2024年2月28日水曜日

老衰死

 意外な死因(2022年最新版)

 人によっては残りの人生を思い浮かべ、自身の最期を考える人もいるでしょう。しかし、心がけ次第では予防できそうな、ちょっぴり残念な「死因」で最後を迎える人もいます。今後の振る舞いを考えるうえで、死因は大いに参考になります。以下は昨年(2023)に発表された最新の政府統計から2022年に亡くなった156万9050人の死因を調べたものです。

 太り過ぎ 

:肥満は、心臓病、脳梗塞、がん、関節症などに関係し、健康に重大な影響を与える。日本で2022年に「肥満症」が死因となった人は90人(男46、女44)。このうち肥満による低酸素死は36人(男13、女23)。2017年は81人(男33、女48)、2012年は73人(男25、女48)だったことからも、日本でも肥満症が着実に増えていることがわかる。世界保健機構(WHO)によると、肥満患者数は2018年から2倍以上に増えていて、肥満もしくは過体重による死因は世界で上位5番目だという。WHOは体重(kg)を身長(m)の2乗で割って算出する「体格指数(BMI)」が25以上を過体重、30以上を肥満症と定義。比較的、肥満が少ないとされる日本では25以上を肥満症としている。

 お酒の飲み過ぎ 

:健康志向で"酒飲み"が減っている今の時代だが、長年の飲酒が原因で亡くなる人は少なくない。最も多いのはお酒が原因の肝臓の病気で、アルコール性肝疾患6,296人(男5,437、女859)。これは肝臓の病気18,896人(男12,431、女6,465)の33%にあたる。ほかに、アルコール性急性膵炎35人(男32、女3)、アルコール性慢性膵炎31人(男28、女3)がある。また、554人(男501、女53)がお酒による行動や精神障害で亡くなっている。このうち369人(男331、女38)が依存症だった。

 自宅で凍死 

:「山での遭難ならわかるが、家で凍死なんて‥‥」そう思う人も多いだろうが間違いだ。凍死は死因分類上「自然の過度の低温への曝露」となり、2022年は1,450人(男845、女605)で、このうち家や庭での死は613件もあった。一方、熱中症による死亡にあたる「自然の過度の高温への曝露」は1,477人(男881、女596)だった。

 餓死 

:飽食の時代と呼ばれる現代において信じられない話だが、死因が「食糧の不足」が15人(男12、女3)いた。年齢別では、45~49歳1人(男)、55~59歳2人(男)、60~64歳2人(男1、女1)、65~69歳3人(男2、女1)、70~74歳3人(男)、75~79歳2人(男1、女1)、80~84歳1人(男)、85~89歳1人(女)。

 氷や雪による転倒死 

:転倒・転落・墜落による死亡は11,569人。うちスリップ・つまずき、よろめきによるものは9,687人(男4,514、女5,173)、氷や雪による転倒は9人(男8、女1)。他人との衝突又は他人に押されるなどしたことによる転倒は3人(男)。ベッドからの転落81人(男49、女32)、階段やステップからの転落転倒は593人(男401、女192)となっている。驚くのは「はしごからの転落又はその上での転倒」により死亡した197人(男185、女12)の年齢だ。1人を除いてすべて40歳以上。うち70歳以上が149人で、女性は10人だった。

 梅毒 

:近年、20代の女性を中心に全国的に流行している梅毒だが、2022年は晩期梅毒で10人(男8、女2)が亡くなっている。70~74歳が4人(男)、65~69歳2人(男)、75~79歳2人(男1、女1)、80~84歳1人(男)、85~89歳1人(女)だった。ちなみに母子感染による先天梅毒は0歳の女子1人が記録されている。

 孤独死 

:立ち合い者のいない死亡、つまり「孤独死」として記録された人は4,231人(男3,314、女917)。年齢別で見ると最も多いのは70~74歳の881人(男734、女144人)。次いで75~79歳の609人(男458、女151)、65~69歳の581人(男503、女78)だった。孤独死は圧倒的に男性が多い。女性は男性よりコミュニケーションに長けていて、家族がいなくても居住地でのネットワークを築いている人が多いことが要因かもしれない。

(出典:https://hc.nikkan-gendai.com/)


■高齢者にみられる"老衰"の定義

 厚労省は老衰の定義を「高齢者で他に記載すべき死亡の原因がない、いわゆる自然死」としています。

 2022年の死因は「老衰」だけを見ると、2016年5位、2017年4位、2018年から5年連続3位とアップ、また、構成比率も拡大しています。

 外傷などが原因での死亡や、延命治療の末の死亡は老衰とはいえません。加齢で身体機能が自然に衰えて死亡したと判断されたときに、死亡診断書に「老衰」と記載されます。

 老衰による死亡率が増加している背景として公的介護保険制度の普及があります。これにより高齢者の死亡場所が変化しています。厚労省によると2000年時点で全体の約1割だった介護施設で最期を迎える方が、2020年になると約5割に増えています。一方で、病院での死亡率は2000年の約8割から、2020年には約7割に減っています。病院で亡くなる場合、直前まで治療されるので、基本的には死亡診断書に病名が記載されますが、介護施設で亡くなる場合、延命治療が施されないことも多く「老衰」との記載が多いです。90歳以上なら、老衰死と判断する医師が多いようです。

老衰死の前兆

 老衰の原因は、生物学・医学的に細胞や組織の機能が老化に伴い機能の維持が難しくなるためと考えられ、最終的には代謝、免疫、回復能力の不全により老衰死に至ります。

【睡眠時間が増加する】:常に眠たそうで、なかなか目を覚まさないほど深い眠りに落ちるようになり、最終的には脳機能の低下により一日のほとんどを眠って過ごすようになります。そうなると口から栄養を摂取する機会が減るため、身体機能や脳機能はさらに低下します。

【身体機能の低下】:筋肉や臓器の萎縮による身体機能の低下も挙げられます。臓器が萎縮する理由は、老衰で自然に細胞が減少するからです。臓器が萎縮して正常に機能しなくなるにつれ、身体に様々な不調が現れ、筋肉の働きも衰えていきます。筋肉が萎縮して筋力が低下すると、転びやすくなり、階段の上り下りが難しくなり、日常生活に支障をきたします。

【体重が減少する】:老衰で自然に細胞が減少していくと十二指腸や小腸等の消化器官が萎縮して正常に機能しなくなります。消化器官の働きが衰えると、食事から栄養を吸収しにくくなるため、体重が減少し見た目からも分かるほどに痩せ細ります。また、栄養不足は睡眠時間の増加や身体機能の低下をはじめ、その他の老衰の症状に拍車をかけます。

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 老衰の進行ペースをできるかぎり緩やかにするためにも、康復医学学会の考える「健康の3本柱(①血流 睡眠・ストレス 体力)」に気を配ることが大切になってきます。


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愛・感謝 村雨カレン

2024年2月21日水曜日

筋肉

 万病予防には筋肉の維持が不可欠!

 ポッコリ出たお腹が気になり、年初に「今年こそ減量して肥満を解消するぞ!」と意気込んだ人、頑張っていますか? ご存じの通り、肥満はあらゆる病気を引き起こす万病のもとです。肥満気味の人は、引き締まった体を目指して対策を講じたいところでしょう。

20歳からの筋肉量の変化率
 その一方で、「自分は若いころから体重が変わっていないから大丈夫」と思っている人もいるかもしれません。しかし、安心するのは早計です。昔と変わらぬ体重でも、運動習慣がなければ脂肪が増え、筋肉はゴッソリ落ちている可能性があります。

「体重は増えていなくても、脂肪や筋肉の割合が悪い方向に変わっていることがある。大事なのは"筋肉をどれくらい維持しているか"であり、体重の維持ではない。体重に関わらず、筋肉が減ることが大問題なのだ」とは、筑波大大学院スポーツ医学専攻の久野譜也教授。

 筋肉の減少は、体に様々な負の作用をもたらします。歩く、走るといった基本的な動作が衰えるのはもちろん、その影響は内臓器官にも及びます。例えば、筋肉は体のエネルギー源である糖の貯蔵や消費という役割を果たしています。そのため、筋肉が減ると体内の糖がエネルギーとして使われにくくなり、体重や体形に関係なく、糖尿病に発展しやすくなります。

 糖尿病は体内で消費・貯蔵しきれなくなった糖が血液中に増えてしまう病気。進行すると、全身の血管が傷み、腎臓や目などに合併症を引き起こします。"糖尿病は太った人の病気"というイメージを抱きやすいですが、実際はやせていても発症します。こうした人たちの背景には筋肉量の減少などがあることが、近年の研究で分かってきました。

 筋肉は、脳と同様に様々なホルモンを分泌する器官でもあります。そのホルモンの中には、認知症やがん、動脈硬化などの病気を予防する効果が期待できるものもあります。筋肉を維持することは、全身の健康に直結するのです。「そのため、自分の体形に目を向けるときは、体重よりも"体組成"に着目して、筋肉を維持できているかどうかをチェックする必要がある」(久野氏)。体組成とは、全身の筋肉や脂肪、骨、水分などの割合のこと。一般に、肥満度の指標としてはBMI(体格指数)が広く用いられていますが、残念ながらBMIでは筋肉の割合までは分かりません。そこで久野氏が勧めるのが、「体組成計」で筋肉の量を測り、その変化を見ていくこと。最近は、家庭用の体組成計が数千円で購入可能です。スポーツジムや公共施設、医療機関など、体組成計を設置している場所も増えているので、定期的にチェックする機会をつくるといいでしょう。

 何もしなければ、筋肉は加齢によってどんどん減っていきます。筋肉量は20代をピークに年1%の割合で減少し、50代で30%、60代で40%も落ちます。一方、「簡単な筋トレを普段の生活に取り入れれば、たとえ80、90代でも、筋肉を増やすことはできる」(久野氏)。

(出典:https://gooday.nikkei.co.jp/)


■脂肪と筋肉のコントロール

 脂肪は燃やして減らします。脂肪を燃やすには有酸素運動が有効とされています。一方、筋肉は鍛えて増やします。運動→休息→栄養を繰り返すことで、徐々に筋肉が付いていきます。過剰な栄養(カロリー)摂取を控えた上で適度な運動を行なえば、脂肪を減らし筋肉を増やすことができるのです。

筋肉が増えれば、基礎代謝量も増やすことができて、より痩せやすくなるので一石二鳥です。そしてより効率的に筋肉をつけるには、「たんぱく質」を摂ることが大切です。

 私たちのカラダは水分が60~70%、たんぱく質が約20%、その他が約20%を占めます。筋肉や臓器、皮膚といった組織から酵素やホルモン、血液まで、そのほとんどを作る上でたんぱく質が必要です。水分以外は、たんぱく質でできていると言っても過言ではありません。

体づくりのゴールデンタイム

 運動の直後~1時間後(アミノ酸が筋肉に送られる量が通常の3倍になる)と、就寝の1~3時間後(成長ホルモンの分泌が盛んになる)は「筋肉づくりのゴールデンタイム」といわれ、この時間になると成長ホルモンの分泌が盛んになり、筋肉の修復が行われます。

 そのタイミングで筋肉の原料となるアミノ酸が豊富にあると筋肉の修復がうまくいき、筋肉づくり・疲労回復につながります。だから運動直後や就寝前に水分補給と共にアミノ酸・ペプタイドサプリを摂るのが有効なのです。

 ペプタイドとは、たんぱく質が消化酵素で分解され、アミノ酸が数個固まった状態のこと。アミノ酸を2~3個まとめて取り込めるため、効率的に体内に補給することができます。肉や魚のたんぱく質からアミノ酸を摂ろうとすると、消化・吸収に3~4時間かかりますが、ペプタイドでは30~40分で吸収されていきます。中でも、魚は、人の体をつくる20種のアミノ酸をバランス良く含み、ペプタイド状にしているので吸収効率に優れています。

高齢者と体組成

 高齢者の間では、筋肉量低下による運動障害や転倒事故が増えています。高齢になるにつれて運動習慣が減ったり、たんぱく質の摂取量が低下したりして、筋肉量が徐々に減少してしまいます。実際に20代の方と80代の方では、全身の筋肉量が男性で16.8%、女性で11.0%も減少してしまうというデータもあります。まだまだ元気!と感じている60代、70代のうちから運動習慣とたんぱく質摂取を心がけて、現在の筋力を維持し続けることが大切です。

 そのためにも、現在の筋肉量を体組成計などで測定し、確認しておくことが大切です。今はまだ充分にあるのか、既に減少が始まっていて増やさなくてはいけないのか。さらにどこの筋肉が少ないのかが分かれば、そこを重点的に鍛えることで対策がとれます。

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 康復医学学会で開発した「コラーゲン製品」「霊芝配合の天然型高吸収たんぱく加工食品」は、魚由来のペプタイドを使用しており、高い栄養吸収率を実現しています。


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愛・感謝 村雨カレン

2024年2月14日水曜日

ウイルス性食中毒

 チャーハン症候群

 チャーハンやパスタをちょっと作りすぎた時に、そのまま室温で放置していませんか? あるいは、時間差で後から食べるご主人やお子さんのごはんを、ラップをかけてそのまま食卓に置いておく‥‥なんてこと、よくあるのではないでしょうか?

“チャーハン症候群”(Fried Rice Syndrome)という言葉が、海外のSNSを中心に話題になっています。チャーハン症候群とは正式な名称ではなく、SNSによる造語で、チャーハンやパスタなどの料理を室温で長時間放置したときに起こる「セレウス菌(Bacillus cereus)」による食中毒のことを意味しています。昨年の秋ごろ、5日前のトマトソースパスタを食べた後に急死した20歳の男性に関するTikTok動画に対し、医師が反応したことからこの言葉がトレンド入りしたようです。

 報告書によると、その男性は常温保存で5日も経ったパスタを電子レンジで温め直して食べてしまいました。その際、「いつもと味が違う」と感じていたようなのですが、パスタに新しいブランドのソースを使ったため、料理に異変が起きているとは思わず、そのまま食べ続けたといいます。結果、食後30分以内に吐き気、腹痛、頭痛に見舞われ、最後は下痢と嘔吐を繰り返しました。そして、男性は就寝後のおそらく午前4時ごろ、食事を取ってから約10時間後に死亡したことが判明しました。ちなみにこの男性のニュースは、2008年にベルギーのブリュッセルで起こった出来事です。

 セレウス菌による食中毒は、チャーハンやピラフ、スパゲティや焼きそばなどが代表的な原因食品として挙げられます。セレウス菌は、調理後に室温で長時間放置することで増殖します。厄介なのは、食品においてセレウス菌が増殖し、いわゆる腐った状態になっても見た目やにおいの変化がないことです。しかも、セレウス菌は90度で60分の加熱にも耐える芽胞(熱に強い殻のようなもの)を形成し、生き残ります。

 発症は食後30分から最大15時間後とされており、一般的に吐き気、嘔吐、下痢、腹痛を引き起こします。通常は短期間で治り、治療も水分補給のみですが、重症例には点滴を投与するケースもあります。セレウス菌が産生した毒素による食中毒なので、抗生物質の投与は効果がありません。

 セレウス菌による食中毒は夏場に件数が多いのですが、どの季節においても調理した食べ物を室温で長時間放置しないことが大切です。調理後に小分けにして、速やかに冷蔵庫で保存しましょう。

(出典:https://hc.nikkan-gendai.com/)


■冬に多発、ウイルス性の食中毒

 食中毒というと、夏場に多く発生する病原性大腸菌やサルモネラ菌などによる「細菌性食中毒」をイメージするかもしれませんが、冬場も夏場と同じように注意が必要です。冬場に多く発生するのはセレウス菌などの細菌性食中毒よりも「ウイルス性食中毒」です。代表的なものが11~2月にピークを迎えるノロウイルス。年間を通して食中毒にかかった患者数が最も多いのがノロウイルスによるものです。また、ウイルス感染という特性から、発端は食中毒であったとしても感染する力が極めて強く、学校や病院等で発生した集団感染の大半は誰かがまずノロウイルスに感染し、ヒトからヒトへ感染して広がっていきます。大規模になりやすいので、発生した場合は適切な対処をして感染拡大を防ぐことが大切です。

ウイルス性食中毒の感染経路と予防法

 ノロウイルスの主な原因食品は牡蠣、アサリ、シジミなどの二枚貝ですが、ウイルス性食中毒の感染は食品からだけでなく、ヒトや食器などからも経由して拡がります。少量でもウイルスが体内に入ると腸内で増殖して、吐き気やおう吐、下痢、腹痛などを引き起こします。幼児や高齢者、病気治療中の人は、症状が重くなる場合もあります。症状が出たら脱水症状を防ぐために十分な水分と栄養を補給しましょう。また、医療機関を受診する際は、感染拡大を防ぐために事前に電話を入れ、医療機関の指示に従って受診するようにしましょう。

 ノロウイルスの食中毒は、ウイルス感染です。食品の管理、衛生面に注意しましょう。

 日常生活で気をつけるポイント 

▼帰宅直後、調理の前後、食事の前、トイレの後などこまめに石けんを使って、指の間、爪の内側までていねいに手洗いをする。

▼魚介類を調理するときなど、「生食用」と表示のないものは中心部分を1分間85度以上で加熱する。

▼まな板やふきんなど台所の調理器具は水で薄めた家庭用塩素系漂白剤で消毒する(表示されている使用方法を確認すること)。

▼体調不良になるとウイルスに対する抵抗力が低下するので、普段から適度な運動を行い、栄養や睡眠などを十分にとって体調を管理すること。

 感染拡大を防ぐポイント 

▼便や吐瀉物を片付けるときは、使い捨ての手袋やマスク、ペーパータオルを利用し、処理後はビニール袋に密封し、塩素系漂白剤など消毒液を加えて捨てること。

▼汚れた床や家具、衣類、調理器具、食器などは水で薄めた家庭用塩素系漂白剤で消毒する(表示されている使用方法を確認すること)。

▼処理後は自分の手をていねいに洗う。

食生活で食中毒を予防しよう

 食中毒の予防には、ウイルスに対する抵抗力、免疫をアップさせる食生活が重要です。多品目を1日3回の食事でバランスよく摂ることが大切です。ヨーグルト、オリゴ糖など、腸内の善玉乳酸菌を増やす食品を積極的に摂り、腸内環境を整えましょう。また、抗菌作用のある、におい成分が強い野菜、ハーブ、薬味などを利用したり、タマネギ、梅干しなどの殺菌、解毒作用のある食品を積極的に摂りましょう。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2024年2月7日水曜日

がんと免疫

 乳がんは思春期の遺伝子変異だった!

 日本人女性のがんの中で最多の乳がんは40代以降の発症が多いのですが、その大本となる乳腺細胞の最初の遺伝子変異は数十年前の思春期前後に起きていることを、京都大大学院医学研究科腫瘍生物学講座の小川誠司教授らの研究グループが世界で初めて突き止め、昨年12月27日付の英科学誌ネイチャー電子版で発表しました。早い段階での乳がん予防につながる可能性があるとしています。

 がんは、細胞内の遺伝子の変異が何段階も積み重なり、正常な細胞ががん細胞に変化することで発症することが知られています。

 研究チームは、増加の一途を辿っている乳がんについて、41歳から48歳の閉経前の乳がん患者5人の乳腺の細胞を採取。最先端のゲノム(全遺伝情報)解析技術を詳しく解析することで、思春期前後に生じた最初の変異の獲得から数十年後の発症に至るまでの全経過を明らかにすることに、世界で初めて成功しました。がん化につながる遺伝子の変異が最初に起きた時期を調べたのです。

 その結果、最初の遺伝子変異は4・4歳から16・9歳(平均9・7歳)という非常に早い段階で起きていたことが判明。その後、数十年かけて変異が積み重なって一部ががん化し、発症することが分かりました。

 チームでは、乳腺細胞の遺伝子の変異に、第2次性徴以降に増加する女性ホルモンが影響している可能性があるとみています。最初の遺伝子変異が思春期前後に起き、その後、数十年にわたって変異が積み重なるのだということです。閉経後は女性ホルモンが減少し、新たな変異が起きにくくなります。

 京都大の小川誠司教授は「発がんの詳細な歴史が明らかになった。これを手がかりに、乳がん発生のメカニズム解明に取り組む。がん化につながる変異を早い段階で検知すれば、乳がんの予防につなげられる可能性もある」と話しています。

(出典:産経新聞 https://www.iza.ne.jp/)


■がんと免疫機能

 今やがんは2人に1人が罹る、とても身近な病気です。そもそも、なぜ、がんができてしまうのか。そこを知らないと「防ぐ」ことも「治す」こともできません。

 なぜ、がんができるのか 

 がんは、細胞の異常⇒がん細胞の生成から始まります。早期発見と言われている大きさは1㎝ほど(1㎝になるまでに10~15年)。そこから急速に大きくなり、数年で命に関わる大きさに増殖。大きくなったがんは、周りの正常な細胞が必要とする栄養分を横取りしたり、臓器を破壊したりして、次々と体の機能に障害を起こします。

 細胞に異常が起こる原因でよく指摘されるのは「生活習慣」です。食生活の欧米化(高カロリー・高脂肪食)や運動不足、肥満、睡眠不足、精神的ストレスなどがあります。また、直接細胞の遺伝子を傷つける"発がん性物質"も原因の一つです(タバコや農薬などの有害化学物質、自然界の放射線や紫外線、ウイルスや細菌など)。

 免疫の働きでがんを倒せるのか 

 実は、健康な人でも毎日数千個ものがん細胞が生まれています。しかし、私たちの体には出来たばかりのがん細胞を退治する機能が備わっています。それが"免疫機能"です。具体的には、血液の成分のひとつである白血球やリンパ球の働きを指し、これらは"免疫細胞"と呼ばれます。

 なぜ、免疫が働くのにがんになるのか 

 免疫細胞は全身に2兆個もあります。ただし、がんを退治できるのはごく一部で、ウイルスや細菌を退治する免疫細胞と、がん細胞などを退治する免疫細胞の種類は異なります。免疫細胞の中でがんを攻撃する免疫機能を高めるのは、「キラーT細胞」や「NK細胞」であることが知られています。

●初期:免疫機能の低下や、がん細胞数の増加で、免疫細胞が対処しきれなくなると、生き残ったがん細胞はひっそりと増殖を始めます。検査で発見できる前の状態です。

●中期以降:がん細胞の増殖後、最も恐ろしいのは、がん患者の免疫の働きが無力化してしまうこと。具体的には、免疫を無力化する「免疫抑制細胞」をがん細胞の周囲に増やします。免疫抑制細胞は、免疫ががん細胞を攻撃することを邪魔します。そして、がん患者の体の中で免疫機能が働きにくい免疫抑制状態を作ってしまうのです。

 がんに勝つ方法は 

 一般的に免疫機能を高めるには、バランスの摂れた食事、十分な睡眠、適度な運動など、規則正しい生活で体調を整えることが大切だと言われます。しかし、がんが大きくなると免疫抑制細胞が増えて免疫を無力化、免疫機能を高めることが難しくなります。この免疫抑制細胞は、がん細胞の周りに集まり免疫機能を低下させるのです。がんになってから免疫の働きを高めるには、免疫抑制細胞を減少させることがポイントになります。

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 康復医学の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」の、免疫の調整機能悪液質の改善機能細胞への酸素供給促進機能は、体内環境を整え、がん対策にも有効です。


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愛・感謝 村雨カレン