2019年11月27日水曜日

睡眠

不眠の物理的要因と改善について

気づかぬうちに不眠を作り出している原因について考えてみましょう。
 大きなストレスなどの社会的な要因が思い当たらないのに不眠が続くときには、必ず物理的な要因があります。それは、だいたい次の5つです。

・食べ物 ・明かり ・電磁波 ・呼吸の仕方 ・昼間の活動性

「不眠を解消する食べ物はありますか?」「バナナやハチミツに快眠効果があるって本当ですか?」このような質問自体が、依存的な考え方が改まっていない表れです。バナナやハチミツがいいと言う人は「トリプトファンが豊富だから」と考えるのですが、その発想自体、睡眠薬や向精神薬、麻薬と同じだからです。食に関しては、単一の食べ物に関して「何を摂るべき」云々ではなく、全体で考えなければいけません。そして何を食べればいいかより、何を食べないほうがいいかで考えなくてはいけません。

 そもそも「7時間眠らなければ」「朝まで寝ていなければ」と考えるのが間違いです。私自身は不眠に悩んだことはありませんが、睡眠中、理由なく目が覚める、暑くて起きる、何となくざわっとした感覚があり起きる等々、不眠は普通にあります。
 眠れなくなったときには、リビングに行き、ソファで本を読んだり、少しボーっとしていたり、囲碁番組を見ていたりします。そして再び眠くなったら、また床に就く。それは不眠症でも睡眠障害なんでもなく、当たり前だと思っています。今、睡眠薬を飲んでいる人の大半は、「寝付くのが遅い」「途中で起きてしまう」「朝スッキリしない」「なんとなく寝た気がしない」といった理由でしょう。

 しかし、床に入ってからすぐに眠れる人のほうが、生物として考えると、むしろ異常です。途中で目が覚めるのも普通のことだし、朝起きてスッキリ爽快という人はむしろ眠り過ぎで、朝少々眠り足りないくらいが普通なのです。レム睡眠、ノンレム睡眠のうち、浅い睡眠状態であるレム睡眠のほうが時間数の多いのが普通ですから、眠った気がしないと思うこともあるでしょう。同じように不眠があるのが当たり前だと考えている人は、不眠を悪いことだとは思いませんから、当然、医者にもかかりませんし睡眠薬も使いません。

 人生の軸、信念を持っていない人は、ちょっとしたことで眠れなくなったり、不安になったり、うつ状態になったりします。そして軸を持ちませんから、何かに過度に依存しやすく、睡眠薬も手離せなくなるのです。睡眠薬を手離せなくなっている人は、その生き方から見直さなければいけません。眠れないという状態を睡眠薬という薬の力でコントロールしようという考え方自体を、まずは改めるべきです。それは医者の仕事でもカウンセラーの仕事でもありません。あなた自身の問題なのです。
(出典:NPO法人薬害研究センター理事長・Tokyo DD Clinic院長 内海聡HPより)

■睡眠時間は加齢と共に減るもの

だんだん短くなるのが健康な証拠

眠りが浅いと、朝目覚めたときに休息感や充足感が得られませんが、大人の場合、眠りが浅くなる一番の原因は、「寝すぎ」です。
 日本大学医学部付属板橋病院精神神経科の内山真教授は言います。
「加齢とともに、ぐっすり眠れる時間は短くなる。若いころと同様に8時間以上も寝ていると、睡眠自体が浅くなり、熟睡感が得られない」
 心身ともに健康な人の平均睡眠時間は、10代までが約8時間、成人になると7時間、60代では6時間。もちろん個人差はあるので、今の自分に合った睡眠時間を確保することが重要です。

「眠くなったら寝よう」が理想

熟睡できないことへの不安感が大きくなり、眠ること自体がストレスになってしまうと眠れなくなります。「寝なければ」ではなく、「眠くなったら寝よう」という程度の気持が大切です。「体には睡眠や活動など生体リズムを調節する体内時計が備わっており、体温が高い時間帯にはなかなか眠れない。体のリズムを無視して眠る時間を決めるのではなく、眠くなったら床に就くのが基本」(内山教授)。そもそも眠りは体温との関係が密接です。体温は活動する日中は高く、夜になると低くなり、この高低差が大きいほど眠りは深くなります。

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 眠りを導くもの、それは体温です。身体は本来、深部体温が下がり始めると眠りを誘い、就寝後の寝付きが良く、深い眠りが得られます。現代生活の睡眠と活動のリズムでは、このタイミングを外してしまうことが多く、睡眠に問題を抱える人が増えています。その原因のひとつは、深部体温が下がりにくいからです。
 深部体温を下げ、良質な休息をサポートする効果で注目されているのが、康復医学学会が研究テーマにしている甘味調味料の主原料「グリシン」(アミノ酸の一種)なのです。


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2019年11月20日水曜日

自己免疫疾患

人気ピアニストが公表した難病とは

 今年の2月15日、世界的に活躍し、日本でも人気のピアニスト、アリス・紗良・オットさん(31)が自身の公式サイトで、多発性硬化症と診断されたことを公表したことは、まだ記憶に新しいと思います。アリスさんは、ドイツ人の父と日本人ピアニストの母の間に生まれ、ドイツを拠点に活動しています。彼女は、英語、ドイツ語、日本語で、検査の間に絶望感に襲われたこと、適した治療法を見いだし今までの生活を続ける決意などをつづりました。
 公表にためらいがあったことも明かした上で、「特に若くして罹患され病気に直面されている方に少しでも同じく勇気を与えることができたら」と記しています。

「多発性硬化症」は、脳などの神経が冒されて手足のしびれや視力低下が起きる自己免疫疾患で、厚生労働省指定の特定疾患として難病に指定されています。主に若い人のかかる病気で、男性よりも女性に多い傾向があります。
 多発性硬化症の患者を病理解剖して、脳や脊髄をよく調べてみると、手で触ってかたく感じられる病変があちこちに見つかります。そのため多発性硬化症(英語:multiple sclerosis)という病名がつけられました。通常はその頭文字を取ってMSと呼んでいます。
 MSは、日本ではあまりなじみがありませんが、欧米では大変よく知られた病気です。日本国内の患者は7000人程度と推定していますが、世界全体では欧米の白人を中心に、300万人以上の患者がいます。神経内科の領域では最も重要な病気の一つです。欧米では"MS"と言えば、一般の人でも、ああ、あの難病なのだなとすぐにわかってもらえます。有名なイギリス人の女性チェロ奏者、ジャクリーヌ・デュ・プレさんもこの病気で亡くなりました。

 ところで、神経系は複雑な電気回路に例えられます。そして一本一本の神経線維は、ビニールの絶縁体でカバーされた電線に例えられます。MSで障害を受けるのは、実は絶縁体の部分なのです。MSは神経の絶縁体の壊れる病気です。幸いなことに絶縁体の部分はよく再生するので、MSは病状が安定すれば比較的よく治ります。
 現在ではMSが自己免疫疾患であることが確実になり、免疫学や分子生物学の方法を使った研究が急速に進んでいます。

 MSの治療法としては、急性期には、ステロイドを大量に点滴するステロイド・パルス療法を行うことが一般的になっています。炎症を早く抑制することにより、回復が促進されます。ステロイドは急性期には大量に使用しますが、長期投与はいたしません。この点では膠原病の治療方針とかなり異なります。MSは残念ながら再発をくり返します。MSの再発を予防する治療薬としては、βインターフェロンの有効性が欧米で示されています。
(出典:https://www.asahi.com/、https://www.ncnp.go.jp/)

■自己免疫疾患と霊芝

多発性硬化症や関節リウマチなど、この「自己免疫疾患」という病気は、本来「外敵から体を守る」免疫系が「自分の体を攻撃する」という病気です。この病気の発症率は男女差で大きく違い、男性に比べて女性の発生率は最大9倍も高いという特徴があります。
この現象には前立腺と精巣から多く分泌され、男性のヒゲや筋肉、胸毛つまり「男らしさ」を付与するホルモン、「テストステロン」が関係していることは従来からわかっていました。
そして、「多発性硬化症」のマウス実験を経て、オスのマウスが持つ肥満細胞がテストステロンに近づくと、伝達たんぱく質「サイトカイン*」を分泌することにより、炎症を抑えるということがわかってきています(ノースウェスタン大学により解明)。
肥満細胞によりサイトカインが分泌されるのが自己免疫疾患治療の鍵であり、逆に肥満細胞の少ないマウスは、サイトカインを分泌しないので炎症が収まらなかったのだそうです。
そして現在、この仕組みに着目して作られた2種の薬品が認証に向かっており、この薬品は免疫系のT細胞が自分の体を攻撃するどころか「炎症を抑えるように仕向ける」ことができるとのこと。この疾患の鍵となるサイトカインは、情報伝達たんぱく質の1種IL-33。テストステロンは、肥満細胞がIL-33を作るのを促していると見込まれています。
*「サイトカイン」とは:細胞から分泌されるたんぱく質であり、細胞間相互作用に関与する生理活性物質の総称

免疫系に対する霊芝の影響

霊芝には免疫系に対して調整的な双方向性があるため、様々な免疫失調症に良い影響が認められています。特にリンパ球増殖の調節、免疫因子産生の促進、マクロファージ、NK細胞の活性化、造血芽細胞の促進などにより、生体の免疫バランスが保たれ、疾病の予防、寛解、治癒や生体機能恒常性の維持などに有効な作用を発揮すると期待されています。

【免疫機能亢進による病態変化に対応】
 アトピーアレルギー症自己免疫疾患(リウマチ、膠原病、甲状腺機能異常、劇症肝炎、SARS、全身性エリテマトーデス他)、糖尿病などにおいては、自らの体を攻撃するほどに高まってしまった免疫機能を抑制し、正常に戻します。

【免疫機能低下による病態変化に対応】
 細菌やウイルスによる感染症伝染病にかかりやすくなるほか、傷口治療の慢性化エイズ腫瘍の発生など、免疫機能が弱まった結果起こる病気・症状に対しては、その機能を高め、病気の進行を食い止めます。


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2019年11月13日水曜日

糖尿病と霊芝

血管病としての糖尿病

11月14日は「世界糖尿病デー」

「血糖値が高めだって言われちゃったよ」――健康診断のあとに、そんな会話を交わしたり耳にしたりしたことはありませんか?

 血糖値とは、血液中のブドウ糖(血糖)の量を表す数値です。人の体は、血糖をエネルギー源として活動していますが、エネルギーとして利用しきれないと高血糖の状態になります。血糖値は食事や運動などにより変動しますが、高血糖の状態が続くのが「糖尿病」で、その数は予備群を含めると今や全国で推計2,000万人以上。世界的にも4億人以上の人が糖尿病を抱えており、その数は増加の一途を辿っています。
そのため、WHO(世界保健機関)とIDF(国際糖尿病連合)は、11月14日を「世界糖尿病デー」と定め、糖尿病の予防、啓発活動を行っています(日本でもこの日を含む1週間が「全国糖尿病週間」とされています)。この機会に、ご自身やご家族の血糖値のこと、糖尿病のことを少し考えてみましょう。

糖尿病がこわいのは、血糖値が高くても、初期にはほとんど自覚症状がないことです。そのため、健康診断などで「血糖値が高め」と指摘されても、ついそのままにしてしまいがちです。しかし、血糖値が高い状態が長く続くと、やがて全身の血管が傷んで、様々な血管の病気を招きます。つまり糖尿病は「血管病」とも言えるのです。
 糖尿病によって生じる血管病には、細い血管がもろくなって生じる「細小血管症」と、太い血管が硬く狭くなることで生じる「大血管症」があります(図)。たとえば腎臓の血管が傷つくことで起こる「腎症(糖尿病腎症)」は細小血管症で、成人の人工透析導入理由の第一位となっています。人工透析が必要になれば、多くの場合、週3回・1回4時間程度を透析施設のベッド上で過ごすことになり、日常生活に大きく影響します。

 糖尿病は命にかかわる病気ではないと思われがちですが、糖尿病の人は、心筋梗塞や脳梗塞といった重大な大血管症を起こしやすくなります。
(出典:http://www.kyoukaikenpo.or.jp)

■血液・血管への霊芝の多様な働き

当学会理事長で中国復旦大学上海医学院の顧問教授(生理学)でもある森昌夫は、生薬を使用したサプリメントメーカーである和漢生薬研究所の学術顧問でもあります。和漢生薬研究所は、森昌夫理事長の指導を受けながら1989年から中国古典薬学書を指導経典として、復旦大学上海医学院、薬学院と共同で、霊芝に対して薬学的、免疫学的、医学的な手段で基礎と臨床実験を行ってきました。そして、霊芝の効用を化学的に検証し、霊芝の疾病への補助的な治療応用に信頼性のあるデータを提供し続けています。
霊芝の働きには、大きく次の四つがあります。

(1)血液循環への影響 
(2)免疫系への影響 
(3)抗酸化作用    
(4)その他、補肝など
 
 霊芝は多様な働きが確認されていますが、中でも主要なのが、血液・血管に関わる作用です。高血圧や低血圧、肝臓病、動脈硬化・血栓症(狭心症・心筋梗塞・脳血栓などの他、糖尿病対策にも霊芝は大きく影響します。

糖尿病と霊芝

霊芝は、働きの低下したインスリンを改善・活性化します(したがって血液中のインスリンはむしろ低下します)。血糖値が高い場合、血糖値を下げる物質(ガノデリン酸A、B、Cという多糖体)が働きます。従って、インスリンの分泌が無い小児糖尿病(インスリン依存型)にも期待できます。
 すでに 人工透析を始めている人は、中止するのは難しいですが(但し尿がある程度出ていれば、中止の可能性は十分ある)、体調の回復には十分期待できます。
また霊芝は、食物繊維的な働きによって、糖類の腸での吸収を遅くしてくれます。
霊芝は、インスリンの働きを高めて尿糖をなくしていきます。尿糖が消えれば、自覚症状(喉の渇き、多飲、多尿、全身のだるさ、手足のシビレなど)もなくなり、合併症のリスクも軽減されます。
 糖尿病は命にかかわる病気ではないと思われがちですが、糖尿病の人は、心筋梗塞や脳梗塞といった重大な大血管症を起こしやすくなるので、注意が必要です。

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 霊芝による微小循環の血流改善と糖化ヘモグロビン・糖化たんぱく質への影響で糖尿病対策が期待できます。霊芝には以下のような「糖尿病に関するデータ」があります。

●霊芝の患者血漿一酸化窒素産生への影響 
●霊芝の赤血球の2,3-DPG産生への促進作用 
●2,3-DPGの非酵素的HbA1cの生成に及ぼす影響(独協医科大ME部の研究) 
●霊芝の高血圧に伴う高脂血症・脳血栓後遺症患者の血液力学への影響 
●霊芝の高血圧患者の血圧(kPa)への影響 
●霊芝の患者爪上微小循環への影響 
●赤血球膜粘度への作用 
●霊芝のヒト赤血球変形への影響 
●霊芝の血栓形成への抑制作用 
●霊芝の赤血球凝集性への影響 
●霊芝の血管内皮細胞の増殖への影響 
●霊芝の患者血漿一酸化窒素産生への影響 
●霊芝のアロキサンによる高血糖への影響


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2019年11月6日水曜日

食事と社会毒

私たちはどんなものを食べるべきか

歯磨きしないのに虫歯ゼロの秘密

タイトルの質問の答えを一言で言えば、それは「人類のDNA忠実なもの」(人類が摂取するようにプログラミングされているもの)です。
 それを明確に示すいくつかの貴重な研究があります。

 米国歯科医師W・A・プライス博士によって『食生活と身体の退化』(Nutrition and Physical Degeneration)という本が書かれ、その翻訳書が2010年に日本でも出版されました。
 彼は、自分が診ている患者の虫歯や歯列の乱れは、その食生活が原因なのではないかと考えたのです。それを証明するために、1930年代から世界14か国に足を運び、その地域ならではの伝統的食生活を送っている人々と、同じ民族でありながら白人の近代的食生活に移行した人々について、口腔内の状態や顎と顔面の形態、および全身の健康状態を調査しました。
 スイスの山奥に暮らす人々、イヌイット、アメリカ先住民、アボリジニ、メラネシア人、ポリネシア人、マオリ人、ペルー古代文明人‥‥など、その土地ならではの伝統食は、訪ねた地域によって様々でした。
たとえば、スイスのレッチェンタール渓谷では、無殺菌牛乳、チーズなどの乳製品、ライ麦パンを中心に、少量の肉や野菜を食べていました。最近注目されているグラスフェッドの牛乳と乳製品を大量に食べていたのです。また、イヌイットは魚と魚卵、アザラシの脂などが主で、マサイ族は植物由来の食品は一切口にせず、食事は動物の肉と血液、ミルクのみというものでした。

 その土地それぞれの伝統的な食事の内容に違いはありますが、彼らの多くが動物性の油脂を自然なままの形で食べていることは注目に値します。
 もう一つ共通しているのが、伝統食を食べている人たちは完璧に近い健康体キレイに並んだ歯を持っているということでした。歯を磨かずとも虫歯はなく、歯並びの乱れや不正咬合はめったに見られませんでした。
 一方で、文明の流入や移住によって白人の近代的食生活に移行した人々には共通した問題が見られました。それは歯並びが悪く、顔の形が悪い子供が多く生まれるということでした。
 彼らは、商業活動によって持ち込まれた砂糖、精白穀物、缶詰、殺菌牛乳、加工した油脂類を大量に摂っており、第一世代でも虫歯や様々な感染症が見られました。そして、第二世代以降になると、顔を含めたそもそもの骨格がおかしくなり、免疫力も低下するという、より深刻な退化が見られたのです。
出典:『医師が教える食事術2』(牧田善二著/ダイヤモンド社)

■食と健康について最も重要なこと

食と健康の話になると必ず、「○○食がいい」とか、「栄養はどうか」とか、「△△氏の学説には反対だ、賛成だ」等々の話になりますが、これは無意味な話だと言わざるを得ません。
 食と健康に関して重要なことも、考えは人それぞれで違いますし、個別に相性も異なります。そこに絶対などあり得ません。しかし本質的な観点からいうなら、それは自然の摂理に従って食べ、生物学の基礎に従って食べ、地球の原則に従って食べることです。これに反する食の摂り方を続けたとき、体を壊したり大病のリスクを負ったりすることになるのです。

食事の考え方  "社会毒"は避ける

病気まみれの現代人は、今こそ健康を取り戻すために、食事には積極的な注意が必要になります。ポイントを挙げるなら、化学物質・化学合成物を避ける精製物を避ける食べられるものは何でも食べる採れた(獲れた)ものを食べる地場産のものを食べる‥‥ということになるでしょう。"生命感あふれるものを食べる"という言い方もできます。
 このような考え方を持ちたいものですが、世間では「○○は摂ってもよいが、××は摂るべきではない」という話が多いのも事実です。昔から世界中で肉を食べてきましたが、皆健康でした。農耕が始まり農耕食を摂るようになっても健康でした。欧米食が健康を害すると言っても、欧米人だって長生きする人は多いのです。欧米食=肉食とも限りません。むしろ"小麦食"と呼んだ方がいいかもしれません。

 では、どう考えるか‥‥まずは、自分に合うと思うもの、自分が賛同できるものを摂るようにし、他人の指導や意見に関してはすべて相性やそれまでの経過をみることをおすすめします。体に悪い食べ物の代表となってしまったラーメンですが、エネルギー豊富なラーメンは存在します。たまに食べるくらいなら、あとは自分の考え方次第。食事は長生きのためだけに摂っているわけではありません。体に対するリスク、地球の将来、大企業の欲望などはもちろん考慮すべきですが、家族と楽しく、美味しいもの、自然なものを食べ、命をいただく、という考え方のほうが素敵です。

 問題だらけの現代社会です。所詮どんな食事療法を実践したところで昔ほどの健康体や長生きは期待できません(インディアンは120~130歳まで生きたと言われます)。人間社会がもたらした古来の生物的世界秩序に反する不自然な物質の総称である「社会毒」を避け、最低限のリスクマネージメントを考える時代なのです。

(参照:内海聡著『医学不要論』『医者とおかんの「社会毒」研究』など)


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