片足立ちと脳血管疾患
片足立ちで20秒以上バランスをとるのが難しい高齢者では、臨床的症状がなく健康な人でも、脳内の小血管の損傷や認知機能の低下が起きているおそれがある―― これは2014年、京都大学付属ゲノム医学センターの田原康玄氏らによる研究で明らかにされています(米国心臓学会が発行する医学誌「Stroke」に発表)。
片足でバランスをとる能力は、脳の健康の重要なテストとなることがわかり、バランスのとりにくい人は、脳疾患や認知機能低下のリスクが高いので、要注意とのこと。この調査は、愛媛大学病院抗加齢センターで実施している「抗加齢ドック」に参加した平均年齢は67歳の健康な中高年者1,387人を対象に行われました(目を開いたまま片足を上げ、片足で立つことのできる時間を測定)。また、参加者の脳の小血管の状態を検査、ラクナ梗塞と微小出血などの、症状の出ない小梗塞である脳小血管疾患について調べています。
その結果、20秒以上の片足バランスができない人では、脳小血管疾患や認知機能低下のリスクが高まることが明らかとなったのです。
片足立ちのバランスをとりにくいのは、以下のような人でした。
▼2つ以上のラクナ梗塞病変があった人の34.5%。▼ラクナ梗塞病変が1つあった人の16%。▼2つ以上の微小出血があった人の30%。▼微小出血が1つあった人の15.3%。
脳小血管疾患のあった人は全体として高齢で、高血圧があり、頚動脈が厚く動脈硬化が進行していました。脳小血管疾患があった人は、片足立ちの時間が短かく、認知スコアの低さとも関連していました。
片足で立つことの難しさと加齢に強い関連があることも判明。年齢が60歳以上になると、片足立ちの時間が明らかに短くなっていました。
研究チームは、片足出しテストは、一見健康そうな人であっても早期の脳梗塞などの病理学的変化と認知機能の低下を予測する簡単な方法です。姿勢の不安定性がみられる高齢者には、よりいっそうの注意を払うべきだとの見解を示しています。
高齢者が機能障害や要介護に至るのを予防するために、生活機能障害をまねく「フレイル」(虚弱、衰弱)が近年注目されています。多くの高齢者はフレイルな状態を経て寝たきりや要介護に移行しますが、フレイルとは不可逆的な虚弱・老衰状態を指すのではなく、適切な介入によって回復し得る状態をいいます。
片足立ちテストはバランス能力の衰えをみるのではなく、潜在的な脳小血管疾患を調べるためのものですが、サルコペニア、立位動揺性、動脈硬化性疾患といった高齢者に多いフレイルティとも関連しているとしています。
(出典:https://tokuteikenshin-hokensidou.jp/)
■細い血管で起こる“ラクナ梗塞”
ラクナ梗塞は、他の種類の脳梗塞と違い、大きな発作が起こることはありません。ラクナ梗塞の症状は「ラクナ症候群」といい、運動麻痺やしびれなどの感覚障害が主に起こりますが、梗塞する部分が小さいので、症状が出ないことがあります。これを「無症候性脳梗塞」といいます。
遺伝的に日本人に多く発症する
脳の血管の細い動脈に、直径1.5cm未満の小さな梗塞が起きた状態を「ラクナ梗塞」といい直径1.5cm以上の大きなものはラクナ梗塞とは呼びません。日本人に多く、脳梗塞全体の約35%を占めています。また、日本人は遺伝的にも細い血管が動脈硬化になりやすいとも言われています。
原因は、高血圧・動脈硬化
ラクナ梗塞は、「高血圧」により細い動脈に発生する動脈硬化が最大の原因です。高血圧は、血管の内側の壁に強い圧力を加えます。そのために血管の内側の壁が傷き、どんどんと硬くもろくなって、動脈硬化を発症してしまいます。動脈硬化が起こると、血管の血液が通る部分が狭くなって血流がとだえてしまい、脳梗塞を引き起こすことになるのです。ラクナ梗塞の症状・発作
ラクナ梗塞は、梗塞する部分が小さく症状が出ないこともあることから、「かくれ脳梗塞」とも呼ばれます。しかし、発作がない状態のまま少しずつ症状が進行して、ラクナ梗塞が脳のいろいろなところに発生すると、「多発性脳梗塞」になってしまいます。こうなると、言語障害、歩行障害、嚥下障害(食べ物を飲み込みづらくなる)などの症状や、認知症の症状が表れることもあります。
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脳内の微小循環は、脳神経細胞へ酸素・栄養素を供給する重大の役目を担っています。脳血管障害の対策としては、血流の改善、血管内皮細胞の保護、修復などが有効です。
そして、これらに期待できるのは、康復医学学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」です。脳血管の血流・血管内皮細胞の修復は、脳血管障害における病床後の健康回復・社会復帰・再発防止に重要な役割を果たします。
いつもありがとうございます。
愛・感謝 村雨カレン