2021年2月25日木曜日

むくみ

 むくみは体内の水分分布の変化

「むくみ」は、医学用語では「浮腫(ふしゅ)」と言い、多くの場合、病気ではありません。体内の水分の分布が変化した状態といえます。人体の60%は水分です。そのうち細胞の中に3分の2、細胞の外に3分の1(血液と細胞間質液)の割合で分布しています。

 血液が流れる毛細血管の壁には微小な穴があり、細胞間質液には毛細血管からしみ出した酸素や栄養素を細胞に届け、細胞の代謝によってできる二酸化炭素や老廃物を毛細血管に戻す働きがあります。むくみは何らかの原因によって、毛細血管からしみ出す水分量が増える、または細胞間質液から血管に戻す量が減り、細胞間質液が多くなることで起こるものです。

 このように、細胞と細胞間質には常に水分が存在しているため、足の場合「靴下のあとが少しつく」くらいの状態は正常です。また、細胞間質液はリンパ管にも液体を送り込んでおり、リンパ管が手術などによって詰まることがむくみの原因になる場合があります。

 原因である体内水分の分布のコントロールには、以下①~④が関与しています。その他に外的な要因として、⑤があげられます。

①  血管内の静水圧の上昇 

 むくみは血管内の水分が過多のとき、もしくは静脈血圧が上昇し、血管からしみ出す水分量が増えることで起こります。水分や塩分を摂りすぎたときにむくむのは血管内の水分量が多くなり、静水圧が上昇するためです。

【原因となる病気】 ・心不全(心臓が血液をうまく巡回させられない) ・腎不全(腎臓がうまく水分を尿として排泄できない) ・下肢静脈瘤(下肢の静脈に水分が貯まりやすくなる) ・深部静脈血栓症(静脈の中に血栓ができる)や、子宮筋腫(腹腔内の腫瘍)で、血栓や腫瘍により血管が圧迫されたときなど

②  浸透圧の低下 

 血液内の栄養が少なくなると血管内に水分を保つための力(浸透圧)が低下するので、水分を血管内に保っておくことが難しくなることがあります。そのため、血管の外に水分や塩分が増え、身体がむくみます。

【原因となる病気】 ・栄養失調(消化管の病気で血管に水分の吸収ができない) ・ネフローゼ症候群(腎臓からアルブミンが漏れてしまう) ・肝硬変(肝臓でアルブミンの生産が低下している)など

③  血管透過性が高くなる 

  血管透過性とは、血管と血管外の物質の出入りのこと。何らかの疾患で、血管自体が血液を保っておくことが難しくなり、水分が血管外に出てしまいむくむことがあります。

【原因となる病気】 ・膠原病(リウマチ関連疾患) ・内分泌疾患(主に甲状腺疾患)など

④  リンパ管の閉塞 

 手術でリンパ節を取り除いたり、放射線治療によって、リンパの流れが停滞することで起こります(リンパ浮腫)。

⑤  長時間同じ姿勢でいること 

 長い間立ちっぱなしや座りっぱなしでいると、重力の関係で下肢に水分が貯まり、むくみの原因になります。長い間歩行した場合はあまりむくみません。これは筋肉のポンプ※2を使って血液が循環しているためです。

(出典:https://www.saiseikai.or.jp/)


■放置してはいけない危険なむくみ

危険なむくみの3大兆候

(1)急にむくみが出た

 乗り物などで長時間同じ姿勢でいた後などに足がむくんだ場合、深部静脈血栓症(エコノミー症候群)が疑われます。重い痛みがあり片足だけがむくむのが特徴。足の静脈にできた血栓が、肺や脳などの血管に詰まると命に関わる場合もあります。また、薬の服用直後にむくみを感じた場合も、副作用の可能性があるので注意が必要です。

(2)むくみの状態が左右で異なる

 足の左右のどちらかだけにむくみが出ている場合です。体の片側だけに起きる「片側性(へんそくせい)」のむくみでは、下肢静脈瘤リンパ浮腫深部静脈血栓症が疑われます。下肢静脈瘤を放置するとうっ滞性皮膚炎ができるなど重症化することもあります。リンパ浮腫はほとんどの場合、乳がんや子宮がんなどのがんの手術後に起こり、何の理由もなく起こることはほとんどありません。

(3)むくみ以外の症状も併発している

 むくみに加えて体重の増加や、常に眠気やだるさを感じる、寒がりになる、汗をかきにくくなるなどの症状がある場合には、甲状腺機能の低下が疑われます。足だけではなく全身がむくみ、特に顔のむくみが目立ちます。非圧痕性(指で押してもすぐに元に戻ってへこんだままにならない)のむくみであることも特徴です。


臓器の機能低下が原因の危険なむくみ

【腎臓が原因のむくみ】

 むくみが起こると、まず疑われるのが腎臓の病気です。様々な原因で腎臓の機能が低下すると、本来は尿として排泄されるべき不要な水分や老廃物が体に溜まってしまい、むくみが発生するのです。腎不全ネフローゼ症候群糖尿病性腎症の初期は、まず顔がむくみ、まぶたが腫れぼったくなります。その他、全身のむくみや吐き気、食欲不振、高血圧なども起こります。重症化すると、けいれんや意識障害が起きる場合も。

【肝臓が原因のむくみ】

 肝炎ウイルスへの感染や、アルコールの飲みすぎなどで長期にわたって肝臓がダメージを受けると、肝炎肝硬変になります。初期は自覚症状が少ないですが、全身のむくみや白目や皮膚が黄色くなる黄疸、体のだるさなどが表れる場合があります。

【心臓が原因のむくみ】

 心臓の働きが低下すると、全身へうまく血液が送れなくなり、全身がむくみます。むくみに加えて、疲れやすさや呼吸の苦しさ、ちょっとした動作で息切れがする場合には、心不全が疑われます。

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 動脈硬化や腎臓、心臓などの疾患が原因で起る病的なむくみの場合、疾患そのものへの対策のほかに、微小循環環境血流の改善が重要です。

 康復医学学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」は、微小循環の環境改善に対して、様々なアプローチによるエビデンスを持っています。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2021年2月18日木曜日

糖質制限

 糖質制限“老化説”の問題

「炭水化物減らすダイエット 60代後半で老化顕著に 糖質制限ご用心」という記事が、2~3年前にリリースされました(日本農業新聞ネット版)。これは、東北大学大学院・農学研究科の都築毅准教授らのグループが行った「マウス」による試験で、炭水化物を減らした食事を長期間続けると老化が早く進み、短命になるというものでした。


内科医、漢方医、高雄病院理事長・江部康二氏の反論

 この研究グループは根本的な間違いを犯しています。それは、『そもそもマウスの食事実験の結果はヒトには当てはまらない』という基本的なことを無視していることです。

 手軽なマウスやラットが実験動物として使われやすいのは事実ですが、マウスやラットで糖質制限食(高脂肪・高タンパク食)の実験をすること自体が、根本的な間違い。なぜなら、マウスやラットなどネズミ類の本来の主食は草の種子(穀物)だからです。

 ネズミの主食はあくまでも「穀物=低脂質・低タンパク食」であり、その主食に特化して、消化・吸収・代謝システムが適合しています。マウスの代謝に合わない糖質制限食をマウスに与えれば、すべての代謝が狂って老化が進み寿命が短くなるのも、言わずもがなです。

 一方、農耕以前の700万年間、人類の主食は狩猟採集生活だったので、糖質摂取はまれでした。つまり農耕が始まる前は人類皆、実質的に糖質制限食を実践していたのです。

 また、ヒトの進化過程で脳が急速に発達しシナプスが張り巡らされるためには、EPAとDHAの摂取が不可欠でした。EPAとDHAは、動物性食品にしか含まれていません。したがって、肉・骨髄・昆虫・地虫・魚貝などの高脂肪・高タンパク食を、脳が急速に発達した時代に必要充分な量、食べていたことは間違いないでしょう。

 このように人類は本来、高脂肪・高タンパク食に慣れているので、糖質制限食の安全性は高いのです。ネズミ類とヒトの食性は全く異なっているのです。

 本来ヒトと主食が全く違うマウス・ラットなどネズミ類で、人類の食物代謝の研究を行うのは、出発点から根本的に間違っている可能性が高いので注意が必要です。


糖質制限食こそが老化を防ぐ

 糖質制限によるアンチエイジング効果は、多くの実践者から報告されています。糖質制限で血行が改善されるなど、様々な病気の予防改善効果も期待できます。逆に、糖質の取り過ぎは健康寿命を縮めると報告されており、医学誌『ランセット』にも「炭水化物の摂取増加で死亡リスク上昇」という記事が出ています。今回の実験とは全く逆に、糖質を制限しないと「老ける」「寿命が縮まる」というのが国際的な常識です。全世代に言えることですが、特に50代以降の健康維持の鍵を握るのは「糖質制限」だと言っても過言ではありません。

(出典:https:// https://toyokeizai.net/)


■糖質との上手なお付き合い

 糖質は体のエネルギー源の一つですが、過剰摂取が習慣になってしまうと、太りやすい体質となり、生活習慣病のリスクが高まってしまいます。

 糖質を摂り過ぎると、食後の血糖値が急激に上がります。そうすると、体の中でインスリンが大量に分泌されます。血糖値を下げる役割を持つインスリンには、エネルギーとして利用されなかったブドウ糖を中性脂肪などにして体に蓄える働きがあります。したがって、糖質を摂り過ぎるとインスリンを過剰に分泌することになり、太りやすくなってしまうのです。

 そして、脂肪が増え肥満と呼ばれる状態になると、糖尿病やその他様々な生活習慣病のリスクも上昇してしまいます。


糖質の摂取量の目安は?

 糖質は、摂り過ぎても不足し過ぎても体に良くありません。厚生労働省『日本人の食事摂取基準(2020年版)』によると、摂取量の目安としては、1日のエネルギー総量の50~65%としています。1日のエネルギー総量の目安は体格や運動量によって異なりますが、健康な成人女性の場合は1,400~2,000kcal、成人男性の場合は2,000~2,400kcalほどだとされています。つまり、成人女性は700~1,000kcal、成人男性は1,000~1,400kcal程度の糖質摂取を目安にすると良いでしょう。※糖質1g=4kcalとすると、成人女性の1日に必要な糖質量は175~250g、成人男性は250~350gとなります。

 日本では「糖質」の摂取上限量を定めていませんが、食品の加工や調理の際に加えられる「糖類」に関してWHOは1日の総エネルギーの10%未満が望ましいとしています。


霊芝と糖質代謝

 2型糖尿病マウスの肝臓における霊芝抽出物の糖質代謝の研究では、霊芝抽出物は肝臓での糖新生を抑制するとともに解糖系およびグリコーゲン合成を活性化させ、さらに肝臓への糖の輸送能を亢進して血糖上昇を抑制することが確認されています。

 血中のヘモグロビンには、酸素と結びついて全身の細胞に酸素を届けるという大きな役割を担っています。しかし、糖と結合したヘモグロビンは酸素を寄せ付けなくなり、細胞に酸素が行き届かない状態を作ってしまいます。

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 康復医学学会の主要研究生薬である「HM-3000(特系霊芝)」の3大産生物質の一つ、2,3-DPG(グリセリン2,3-リン酸)は、効率よく酸素を細胞に供給するという働きだけでなく、糖化ヘモグロビンの生成を阻害する作用があるため、HbA1c(糖結合したヘモグロビン量の比率)の数値の低下に大きく影響することもわかっています。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2021年2月12日金曜日

コラーゲン

 コラーゲン商品って意味ある?

 世の中にはあふれんばかりのコラーゲン商品があります。どれを選んだらいいのか、そして「コラーゲン商品を摂っても、体内でアミノ酸まで分解されるので、それが本当にコラーゲンになるとは限らないのでは?」という疑問が、皆さんの中にはあると思います。

 ところがコラーゲンを摂ることには意味があるんです。コラーゲン商品をきちんと摂れば、ちゃんと皮膚のコラーゲン量や水分保持、肌のハリ、弾力性が上がるということが科学的には"一応"証明されています。ところがこれを疑問視する研究者の方も実は少なくありません。その理由としては、コラーゲン商品の有効性を示す研究や論文は多いものの、その大部分が企業やメーカーとのタイアップで作られているからです。そこには何かしらのひいき目のバイアスや操作がかかっている場合があります。

そもそもコラーゲンとは

 コラーゲンはたんぱく質の一種で、体内の全たんぱく質の約30%(約3kg)を占めるとても重要なものです。多く存在する場所は、皮膚、腱、靱帯、骨、軟骨、血管壁などです。細胞の外にあり、線維や膜の構造で存在しています。

 体内のコラーゲン量は1年で約1%減少すると言われます。また、皮膚の約70%がコラーゲンであり、皮膚の弾力性や強度(ハリ)を維持するのに役立っています。

コラーゲンの種類

 コラーゲンは28種類あり、そのうち私たちの体でよく使われるのはⅠ型、Ⅱ型、Ⅲ型の3種類で、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ型が全コラーゲンの80~90%を占めています。

 Ⅰ型:真皮・骨・靱帯・腱など、Ⅱ型:関節など、Ⅲ型:筋肉・臓器・動脈など

コラーゲン食品の分解はペプチドまでに留まる

 コラーゲンのサプリメントを摂っても、それがそのまま体内のコラーゲンとして利用されることはありません。昔は「コラーゲン食品は意味がない!」と言われていました。理由は「アミノ酸まで分解されるから」。コラーゲンの配列に重要なアミノ酸の一つ「ヒドロキシプロリン」も分解され排出されてしまうので、コラーゲンとして使われるとは限らない、というものでした。

 ところが近年では、コラーゲン商品の消化は、全てがアミノ酸まで分解されるのではなく、多くがペプチドまでの分解に留まるということがわかってきました。つまりヒドロキシプロリンは排出されずにペプチドとして吸収されるということが科学的に証明されたのです。

(出典:https://www.youtube.com/ 栄養チャンネル)


■コラーゲン商品の効果と選び方

 昔は「体内でアミノ酸まで分解されるからコラーゲン商品を摂っても意味がない!」と言われていましたが、近年では、ペプチド吸収の有効性が認められつつあります。


コラーゲン商品の効果研究の例

●コラーゲンサプリメント1~10g/日の摂取は、肌コラーゲン量の上昇、しわの減少、肌の弾力性と水分保持の改善がみられる(J.Drags Dermatol. 2019 Jan 1;18(1):9-16他メタ分析)

●中年女性114人の研究では、コラーゲンペプチド205g/日を8週間摂取すると、しわの量が20%現状した(Skin Pharmacol Physiol. 2014;27(3):113-9)

●35歳以上の女性72人の研究では、コラーゲンサプリ2.5g/日を12週間摂取すると、しわの深さが27%減少し、皮膚の水分が28%増加した(Nutrients. 2019 Oct 17;11(10):2492)

●閉経後女性131人の研究で、コラーゲンサプリ5g/日を1年間摂取すると、脊椎の骨密度が3%増加し、大腿骨が7%近く増加した(Nutrients. 2018 Jan 16;10(1):97)

 ただし、コラーゲン研究のほとんどが、メーカーや企業とのタイアップのため、疑問視する研究者の多いのも事実です。


コラーゲンを多く含む食材とコラーゲン合成に必要な栄養素

 コラーゲンの多い食材  ボーンブロス(骨スープ)、鶏や豚の皮、エビ、牛すじ、鶏の手羽先、うなぎ、すっぽん、ふかひれ、クラゲ など。 

 合成に合成に必要な栄養素  ビタミンC、プロリン、グリシン、銅 など。


コラーゲンの副作用

 グルタミン酸含有量が多いため、脳の興奮性による精神疾患がある人(ADHDなど)は、過度の摂取に注意すること。


コラーゲンサプリの選び方

 実は、動物性コラーゲンは分解能が良くないという事が研究論文で明らかになっています。

 同じ分子量で比較すると分解能が魚コラーゲンの1/7というデータがあります。

 コラーゲンは、胃腸で消化酵素により分解され、アミノ酸ペプチドになってはじめて腸管吸収が可能になります。分解能=吸収能ですから、7倍分解能がいい魚コラーゲンが豚より7倍吸収能が良い事になります。肉でも豚肉と魚肉では豚のほうが消化しにくいですね。コラーゲンも肉もたんぱく質なので消化しにくさはコラーゲンも同じということです。

 何より、豚コラーゲンは臭いがきつく、味も変わり、コーヒーなどに入れると濁ってしまいうため、摂取し続けるためには根気がいります。良質の魚コラーゲンを選びましょう。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2021年2月4日木曜日

アクリルアミド

 発がん性物質 アクリルアミド

 現代人の健康に大きな影響を与えてしまう食課題の一つが食品の調理法です。特に高温調理は気をつけなければなりません。揚げ物やいわゆるジャンクフードをよく食べる人には注意が必要です。これらの食品に含まれる老化物質が老化や病気の引き金となります。

 AGE(終末糖化産物)はよくご存じのことと思います。糖質と結びついたたんぱく質が生成する老化物質です。高温調理の副産物という点ではこのAGEによく似た物質があります。それが「アクリルアミド」です。


アクリルアミドとは

 ジャガイモなどのでんぷん質の多い食品を高温調理、特に油で揚げたときなどに副産物として生成されるのがアクリルアミドです。フライドポテトやポテトチップス、ビスケットなどに含まれます。また、玄米を炊くとき圧力鍋を使用するとアクリルアミドが発生してしまいます。

 このアクリルアミドはIARC(国際がん研究機関)の発がん性部類でグループ2Aに分類されていて、発がん性や遺伝毒性が認められています(下表参照)


がんとの関係

 2002年にスウェーデン国立食品局は、アクリルアミドの遺伝毒性発がん性を明らかにし、でんぷんの高温加熱で生成すると報告しています。

 このアクリルアミドは実際にヒトのがんに対してどのくらい影響を及ぼしているのか、その疫学研究をまとめてメタ分析したものがあります。それによると、アクリルアミドの曝露は、多くのがんにおいてそのリスクの増加はないと結論付けました。しかし、腎臓がんのリスクは高いとしており、また遺伝毒性や変異原性、生殖毒性は認めています。


 いずれにしても、アクリルアミドは健康を害する毒性の高いものであることは間違いありません。アクリルアミドそのものを摂らないことが一番です。

(出典:https://www.youtube.com/ 栄養チャンネル)


■解毒物質グルタチオン

 基本的に私たちの体は、アクリルアミドを解毒する仕組みを持っています。活躍するのが、抗酸化物質の一つ、「グルタチオン」です。

 グルタチオンは活性酸素を捕まえる以外にも、アクリルアミドなどの猛毒を吸着し(グルタチオン抱合)、そのまま一緒に尿の中に排泄していきます。グルタチオン抱合した毒物を細胞の外に排出する際にはATP(アデノシン三リン酸)というエネルギーを必要とします。そしてこの時、補因子としてマグネシウム(イオン)が働きます。

 アクリルアミドの一部は、皮肉にもCYP2E1という代謝酵素(解毒酵素)によって別の毒物(グリシドアミド)を生成してしまいます。これも一定量であればグルタチオン抱合によって体外へと排泄されていきます。しかし、アクリルアミドの摂取が多すぎると、グルタチオン抱合だけでは賄いきれないグリシドアミドが生成されることになり、これが遺伝毒性や発がん性につながってしまうのです。


アクリルアミドの解毒を促進する

 現代の食生活において摂取が増え続けるアクリルアミド。グルタチオンの生成を促す栄養素や食品(*右表上)の摂取も必要ですが、アクリルアミド自体を減らしてグルタチオンの働きをサポートするための栄養素や食品(*右表下)も大切になっていきます。

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霊芝による保護効果

 ラットを使った小腸組織のアクリルアミド誘発損傷に対する研究では、霊芝多糖(PSG-1)の前処理がアクリルアミド誘導の酸化ストレスを軽減し、炎症反応を減少させ、腸のバリアを保護することでアクリルアミドの吸収を阻害することが確認されています。霊芝は、カタラーゼ(CAT)、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、グルタチオン(GSH)および総グルタチオン(T-GSH)の活性を大幅に増加させ、アクリルアミドによる酸化ストレスの減少、さらには抗炎症性サイトカインの量を増加させることがわかったのです。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン