンの働きをサポートします。男性ホルモンの分泌量の維持には、これらの栄養素・食材を中心に、栄養バランスの良い食事を心がけることが大切です。

(4)適度な運動をする ⇒ 男性ホルモンの維持には、適度な運動も必要です。ウォーキングなら平坦な道だけでなく、坂道や階段に登るなど脚の筋肉を使うような、比較的負荷の高めの運動をプラスして、有酸素運動と筋肉運動を組合わせて行いましょう(右図参照)。

生活習慣の改善で男性ホルモンを活性化

 男性ホルモンは、思春期になると分泌量が上昇し、筋肉の増量や内臓脂肪の減少、集中力の上昇、性機能などの健康維持にも重要な役割を果たしています。個人差はありますが、一般的に20代をピークにその分泌量は減少傾向に転じ、ホルモンの低値が顕著になる高齢期になると、心身の不調を感じたり、男性の更年期障害に陥ったりする可能性もあるのです。

 男性ホルモンの分泌を活性化させるためには、ストレス対策や質の良い睡眠の確保、栄養バランスの良い食事、適度な運動など生活習慣の改善が有効です。

===============

 康復医学学会が主要研究テーマとしている「HM-3000(特系霊芝)」ですが、霊芝に含有される有効成分のいくつかは、抗男性ホルモン活性ならびに破骨細胞分化抑制活性があることが明らかとなっています(九州大学2009年)。特に活性成分の一つとして見いだされた、ラノスタン型トリテルペノイド類であるGanoderic acid DMは高い抗男性ホルモン活性ならびに破骨細胞分化抑制活性を示しています。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2023年8月30日水曜日

高血圧

 頭部の上下運動が高血圧を改善?

 軽いジョギングなどの運動が高血圧の改善をもたらすメカニズムについて、国立障害者リハビリテーションセンターや東京大学などによる共同研究グループは、頭の上下運動による脳への物理的衝撃が好影響を及ぼしているとの研究結果を発表しました。高血圧に対して適度な運動が予防・治療に有効であることは統計的に報告されていましたが、その具体的な機序はこれまでわかっていませんでした。今後、肢体が不自由な高血圧患者にも適用可能な擬似運動療法の開発につながる可能性があるといいます。

 高血圧を自然発症するラットを用いた研究で、ヒトの軽いジョギング程度に相当する運動を続けると、高血圧改善効果と交感神経の活性を抑制する効果があることはこれまでの研究でも報告されていますが、同研究グループでは、そのメカニズムとしてラットが前足の着地時に頭部に約1Gの衝撃を受けているという事実に着目。そこで麻酔した高血圧ラットの頭部に1Gの衝撃がリズミカルに加わるよう毎秒2回頭部を上下動させると、脳内の組織液(間質液)が流れ、細胞に刺激が加わります。これを1日30分間、2~3週間以上繰り返した結果、血圧低下の効果が現れることを突き止めました。機序としては、足の着地時に頭部に伝わる適度な物理的衝撃によって脳内の組織液(間質液)が動くことで、脳内の血圧調節中枢の細胞に力学的な刺激が加わり、血圧を上げるたんぱく質(アンジオテンシン受容体)の発現量が低下し、血圧低下が生じたといいます。

 さらに今回の研究では、ヒトが軽いジョギングや速歩きを行った場合もラットと同様、足の着地時に頭部に1Gの衝撃が加わっていることが判明。効果を検証するために、1Gの上下方向の衝撃がヒトの頭部に加わるように設計された椅子に、1日30分間、1週間に3日、1カ月間搭乗する研究を実施した結果、高血圧の改善効果と交感神経の活性を抑制する効果を確認。さらにその効果は搭乗期間終了後も約1カ月間にわたって持続したそうです。

 日本を含む先進国で、健康寿命の延伸が喫緊の課題となる中、認知症やうつ病、糖尿病、がんなど、特に加齢に関連した疾患・障害に「適度な運動」が有効であることが統計的に証明されていますが、運動の何が身体に好影響を与えるか、具体的なメカニズムはほとんど分かっていないのが現状です。

 同研究グループは、「運動時に生じる脳内組織液流動の重要性はそれらの疾患にも当てはまると考えられる。さらには、どんな運動をどれくらいの頻度で行えば健康維持につながるのかといった健康寿命延伸へ向けた問題の解決にもつながる」との見解を提示。「本研究の成果は"運動とは何か?"という問いへの答えにつながるとともに、骨・関節・神経の病気や怪我などで運動したくても運動できない、例えば寝たきりの高齢者や肢体不自由障害者にも適用可能な擬似運動治療法の開発につながる可能性がある」としています。

(出典:https://www.iza.ne.jp/)


■更年期高血圧と職場高血圧

女性の「更年期高血圧」

 40代以降の女性に急増している「更年期高血圧」。更年期はホルモンが乱高下し、血圧も不安定になり、乱高下を繰り返す時期です。更年期が終われば通常は自然に落ち着きます。しかし、問題はその後です、本格的な高血圧へと移行する場合があるのです。 生活習慣や血管の老化、ホルモンの減少が加わって、女性は更年期に血圧が上下しやすい状態になり、放置すると右図のように本格的な高血圧に進行します。

男性の「職場高血圧」

 また、近年注目されているのが、男性に多い「職場高血圧」です。健康診断では正常値でも、仕事中の様々なストレスによって職場高血圧は起こります。30~50代の男性で健康診断の正常血圧だった人のうち、仕事場で血圧を計測すると、なんと25~35%もの人が高血圧領域に入っています。仕事場での血圧上昇は、就業時間中に晒される様々なストレスによるものと考えられています。職場高血圧は健康診断で見つからないだけに、何年も見逃される危険性があり、これが続くと数年後には本当の高血圧になります。さらに、職場高血圧の状態が5年以上続けば、突然死のリスクも増します。

▼検診時血圧が130~139/85~89㎜Hg、▼45歳以上、▼喫煙者、▼中間管理職、▼両親や兄弟に高血圧の人がいる‥‥などは要注意です。

===============

 更年期高血圧対策、そして職場高血圧に最も効果が期待できるのが、血管内皮細胞が作り出す一酸化窒素(NO)です。NOには血管拡張効果があり、血液がスムーズに流れ血圧が下がります。康復医学学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」にはNOの産生促進のエビデンスがあります。また、ストレス型の高血圧は、適切なケアを怠ると慢性化し、抹消血管の血流低下から本態性の高血圧に至ります。HM-3000は、微小循環の血流改善および本態性高血圧の予防・改善にも期待が持てます。

 対処が難しいストレス対策・睡眠障害には、「ラフマ葉エキス」がお勧めです。ラフマは神経伝達物質のバランスを整える効果が認められています。ストレス状態が続くと、アドレナリンやノルアドレナリンが過剰に分泌されますが、一方、同じ神経伝達物質の一つ「セロトニン」が過剰分泌の抑制に働きます。ラフマは、セロトニンの分泌を促進させ、セロトニン神経を活性化させます。ストレスが影響する高血圧には最適です。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2023年8月24日木曜日

夏の脳卒中

 猛暑の日は脳卒中にも注意!

 脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)は血圧が高くなる冬に多いと思われていますが、極端に暑い日もまた、脳卒中リスクが上昇する可能性があることが、複数の論文データを統合して解析した研究(Wen J, et al. Brain Behav. 2023 Jul;13(7):e3078.)で明らかになりました。

 これまでに、気温が脳卒中の発症や脳卒中による死亡と関係することを示唆した研究はありましたが、確かなエビデンスは示されていませんでした。地球規模の気候変動は、気温が極端に高い日を増やしているため、高気温と脳卒中の関係を明らかにする必要性は高まっていました。そこで、中国華中科技大学の研究者らは、気温が特に高い日または低い日を経験することが脳卒中リスクに及ぼす影響を検討していた複数の研究データを統合・解析し(メタ分析)、気温と脳卒中の関係を明らかにしようと考えました。

 医学文献の代表的なデータベースに2022年4月13日までに登録されていた論文の中から、極端に高い気温(年間の気温変動幅の95パーセンタイル以上など)もしくは極端に低い気温(年間の気温変動幅の5パーセンタイル以下など)にさらされた人の脳卒中の発症、または、脳卒中による死亡のリスクを、標準的な気温の中で過ごす人と比較していた20件の研究を選びました。

 20件の研究のうち12件はアジア、6件は欧州と北米、残りの2件は南米とオーストラリアで行われていました。分析対象としていた気温は-33.1℃から40.9℃の範囲でした。多くの研究が、最高気温または最低気温と平均気温を比較していました。

 高温の健康への影響はすぐに現れ、低温の影響は時間を経て現れることが示唆されています。対象とした研究は、高温または低温を経験してからその影響が人体に現れるまでのタイムラグを0日から28日の範囲に設定していました。

 個々の研究のデータを合わせて分析したところ、極端な高温は脳卒中の発症リスクを1.1倍に高め、脳卒中による死亡のリスクを1.09倍に高める可能性が示されました。一方、極端な低温下でも、脳卒中発症リスクが1.33倍に、脳卒中による死亡リスクが1.18倍に上昇していました。

 興味深いことに、高温による脳卒中発症リスクと脳卒中による死亡リスクの上昇は、発展途上国に比べ先進国で大きく、低温による脳卒中発症リスクと脳卒中死亡リスクの上昇は、先進国に比べ発展途上国で大きくなっていました。

 得られた結果は、気温が極端に低い日だけでなく、極端に高い日もまた、その日以降の脳卒中の発症および脳卒中による死亡のリスクを上昇させることを示唆しました。研究者らは「脳卒中を防ぐための公衆衛生面からの施策が必要だ」と述べています。

(出典:https://gooday.nikkei.co.jp/)


■夏の脳卒中とその対策

 夏に脳卒中、特に脳梗塞が起こりやすい理由として挙げられるのが、脱水による体内の水分不足です。夏には汗を多くかくため、それに見合った量の水分を補給していないと、体が脱水症状に陥り、血液が「ドロドロ状態」となり、その結果、血管が詰まりやすくなります。

 また、寒さで血圧が上がりやすい冬とは逆に、夏は体の熱を放出しようと血管が拡張しやすくなります。この場合、生理機能が低下している人や、降圧剤などを服用している人は、血管拡張のために血流が遅くなり、血栓ができやすい状態になるのです。

脳卒中と後遺症

 脳卒中の中で多いのが「脳梗塞」です。脳梗塞は脳の血管詰まりや、狭窄によって起こる症状で、①脳血栓症、②脳塞栓症、③一過性脳虚血発作の3種類に分類されます。また、「脳出血」は脳内の毛細血管が破れ出血して起こる症状で、「くも膜下出血」は脳の表面の血管にできた動脈瘤が破れて、くも膜の下に出血して起こる症状です。

 脳卒中は命に関わる重大な病気です。運よく、一命を取り留めても、必ず後遺症が残ります。脳卒中による後遺症は、大きく分けると以下の3つです。

●神経障害(言語障害・運動障害・感覚障害・視野障害・排泄障害・嚥下障害など) 

●高次脳機能障害(言葉障害・記憶障害・行為障害・認知障害など) 

●感情障害(鬱病・双極性感情障害)

===============

 脳卒中は脳血管障害の総称ですが、脳の微小循環は、中枢神経組織の毛細血管内皮細胞自体が有する特殊な生理的機能が積極的なメカニズムで関与し、脳の環境を常に維持しています。脳出血・脳梗塞などの主な原因は、高血圧、糖尿病、加齢、動脈硬化などの血管・脳血流の障害です。脳内の微小循環は、脳内の血流はもちろん、脳神経細胞へ酸素・栄養素を供給する特殊な生理的機能を担っているため、内皮細胞が繊細にできています。脳血管障害の対策としては、血流の改善、血管内皮細胞の保護・修復などが有効です。

脳卒中に関する康復医学的対応

(1)HM-3000(特系霊芝)

 霊芝による脳血流の改善と血管の保護、血栓形成に対する抑制効果、脳血栓患者に対する後遺症予防、脳内酸素の供給量促進、抗酸化作用に対する影響。

(2)ラフマ葉エキス

 ノルアドレナリン・アドレナリンの分泌抑制、「セロトニン」の活性化と分泌の促進⇒血流・血圧の正常化。

(3)コエンザイムQ10(Co-Q10): 

 Co-Q10の抗酸化作用によりを脂質過酸化物の生成を抑制(脳細胞の酸化ストレス減少)。※体内にCo-Q10が存在する間は、過酸化脂質の生成はほぼ完全に抑えられるといわれています。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2023年8月10日木曜日

高齢者の食事

 後期高齢者が摂るべき食事とは?

 後期高齢者(75歳以降)になると、生活習慣病のリスクよりもフレイル(虚弱)のリスクのほうが重要になり、食事も肉などをしっかり摂ったほうがよい、と言われます。食欲も落ちてくると思われますが、どのような食事を摂るのがよいのでしょうか。

 中高年では、メタボや生活習慣病の対策として食べ過ぎないことが重要ですが、後期高齢者になってくると、体力を落とさないようにしっかり食べることが大切です。

 フレイルとは健康な状態から要介護状態に移行する途中の段階で、いくつかの種類があります。筋肉量が減少し、筋力や身体機能が低下するのは「身体的フレイル」で、その予防のためには、筋肉量を保つために食事が重要になります。食事で筋肉の材料となるたんぱく質をしっかり摂る「たん活」を意識しましょう。

元気な人は「たん活」のためにどのような食事をすべきか?

 さば缶やオイルサーディンのビン詰めを常備している人もいます。これらの食材はたんぱく質の塊です。血液をサラサラにし、脳梗塞や心筋梗塞予防にも役立つオメガ3のEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)も摂れます。一品足りないと思ったら、このさば缶やオイルサーディンを食べるのです。また、魚のにおいが気になるという人には、これらに「食べるラー油」をかける食べ方もお勧めです。

 食欲がない、食べるのが面倒という方は、無理に体にいいものを食べるよりも、自分が食べる気になるものを見つけてそれを食べるといいでしょう。高齢の親がやせてきたと思ったら、ラーメンでもハンバーガーでも焼き肉でもステーキでも、もともと本人が好きなものを食べてもらうことです。中高年の人が頻繁に脂っこいラーメンを食べていたら問題ですが、高齢者がたまにラーメンを食べても問題はありません。そうして外出することで元気になり、「社会的フレイル」改善のきっかけになることもあります。社会的フレイルとは、加齢に伴って社会とのつながりが希薄化することです。外に連れ出すことができたら、今度は「好きなものを1人で食べてきたら?」などと次のきっかけを作ってあげましょう。そして、実際に1人で食べてくることができたり、楽しかったりすると「やる気ホルモン」といわれるドーパミンが脳内で出るので、「明日はどこに食べに行こうかな」「ウォーキングも頑張ろうかな」などと前向きになれるのです。

 後期高齢者の場合、健康にいい食事より、好きなものでいいのでしっかりと量を食べて体力を維持することのほうが重要です。食欲がない、食べるのが面倒という人でも、外に連れ出して好きなものを食べる機会をつくると、意欲を取り戻すことにつながるのです。

(出典:https://gooday.nikkei.co.jp/)


■“筋肉枯れは たんぱく質不足!

「粗食が健康に良い」とされるのは、メタボ予防が必要な40~50歳代の中年期までの話です。60歳を超えてくると、粗食は次第に健康にとって害が大きくなることがあります。

 高齢者にとって粗食がよくないのは、「病気よりも老化そのものが問題」となってくるからです。それは、高齢者がたんぱく質不足になって栄養状態が悪くなると、筋肉や骨の量が減少してしまうということなのです。

筋肉の枯れは体の機能低下を引き起こす

 筋肉には(1)体を支える、(2)体を動かす、(3)血液の循環を助ける、(4)糖や脂肪を燃焼させ熱をつくる(代謝)‥‥など様々な働きがあります。筋肉の衰えは、こうした筋肉の働きの低下に直結するのです。

 筋肉の減少で代謝が悪くなれば、体に脂肪が残りやすくなります。また、疲れるからといって運動量を減らせば脂肪はさらに蓄積していきます。こうして太りやすい体質に変わり、体脂肪が増えるのです。そして、体の脂肪を減らそうとして食事制限に走ると、筋肉がげっそり落ちることがあるので注意が必要です。食事制限によって筋肉枯れに陥ると、一層、運動を敬遠するという悪循環も生じやすくなります。そうなると脂肪の燃焼はますます少なくなります。

エネルギー産生の低下 ⇒ 基礎代謝の低下

 筋肉の中には多くのミトコンドリアが存在します。筋肉量の減少は、「ミトコンドリアの減少」から「エネルギー産生の低下」へとつながり、特に基礎代謝量は筋肉量と関係が深いため(基礎代謝の約40%が筋肉)、筋肉量が減ると基礎代謝の低下を招いてしまうのです。

===============

 たんぱく質を効率的に摂取するには、アミノ酸がコラーゲンペプチドの状態が理想的でだと言われています。康復医学学会の研究から生まれた「三種混合だし」は、アミノ酸スコア100のコラーゲンペプチド商品です。

 また、同学会の主要研究テーマの一つである「コエンザイムQ10(Co-Q10)」は、ミトコンドリアでのエネルギー産生の最終段階に必要となる補酵素です。Co-Q10は加齢とともに減少しますので、サプリメントなどで積極的に摂ることが大切です。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2023年8月3日木曜日

虫歯・歯周病

 酒飲みは虫歯になりやすい

 お酒を日常的によく飲む人は、口腔環境が悪くなる傾向があるといわれています。例えば、アルコール依存症(使用障害)の患者は、虫歯が多いそうです。

 飲酒と口腔環境について詳しい久里浜医療センターの歯科医長・井上裕之氏は、「当院に診察に訪れるアルコール依存症の患者さんの中には、歯が全部で28本ある中で、虫歯が20本あるような人もいる。25~70歳以上のアルコール依存症の人437人を対象に調べたデータで、平均して5.7本の虫歯があるという報告もある。依存症でなくとも、酒をよく飲む人なら、同様に口腔環境に悪影響があると考えられる」と話します。

 アルコールで口腔環境が悪くなる原因の1つは、アルコールの脱水作用により口腔内の唾液が少なくなることです。二日酔いになると、喉がカラカラ、口の中がネバネバになるのは、アルコールの脱水作用の影響であり、それが虫歯になりやすい状態なのです。

「唾液は、唾液腺から分泌される。唾液腺には、大唾液腺と小唾液腺があり、主として大唾液腺から唾液が分泌される。さらに大唾液腺は耳下腺、顎下腺、舌下腺の3種類に分かれ、それぞれから分泌される唾液の性質は異なる。主に耳下腺から分泌されるサラサラの唾液は口腔を洗い流し、清潔に保ってくれる。しかし、二日酔いのときはサラサラの唾液が不十分で、口の中がネバネバした状態では汚れが取れにくいため、口腔内で菌が繁殖しやすくなってしまう」(井上氏)

 唾液には、殺菌効果のほか、歯の再石灰化を促し、口腔内のpHを中性に保ち、食べカスを洗い流す、といった様々な効果があります。ネバネバの唾液になるまで深酒をするのは、体にとっても、口腔環境にとってもいいことがありません。

 また、深酒をして、アルコールの影響が運動機能を司る小脳に及ぶと、歯磨きをしても、歯の磨き残しが多くなってしまいます。磨き残しがあると、そこから細菌が繁殖し、虫歯や歯肉炎、歯周病になる確率が高くなります。

 それでは、お酒の種類によって口腔環境への影響は変わるのでしょうか? 「歯垢のもととなる糖分が多い酒が、口腔環境にとってダメージが大きいと言える。大げさに言えば、そうした酒を飲んでいる数時間は、砂糖が口の中にずっとあるような状態なのだから。私の診ていた患者で、とても甘いお酒をケース買いしている方は虫歯だらけだった。甘いお酒が好きな方は注意が必要だ」(井上氏)

 コンビニには甘いカクテル系の酒が売られていますが、口腔環境の悪化という意味では要注意なのです。

(出典:https://gooday.nikkei.co.jp/)


■霊芝の抗歯周病作用

「歯周病」‥‥正直、あまり怖いイメージがしにくい病気です。歯周病は全世界の中で一番感染者がいる感染症で、あのギネス記録にも載っています。

 歯周病とはどのような感染症なのでしょうか? 簡単に言うと歯周病は口内細菌が歯の周りの組織を破壊し、歯が抜けてなくなる病気です。

 歯磨きが不十分だったり、糖質を摂り過ぎたりすると、口内の細菌は粘着質の歯垢(プラーク)という白い物質を作り出します。歯垢の中にいるこれらの細菌は歯茎に付着し、炎症を発生させ、悪化すると歯茎が腫れて歯周ポケットと呼ばれる歯と歯茎のすき間の溝が広がります。歯周病は歯周ポケットに細菌が溜まることで、炎症をさらに悪化させ、あごの骨を溶かし始めます。

 そして最終的には歯を支える周りの骨などの歯周組織を破壊し、歯が抜けてしまうのです。

歯周病予防

 歯周病は、生活習慣が発症のきっかけになることから生活習慣病ともいわれています。

【正しく歯みがき~プラークコントロール~】:

 自己流の磨き方ではきちんと磨けていないことも多いものです。磨き残しがあると歯垢が残ったままになり、歯周病菌の温床に。

【生活習慣の見直し】:

栄養バランスのとれた食事 →歯周病菌に負けないからだ作りのため、バランスのとれた食事をすることが大切です。抗酸化作用のあるビタミンCや血行をよくするビタミンEを含む食品を積極的にとりましょう。

タバコ・アルコール →特にビタミンCを破壊するといわれているたばこは禁煙するのが望ましいでしょう。

免疫をアップ →規則正しい生活や十分な睡眠、疲れやストレスをためない生活を心がけましょう。

===============

 霊芝の歯周病に対する働き  

 歯周病の原因菌の中で有力な菌の1つに「ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)」があります。ポルフィロモナス・ジンジバリスは、たんぱく質分解酵素の一つである「トリプシン様プロテアーゼ」という病原性因子(歯周組織破壊因子)を産生します。

 霊芝の赤芝(赤霊芝)と黒芝(黒霊芝)から抽出したエキスそれぞれには、トリプシン様プロテアーゼの活性を阻害する作用を有することが認められています。このことから霊芝には歯の健康にも役立つ抗歯周病剤としての働きがあることがわかったのです。

 歯周病は多くの人が感染する病気です。深刻さはあまり感じられませんが、歯を支える歯周組織を破壊し、最終的には歯が抜け落ちてしまうとんでもない感染症だったのです。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2023年7月27日木曜日

血液

 健康な体は血液から

 私たちの体は、筋肉も内臓も骨も皮膚も、すべて細胞でできていて、数十兆個とも言われる全身の細胞が、毎日少しずつ入れ替わっています。これがいわゆる「新陳代謝」です。私たちが健康でいられるのも、この仕組みのおかげです。

 細胞が入れ替わる周期は部位によって様々。最も短いのが腸の細胞、長いのは骨で、古くなった部分が壊され、新しいものに変わります(右図参照)。

 重要なのは、新陳代謝のスピードを落とさず促進させること。そのためには体に良い栄養成分を摂り、適度な運動、睡眠が非常に重要で、それにより、スムーズで質の良い新陳代謝が繰り返され、健康で若々しい体の維持につながるのです。

 健康な体づくりの要は"血液" :

 血液はわずか50~60秒で体内を駆け巡り、あらゆる部位に酸素や栄養を届け、老廃物を回収するという重要な役割を担っています。つまり、血液こそ、全身の健康の要と言えるのです。また、血液は液体のようで、実は赤血球や白血球など膨大な数の細胞の集まり。だから、血液自体も常に細胞を新しくしておく必要があるのです。そんな血液力のカギとなるのが赤血球です。血液の細胞成分の約96%を占めており、その赤血球の状態が、全身の健康を左右すると言っても過言ではありません。

 120日が健康対策の一つの目標 :

 健康な赤血球は、しなやかに変形しながら、細い血管もスムーズに流れます(血液サラサラの状態)。しかし、柔軟性を失い硬くなってしまうと、細い血管を通りにくくなります(血液ドロドロの進行)。全身の細胞に酸素が行き渡らなくなり、疲れやすくなったり、年齢を感じることが増えたりと、様々な不調につながります。

 赤血球は毎日少しずつ入れ替わり、全てが入れ替わるには120日かかります。このことからも、若々しく健やかな体づくりに取り組むなら、まず120日が目安になると言えます。

 約2週間で血液の質は良くも悪くもなる? :

 血液ドロドロとは、赤血球が柔軟性を失うことに加え、血液中に中性脂肪やLDLコレステロールが多すぎて血流が悪くなった状態のこと。一方、血液サラサラは、中性脂肪やLDLコレステロールが増え過ぎず、適切な酸素や栄養が運搬できる状態のことです。血液の質に関わる中性脂肪やコレステロールの量は、食事の内容次第で2週間ほどで良くも悪くも変化すると言われています。赤血球が入れ替わる120日とともに、2週間という数字も意識してみてください。

(出典:https://www.suntory-kenko.com/)


■血液・血管の健康と霊芝

 古くから生薬として珍重されてきた「霊芝」には、血管の老化を防ぎ、血管をしなやかにして血流を改善する効果が確認されています。

加齢と血流変化

「人は血管とともに老いる」という言葉がある通り、加齢や生活習慣の乱れなどにより血管は硬くなり、しなやかさを失い、血流も悪くなっていきます。血流の悪化は、冷えや肩こりの一因となる他、肌ではくすみや新陳代謝の衰えの原因にもなります。

 古くから生薬として珍重されてきた「霊芝」より抽出したエキスには、血管内皮細胞の働きを高め、血管をしなやかにする効果が認められています。そして、このエキスを3か月間摂取することで、毛細血管の血流が改善されることが確認されています。霊芝には血管の老化を防ぐことで、健康維持につながることが期待されました。

がん抑制細胞を活性化など霊芝の効能

 霊芝は、約2000年前に編纂された中国最古の薬物書『神農本草経』には、不老長寿に用いる副作用のない上薬に分類されています。

 霊芝の効能(論文・文献)  中枢神経の興奮抑制作用や鎮痛効果血圧を安定させ、特に拡張期血圧(最低血圧)を下げる作用。高脂血症を改善悪玉コレステロールや中性脂肪を低下させ、高コレステロール血症による動脈硬化を予防血液の凝固を抑える作用。高脂血症ラットの実験では、肝梗塞や肝静脈血栓の生成抑制血栓の予防作用。血糖値の低下作用(糖利用を促進する物質が存在しているためと推定)。炎症やアレルギーの抑制。アレルギー反応の原因となるヒスタミンの働きの抑制接触性皮膚炎の抑制、気管支ぜんそくなどによる異常呼吸出現の抑制。腎炎ラットの実験では、尿へのたんぱく排せつ量を減らし、尿素窒素の改善がみられる。免疫を高める作用。悪性腫瘍や免疫不全の治療に用いているインターロイキン2の産生を高め、免疫系が活性化。抗腫瘍作用。がんなどを抑制するヒト末梢リンパ球のNK細胞の活性強化、細胞免疫を活性化

 

 1997年に日本で開催された霊芝国際学会においては、世界の霊芝研究者が集まり、霊芝のがん、エイズ、アルツハイマー病への有効性についての発表も行われています。

===============

 康復医学学会が推し進める「HM-3000(特系霊芝)」においても、長年の研究により数多くのエビデンスを有しています。霊芝の有効成分は、200種以上の霊芝多糖類(GLP)と霊芝の特異成分とされるガノデリン酸などの100種以上のトリテルペノイド類です。

【霊芝多糖類の実証されている作用・効能】:免疫機能(双方向)、抗腫瘍、血糖の降下、抗放射線損傷、抗酸化、風邪の予防、抗喘息、抗高脂血症、抗糖尿、神経衰弱、傷んだ肝線維の修復etc.

【トリテルペノイド類の実証されている作用・効能】:鎮痛効果、鎮静作用、ヒスタミン放出の抑制、胃の働きの活発化、抗炎症・抗アレルギー作用、解毒作用、肝臓の保護強化作用、がん細胞の増殖抑制作用、血流促進、血圧安定作用etc.


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2023年7月20日木曜日

食物繊維

 食物繊維不足は死亡リスクに関係

 日本人は食物繊維が足りていないと言われます。『日本人の食事摂取基準(2020年版)』における成人の1日の食物繊維の目標量は男性が21g以上、女性が18g以上。

 一方、2019年の国民健康・栄養調査によると、日本人成人の1日当たりの食物繊維摂取量中央値は18g(男性18.9g、女性17.1g)。そこまで不足していないように見えますが、「まだ足りていない」と考える理由は2つあります。

【理由1】目標量が十分ではない。

 米国やカナダでは、生活習慣病の発症率や死亡率との関連を示した疫学調査をもとに、成人の食物繊維摂取目安を24g/日と定めています。日本もこれを参考にしていますが、当時の日本人成人の摂取量中央値が13.7g/日と24gから大きくかけ離れていたため、いきなりそんなに増やすのは現実的ではないと、中間値を目標量としたにすぎません。生活習慣病の予防効果を期待するなら1日24gは摂りたいので、まだ足りていないのが現状です。

【理由2】食物繊維の測定法。

 2018年以降、食物繊維の測定方法が変わり、白米など一部の食品で食物繊維量が以前より多く算出されるようになったことで、摂取量の数値が以前より大きく出るようになりました。20歳以上の食物繊維摂取量(男女中央値)は、2017年の調査では13.9g。そこから日本人の食生活に大きな変化はないので、数字の上で増えたように見えるだけです。

 食物繊維の摂取で期待できる健康効果

 ひと昔前は、便通改善や大腸がん予防くらいでしたが、2000年代、腸内細菌研究が飛躍的に進むと、食物繊維摂取量と心筋梗塞脳卒中循環器系疾患2型糖尿病といった生活習慣病などの発症が抑えられることがわかってきました。

 近年では、大腸以外のがんや総死亡リスクとの相関を示す調査報告が世界各国から相次いでいます。日本人を対象にした調査でも、国立がん研究センターからは複数のがんと食物繊維摂取量との関連を示す報告があります。また、筑波大学の研究チームは、食物繊維の摂取量が少ない人は認知症発症リスクが高いと報告しています。

 最近大きなインパクトを与えたのは、食物繊維の摂取量ががんの治療薬の効きに影響するという報告です。この研究では、生存率だけでなく、がんを殺す免疫細胞の働きがよくなることがきちんと確認されていて、腫瘍を攻撃する免疫機構において、食物繊維を摂取して変わる腸内細菌叢が非常に重要な役割を担っているのではないかと示唆されています。

(出典:https://gooday.nikkei.co.jp/)


■第六の栄養素と言われる食物繊維 

「人の消化酵素で消化されない食物中の難消化性成分の総体」と定義されている食物繊維。炭水化物から糖質を除いたもののことを言いますが、食物繊維にはたくさんの種類があり、非でんぷん性(水溶性食物繊維・水溶性食物繊維)、でんぷん(レジスタントスターチ)、その他(難消化性オリゴ糖)に分けられます。それぞれの特徴によって体に対する働きが異なっています。

 消化・吸収されない食物繊維は、昔は栄養的に価値のないものと考えられていました。しかし、健康維持のために大切であることがわかり、現在では三大栄養素(糖質・脂質・たんぱく質)、五大栄養素(三大栄養素+ビタミン・ミネラル)に加えて「第六の栄養素」と呼ばれています。

理想的な食物繊維の摂り方

 食物繊維には「水溶性」「不溶性」があり、それぞれ腸の中で異なる働きをしています。両方を組み合わせることで便秘解消&デドックス効果が高まります。

 水溶性食物繊維 :腸管内の水を吸収して、便を柔らかくしてくれる作用があります。ネバネバとした粘性があるので腸内の老廃物や毒素を吸着し、便として排出してくれます。また、悪玉菌を減らして腸内環境を整える働きもあります。

 不溶性食物繊維 :腸内で水分を吸収して膨らみ、腸壁を刺激して腸内の蠕動運動を促します。便の嵩を増やす作用があるので、便秘解消に効果的なのですが、水に溶けない性質のため、摂り過ぎると便が硬くなってしまいます。

 腸の健康を考えると、摂取量は「不溶性2:水溶性1」の割合が理想的と言われています*。厳密にこの割合を守る必要はありませんが、バランスよく摂取することが重要です。

*慢性便秘症の患者にポリデキストロース(水溶性食物繊維)を摂取してもらったところ、排便に対して最も良い結果が得られたのは不溶性食物繊維14g、水溶性食物繊維7gの割合であったという研究結果に基づいています。


 最近の「トクホ(特定保健用食品)」には、難消化性デキストリンを配合した商品が増えています。これは、水溶性食物繊維が"脂肪の吸収を抑え排出を増加させる効果がある" と言われているからです。ただし、デキストリンの原材料には遺伝子組み換えのトウモロコシを使用したものが多く、摂り過ぎには注意が必要です。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン