こんな自覚症状は、放っておけない!
“自覚症状”とは、痛みや苦しみ、倦怠感などを自身が身体に感じる症状です。しかし、自覚症状の中には、危険な病気でありながら初期段階では自覚症状が軽いものがあります。そのために治療の好機を逃してしまい、のちに大変な時期になってから、実は自覚症状時が大変な病気の前兆だったことに気付くという例が多く存在しています。また、放っておいたらいつのまにか治ってしまったというような症状に、実は命に関わる重大な病気が潜んでいることもあります。
初期症状診断の専門家である愛知県・藤田保健衛生大学病院の山中克郎医師は
「自覚症状を重く見て“癌じゃないだろうか?”などと不安がる人より、“なんとなく調子が悪い”と訴える人の方が、重大な病気のことが多いですね」
と話しています。
そして、“ここが痛いのになんで?”というような自覚症状もあります。
「医師の間では有名なのですが、胃の痛みを訴える患者さんで、一生懸命胃だけ調べていたら実は心筋梗塞だったという例があります。『放散通』という症状で、中には歯が痛むという人もいて“へそから上ならば、どんな痛みでも心筋梗塞を疑え”というほど、思いがけない場所の痛みが心臓病とつながっているのです」。
階段を上るときは胸が痛いけど、休むと楽になるのならば、『安定狭心症』かもしれません。これは現在『微小循環狭心症』と言われているもので、近年多くなっていますが、危険性は低いとのこと。
ただし、“寝ているときなど安静にしていても胸が痛い”、“最近急に痛むようになった”などの場合、心筋梗塞を起こしかけている『不安定狭心症』の可能性があります。70歳以上の女性高齢者や糖尿病の患者は、痛みがなくても、“夜眠れない”とか“少し歩いただけで息切れがする”、“なんとなくだるい”といった軽い症状でも、心筋梗塞がかなり進行している恐れがあります。
驚くべきことに、心筋梗塞の25%は痛みがないそうです。しかし、微小循環狭心症の原因の90%は、ストレスによる微小循環の悪化です。
『本説伝(ホントツタエ)』では、「病気になるとこんな自覚症状が出る」ではなく、「こんなちょっとした自覚症状にはこんな病気が潜んでいる」という観点から捉えた内容をシリーズでお送りします。
■こんな自覚症状には、
こんな病気が潜んでいる!①
普段の生活の中で、体調がすぐれず、「おかしいな?」「いつもと違う」「またか、でもすぐ治まる」と思うものの、そのままにしているということは、皆さんも少なからず経験していることでしょう。しかし、「すぐ良くなる」「病院にいくほどのことじゃない」と油断していませんか?実は、そんな自覚症状が命にも関わる病気のサインだったりするのです。
【頭や顔の自覚症状】
○慢性的な頭痛後頭部の痛みは、首や肩の筋肉の緊張による『緊張性頭痛』の場合が多いようです。これは適度な運動、首周りのストレッチで改善できます。ただし、次第に高まる頭痛は『脳腫瘍』などの重大な疾患が隠れている可能性があり、検査が必要です。
また、頭の側面に脈打つような強い痛みを感じる、ものを噛むときに痛むというときは、『側頭動脈炎』の疑いがあります。50歳以上で発症する原因不明の難病で、目の動脈にも炎症が出るため、約1割が失明されています。
○突発的な激しい頭痛
40歳以上で普段頭痛持ちでない人が、強烈な頭痛に突然襲われた場合、すぐに病院に行きましょう。『クモ膜下出血』、『下垂体卒中』、『脳静脈洞血栓症』など重大な病気の可能性が高いと思います。
下垂体卒中では、副腎皮質ホルモンを制御する脳の下垂体が機能しなくなり、すさまじい頭痛に襲われて数日で死に至ります。恐ろしい病気ですが、早期に見つかれば手術で治療できます。
脳静脈洞血栓症は、脳の静脈で血が固まる病気です。脳梗塞と違って血液は供給されますが、静脈に流れた血液の行き場がなくなって周囲の脳を圧迫してしまいます。頭痛の後に急に変なことを言い出すなど、意識障害を起こす特徴があります。
○顔が痙攣する
顔がピクピクと痙攣する、引きつけるような感じがするなどのときは、『片側顔面痙攣』が疑われます。これは、顔面神経が脳の近くで血管に圧迫されて起きる症状で、動脈硬化や脳腫瘍、動脈瘤が隠れた原因である場合があります。MRI検査を受けるのが望ましい症状です。
いつもありがとうございます。
愛・感謝 五月雨ジョージ