ストレスと高血圧リスクとの関連
ストレスが多い人は、血圧や心臓の健康に注意した方がいいようです。血圧が正常でもストレスホルモンのレベルが高い人では低い人に比べて、6~7年以内に高血圧になりやすいとする研究結果が報告されました(京都大学大学院医学研究科による研究)。
近年、「心と心臓と体のつながり」(mind-heart-body connection)に関する研究報告が増えています。これは、心のあり方は心血管リスクにポジティブにもネガティブにも影響を与えるという考え方のこと。これまでの研究では、高血圧患者のストレスホルモンレベルと高血圧や心血管障害との関係に焦点が当てられてきましたが、高血圧でない成人を対象にした研究は十分に行われていませんでした。
研究者らは今回、米国のアテローム性動脈硬化症に関する大規模研究(MESA)に参加した、高血圧でない412人(48~87歳)を対象に、ストレスホルモンレベルと、高血圧や心血管障害の発生との関連について調べました(平均年齢61.2歳、男女比1:1)。
対象者は夜間の12時間の蓄尿により、ストレスホルモン(ノルアドレナリン、アドレナリン、ドーパミン、コルチゾール)レベルを測定。ノルアドレナリン、アドレナリン、ドーパミンはカテコールアミンと総称され、心拍数や血圧、呼吸を調節する自律神経系に関連しています。一方、コルチゾールは心身がストレスを感じると分泌が促されます。研究者は、「これらのホルモンは全て副腎で産生されるが、それぞれ異なる役割とメカニズムで心血管系に影響を与えるため、高血圧や心血管障害との関係を個別に調べることが重要」と強調します。
対象者を6年半の間追跡した結果、4種類のストレスホルモンレベルが2倍になるごとに、高血圧を発症するリスクが21~31%増加することがわかったのです。この傾向は、60歳未満の人で60歳以上の人に比べて強く、ドーパミンとコルチゾールでより顕著でした。
また、11.2年間追跡したところ、コルチゾールレベルが2倍になるごとに心血管障害の発生リスクが90%増加することが判明しました。しかし、カテコールアミンと心血管障害の発生リスクとの間には、関連が認められていません。
この結果を受けて研究者は、「ライフイベント・仕事・人間関係・経済状態等からのストレスが増えるとストレスホルモンの分泌が促進される。今回の研究で、ストレスが高血圧や心血管障害のリスクを上昇させる重要な因子であることが確認された」と語っています。ただし、この研究の限界についても認識しており、例えば、高血圧のある人が対象者に含まれていなかった点や、ストレスホルモンの測定手段として尿検査しか使われていない点です。
研究者は、「ストレスが一般成人に与える影響を調べる必要がある。そうすれば、高血圧や心血管障害の予防策として、ストレスホルモンの定期的な測定が有効かどうかの情報が得られるだろう」との見通しを示しています。
(出典:https://www.carenet.com/news/)
■アテローム性動脈硬化
コロナ禍の影響で、仕事や家庭でのストレスが溜まりがちになっていませんか? 過剰なストレスは、交感神経が過度に刺激され、血圧を驚くほど上げることがあります。それをきっかけに脳卒中や心臓病などの発作が起こることもあります。また、ストレスが慢性的に長く続くことは、交感神経の高ぶった状態が続くということです。循環器系の基礎疾患がある方は特に注意が必要です。ストレスリスクが大きいアテローム性動脈硬化
ストレスが血管に及ぼす障害のリスクを高めてしまうのがアテローム性動脈硬化です。 動脈は、3層(内膜、中膜、外膜)でできています。内膜の内皮細胞は血液の凝固予防、血管の拡張など、動脈硬化を防ぐ様々な働きを持っていますが、高血圧や糖尿病などで血管に負担がかかると、血管の内皮細胞が傷つき動脈硬化を防ぐ働きが失われます。すると血液中の悪玉コレステロール(LDL)が内膜に入り込み、酸化して酸化LDLに変化します。それを処理するために白血球(単球)も内膜へと入り込み、マクロファージに変わります(上図)。マクロファージは酸化LDLを取り込んで、やがて死んでいきます。この結果、内膜に、LDLに含まれていたコレステロールや脂肪が、お粥のような柔らかい沈着物となって溜まっていき、内膜はどんどん厚くなります。こうしてできた血管のコブをプラーク(粥腫)と言い、プラークができた状態をアテローム(粥状)動脈硬化と言います。そして、ストレスによりこのプラークの発生が進行してしまうのです。冠動脈内のプラークが破綻すると、その部位に血栓が形成され、不安定狭心症や心筋梗塞の発症を引き起こすことになるのです。===============
ストレスにより血流が低下している微小循環に対して、康復医学学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」は、血流改善・血栓形成抑制・血管内皮細胞の改善を促すため、アテローム動脈硬化対策に期待が持てます。また、ストレスへの対応として脳内セロトニンが働きますが、当学会の研究素材「ラフマ」には、セロトニン神経を活性しセロトニン分泌を促進するというデータがあり、ストレスが影響する高血圧への対策には最適です。
いつもありがとうございます。
愛・感謝 村雨カレン