AGE:肝臓とメタボ
過去、肝臓の病気は、ウィルス性のもの以外では「飲酒」が大きな原因と言われていました。しかし、30年ほど前から、付き合い程度しか飲まないのに肝臓が壊れていく人が目立ち始めています。中には一滴もお酒を飲まないのに肝障害が起きて、肝硬変からがんになる人もいます。実は近年、この肝臓病にもAGEがからんでいることがわかってきました。アルコールも飲まない脂肪肝から肝炎、肝硬変、肝がんへと移行する進行性の病気になります。この病気は「非アルコール性脂肪性肝炎」という疾患で、単純な脂肪肝から非アルコール性脂肪性肝炎になる、そのきっかけにAGEが関わっていたのです。いずれも毛細血管の内皮細胞をガードする「サポート細胞」がやられたために、反応の連鎖が働き病気が進行していくようです。そして、患者のAGEを測ってみたところ、非アルコール性脂肪性肝炎の人の数値は高かったのです。また、この研究で思わぬこともわかりました。
のに肝臓病になるのは太った人に多く、「肥満が肝臓病に関係があるらしい」というところから、犯人の正体が少しずつわかってきました。栄養過多になると、肝臓に脂肪が沈着して脂肪肝になります。普通はそこで止まるのですが、何かきっかけがあるとそこに激しい炎症が加わり、
血液の中には、脂肪細胞から作られる物質で、老化を予防する効果があるアディポネクチンという善玉物質があります。そのアディクポネクチンの量を測ってみたところ、AGEの値が高い人はこのアディポネクチンの量が少なかったのです。AGEはアディクポネクチンの産生もブロックしていました。メタボによって内臓脂肪が増え、AGEによって内臓脂肪が悪玉化することで、血圧を上げたり、インスリンの働きを阻止したりする物質が大量に分泌されることになります。これまでAGEは高血糖になると作られると考えられていたわけですが、実は、メタボのかなり早い時期から体の中で作られ、悪さをし始めるようです。
そして、そのAGEがさらに病気を進行させます。メタボになれば、脂肪肝から非アルコール性脂肪性肝炎、肝硬変へ進行していく可能性も大きくなりますので早めの対応が必要です。
最悪の老化物質「AGE」⑪
■AGEと肥満
通常、身体は糖質を摂取すると、血中の血糖値が上がりすぎないような仕組みをインスリンが担います。血糖値を調節するために、インスリンは主に筋肉や肝臓などの細胞に血糖を取り込ませる働きをします。脂質より糖質の方が体脂肪になる!
筋肉と肝臓の細胞は、摂り入れた糖質を「グリコーゲン」という物質に変えて貯蔵します。しかし筋肉と肝臓が一杯になるとインスリンの働きで血糖を「脂肪細胞」内部に溜め込みます。脂肪細胞に取り込まれたグリコーゲンは、「中性脂肪」に変わり体脂肪になります。体脂肪がたまりすぎると肥満になりますが、その原因の多くは糖質の過剰摂取なのです。食事で脂質を摂りすぎていない場合でも、糖質を摂りすぎると体脂肪はたまっていくのです。
インスリンレベルが、高くなると痩せにくい
糖質の摂取過剰でインスリンの分泌が増えると、インスリンは体脂肪よりも燃えやすい血中の糖を優先してエネルギーにするため、運動しても体脂肪が燃焼されない傾向になって痩せにくくなってしまいます。AGEで低下するアディポネクチンとレプチン
アディポネクチンとレプチンは、共に脂肪細胞から分泌されるホルモンです。アディポネクチンには脂肪を燃焼させる働きがあり、レプチンは食欲の抑制やエネルギー代謝の亢進によって体脂肪量の調節を行う働きがあります。内臓脂肪が増えて脂肪細胞が肥大化したり、AGEにより脂肪細胞が悪玉化したりすると、アディポネクチンもレプチンも分泌量が減ってしまいます。すると食欲の抑制がきかなくなり、脂肪の燃焼効率も悪くなって、余計に太りやすくなってしまいます。
ダイエットを何度も失敗している人、しっかり運動をしているのに体脂肪が落ちない人は、生活習慣の中で脂肪燃焼を阻害するような原因を作っているのかもしれません。特に糖分や炭水化物をたくさん摂るような食生活を送っている人は要注意です。
いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ
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