2024年10月30日水曜日

高齢者の骨折

 脊椎圧迫骨折で介護度10倍上昇

 群馬大学は7月、レセプト情報*のビッグデータを活用し、高齢者に多い脊椎圧迫骨折の受傷後の経過の詳細を初めて明らかにしたと発表しました。この研究は、群馬大学、東京大学、自治医科大学の各研究者グループによるもの(『Journal of Bone and Joint Surgery』」に掲載)。

*レセプト情報とは:特定健診等情報(医療機関が医療保険者へ発行する診療報酬明細書のこと)

 脊椎圧迫骨折は加齢に伴う骨粗しょう症が主な原因で、転倒やしりもちなどのちょっとした怪我で生じる骨折です。高齢者の約5人に1人が経験する骨折ですが、多くの場合は数週間~数か月で治癒します。しかし、一部の患者では持続する腰痛や背骨の変形などに悩まされることもあり、足の痛みやしびれ、麻痺などの症状が出てくる場合には手術が必要になります。ところが、これまでの研究では、どのような患者で痛みが持続し日常生活に影響を及ぼすかについては明らかにされていませんでした。

 研究グループは今回、65歳以上の圧迫骨折患者18,392人のレセプト情報から、受傷後の生存期間・鎮痛剤の処方期間・要介護度の変化を調べ、さらにそれぞれのリスク要因について解析しました。

 その結果、圧迫骨折後に4か月以上の長期にわたって鎮痛剤が必要な患者が23%いることが明らかになりました。さらに、骨折前から介護を受けていた患者は、骨折後により多くの介護が必要となるリスクが、リスク比で10倍であることが判明しました。

 これまで不明だった高齢者の脊椎圧迫骨折後の鎮痛剤の処方期間や要介護度の変化について調査を行った結果、鎮痛剤を長期間処方された人や要介護度が悪化する人のリスク要因が初めて明らかになりました。脊椎圧迫骨折後の長期的影響を詳細に検証した研究は過去に例がなく、得られた知見は今後の適切な医療・介護の資源配分に役立つと考えられます。

 同研究成果により、すでに介護を必要としている患者は骨粗しょう症の治療を行うなど、適切に圧迫骨折を予防することが重要であることが明らかにされました。一方で、実際に患者が日常生活においてどのようなことで痛みに困っているのか、どのような介護が必要となったのかの詳細は明らかにされていません。そのため、具体的な日常生活動作のレベル(歩行できるのか、杖や車椅子が必要なのか)や必要な介護(食事の介助、入浴の介助、トイレの介助などが必要か)などについて、詳しく追跡調査することが必要です。

 また、骨粗しょう症の重症度(どれだけ骨が折れやすいか)や、骨折の重症度(変形をきたしているか、麻痺などの神経症状が出ているか)による違いは検討されていません。さらに骨折の後、骨粗しょう症治療を行うことで痛みや介護度が改善するか否かについての検討もされていません。「これらの重症度を考慮することで、将来的には患者にとってより最適な治療を提供できるようにすることが求められる」と、研究グループは述べています。

(出典:https://www.qlifepro.com/)


■高齢者に多い骨折と予防・ケア

 高齢者の骨折は、骨粗しょう症による骨の脆弱化が基礎にあり、わずかな外力でも骨折を起こすことが特徴です。いちど骨折を起こすと長期間の安静が必要で、「寝たきり」の原因になる可能性もあります。また、高齢者が骨折する原因のほとんどは「転倒」です。

高齢者に多い4つの骨折

(1)大腿骨近位部(だいたいこつきんいぶ)骨折

 太ももの付け根の骨折で、転倒によって起こる。寝たきりになってしまう方も多く、社会問題となっている。

(2)脊椎圧迫(せきついあっぱく)骨折

 背骨の骨折。尻もちをつくことで起こることが多い。骨粗しょう症が進むと、普段の生活動作の中でも起こることがあり、「いつのまにか骨折」と言われるものもある。

(3)上腕骨近位部(じょうわんこつきんいぶ)骨折

 腕の付け根の骨折。転んで肩を直接打ったり、肘や手をついた時に起こる。

(4)橈骨遠位端(とうこつえんいたん)骨折

 手首の骨折。転んで手をついた時によく起こる。

高齢者の骨折の治療について

 骨折の治療は、手術療法と手術によらない保存療法に分かれます。

 保存療法の場合は、骨折部位が安定するまで数週間から数ヶ月間、骨折部の安静を保つ必要があります。脊椎圧迫骨折や橈骨遠位端骨折、上腕骨近位部骨折で骨折部が安定している場合は、保存療法が選択される場合が多いです。

 しかし、大腿骨近位部骨折の場合、長期の安静により筋力低下・認知症・肺炎・褥瘡(じょくそう)などを発症し、寝たきりになる頻度が高いことがわかっています。可能であれば手術療法を選択し、早期からリハビリを行い、機能回復をはかることをお勧めします。

高齢者の骨折の予防は骨粗しょう症のケアから

 高齢者の骨折は予防が何より重要です。まずは骨粗しょう症のケアに取り組むことです。

【骨粗しょう症のケア】 

●定期的に検診を受け、骨粗しょう症の程度を評価をする。

●骨粗しょう症があれば内服薬や注射薬による治療で進行を抑える。

●カルシウム、ビタミンD、タンパク質などの栄養素を適量に摂取する。

●運動、日光浴を行う。

【転倒しないために】 

●ロコモティブシンドロームのチェックを行い、転倒しやすいかどうかを把握する。

●転倒しないよう、生活環境の整備を行う。

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 康復医学学会の主要研究生薬である「HM-3000(特系霊芝)」には、骨粗鬆症を治療する活性成分(βシトステロール、エポキシラノシトール、22トリエン3、6ジオン、霊芝ケトントリオール等)や、生物学的過程を通じて抗骨粗鬆症作用を発揮する成分が含まれていることがわかっています。


 いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2024年10月23日水曜日

肥満

 死亡リスク推定に有用な“丸み指数”

 肥満の一般的な指標はBMIですが、内臓脂肪の分布を反映していないため、より包括的な肥満指標として身長とウエスト周囲長から算出する身体の「丸み指数(=BRI;body roundness index)」が提案されています。北京中医薬大学の研究者らは、1999~2018年の米国民健康・栄養調査(NHANES)に参加した成人3万例超のデータを用いてBRIの推移と全死亡との関連を検討。その結果、米国成人のBRIは上昇傾向にあり、BRIの最低5分位群と最高5分位群で全死亡リスクが上昇するU字形の関連が認められたと、米国医師会雑誌『JAMA Network Open』(2024;7)に発表しました。

 BRIは「364.2-365.5×√〔1-[ウエスト周囲長(cm)/2π]2/[0.5×身長(m)]2〕」として算出します。ウエスト周囲長を考慮したBRIは内臓脂肪分布を反映しており、BMIよりも包括的な肥満指標であることを示すエビデンスが蓄積されつつあります。しかし、BRIと疾患や死亡のリスクとの関連を示すエビデンスは乏しい状況です。そこで研究者らは、1999~2018年のNHANESに参加した20歳以上の32,995例(平均46.74歳、女性50.10%)のデータを用い、米国成人におけるBRIの推移と全死亡との関連を検討。解析の結果、平均BRIは1999年→2018年で4.80→5.62と上昇しており、2年ごとの変化率は0.95%でした。

 同期間のBRIの上昇傾向は女性、65歳以上の高齢者、メキシコ系米国人でより顕著でした。BRIは加齢に伴い上昇し、女性の方が高値で男女差は経時的に拡大しました。この結果について、研究者らは「女性では体組成および食欲に性ホルモンが影響している可能性があり、高齢者のBRI高値は脂肪組織の老化や機能不全を反映している可能性がある。また、メキシコ系米国人においては一般的に食事の質の低下、食料不安、心理社会的ストレスが認められる」と説明しています。

約10年の追跡期間中における全死亡は3,452例(10.46%)でした。制限付き三次スプライン解析では、BRIと全死亡リスクとの間にU字形の関連が認められました。

交絡因子(年齢、性、人種/民族、教育歴、貧困所得比率、喫煙状況、飲酒状況、心血管疾患の家族歴、糖尿病の家族歴)を調整後の解析の結果、全死亡リスクはBRIの第3五分位群(BRI 4.45~5.46未満)と比べて第1五分位群(同1.05~3.41未満)で25%、第5五分位群(BRI 6.91以上)で49%といずれも有意に上昇していました。

 研究者らは「BRI超低値例は栄養不良、疲労、運動耐容能の低下、筋萎縮を伴っている可能性がある」と指摘し、BRI高値例については「内臓脂肪が蓄積すると、体重が基準範囲内であってもインスリン抵抗性が亢進し心代謝性疾患のリスクが高まる」と説明。その上で、「死亡リスクの推定や高リスク群特定のための簡便な非侵襲的スクリーニング法として、BRIは有用性が高い」としています。

(出典:https://medical-tribune.co.jp/)


■肥満に関わる善玉ホルモン

 脂肪には大きくわけて2つあります。それが「皮下脂肪」と「内臓脂肪」がです。皮下脂肪は一番落としにくい脂肪で、最後の手段として体がエネルギーとして使います。それに比べ内臓脂肪は一時的に体が蓄える脂肪で、比較的とれやすい脂肪です。

動脈硬化や糖尿病を抑制「アディポネクチン」

「アディポネクチン」とは、体の脂肪細胞から分泌される生理活性物質(アディポサイトカイン)の一種で、動脈硬化や糖尿病を防ぐ善玉ホルモンです。生理活性物質の多くは肥満に伴って脂肪細胞からの分泌が活発化しますが、内臓脂肪が増えれば増えるほど、脂肪細胞が肥大・分裂し、悪玉物質がたくさん分泌される一方で、アディポネクチンの分泌量は大幅に減少(血液中の濃度が低下)してしまいます。したがって、肥満を改善し内臓脂肪を減らし、アディポネクチンの分泌を正常化させることが大切になります。

満腹信号を脳に送る「レプチン」

「レプチン」は、アディポネクチンと同じ脂肪細胞から分泌される善玉ホルモンです。このホルモンは、食事開始から20~30分後に分泌が始まります。血液中にレプチンが流れ出して、血中のレプチン濃度が上がると、脳に対して“満腹信号”を発信します。内臓脂肪が増えるとレプチンの働きが低下します。つまり、なかなか満腹感が得られないので、つい食べ過ぎてしまうのです。

 食事は30分以上かけてゆっくり摂ることが重要です。一方で、レプチンは自然免疫細胞を刺激して炎症性サイトカインを産生させ、獲得免疫ではIFN-γを産生するTh1というTリンパ球の働きを増強して、多発性硬化症*の病態を悪化させてしまいます。

*多発性硬化症とは:免疫細胞が中枢神経(脳・脊髄)や視神経に炎症を起こして、神経組織を障害する自己免疫疾患。

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 肥満に関連したホルモンは、免疫機能を変化させ、炎症を促進する傾向にもあるようです。感染症、アレルギー、がんの予防としても、体重のコントロールが大切になってきます。

 当学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」は、生体の免疫バランスを保ち、生体機能恒常性の維持に有効な作用があります。肥満やメタボによる免疫機能変化の抑制、および脂肪組織内でおこる炎症対策にも期待できます。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2024年10月16日水曜日

ストレス冷え

 ストレス冷え

 暖かい部屋に入ると、すぐに手足が温かくなりますか? 中々温かくならないですか? 手足など末梢の血流は、自律神経の働きが調節しています。ストレスで交感神経が緊張すると、末梢血管は収縮して血行が悪くなります。手足が温かくならない人は自律神経機能が乱れているため、血流の調節がうまくいっていないのです。これが“ストレス冷え”です。

 ストレス冷えはこのほか、自覚症状はあるのに診察では冷えがない人、逆に足が氷のように冷たくても自覚症状がない人など、冷えの認識にずれが生じていることもあります。

 ラットによる実験では、オスよりメスの方が血管拡張の反応が遅いという報告もあり、一般的に女性に冷え症が多いということを裏付けています。

 冷えは漢方が得意とする領域で、漢方薬の効果が認められています。治療では問診や脈、舌、腹部などを診察し、漢方の基本概念である気血水(きけつすい)や五臓六腑のどこに問題があるかによって処方を決め、心身のバランスを整えます。

 女性の冷えは、女性ホルモンの乱れから自律神経が変調をきたすという流れも多く、この場合は、冷えだけでなくのぼせの症状も現れます。また、甲状腺の機能低下、貧血、低血圧、膠原病(こうげんびょう)などによって、冷えの症状が表れることがあります。その他、肩こり、頭痛、腰痛、不眠、むくみ、疲れやすい、やる気・元気がない、肌のくすみ・しみ、乾燥なども、冷えによって起きやすい症状です。

 朝食を抜くと体温上昇機能は働かず、筋肉不足では熱が生み出せません。昼夜逆転は日内リズムを乱して、日中に体温が上がらない人もいます。便利な生活がかえって冷えを助長している可能性もあります。

 また、漢方では、加齢とともに体が「陽(新陳代謝が高い状態)」から「陰(新陳代謝が低下した状態)」に変わると考えます。このため、冷えとは無縁だった男性も冷えやすくなります。

 強いストレスで自律神経の働きが乱れると、体温調節がうまく機能せず冷えやすくなります。また、便利な生活や加齢により、誰にでも冷えが起きると言えます。身体や精神の諸症状、美容面にも影響します。患部を温めるだけでなく、生活全般を見直して冷えをもたらしている原因にも気をつけましょう。

(出典:https://www.healthcare.omron.co.jp/)


■自律神経と血流低下

ストレスと自律神経

 ストレスによる生体反応は、ストレスの刺激(物理的或は心理的)を受けると、以下のような生体反応が起こることから自覚症状が表れるのがわかっています。

視床下部⇒自律神経系⇒交感神経⇒副腎髄質 という流れで、ノルアドレナリン、アドレナリンなどが血中に放出され、血糖値の上昇・胃腸機能低下・心拍数の上昇・血圧上昇などの循環機能を亢進させます。自覚症状としては、冷えのほか、肩こりや疲労などもあります。

 微小循環の血流が低下すると、細胞の酸素不足、エネルギー産生の低下、老廃物の蓄積などが起ります。ストレスなどによる生体反応からノルアドレナリン、アドレナリンなどが血中への放出が促進されると、細動脈の収縮から毛細血管への入口が収縮して微小循環の血液が低下します。そのため、冷えなどをはじめとする様々な自覚症状を発症します。

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ストレス冷え対策

 ストレス冷えは、ストレスにより毛細血管の入口が収縮し血流が低下していること、そして細動脈が収縮してしまうことが要因となります。この対策としては根本的に微小循環血管を改善することが重要です。毛細血管の入口拡張には、NO(一酸化窒素)が大きく関わり、また、細動脈の拡張にはセロトニンの働きが影響します。

 康復医学学会の主要研究生薬である「HM-3000(特系霊芝)」は、その血中一酸化窒素(NO)の産生を促進するデータがあります。

 また、細動脈の拡張・交感神経亢進の抑制には、神経伝達物質のセロトニンが影響を与えることが確認されています。当学会の研究素材のひとつ「ラフマ葉」は、脳内セロトニンの増加セロトニン神経通過性の安定を促すことが確認されています。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2024年10月9日水曜日

目の健康

 健康な目を維持するために

 明日、10月10日は「目の愛護デー」です。はじまりは、昭和6年(1931)に失明予防の運動として、10月10日を「視力保存デー」と定め、中央盲人福祉協会主催、内務省、文部省の後援で毎年活動を始めたのがきっかけ。1938~1944の間は9月18日を「目の記念日」としましたが、昭和22年(1947)に再び10月10日を「目の愛護デー」としています。目の愛護デーでは、現在、厚生労働省が主催となり、全国で目の健康を促す活動がされたり、目の関連企業や団体がイベントを開催したりしています。

 目の健康の維持と保全には、正しい栄養の摂取が極めて重要であることが多くの研究結果からわかっています。健康的な食事として、ビタミンAやビタミンC、葉物野菜、魚など、抗酸化物質の豊富な食材を摂りましょう。魚をはじめとする多くの食品に、中心視力を担う黄斑の健康に重要な必須オメガ3脂肪酸が含まれています。

 抗酸化物質の摂取不足、アルコールや飽和脂肪の摂取などには、黄斑に害を及ぼすフリーラジカル反応の発生リスクがあります。また、高脂肪の食事は動脈の血流を阻害する脂肪の蓄積の原因になります。毛細血管が集まっている目は、特に大きな影響を受けます。

 目に良いビタミンの摂取  

:目の健康の維持に栄養が重要ですが、ほとんどの人は、食事のみでは、重要な目の栄養素の摂取量が不足しています。抗酸化物質であるビタミンC及びEに加え、オメガ3やルテインは、中心視力を担う黄斑の健康維持に重要です。

 タバコを吸わない  

:喫煙は、AGE(終末糖化産物)を増加させ、呼吸器系・循環器系に大きなリスクを与えますが、それが目を大量の酸化ストレスに晒すことにもなります。また、喫煙によって加齢黄斑変性(AMD)発症のリスクが上昇することが知られています。

 運動をする  

:運動によって血液循環をスムーズにすれば、目に行き渡る酸素量も多くなり、また毒素の排出も促進されます。

 紫外線を避ける 

:屋外の明るい光のもとは目にとっては辛い状況です。有害な紫外(UV)線は酸化ストレスを高める要因としても知られています。サングラスを着用するときは、必ず紫外線をブロックできるものを選ぶこと。また、つば付きの帽子をかぶれば、サングラスの縁から目に入ってくる紫外線の量を減らすことができます。

 パソコン・スマホ  

:IT機器の発展によって多様な働き方が可能になり、世の中は便利になりました。しかし反面、長時間にわたるVDT(Visual Display Terminals)作業を続けた結果、目の疲れや頭痛などの症状(VDT症候群)に悩まされる人が増えているのもまた事実です。作業中に適度に休憩をとって目を休める時間を作りましょう。

 目のケガ  

:目の損傷の範囲や重篤度は簡単には判断できません。必ず、すぐに専門家の診察を受けてください。

(出典:https://www.bausch.co.jp/ 他)


■血流を改善して目の健康を促進!

 物が見えるのは、左右の目を連動させて視野を捉えられるように脳が指令を出し、視神経を介して眼球周辺の筋肉を動かしているからです。眼球を動かす、水晶体を調整して焦点を合わせる、まぶたを開けるなど、視神経や目の周囲の筋肉や組織は絶えず連携しています。

食生活が血流を悪くする

 視神経や筋肉がスムーズに働くには、目の周辺に“血液がしっかり巡っている”ことがとても重要です。しかし、忙しい現代人の食事は乱れがち。外食やコンビニ食などで手軽に済ませる人が多く、脂質の過剰摂取になりがちです。すると、血液はドロドロになり、毛細血管の血流が滞ってきます。血流の悪化は、視神経や目の周囲の筋肉の働きも低下させます。

 脳が「見えづらい」と判断すると、視神経は目の周囲の筋肉をさらに緊張させるよう命令、それに連動して肩や首もガチガチに凝る。こんな状態では神経の興奮がなかなか収まらず、交感神経が優位になってしまいます。このように、血流の悪化によって、目の疲れ、肩こりや首の凝り、不眠など、不調の連鎖に陥ってしまうのです。

目の健康を支えるのは「微小循環」

 体の隅々まで血液を循環させること、それが微小循環の重要な働きのひとつですが、これが滞ることを「微小循環不全」といいます。微小循環は、全身の各組織の細胞に栄養を送り、老廃物などの代謝産物を回収するという大仕事を担っています。ゆえに、心臓や動脈などの太い血管よりも、微小循環のほうが“主役級”の存在、と言っても過言ではないのです。

 飲酒で顔が赤くなるタイプの人は、飲み過ぎに要注意です。アルコールの代謝がスムーズでないため、少量飲んだだけで解毒器官である肝臓に負担をかけています。肝臓も、微小循環が張り巡らされている臓器です。肝臓は、体に入った悪い物質を解毒するとともに、栄養となる物質を正常に代謝する働きも担っているので、肝臓の機能が低下すると、すぐに目にも悪影響が表れます。東洋医学では「肝は目につながる」と言い、目の健康には血流の改善が重要だと説いています。

活性酸素によっても目はダメージを受ける

 目は、紫外線などで常に活性酸素に晒されている器官で、大いなるストレスです。そして甘いものや炭水化物。血中の糖が過剰になると、体内では糖の代謝がフル回転で行われ、その結果、代謝産物である酸化物質が多く発生します。糖尿病の患者が「糖尿病性網膜症」になり、失明に至るのはこのような糖質過多の食習慣の蓄積が関係しているのです。

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 康復医学学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」は、毛細血管の血流を改善し。抗酸化作用のあるGSH-Px(抗酸化酵素)の増加を促しますので、目の健康に好影響を与えます。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2024年10月2日水曜日

ビタミンB1

 疲れを感じたとき、摂るべき栄養素

 身体がだるい、朝なかなか起きられない、やる気が出ないなどの症状が出てきたら、疲れが溜まっているサインかもしれません。休養しても解消しない場合は慢性化している恐れもあります。この状態が続くと、免疫力が低下して病気にかかりやすくなってしまいます。

 疲労回復には、バランスの取れた食事でエネルギーと栄養をしっかり補給することが大切です。ダイエットで食事を控えている人は特に、栄養が不足して疲れやすくなります。活動エネルギーとなる糖質や、体のもとになるたんぱく質をしっかり摂ることを心がけ、それらを効率よく利用するためにビタミン、ミネラルも摂ることが基本となります。

 糖質や脂質をエネルギーに変えるには、ビタミンB群が不可欠です。炭水化物ばかりの食生活では、ビタミンB群が不足して疲れやすい体になってしまいます。

 ビタミンB群(ビタミンB1、B2、ナイアシン、B6、B 12、葉酸、パントテン酸、ビオチンの8種類)は炭水化物、脂質、たんぱく質の3大栄養素の代謝やエネルギー生成に関わっていて、3大栄養素とチームで働いています。中でも、特に疲労回復には「ビタミンB1」が欠かせません。ビタミンB1は、糖質をエネルギーに変える時に必須の成分で、不足すると糖質の代謝が乱れ、エネルギーの産生が滞って疲労につながります。元々日本人は、体内でビタミンB1の消費量が多く、意識して摂らないとB1不足に陥ってしまいます。

 また、疲れた時に甘いものを食べる方がいますが、疲労時に糖質を摂取するとビタミンB1の消費が増え、より疲れやすくなります。また、糖質摂取で血糖値の乱高下が起こり、これもまた疲れやすくなる原因となります。疲労時は甘いものではなく、通常の食事をしっかり摂って栄養補給した方が早く回復します。特に暑くなる季節は清涼飲料水やアイス、冷たい麺類等を摂りがちですが、これらも糖質が多くビタミンB1の消費につながります。頻度を減らし、またビタミンB1を多く含む食品も一緒に摂取しましょう。

 ビタミンB1は、水溶性なので、調理によって損失しやすい栄養素です。茹でるなど水分を使う調理法はできるだけ避けましょう。また、タマネギやニンニク、ニラなどの臭気成分であるアリシンと組み合わせて摂ると吸収が高まり、血液中に長く留まってくれます。豚肉のニンニクソテーや、豚肉とタマネギ、ニラなどの炒め物などはお勧めのメニューです。

 米ぬかや胚芽部分にも、ビタミンB1は含まれています。精製米ではなく、玄米や胚芽米を主食にすることで、エネルギーとなる糖質と代謝に役立つビタミンB1を同時に効率よく摂取できます。主食を玄米や胚芽米、胚芽パンや全粒粉パンに変えてみましょう。

 疲労は、発熱や痛みと同様に体に何かしら異常があるというサインです。無理を続けると自律神経失調症などを発症することもあるので、日々の食事を見直して、早めの対策で解消していきましょう。

(出典:https://diamond.jp/)


■ビタミンB1不足を解消する

 ビタミンB1は、 豚肉、うなぎ、玄米等に多く含まれ、その働きとして、糖質がエネルギーに変わるときに、必要な補酵素の役目をします。

 ビタミンB1欠乏症になると、食欲不振、倦怠感、手足のしびれ、むくみ、動悸等が見られます。代表的な欠乏症は脚気(かっけ)。過剰摂取しても排泄され、毒性は知られていません。ビタミンB1は「疲労回復ビタミン」とも言われ、肉体疲労に効果があります。

ビタミンB1の豊富な豚肉を効果的に摂る

 豚肉を夕食に取り入れるなどして、ビタミンB1欠乏症にならないように注意が必要です。

 豚肉と一緒に調理すると疲労回復ビタミンの吸収率を上げてくれるのが、にんにく、ニラ、玉ねぎなど。全部ニオイが強い野菜ですが、この香り成分「アリイン」にパワーがあります。食べ方のコツは細かく刻んで香りをツンと出すこと。アリインは刻むことで「アリシン」という成分に変わり、油と一緒に加熱すると「アホエン」に進化。その状態で豚肉のビタミンB1とくっつくと、「アリチアミン」という成分に変わり、疲労回復の効果が期待できるのです。

病院の栄養点滴に匹敵する疲労回復飲料

 実は、豚肉を摂らなくても、日本には昔から体力回復に即効性のある飲料があります。「甘酒」です。江戸時代、庶民は質素な食生活の中で、暑い夏を乗り切るために甘酒を飲んでいました(甘酒は俳句の“夏”の季語です)。

 甘酒はご飯に米麹と湯を加えて温めておくとできますが、分析するとブドウ糖がきわめて多く、20%以上にもなります。また、米のたんぱく質も麹菌の酵素によって必須アミノ酸群に変えられて豊富に含まれています。そして、特筆すべきは、麹菌が繁殖するとき、ビタミンB1、B2、B6、パントテン酸、ビオチンなど、生理作用に不可欠な重要なビタミン群を生成し、これが米麹にきわめて多量に蓄積しているということです。甘酒は米麹とお湯だけでも簡単に作れます。甘酒の一杯が豚肉に変わるほど、疲労回復に効果的なのです。また、ぬか漬けの“ぬか”もビタミンB群の宝庫です。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン