2024年1月31日水曜日

ラクナ梗塞

 片足立ちと脳血管疾患

 片足立ちで20秒以上バランスをとるのが難しい高齢者では、臨床的症状がなく健康な人でも、脳内の小血管の損傷や認知機能の低下が起きているおそれがある―― これは2014年、京都大学付属ゲノム医学センターの田原康玄氏らによる研究で明らかにされています(米国心臓学会が発行する医学誌「Stroke」に発表)

 片足でバランスをとる能力は、脳の健康の重要なテストとなることがわかり、バランスのとりにくい人は、脳疾患や認知機能低下のリスクが高いので、要注意とのこと。

 この調査は、愛媛大学病院抗加齢センターで実施している「抗加齢ドック」に参加した平均年齢は67歳の健康な中高年者1,387人を対象に行われました(目を開いたまま片足を上げ、片足で立つことのできる時間を測定)。また、参加者の脳の小血管の状態を検査、ラクナ梗塞と微小出血などの、症状の出ない小梗塞である脳小血管疾患について調べています。

 その結果、20秒以上の片足バランスができない人では、脳小血管疾患や認知機能低下のリスクが高まることが明らかとなったのです。

 片足立ちのバランスをとりにくいのは、以下のような人でした。

▼2つ以上のラクナ梗塞病変があった人の34.5%。▼ラクナ梗塞病変が1つあった人の16%。▼2つ以上の微小出血があった人の30%。▼微小出血が1つあった人の15.3%。

 脳小血管疾患のあった人は全体として高齢で、高血圧があり、頚動脈が厚く動脈硬化が進行していました。脳小血管疾患があった人は、片足立ちの時間が短かく、認知スコアの低さとも関連していました。

 片足で立つことの難しさと加齢に強い関連があることも判明。年齢が60歳以上になると、片足立ちの時間が明らかに短くなっていました。

 研究チームは、片足出しテストは、一見健康そうな人であっても早期の脳梗塞などの病理学的変化と認知機能の低下を予測する簡単な方法です。姿勢の不安定性がみられる高齢者には、よりいっそうの注意を払うべきだとの見解を示しています。

 高齢者が機能障害や要介護に至るのを予防するために、生活機能障害をまねく「フレイル」(虚弱、衰弱)が近年注目されています。多くの高齢者はフレイルな状態を経て寝たきりや要介護に移行しますが、フレイルとは不可逆的な虚弱・老衰状態を指すのではなく、適切な介入によって回復し得る状態をいいます。

 片足立ちテストはバランス能力の衰えをみるのではなく、潜在的な脳小血管疾患を調べるためのものですが、サルコペニア、立位動揺性、動脈硬化性疾患といった高齢者に多いフレイルティとも関連しているとしています。

(出典:https://tokuteikenshin-hokensidou.jp/)


■細い血管で起こる“ラクナ梗塞”

 ラクナ梗塞は、他の種類の脳梗塞と違い、大きな発作が起こることはありません。ラクナ梗塞の症状は「ラクナ症候群」といい、運動麻痺やしびれなどの感覚障害が主に起こりますが、梗塞する部分が小さいので、症状が出ないことがあります。これを「無症候性脳梗塞」といいます。

遺伝的に日本人に多く発症する

 脳の血管の細い動脈に、直径1.5cm未満の小さな梗塞が起きた状態を「ラクナ梗塞」といい直径1.5cm以上の大きなものはラクナ梗塞とは呼びません。日本人に多く、脳梗塞全体の約35%を占めています。また、日本人は遺伝的にも細い血管が動脈硬化になりやすいとも言われています。

原因は、高血圧・動脈硬化

 ラクナ梗塞は、「高血圧」により細い動脈に発生する動脈硬化が最大の原因です。高血圧は、血管の内側の壁に強い圧力を加えます。そのために血管の内側の壁が傷き、どんどんと硬くもろくなって、動脈硬化を発症してしまいます。動脈硬化が起こると、血管の血液が通る部分が狭くなって血流がとだえてしまい、脳梗塞を引き起こすことになるのです。

ラクナ梗塞の症状・発作

 ラクナ梗塞は、梗塞する部分が小さく症状が出ないこともあることから、「かくれ脳梗塞」とも呼ばれます。しかし、発作がない状態のまま少しずつ症状が進行して、ラクナ梗塞が脳のいろいろなところに発生すると、「多発性脳梗塞」になってしまいます。こうなると、言語障害、歩行障害、嚥下障害(食べ物を飲み込みづらくなる)などの症状や、認知症の症状が表れることもあります。

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 脳内の微小循環は、脳神経細胞へ酸素・栄養素を供給する重大の役目を担っています。脳血管障害の対策としては、血流の改善、血管内皮細胞の保護、修復などが有効です。

 そして、これらに期待できるのは、康復医学学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」です。脳血管の血流・血管内皮細胞の修復は、脳血管障害における病床後の健康回復・社会復帰・再発防止に重要な役割を果たします。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2024年1月24日水曜日

冬バテ

 冬バテってなんだ?

 最近、ネットやSNSで「冬バテ」という言葉を目にすることが多くなりました。

暑い日が続くと「食欲が出ない」、「身体がだるい」、「なかなか眠れない」といった症状が現れます。私たちはこの体調不良を「夏バテ」と呼んでいます。最近では夏バテに加え、秋に起こる体調不良を「秋バテ」、冬に起こるのを「冬バテ」と呼ぶこともあるようです。今回は冬バテの正体とその対処法についてお伝えします。

 私たちの身体は暑いと汗をかき、体内の熱を外に出すことで体温を一定に保つようにできており、この体温調整機能は自律神経(交感神経と副交感神経)が担っています。

 気温が40度近くなる夏の日中に、仕事や買い物のために外出し、クーラーがきいた室内に入って体温を冷まし、また外に出たり室内に入ったりして室内と室外の温度差を繰り返し感じると、自律神経の働きがおかしくなってしまいます。この自律神経の不調によって、食欲の低下や身体のだるさといった症状が生じるのが「夏バテ」です。

 冬バテも夏バテと同じで、室内と室外の気温差(寒暖差)によって起こる自律神経の乱れが原因と考えられます。

 夏よりも冬のほうが日中と夜間の気温差が大きいのに加え、暖房によってさらに気温差が生じるために自律神経が乱れ、体調が崩れやすくなるのです。さらに、仕事や人間関係のストレス、生活習慣の乱れなどで自律神経の機能が低下している方がいることから、冬に体調を崩す人が近年増えてきたと考えられます。

 冬バテの主な症状として、寝つきが悪くなったり、ちゃんと寝ているのに疲れが取れなかったり、頭痛、肩こりなどが起こったりします。冬バテが長引くことによって免疫力が低下し、風邪やインフルエンザなどに感染する可能性も高まります。

 冬バテをしないためには、自律神経の機能を整えることが重要です。気温差が激しい生活をしている人や、ストレス過多の人、運動不足の人は冬バテを起こしやすいと考えられます。朝夕にストレッチをしたり、毎日続けられる程度の軽い負荷をかけた筋肉トレーニングを行ったりしてみましょう。また、家に帰ってきたときや出かけるときはどうしても急な気温差が発生してしまうので、服装や温熱カイロで体温調節を行いましょう。

 近年、季節の変わり目に気温の急激な変化が起こりやすくなっています。このようなときに体調を崩しやすい人は、日頃から運動を行ったり、生活習慣を整えたりして、冬バテ・夏バテを予防しましょう。

(出典:https://www.tokyo-hospital.com/)


■漢方医学から見た冬バテ

 漢方は、古代中国から伝来した医学をもとに、日本の気候や日本人の体質などに合わせて、独自の伝統医学として発展したもので、現代医療の現場でも、漢方医学や漢方薬は用いられています。漢方の世界で冬は「閉蔵」といい、万物が納まり隠れるとき。人もこれに従い、内臓を養い、よく眠り、暖かくして、元気を逃がさぬよう春に備えることが大切だと考えます。冬バテは、西洋医学的には検査結果に異常がなく、病名の診断はつきません。しかし、漢方では「未病」といって病気の前段階と捉え、ここでの対策が重要と考えられています。

自律神経(交感神経と副交感神経)のはたらき

「未病」の対策には、自律神経を整え、養生することが大切です。養生とは、日常生活に注意し、健康の増進を目指すこと。

 薬やサプリメントに頼るのではなく、まずは自分の生活を見直しましょう。そうすることで、環境などの変化に負けない心と身体を作ることができます。大切なことは、①食事、②睡眠、③運動です。

(1)食事:

「時間がきたから食事を摂る」という方は、空腹を感じないままに食事を続けることで、本来身体が欲していない食事をし、胃腸に負荷をかけている可能性があります。また、夕食の食べ過ぎや、食事時間が遅いなどの理由で、胃腸に負担がかかっていることもあります。前日の食べ過ぎで空腹を感じない場合などは、一食抜いて胃腸を休めましょう。

(2)睡眠:

 睡眠は、漢方でいう「氣」を養うための重要な行為です。眠りの質が悪いと十分な機能が発揮できないうえ、疲れやすい、だるいなどの不調が起こり、集中力や注意力も低下してしまいます。不眠の原因は、ストレス、生活リズムの乱れ、寝る環境の問題などです。身体が睡眠に向かっていけるように、交感神経を活発にさせるスマホやゲームは極力避け、副交感神経の働きを優位にすることが大切です。身体が温まると副交感神経が優位になるため、お風呂は湯船に浸かって体を温め、リラックスするように心がけましょう。

(3)運動:

 自律神経を鍛えて氣の巡りをよくするためには、運動が重要です。個人の運動習慣や身体の状態に合わせて行ないます。目安としては、軽く汗をかく程度のもので、週1回でも続けていけるものがいいでしょう。ストレッチや運動をするときに腹式呼吸を取り入れることで、副交感神経の働きを優位にすることもできます。

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 当学会では、微小循環の改善(HM-3000(特系霊芝)睡眠の改善(ラフマ葉体力の維持・向上(Co-Q10を基本に整体調整をして、冬バテ・夏バテに対処することをお勧めしています。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2024年1月17日水曜日

身体の酸化

 体内で起こる“酸化”を防ぐには

 平均寿命も、健康で自立した生活を送ることのできる健康寿命も、延伸傾向にあります。しかし、平均寿命と健康寿命には、女性12.19歳、男性8.79歳の差があります。この差は縮小傾向にあるとはいえ、自立生活を送れず介護を受ける期間が一定期間存在しているのが現状です。健康寿命を延ばしこのギャップをできるだけ短くすることが重要課題となります。愛媛大学大学院抗加齢医学講座教授で循環器内科医の伊賀瀬道也氏は、「健康寿命を延ばすためには血管年齢を若くすることが重要」と指摘します。

 通常、サビとは金属表面の不安定な金属原子が、酸素や水分などと酸化反応を起こして生成される腐食物のことです。このサビが私たちの体内で生じるとき、大きく関わるのが細胞内に存在するミトコンドリアです。ミトコンドリアは、呼吸によって体の中に取り込まれた酸素の約90%を使ってエネルギーを産生する工場のような位置づけにあります。

 ミトコンドリアではアデノシン三リン酸(ATP)という物質が作られ、そこからアデノシン二リン酸、一リン酸と、リンが分解されて少なくなっていきます。この過程で作られるエネルギーは、筋肉や神経活動、DNAの合成などを行うときに使われます。しかし、ミトコンドリアが使う酸素の約2%は、どうしても不安定な状態になってしまいます。それが活性酸素です。活性酸素はたんぱく質や脂質などと反応し、細胞を酸化させます。つまりサビつかせて老化させる物質なのです。同じ現象が血管で起これば、血管の老化につながります。

 活性酸素はとかく悪いイメージを持たれがちですが、大切な役目も持っています。白血球の中に存在する活性酸素(過酸化水素など)は、体に侵入した細菌やウイルスを撃退するための感染防御機能を担っています。女性の体の中では、排卵時の卵胞破裂や、受精など、細胞の分化においても重要な位置づけにある物質です。

 活性酸素が問題となるのは、体の中で増え過ぎた場合で、酸化によってDNAや細胞が傷つき、がんや血管の病気が増えてしまいます。そのため、活性酸素が増え過ぎないように注意する必要が出てきます。①ストレス ②揚げ物をよく食べる ③賞味期限切れの食品・調味料などの使用 ④喫煙、などが活性酸素を増やす要因とされます。

 活性酸素を減らす、つまりサビを防ぐ「抗酸化作用」を持つ食品で、特に取り入れやすいのが、右表のようなものです。α-ヒドロキシ酸を多く含むのはパイナップル、ビタミンCならアセロラ、ビタミンEならアーモンドなどのナッツ類、ビタミンAならニンジンが代表例です。オリーブオイルは、ビタミンCの約10倍の抗酸化作用を持つと言われています。加齢によって増える肌のシミのもと『メラニン』の生成抑制作用はビタミンCの25倍もあります。

(出典:https://gooday.nikkei.co.jp/)


■活性酸素と酸化ストレス

 生物は、大気中に約20%含まれる酸素を利用し、生命活動を維持しています。酸素は外部からの様々な刺激を受け、「活性酸素」に変化します。活性酸素は、細胞伝達物質や免疫機能として働く一方で、過剰になると細胞を傷害し、がん、心血管疾患、生活習慣病など様々な疾患をもたらす要因となります。

活性酸素と抗酸化能力

 生命活動を営む上で酸素の利用は必須です。活性酸素とは、呼吸で体内に取り込まれた酸素の一部が、通常よりも活性化された状態になったものです。ヒトを含めた哺乳類では、取り込んだ酸素の数%が活性酸素に変化すると考えられています。活性酸素は、体内の代謝過程で様々な成分と反応し、過剰になると細胞傷害をもたらします。

 活性酸素は、過剰な産生や酸化ストレスによる老化、がん、生活習慣病発症との関連が注目されがちですが、白血球から産生される活性酸素(スーパーオキシド・過酸化水素等)は、体内の免疫機能や感染防御の重要な役割を担います。また細胞間のシグナル伝達、排卵、受精、細胞の分化・アポトーシスなどの生理活性物質としても利用されています。したがって、活性酸素を消去すれば良いという安易な考え方は禁物です。

 活性酸素が体内で常に産生されているのに、私たちが体内の恒常性を維持できるのは、自己を防御する抗酸化防御機構が備わっているからです。抗酸化防御機構は、活性酸素の産生抑制、ダメージの修復・再生を促す働きを有しています。

 抗酸化防御機構には、スーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼ、GSH-Px(グルタチオンペルオキシダーゼ)などの内因性の抗酸化酵素に加え、ビタミンC、ビタミンE、カロテノイド類、カテキン類など外因性の抗酸化物質もあります。活性酸素の産生と抗酸化防御機構が複雑に作用し合いながら生体内の活性酸素の産生と抗酸化防御機構の状態が決まります。

酸化ストレスを予防する生活習慣

 活性酸素の産生が過剰になり、抗酸化防御機構のバランスが崩れた状態を「酸化ストレス」といいます。通常、私たちの生体内では活性酸素産生と抗酸化防御機構のバランスが取れていますが、紫外線、放射線、大気汚染、たばこ、薬剤、酸化物質の摂取などにより酸化ストレスが引き起こされます。また、過度な運動やストレスも活性酸素の産生を促し、酸化ストレスの要因です。日ごろからバランスのよい食事、適度な運動習慣、良質な睡眠によって抗酸化防御機構を良好に保つことが、酸化ストレスを防止するためにも重要です。

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 康復医学学会がお勧めする「HM-3000(特系霊芝)」は、強力な抗酸化酵素であるGSH-Pxの増加作用が認められています。また、それ自身がビタミンCやビタミンE以上に強い抗酸化物質である「コエンザイムQ10」もお勧めです。


いつもありがとうございます。愛・感謝 村雨カレン

2024年1月11日木曜日

排尿と前立腺

 排尿健診の重要性

 新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。さて、今年最初にお届けするのは「排尿は健康のバロメーター」というテーマです。

 一般的に「夜間排尿3回は、年のせい」と言われていますが、6000人以上の調査で、夜間に3回以上排尿に行く男性の場合、死亡率が1.9倍になるとの報告もあります。

 年をとると男性は前立腺肥大症で頻尿を起こしやすく、夜間のトイレ回数は増えたり、またオシッコの切れが悪くなったりします。しかし、「年のせいだから」と放置していると、男性ホルモンのテストステロン値まで下し、男性力が下がってしまいます。

 テストステロンの減少だけでも筋力や活力は低下しますが、頻尿や残尿感で外出もままなくなると足腰は弱り、筋肉が脂肪に置き換わって身体能力が低下するサルコペニック肥満、心身虚弱のフレイルへとつながり、将来の寝たきりリスクを上げることにもなるのです。

 それを防ぐためにお勧めしたいのが「排尿健診」です。排尿の状態が健康のバロメーターになることを多くの人に知っていただきたいと思います。

 順天堂医院・泌尿器科准教授の斎藤恵介先生は、「私は長年、大学病院で排尿障害の研究を行う一方、手術も多く手がけてきました。並行して泌尿器科在宅クリニックの設立を手掛け、常に100人程度の地域の患者さんをつぶさに診てきました。この経験で、排尿障害の改善が健康長寿に役立つことを痛感したのです」と言います。

 いつまでも健康で元気に過ごすには、正常な排尿がとても大切です。しかし、一般の健康診断には排尿健診はありません。排尿障害は全身の健康を損ない、病気の後押しをするのですが、その意識がないからかもしれません。

 尿検査では、尿蛋白などで腎機能の状態はわかっても、膀胱の機能の状態を知ることはできません。排尿に関係する体のホルモンバランスも調べられることはありません。だから、前立腺肥大症で夜間頻尿を抱えている人は、膵胱機能が低下する認識が薄い状態が続いています。

「尿の排出力(尿流量測定)、残尿測定、筋肉量測定、骨年齢、血管年齢、男性ホルモンのテストステロンなど排尿に関係のある各種のホルモン採血も行います。生体年齢もわかります」(斎藤先生)。

 排尿障害の原因だけでなく、関連する病気や身体状態を知ったうえで、個人差のある排尿障害を改善し、それをアンチエイジングにもつなげていくことが求められます。排尿力は若さや男性力を維持するために欠かせません。もっと排尿を意識して、健康的な排尿を維持するようこころがけましょう。

(出典:夕刊フジ)


■前立腺の働きと前立腺肥大症

 前立腺は男性にしかない生殖器の一つで、前立腺液といわれる精液の一部を作り、精子に栄養を与えたり、精子を保護したりする役割を持っています。

 前立腺は直腸と恥骨の間にあり、膀胱の出口で尿道を取り囲んでいるため、肥大すると尿道が圧迫されて、排尿に関わる様々な症状が出現します。

 一般的な成人男性の前立腺の大きさは、体積で表すと20ml以下と言われ、「クルミぐらいの大きさ」と例えられます。前立腺が肥大すると、卵やみかんの大きさになります。

前立腺肥大になりやすい人

 組織学的な前立腺肥大は、30歳代から始まり、50歳で30%、60歳で60%、70歳で80%、80歳では90%にみられますが、そのすべての方が治療を必要とする症状を伴うわけではありません。前立腺の肥大と排尿症状を伴い、治療を必要とする、いわゆる前立腺肥大症の頻度は、その1/4程度と言われています。

 肥満、高血圧、高血糖および脂質異常症と前立腺肥大症の関係が指摘されており、メタボリック症候群との関係についても、検討されています。野菜、穀物、大豆などに多く含まれるイソフラボノイドは前立腺肥大症の発症抑制効果があることが指摘されていますが、喫煙やアルコール、性生活との関係は明らかではありません。

原因と症状、合併症

 前立腺肥大の原因は、まだはっきりと解明されていません。しかし「男性ホルモンの働き」が関与していることは間違いなく、中高年になって男性ホルモンを含む性ホルモン環境の変化が起こることにより、前立腺が肥大すると考えられています。前立腺肥大症では、排尿症状(排尿困難)、蓄尿症状(頻尿)、排尿後症状(残尿感、排尿後尿滴下)がみられます。

 前立腺が肥大しても必ずしもすべて治療が必要になるわけではなく、症状の程度や、どれくらい生活の支障となるかが重要です。また、一般的には加齢とともに徐々に進行しますが、大きさや症状が全く変わらないことも少なくありません。しかし、前立腺肥大症が進行すると、症状の悪化のみでなく、次のような様々な合併症を引き起こすことがあります。

【肉眼的血尿】:前立腺肥大のために、尿道粘膜の充血が起こり、前立腺部の尿道粘膜から出血して、血尿が出やすくなる。

【尿路感染】:排尿障害のために、膀胱内に残尿が残るようになると、尿路感染が起こりやすくなる。

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 九州大学の研究(2007~2009)により、「霊芝」前立腺肥大症、前立腺がんの予防・症状改善抗男性ホルモン活性などに有効な機能を有することが見出されています。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン