かすれ声は老化のサイン?
自分の声が、昔と違ってかすれていることに気づいたことはありませんか? 声は30代から衰え始めます。声帯とその周りの筋肉が衰えていくのが主な原因です。
声帯周りの衰えは、転倒リスクや肺炎リスクにもつながります。声帯には息を吸う、声を出す以外に気管をふさぐ役割もあるからです。気管を閉鎖して肺に息をため込めることで胸郭が安定し、上半身がぶれず身体の全体に力が入ります。できないと、つまずいたときに踏ん張れません。また、食べ物が気管に入って誤嚥性肺炎を起こす恐れもあるのです。中高年になると、男性は男性ホルモン、女性は女性ホルモンの分泌低下で、声帯と声に男女逆の現象が起きる傾向があるそうです。男性は声帯が萎縮し声が高くなり、女性は血流が悪くなって声帯がむくみ、声が低くなります。弦楽器の弦が細いと高音、太いと低音になるのと同じです。
ホルモン分泌のコントロールは難しいですが、声帯とその周りの筋肉を鍛えることは、何歳からでもできます。有効なのは歌うことです。歌う習慣で声帯が衰えにくくなります。ただし、叫んだり、キーが高すぎるまま歌い続けたりするのは、逆にのどを痛めます。
専門家が勧めるのは呼吸、声帯の振動、共鳴が総合的に鍛えられる発声法です。口を小さくすぼめ『のー』を低音から高音まで、鼻に抜けるように発声します。そして『のー』を高音から徐々に低くしていきます(10回1セット×1日3セット)。
声帯の振動には粘膜の潤いが必要です。加齢による粘液の減少で声帯の劣化が進みます。声をよく使う場面では、意識して、こまめに水を飲みましょう。水を飲むと副交感神経が優位になり、脳から指令が出て声帯が潤います。
口呼吸は声帯を乾燥させるので鼻呼吸を心がけます。たばこも控えましょう。有害物質が声帯を劣化させます。ファストフードのセットメニューは、のど焼けと声枯れの原因になりかねないので要注意です。脂質の多い食べ物と炭酸飲料の組み合わせは胃酸の逆流を起こしやすく、声帯の劣化につながる可能性があります。
(出典:https://gooday.nikkei.co.jp/)
■"のど年齢"老化は肺炎を招く
高齢者の肺炎の7割以上を占めるといわれる誤嚥性肺炎。
誤嚥性肺炎とは飲食物や唾液などが気道に入り、そこに含まれていた細菌によって起こる肺炎のことです。主な原因菌は上気道にいる細菌、具体的には鼻やのどに棲みついている肺炎球菌や口腔内の常在菌である嫌気性菌などです。近年、高齢者の誤嚥性肺炎が増えており、高齢者の肺炎の7割以上が誤嚥性肺炎と考えられます。
誤嚥性肺炎の原因の一つとして、近年「のどの老化」が指摘されるようになりました。のどの筋力の低下と唾液の分泌が減ることによって、飲み込む力(嚥下反射)や咳をして異物を気道から出す力(咳反射)が衰え、誤嚥を起こしやすくなります。
実際、のどの老化が進み、誤嚥を起こしやすくなるのを心配する人は少なくありません。では、「のどの老化度」はどうすれば分かるのでしょうか。専門家は、反復唾液嚥下テスト、いわゆる「ゴックンテスト」を試すことを勧めています。
このテストは実際の診療でも行われています。やり方は非常に簡単。まず水を一口飲んで口の中を湿らせてから、「30秒間に何回唾液を飲み込めるか(空嚥下回数)」を見るだけです。若い人は10回くらいできるのですが、年を取ると筋力が衰え、唾液の分泌も減るため回数をこなすのが難しくなっていきます。
各年代約50人ずつにゴックンテストをやってもらったところ、平均回数は20代で9.8回、30代で8.8回、40代で7.8回、50代で7.0回、60代で6.1回、70代で5.2回という結果が出ました。このゴックンテストをやれば、おおよその自分の「のど年齢」が分かります。のど年齢が70代以上、つまり30秒間で5回以下になると誤嚥性肺炎のリスクが高くなります。実際、高齢になると食事中にむせることも増えていきます。自分で気付かない誤嚥(不顕性誤嚥)も同じように増えるのだと考える必要があります。
このほか、声帯の筋力と息を吐く力を調べる『あー』テストでチェックする方法もあります。息を思い切り吸い込んでから、『あー』と声を出して何秒間続けられるかを計ります。男性で15秒以上、女性で10秒以上できれば大丈夫ですが、それ以下だと問題があります。発声と嚥下はほぼ同じ筋肉を使っているので、声を出す力が弱くなると飲み込む力も弱くなります。
いつもありがとうございます。
愛・感謝 村雨カレン