2025年6月25日水曜日

塩分について

 塩分摂取は“長寿の知恵

 今では、「塩分=高血圧」がすべての日本国民の固定観念となってしまいました。しかし「塩分摂取量の全国順位が40位以下の大阪や沖縄など(=全国平均よりも塩分摂取量が少ない地域)で高血圧疾患による死亡率が高い」という現実もあります。「塩分=高血圧」が正しければ、もっと順位が高い地域で高血圧疾患による死亡者が多くなるはずではないでしょうか。また、がんによる死亡率も同様に、塩分摂取量が全国順位40位以降の大阪、兵庫、島根などで全国平均よりも高くなっています。そして逆に、今や日本の最長寿県として知られる長野県の塩分摂取量は、日本で4番目に多いのです。

 さらに、うつや自殺(うつが要因になることが多い)は、フィンランド、スウェーデン、ノルウェー、ロシアなどの北欧の国々で多発しています。日本でも、人口10万人当たりの自殺者数は、秋田県、山形県、青森県、新潟県といった北国が高いのですが、その要因は「日照量の少なさ」と「寒さ(低気温)」とされています。だからこそ北国の人々は、身体を温めるために塩分摂取量が伝統的に多かったのです。そうした地域に何百年も住んできた先祖の知恵だったわけです。しかし今や、塩分を極端に制限された東北の人々の体温は下がり、「うつ」や「自殺」が増加しています。「塩=高血圧」という一点の理由から始まった"減塩運動"が、こうした種々の弊害をもたらしていることは、ほとんど知られていません。西洋医学は歯牙にもかけていないし、一顧だにしません。

 話はやや旧聞に属しますが、アメリカで25歳から75歳までの20万7729人を対象にした国民栄養調査が行われ(1998年)、その結果をM,H.アルダーマン博士が世界的に権威のあるイギリスの医学雑誌『Lancet(ランセット)』に発表しました。

 同調査では、食塩の1日平均摂取量によって調査対象者を4つのグループに分け、あらゆる病気の脂肪率を比較しました。すると意外にも、食塩摂取量の一番多いグループの脂肪率が最も低く、少なくなるほど死亡率が高くなっていました。また高血圧や脳卒中、心筋梗塞などの心臓・循環器系疾患の死亡率も、食塩摂取量が少ないほど高かったのです。調査対象者が数十人や数百人といった少人数であれば信憑性が劣ると指摘する人がいたかもしれませんが、20万人もの被験者がいたのですから文句のつけようはないでしょう。

 米・アインシュタイン大学のハイレル・W・コーエン博士は、8700人のアメリカ人を対象に行った健康栄養調査の結果、「塩分摂取の最も少ない25%に属する被験者は、摂取の最も多かった25%に比べて、心臓病による死亡率が80%高かった」と述べています(一般内科学誌『Journal of General Internal Medicine』掲載)。デンマーク・コペンハーゲン病院のニールス・グラウダル博士は、アメリカの高血圧学会誌に掲載した論文(2014年)の中で、「最も好ましい、健康的な食塩摂取量は“6.7~12.6g”である」と論じています。

(出典:『Renaissance』誌より/イシハラクリニック 石原結實院長)


■“減塩”による免疫機能低下

「塩分は、高血圧や脳出血の一大要因になる」という固定概念は、1960年代に米国のL・K・ダール博士が、日本人の塩分摂取量と高血圧の発症頻度を、塩分摂取量の少ないマーシャル諸島の人々やアラスカのイヌイットの人々と比較した論文が大きく影響しています。

 1960年頃、13~14g/日の食塩摂取をしていた鹿児島など南日本の人々の高血圧の発症率が約20%、同じく27~28gと2倍もの食塩を摂取していた東北地方の人々の発症率が約40%という結果が出た為、「塩分こそ、高血圧や脳出血の元凶である」という論文になりました。

 この頃から東北地方で減塩運動が始まり、全国に普及していったのです。1945(昭和20)年以降の日本人全体の平均食塩摂取量は15g/日でしたが、1979年(昭和54年)には13.1g/日になりました。しかし当時、厚生省が「10g以内が望ましい」と発表、その後1日の平均食塩摂取量は1985(昭和60)年には12.1g/日、2015(平成27)年には10.0g/日にまで減少しました。にもかかわらず、厚生省は減塩を推し進め、現在は「男性7.5g以下、女性6.5g以下が望ましい」としています。またWHO(世界保健機関)では5.0g以下を推奨しています。

“減塩”で免疫力が落ち、ガンに罹りやすくなる

 昔から塩は"生きていくための最重要食品"でしたし、文化の発展にも大いに寄与してきました。なのに「寒い地方の人々が体を温めるために塩を多く摂ったことで高血圧の人が多い」という一点の理由で、全国民に減塩を強制してしまったことのツケは実に甚大です。

 日本人の脇の下の平均体温は、1957(昭和32)年には36.9℃だったといいます。ところが今は36.5~36.2℃の人がほとんどで、中には34℃台の人もいるのです。体温が低くなってしまった要因の一つは、現代人の筋肉量が減っていることです。体温の40%は筋肉で作られているのに、体を動かす機会が減り、昔に比べて筋肉を動かさなくなっています。もちろん、体温を高く保ってくれる塩分の摂取不足も大いに関係しています。また、体温が1℃下がると免疫機能が約30%低下することや、ガン細胞は35.0℃の低体温で増殖し、39.6℃で死滅することも分かっています。

 1975(昭和50)年のガン死者数は約13万人で、当時は医師数も同様の約13万人でした。それから50年近くの間にガンの研究・治療は格段と進歩したし、医師数も約33万人へと増加したのに、2021年のガン死者数は約38万人でした。

 医師がガン細胞を切り取ったり、放射線で焼いたり、抗がん剤で殺したりという対症療法に終始していることの他に、ガンに罹る人が著しく増加しているのです。


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愛・感謝 村雨カレン

2025年6月18日水曜日

便秘

 便秘が脳梗塞や心筋梗塞のリスクに

 便秘が脳梗塞や心筋梗塞などの心血管疾患のリスク上昇と関係していることが、英国在住の40万人を対象とした研究で明らかになりました。

 狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などの心血管疾患は、高血圧などによって引き起こされることが明らかになっています。しかし、より確実な予防と治療のためには、さらなる危険因子を見つけ出すことが大切です。これまでの研究で、心血管疾患の一部は便秘が危険因子であることが示唆されていました。また、便秘を引き起こす自律神経系の調節不全や腸内細菌叢の異常、食物繊維と水分の摂取不足、運動不足などは、高血圧の危険因子でもあることが示されています。そこでオーストラリアのモナッシュ大学などの研究者たちは、「便秘もまた、心血管疾患の危険因子である」という仮説を立てて、これを検証することにしました。

 分析に用いたのは、英国の40~69歳の約50万人を対象とするコホート研究「UKバイオバンク」の参加者40万8354人のデータです。これらの参加者のうち、「不安定狭心症、急性心筋梗塞、脳梗塞、心不全」からなる心血管疾患を経験していたのは4万6891人(11.5%、平均年齢61.3歳、女性が32.7%)でした。一方で、2万3814人(5.8%、60.0歳、55.9%)が便秘でした。

 年齢、性別、BMI(体格指数)を考慮して分析したところ、便秘がある人の心血管疾患のリスクは、便秘がない人に比べ2.15倍に高まっていました。疾患別の検討でも、便秘ありの人の心不全のリスクは2.72倍、脳梗塞のリスクは2.36倍、不安定狭心症・急性心筋梗塞のリスクは1.62倍と、有意に上昇していました。

 腸の運動に影響して便秘を引き起こす薬剤の使用と、既知の心血管疾患の危険因子(高血圧、糖尿病、喫煙、脂質異常症など)も、分析に際して考慮する要因に加えたところ、リスク上昇幅は小さくなったものの、引き続き統計学的に有意な関係が認められました。

 高血圧と診断されていた15万7414人に限定した分析も行いました。このうち1万3469人(8.6%)が便秘でした。便秘のある人が高血圧と診断された後に心血管疾患を経験するリスクは、便秘のない人の1.34倍でした。

 便秘の発症と心血管疾患の発症に関係する遺伝的背景の相関関係を調べたところ、便秘と今回検討した心血管疾患の間には、正の遺伝的相関関係がある(発症に関係する一部の遺伝子が共通している)ことが示されました。

 今回の分析によって便秘が心血管疾患の危険因子であることが明らかになり、高血圧患者が便秘だと、心血管疾患のリスクがさらに上昇する可能性も示されました。今後も研究を進める必要がありますが、便秘を解消するための食習慣の工夫や、水分摂取の増加、積極的な運動といった対策が、心血管疾患のリスク低減にもつながる可能性が示唆されたといえます。

(出典:https://gooday.nikkei.co.jp/)


■食物繊維と便秘

 食物繊維とは「人の消化酵素で消化されない食物中の難消化性成分の総体」です。食物繊維にはたくさんの種類があり、それぞれの特徴によって体に対する働きが異なっています。

 消化・吸収されない食物繊維は、昔は栄養的に価値のないものと考えられていました。しかし、健康維持のために大切であることがわかり、現在では三大栄養素(糖質・脂質・たんぱく質)、五大栄養素(三大栄養素+ビタミン・ミネラル)に加えて「第六の栄養素」と呼ばれています。日本人の食物繊維摂取の目標量は、男性19g以上、女性17g以上と定められています。しかし、実際の食物繊維摂取量は、年齢が若いほど少なく、目標量を満たしていません。

理想的な食物繊維の摂り方

 食物繊維には「水溶性」と「不溶性」があり、上表のように、それぞれ腸の中で異なる働きをしています。両方を組み合わせることで便秘解消&デドックス効果が高まります。

●水溶性食物繊維:腸管内の水を吸収して、便を柔らかくしてくれる作用があります。ネバネバ・ヌルヌルとした粘性があるので腸内の老廃物や毒素を吸着し、便として排出してくれます。また、悪玉菌を減らして腸内環境を整える働きもあります。

●不溶性食物繊維:腸内で水分を吸収して膨らみ、腸壁を刺激して腸内の蠕動運動を促します。便の嵩を増やす作用があるので、便秘解消に効果的なのですが、水に溶けない性質のため、摂り過ぎると便が硬くなってしまいます。

 腸の健康を考えると、摂取量は「不溶性2:水溶性1」の割合が理想的と言われています*。厳密にこの割合を守る必要はありませんが、バランスよく摂取することが重要です。

*慢性便秘症の患者にポリデキストロース(水溶性食物繊維)を摂取してもらったところ、排便に対して最も良い結果が得られたのは不溶性食物繊維14g、水溶性食物繊維7gの割合であったという研究結果に基づいています。


 最近の「トクホ(特定保健用食品)」には、難消化性デキストリンを配合した商品が増えています。これは、水溶性食物繊維が"脂肪の吸収を抑え排出を増加させる効果がある"と言われているからです。ただし、デキストリンの原材料には遺伝子組み換えのトウモロコシを使用したものが多く、摂り過ぎには注意が必要です。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2025年6月11日水曜日

内臓脂肪

 中年男性、内臓脂肪を7日で15%減

 高強度の持久力運動により、体脂肪だけを効果的に減らせることを示す研究結果が報告されました。中年男性が7日間で1440kmのロードサイクリングを行った結果、全身の体脂肪は9%減少、内臓脂肪は15%減少して、血圧や血清脂質にも良い影響が生じ、一方で体重はわずか1%しか減らなかったといいます。

 この研究は、ラヴァル大学(カナダ)のジャン=ピエール・デプレ氏らによるもの(詳細は「American Journal of Physiology-Endocrinology and Metabolism」9月号に掲載)

 論文の責任著者である同氏は、「我々の研究結果は、肥満予防にはカロリー制限よりも、身体的に活動的なライフスタイルを促進することが重要であるという事実を裏付けている」と述べています。

 また研究グループは、「人間はできるだけ食べないようにするのではなく、身体的に活動的になるように設計されていることを示す、一つのエビデンスといえる」という別の言い方で研究結果を総括しています。

 この研究には、50~66歳のレクリエーションレベルの男性サイクリスト11人(平均年齢60.4±4.4歳)が参加しました。これらの参加者はベースライン時点において、同年齢の一般男性86人に比べて心肺機能が有意に高く、皮下および肝臓の脂肪量が有意に少ないものでした。

 これらの参加者に対して、7日間で1440kmのロードサイクリングを課し、その間、消費したエネルギー量を食事で十分に補充して体重が落ちないようにしてもらいました。そのため、朝食と昼食はビュッフェ形式で自由に摂取可能とし、夕食は持ち帰りの弁当や菓子などを無制限に提供しました。

 7日後、体重は約1%減少し(-0.8±0.9kg)、BMIも低下(-0.3±0.3)したものの、わずかな変化に抑えられていました。

 それに対して、全身の脂肪量は約9%減少し(-1.5±1.0kg)、内臓脂肪量は14.6%減少(-14.1±14.2mL)、ウエスト周囲長も有意に低下していました(-3.2±1.7cm)。

 さらに、除脂肪体重は1.2%増加し(0.8±1.2kg)、総コレステロールは20%以上低下、トリグリセライド(中性脂肪)に関しては40%近く低下し、また血圧も大幅に低下していました。

 研究グループは、「これらの結果は、持久力運動によって引き起こされる影響が体重の変化にとどまらずに、体組成への好ましい影響が少なくないことを改めて強調している」と結論付けています。

(出典:HealthDay News)


■今、改めて"内臓脂肪"を知る

 人間の体では、脂肪は主に二つの場所に蓄積されます。このうち内臓の周りにつく脂肪が「内臓脂肪」、皮膚の下につく脂肪が「皮下脂肪」です。

 内臓脂肪は、腹筋の内側、胃や腸などの消化器官の収まる空洞「腹腔(ふくくう)」内につきます。一般的に、内臓脂肪は女性より男性がつきやすい脂肪ですが、閉経後は女性も内臓脂肪がつきやすくなる傾向があります。

 内臓脂肪は皮下脂肪に比べて注意が必要な脂肪と言われています。それは、内臓脂肪が過剰に蓄積すると糖尿病など様々な病気を引き起こす「生活習慣病」の原因になるからです。

内臓脂肪がたまると、生活習慣病のリスクがアップ!

 内臓脂肪がたまると、生活習慣病のリスクが高くなるのか、それは以下の理由です。

 お腹周りの脂肪である内臓脂肪は、脂肪細胞から様々な「生理活性物質」を分泌しています。生理活性物質とは、わずかな量で私たちの体の生理に影響を与え、身体の働きを調整する役割を持つ、ホルモンに似た物質です。その作用の多くは体で起きている炎症や、免疫機能の促進または抑制に深く関わっています。

 内臓脂肪から放出される生理活性物質には、生活習慣病を「招くもの」と「防ぐもの」があります。内臓脂肪がたまると、生活習慣病を引き起こす生理活性物質の分泌量が増加し、反対に生活習慣病を防ぐ生理活性物質は減少してしまいます。そのため、内臓脂肪がたまると血糖値や血圧が上がり、血管の損傷が促進され、やがては糖尿病や脂質異常症といった生活習慣病になるリスクが高まってしまうというわけです。さらに進行すると、動脈硬化や心臓病、脳卒中など命にかかわる病気を発症する危険性が高まります。

 内臓脂肪の蓄積で増加する生理活性物質 

TNF-α:インスリンの働きを妨げ、血糖値を上げる。TNF-αの増加で糖尿病のリスクが上がる。アンジオテンシノーゲン:血圧を上昇させ、高血圧の原因となる。PAI-1:血栓をつくり、動脈硬化を促進させる。

 内臓脂肪の蓄積で減少する生理活性化物質 

レプチン:満腹中枢を刺激して食欲を抑制する、生活習慣病を防ぐ生理活性化物質。内臓脂肪の蓄積で分泌が減少すると、この効果も減少する。アディポネクチン:血圧や血糖を低下させ、傷んだ血管を修復する。動脈硬化の防止効果のある生理活性化物質。内臓脂肪の増加⇒血管損傷の進行⇒生活習慣病。

内臓脂肪が引き起こす主な病気

▼糖尿病 ▼高血圧症 ▼脂質異常症 ▼高尿酸血症・痛風 ▼狭心症・心筋梗塞 ▼非アルコール性脂肪性肝疾患(脂肪肝) ▼脳梗塞 ▼月経異常・不妊 ▼腎臓病

 内臓脂肪は生活習慣病の原因になり、放っておくと命に係わる病気を発症するリスクが高まります。健診などで内臓脂肪を指摘されたら、まずは自分の生活習慣を振り返り、無理のないゆるやかなダイエット生活を始めましょう。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2025年6月4日水曜日

六月病

 “六月病”が増えている?

 五月病は聞いたことがあると思います。ゴールデンウィーク明け頃、主に新入社員や新入学の大学生など4月からの環境変化がストレスとなって発症するもので、急性の適応障害といえます。そして、6月ごろに現れる心身の不調が「六月病」です。新入社員だけでなく、異動などで環境の変わった社会人に多いものです。五月病が遅れて現れたようにも見えますが、実は五月病は性質が違っており、六月病はうつ病の入り口の状態といえます。

 4月からの環境変化が発端であることは同じですが、我慢に我慢を重ね、我慢しきれなくなって出てくるのが“六月病”。たとえば5月の段階で気づいて手を打てれば回復も早いのですが、六月病は“こじらせた状態”とも言え、適切な対応が求められます。

 環境の変化は入学、入社だけではなく、昇進なども要因になります。プレーヤーとして優秀な人がマネジャーとなり、自分と同じように仕事ができない部下へのいらだちなどがストレスとなって不調につながる、という「昇進うつ病」も珍しくありません。

 六月病は特にまじめに頑張る人に多い傾向があります。多少の不調があっても「このくらい大丈夫。もっと頑張らないと」と心身に鞭打って走り続けてしまい、無理がきかなくなって倒れてしまう、ということになりがちです。

 初期のSOSには気づかないことも多いもの。右表をチェックしてみましょう。一つでも当てはまるものがあれば、要注意です。

 六月病の予防あるいは長引かせないためには、原因となるストレスをなくすのが一番ですが、現実的には難しいでしょう。できることは、ストレスに強い状態をつくっておくこと。お勧めの方法をご紹介します。

 睡眠 :睡眠は健康の基本で、眠ると気分もリセットされます。睡眠のほか、しっかり食事を摂る、運動するなど、基本的なことを大切に。

 趣味を楽しむ :趣味や楽しみに意識を向けてストレス源から離れることで、心がリフレッシュします。

 安心できる人と話す :家族や友人などと話すことも効果的です。

 “お守り”をつくる :深呼吸する、空を見る、好きな音楽を聴く、大好きなお菓子を食べるなど、自分なりの“息抜き法”をつくると、ストレスへの対応力が高まります。これは「コーピング」というストレス対処法で、企業のストレスマネジメントなどにも広く活用されています。

 6月は心の調子を崩しやすい時期です。特に昨今は働き方が変化して、調子を崩しやすくなっていることが多いようです。日ごろからストレスとうまく上手に付き合う方法を身につけて、うまく乗り切ってください。

(出典:https:// //kenko.sawai.co.jp/)


■“六月病”の対策

 六月に入り、病気というほどでもないけれど、ちょっと調子が良くないという人は、次の三つのポイントを心がけてみましょう。

◆生活リズムを整える

 悩みや不安があると夜眠れず、起きる時間も遅くなりがちです。できるだけ同じ時間に起き、太陽の光を浴びましょう。朝、強い光に当たると「脳内セロトニン」が活性し、それが覚醒・睡眠リズムをつくります。セロトニンには、様々な脳内ホルモンのバランスをとって精神を安定させる働きがあるのです。またセロトニンは、睡眠ホルモン「メラトニン」の材料でもあります。

◆適度に身体を動かす

 運動が好きな人は汗をかくのもいいでしょう。苦手な人はラジオ体操のようなリズミカルな運動をしたり、15分間歩いたりするだけでも違います。速く歩いたり、ゆっくり歩いたり、風景を眺めて季節を感じたりします。途中目にする野の花や夕焼けなどに「わあ、きれい」と声に出して言ってみると、心も温まります。

◆オンとオフを意識して区別する

 いつもオン状態だと交感神経が優位になり過ぎてしまいます。意識的にオフの時間をつくり、読書や音楽、映画鑑賞など好きなことをして、ゆったりと気分転換をしましょう。

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【薬に頼る前に】

 適応障害やうつの治療は、カウンセリングなどの精神療法が中心に用いられ、補助的に薬が用いられます。薬は主に睡眠薬、抗不安薬、抗うつ薬ですが、あくまでも症状を抑える対処療法です。また、たいていの薬は効果が出るまでに1~2週間を要し、逆に副作用はすぐに表れます。初期症状の段階で薬に頼ってしまうと、薬をやめる怖さから依存症に陥り、場合によっては本当のうつ病になってしまう人も少なくありません。特にSSRI(選択的セロトニン再取込阻害薬)の、若年層への処方による凶悪な副作用については、ご存知の方も多いと思います。使用には十分な注意が必要です。

 不安感を改善する抗うつ薬の作用機序は、脳内のセロトニンやノルアドレナリンによって精神状態や気分の高低が決定されるという“脳内モノアミン仮説”を前提としています。

 当学会の研究素材である「ラフマ」(キョウチクトウ科の多年草)には、セロトニン産生および脳神経細胞膜流動性への影響を示すデータがあります。ラフマ葉エキスの抗ストレス作用睡眠改善鎮静作用血圧安定作用などが、六月病対策として期待できます。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン