年齢は同じでも、生物学的は大きな差が!
暦年齢ではまだ若い、38歳の時点でも生物学的年齢にはかなりの差が生じている――。英・デューク医科大学の研究者らが、ニュージーランドのダニーデンの若者約1,000人を含む出生コホート研究で明らかにしました(PNAS 7月1日オンライン版)。
◆大きな健康問題はないが、生物学的年齢61歳の人も
ダニーデン研究は、1972~73年に同市内の病院で生まれた子供1,037人を対象としたコホート研究*で、38歳時点の保持率は90%以上の高さを誇っています。今回の検討では、同コホート954例の各種バイオマーカーの経時的変化などを解析、暦年齢が同じ参加者の生物学的年齢が比較検討されました。米国民保健栄養調査(NHANES)で使用されたアルゴリズムを用いて、同コホートの38歳時点の生物学的年齢を推定。大部分の人は慢性疾患を発症していませんでしたが、38歳を中心に28~61歳の範囲で正規分布を示していました。
このことから暦年齢が38歳の時点で、既に生物学的年齢に大きな個人差が生じていることが示唆されました。
◆生物学的年齢が高いと「見た目年齢」も高い
慢性疾患あるいは死亡との関連が確立されている18種のバイオマーカーの縦断的検討からは、26~38歳の12年において、全身の臓器システムの加齢に伴う変化も見られました。また、参加者の38歳時点の顔写真を盲検下で大学生に見せたところ、生物学的年齢が高い人ほど「見た目年齢」も高いと判定されていました。このほか、生物学的年齢が高い人ほど自分の健康に不安を感じていたこともわかりました。
現時点の加齢医学の研究は、既に加齢に伴う疾患を発症した高齢者に着目していると研究者ら。「加齢のメカニズム解明や抗加齢医療の進展には、人生の前半でどのような加齢の進展の個人差が現れているのかを明らかにしていく必要がある」と述べています。
*「コホート研究」とは:特定の地域や集団(コホート)に属する人々を対象として長期的にその人々の健康状態と生活習慣や環境の状態など様々な要因との関係を経過を追跡する調査手法のこと。
■生物学的年齢は「サビ」と「コゲ」で加速する
●過剰な「活性酸素」が体をサビ付かせ老化させる
体内で発生した「活性酸素」には、免疫機能の一部として体内に侵入した細菌などの異物を攻撃する働きなどの役割があります。しかし、活性酸素が過剰に発生すれば、体を酸化させて老化や病気の原因になってしまいます。体に取り込まれた酸素は細胞内のミトコンドリアでエネルギー代謝に利用されますが、代謝の過程で1~2%が活性酸素に変化し、細胞内のミトコンドリアや核のDNA、さらに細胞膜を酸化させ傷つけます。活性酸素により酸化の連鎖反応が起こり、細胞膜は機能を失い細胞は死んでしまいます。ミトコンドリアをはじめ細胞の内外にはSODなどの抗酸化酵素が存在し、活性酸素を速やかに分解し無毒化しますが、抗酸化酵素の活性は加齢に伴って低下します。
こうして活性酸素の攻撃と抗酸化酵素の防御のバランスが崩れると細胞は酸化により損傷し、老化が少しずつ進行していくのです。
●「糖質+タンパク質」が体をコゲ付かせ、老化を促進する
「糖質」は適量であれば体の中でエネルギー源として利用されますが、多すぎる糖はたんぱく質を糖化させて最悪のコゲ=老化物質「AGE(終末糖化産物)」を生成・蓄積させます。AGEは、肌や血管、骨、脳など、細胞全般を生物学的に老化させてしまうのです。
●酸化と糖化は連動している
活性酸素によって体が酸化ストレスの攻撃を受けると、たんぱく質や糖質がその影響を受けて糖化が進み、AGEが発生しやすくなります。逆にAGEは、RAGE(AGEの受容体)に結合して、NADPH酸化酵素の発現を促し、ROS(Reactive Oxygen Species:活性酸素種)の産生を促進させ、酸化ストレスを作り出します。
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【対策】 抗酸化×抗糖化で老化に歯止めをストレス、たばこ、紫外線などは、体内の活性酸素発生量が増大しますので、老化を一段と加速させます。
老化にブレーキをかけるには、生活習慣を見直すとともに、抗酸化物質の活性を高める運動や抗酸化食品をとり入れることが必要になります。
また、抗酸化酵素が糖化されると活性が低下することが知られていますので、抗酸化と抗糖化を同時に行うことが大切です。
当学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」は、強い抗酸化作用を持つ「GHS-Px(グルタチオンペルオキシダーゼ)」の産生を促し、さらにHbA1c(糖化ヘモグロビン)の生成阻害作用が確認されている「2,3-DPG」の産生促進にも影響を与えます。まさに抗老化生薬といっても過言ではありません。
いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 村雨カレン