2022年3月31日木曜日

睡眠とセロトニン

 “発達障害もどき” 寝不足の子供達

 成長に必要な睡眠時間は、0歳児で14~15時間、1歳児で14時間、3歳児で12時間、小学生で10時間が理想とされています(日本小児保健協会)。しかし、日本全国の小学生の平日の平均睡眠時間は8時間15分。理想より2時間近くも短いのです。

 大人でも睡眠不足は不調の原因になりますが、子供の睡眠不足は、大人が思う以上に様々なことに影響を及ぼします。まず、自己肯定感への影響です。文部科学省の調査でも、寝る時間が遅くなるほど、自分のことを好きだと感じる割合が減ることがわかっています。

 その理由が脳科学の研究で明らかにされつつあります。強い光を浴びて夜更かしをすると、本来持っている昼行性動物としての活動リズムが狂い、その影響が心身の不調となって表れます。その結果、就寝時刻が遅い子供ほど「自分のことが好き」と回答する割合が低く、「何でもないのにイライラする」と回答する割合が高いという結果につながってくるのです。

 世界と比べて日本の子供達は、自己肯定感が低く、うまくいくかどうかわからないことには挑戦しようとしないという傾向が様々な調査結果で出ています。世界と比較しても、日本の子供達は遅寝で、睡眠時間の不足が大きく影響しているようです。「自分は大丈夫だ」と思えないと、チャレンジすることはできません。

子供の中の「これをやりたい!」という気持ちを開花させ、探究力を発揮させるためにも、何よりもまず生活習慣を見直し、早寝早起きを実行することが大切なのです。

 睡眠は、学習意欲や学習の成果にも影響を及ぼします。全国学力調査でも、睡眠時間を8時間以上取っている児童の正答率が高いという結果が出ていますし、勉強後に睡眠を取ったほうが、学んだことが定着しやすいこともわかっています。睡眠には、脳の休息だけでなく、学習内容の整理や、記憶の定着という役割があるからです。

 また、授業中に集中できず立ち歩く子、ちょっとしたトラブルにキレて暴言を吐く子、学校に通えなくなる子などの増加が伝えられていますが、それらの一因として"睡眠習慣の乱れ"があるということも、はっきりしています。

 成長期にある子供達にとっては、睡眠不足で成長ホルモンが十分分泌されず、発育が遅れ、自律神経が乱れることでイライラすることは多々あります。睡眠不足が子供の困った言動を引き起こしてしまうのです。

 さらに今、発達障害といわれる子供達が増えていますが、発達障害といわれる子供達の5人に3人は、生活習慣を見直すと問題行動がなくなる「発達障害もどき」だそうです。

睡眠不足は、このような現在の困った言動の原因になるのはもちろん、その後の成長にも深刻な影響を及ぼす可能性が高いことも数々の研究でわかっています。

(出典:https://toyokeizai.net/)


■睡眠とセロトニン

 世の中には、短時間睡眠でも成果が上がるというような情報が流布していますが、子供にとっての睡眠の役割は、大人のそれとは同じではありません。探究する力の源である「好奇心」や「意欲」も、睡眠不足では湧いてこないのです。


型に変えるだけでうまくいく…セロトニン活性!

 夜型から朝方に変えて、とにかく生活リズムを整えることを第一優先にするだけで「子供が変わった」という親御さんもたくさんいます。

 実際、早寝早起きし、朝型に変えることでうまくいくというのには、理由があります。脳内セロトニンの働きです。セロトニンは神経伝達物質の一つで、心と身体を安定させ、幸せを感じやすくする働きを持つといわれています。

 そのセロトニンが分泌されるピークが朝の5時から7時。早起きして朝日を浴びることで、セロトニンが十分分泌されるのです。このセロトニンが不足すると、うつやパニック発作、摂食障害などを引き起こします。また、起床後も覚醒状態をうまく作れず、感情のブレーキが利かなくなり攻撃的になりやすくなるのです。セロトニンが作るメラトニンは、睡眠導入物質であるとともに、脳内最大の抗酸化物質でもあります。メラトニンは睡眠だけでなく、認知症の予防にとっても重要な脳内ホルモンなのです。

 朝の光を目に入れることで、体内時計もリセットされ、頭が覚醒。セロトニンが分泌されて心身のバランスも取れて、自然に物事に対する意欲が出る‥‥。

 夜型から朝型に変えるは大変と思われるかもしれませんが、まずは早起きから始めて、夜に眠くなったらさっさと寝てしまうこと。その生活をとにかく続けることです。朝、なかなか起きられないお子さんでも、続けることで、乳幼児期なら1週間で体内のリズムが整って朝型に変えることができます。

「子どもが大きくなってもう手遅れ」と思ったあなたも大丈夫!脳の細胞には可塑性があり、いつからでもつくり変えることができるそうです。

 子供にとって正しい睡眠習慣は、今後続く長い人生を幸せに送る上でとっても大事なこと。まずは睡眠第一で、じょうぶな脳を育てましょう。

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 康復医学学会の主要生薬素材である「ラフマ葉」は、脳内セロトニンを増加させるエビデンスを有しており、その生理作用として、睡眠の改善や精神疲労の軽減(抗ストレス)、鎮静作用、血圧安定などの効果が認められています。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2022年3月25日金曜日

EPA、DHA

 魚油サプリで心房細動が発症!?

 魚介類由来のオメガ3脂肪酸のサプリメントの摂取は、心房細動の発症リスクと関連することが、「Circulation」誌掲載の論文で明らかにされました。このリスクは特に、1日当たりの摂取量が1gを超える場合に大きかったそうです。

 心房細動は不整脈の一種で、心房内を流れる電気信号の乱れにより心房が不規則に収縮している状態です。心房細動が直ちに命の危険をもたらすことはありませんが、放置しておくと心不全や脳卒中などを引き起こす可能性があります。これまでに多くの研究で、オメガ3脂肪酸サプリの使用により心房細動の発症リスクが高まることが報告されていますが、この結果を否定する報告もあり、いまだ統一した見解は得られていません。

 そこで、米シダーズ・サイナイ医療センターの研究者らは、2種類の論文データベースを用いてシステマティックレビューを実施。2012年1月1日~2020年12月31日までの間に発表され、500人以上の対象者を1年以上追跡し、これらのデータを統合して、オメガ3脂肪酸摂取と心房細動の発症リスクとの関連をメタ解析しました。

 解析対象者は総計8万1,210人。このうち5万8,939人(72.6%)はオメガ3脂肪酸の摂取量が1g/1日以下、2万2,271人(27.4%)は1g超でした。メタ解析から、魚介類由来のオメガ3脂肪酸の摂取が心房細動の発症リスクと関連することが明らかになりました。オメガ3脂肪酸の1日当たりの摂取量が1g超の群では心房細動の発症リスクが49%上昇したのに対して、1g以下の群でのリスク上昇は12%にとどまっていました。

 結果を受けて研究者は、「現在、オメガ3脂肪酸を処方され服用中なら、自己判断で服用をやめるべきではない。担当医と心房細動発症のリスクについて話し合うべき」と話します。オメガ3脂肪酸は、トリグリセライド(中性脂肪)の血中濃度が非常に高い人に処方されます。オメガ3脂肪酸は、心筋梗塞や脳卒中の発症リスクの上昇に関連するトリグリセライドの血中濃度低減に効果があるとされているからです。研究者はまた、「オメガ3脂肪酸を服用中の人は、心房細動発症の可能性があることを念頭に置き、突然の動悸やめまいなどの心房細動の潜在的な症状に関する知識を身につけておいた方が良い」と述べ、「このような症状が現れた場合には、担当医に報告するべき」とアドバイスしています。

 市販のサプリに関しても、「"栄養補助食品"も無害だとは言い切れない。心臓への有効性に関するエビデンスも不足している」として、使用に関しての注意を喚起しています。

 なお、米国心臓協会(AHA)は、サプリではなく魚からのオメガ3脂肪酸摂取を推奨しています。AHAのメンバーで米ノースウェスタン大学医学部の専門家は、「魚は、オメガ3脂肪酸、たんぱく質、その他多くの重要な栄養素の優れた供給源だ」と話し、サーモンやマス、ビンナガマグロなどの脂肪分の多い魚を週2回摂取することを推奨しています。

(出典:HealthDay News)


■EPA、DHAは摂りすぎに注意!

 魚油に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)は、血液サラサラやアレルギー軽減効果のサプリメントに使われています。"中性脂肪対応食品"としてトクホ指定の商品もあります。また、EPAは医薬品として動脈硬化の治療に使われています。DHA(ドコサヘキサエン酸)について明確にわかっているのは、人の脳組織にとても豊富に存在するということです。脳が大きくなる子供にとってはとても重要なものであると考えられています。


副作用に注意 
 

 EPAは脳梗塞や心筋梗塞など、血管が詰まって起きる重大な障害を避ける目的で使いますが、副作用もあります。血液が固まりにくくなるため、出血するとすぐには止まりません。医薬品として服用する量では安全ですが、1日3g以上の摂取は注意が必要です。手術や出血を伴う歯科治療の際は、医師などに相談して数日前から服用を中止しましょう。また、医薬品では肝機能障害、健康食品で滲出性紅斑といった副作用も報告されています。健康に良いとされる「不飽和脂肪酸」ですが、バランスが大切です。特に、リノール酸などの「n-6系不飽和脂肪酸」と、DHAやEPAなどの「n-3系不飽和脂肪酸」は、代謝された結果、微量でも身体に大きな影響を引き起こす物質を生成するため注意が必要です。摂取過多の傾向があるn-6系は、アレルギー疾患を引き起こすことが問題となっています。

 生活習慣病予防には油脂の総摂取量を控えると同時に、n-6系をn-3系の4倍以内にすることが推奨されています。米国食品医薬品局(FDA)は、サプリメントからの摂取はDHAとEPAを合わせて1日2gを超えないように警告しています。n-6系を減らすこと”が重要です。


 健康効果は限定的  

 魚油に健康効果があるといっても、全ての効果が解明されてはいません。EPA製剤の大規模臨床試験では、心疾患の発症率を下げる傾向が出ましたが、他の治療法と比べて有意の差は認められていません。

 心疾患の有効な予防策は、食事の改善や運動、ストレスの回避という、当たり前の健康法です。またサプリメントに頼らずとも、お茶や魚、酢、納豆、タマネギなどが、血液をサラサラにする食品として知られています。EPAは、サバやイワシなどの青魚に多く含まれます。DHAは、青魚の他にマグロなど油の多い魚に多く含まれています。高価なサプリメントではなく、魚を食べる回数を増やすことをおすすめします。


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愛・感謝 村雨カレン

2022年3月17日木曜日

認知症

 2025年5人に1人、大認知症時代!

 加齢とともに発症リスクが高まるといわれる認知症は、大きな社会問題となっています。

 OECD(経済協力開発機構)によると、日本人の認知症有病率は2.33%で、これは先進国35ヵ国の中で最も高い値です(OECD平均は1.48%)。

 日本の認知症高齢者数と有病率の将来推計を見ると、認知症患者数は2012年には約462万人、65歳以上の7人に1人でしたが、さらに軽度認知症患者の約400万人を合わせると高齢者の4人に1人が認知症またはその予備軍と考えられています。

 認知症の患者は今後も増えつづけ、2025年には約700万人に達し、高齢者の5人に1人がなる計算になります。さらに、内閣府の「高齢社会白書」(2016年)によると、認知症患者数は、2030年には830万人、2050年には1000万人超となると言われています。

 認知症の患者数は世界規模で増えていて、世界では現在約4700万人おり、2030年には6600万人、2050年には1億1500万人に増加すると予想されています。

 国もこうした事態を憂慮し、認知症の予防については、省庁を超えて取り組む国家戦略案が示されています。厚生労働省は認知症の対策の一環として、2015年1月、「新オレンジプラン(認知症施策推進総合戦略)」を策定して、「認知症患者の人権と意思を重んじ、住み慣れた地域で暮らしていける社会(やさしい地域づくり)の実現を目指す」としています。

 認知症の定義は「いったん獲得した知的機能が持続的に低下し、複数の認知機能障害のために社会生活に支障をきたすようになった状態」とされています。すなわち、認知症というのは"状態"のことであり、特に認識力や記憶力、判断力といった社会生活や対人関係に欠かせない能力が衰え、生活に支障をきたす状態を指しているわけです。

 65歳未満の人が発症する認知症を「若年性認知症」といいます。

「アルツハイマー型認知症」「レビー小体型認知症」「脳血管性認知症」「前頭側頭型認知症」の四大認知症の中で、アルツハイマー型認知症(アルツハイマー病)がもっとも多く、認知症の6~7割を占めています。アルツハイマー病は、脳の神経細胞が減少したり、記憶を司る海馬が萎縮するために、記憶や思考能力がゆっくりと低下していく病気です。ほとんどの場合、60歳以降に初めて症状があらわれます。レビー小体型認知症は、主として大脳皮質の多数の神経細胞内に「レビー小体」という物質が蓄積し、物忘れのほかに幻覚症状などが現れます。また、手足のこわばりや運動障害など、パーキンソン病に似た症状を伴います。その次に多いのが脳血管性認知症です。アルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症は脳の神経細胞が変性、萎縮するために発症しますが、脳血管性認知症は脳の動脈硬化や脳梗塞などで、脳の血流が悪くなるために起こります。

(出典:幻冬舎ゴールドオンライン)


■若年性認知症

 一口に「若年性認知症」と言っても、治療や対応法はまちまちです。たとえば「脳血管障害」なら外科手術、薬物・運動療法によって症状はほとんど改善します。またアルツハイマー病でも、早期発見し、リハビリに努めれば回復の可能性もあります。しかし、脳細胞が萎縮し、近辺にピック小体という異常物質ができるピック病の場合は、残念ながら現状、有効な治療手段はありません。

 錯乱して暴れるなど、介護は危険をともなうので、在宅ケアは難しい病気です。 感染症にかかりやすく、数年で死に至るケースもあります。 


若年性認知症は生活改善が予防のカギ

 きちんとした食事や睡眠、適度な運動を心がけるなど生活習慣を見直せば、発病の確率は減らせるはずです。また、趣味や職場以外の社交場を持つなど、毎日を生き生きと暮らす工夫も大切です。亜麻仁油や青魚(EPA、DHA)のオメガ3系脂肪酸、お茶のカテキン、ビタミンE、緑黄色野菜などは、認知症予防に役立つといわれます。積極的に摂りましょう。


もしも家族がかかってしまったら

 もしも、家計を支える働き盛りの家族が認知症になってしまったら‥‥。やはり経済的な問題や心理的ストレスはとても大きいものです。高齢者と違い、若いだけに体力もあるので、介護する側もエネルギーを消耗してしまいます。現在のところ、専門施設や情報の不足も深刻です。とはいえ少しずつではありますが、助け合いの輪は生まれつつあります。家族だけで抱え込まず、いざというときはSOSを。また、介護する側も息抜きを忘れずに。

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認知機能障害とHM-3000(特系霊芝)

 若年性認知症は脳卒中の後遺症で発症する脳血管性認知症が圧倒的に多く、全体の40%を占めています。脳卒中の予防は、即ち若年性認知症予防につながると考えていいと思います。近年来、脳血管性認知症には、降圧薬による高血圧治療が有効であると言われていました。原因となる脳卒中は、高血圧が引き金となるからです。しかし現在では、高血圧との関係は薄いとみられていたアルツハイマー型認知症の発症も抑えると考えられています。つまり、微小循環の改善こそが認知症全般に対して有効であると言えるのです。

「HM-3000(特系霊芝)」は、微小循環を改善し、若年性認知症の予防にも役立ちます。康復医学学会では、HM-3000(特系霊芝)をはじめ、厳選された数種の原材料を配合して、大人の生活習慣をサポートする「認知機能障害改善用組成物」の製品化に協力しています。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2022年3月9日水曜日

がん予防と食事

 加工食品・添加物とがんリスク

 大規模国際共同コホート研究において、食品添加物の硝酸塩亜硝酸塩人工甘味料、及びトランス脂肪酸は、がんリスクの増大と関連していることが判明しました。これはサンアントニオ乳がんシンポジウム(2021)で報告されたもので、栄養と健康の関係を調査するために2009年にフランスで開始、現在も継続中のコホート研究です(対象17万1,000人)。


 硝酸塩亜硝酸塩は、賞味期限延長、細菌増殖防止のために加工肉に使用されます。研究者は24時間食事記録を包括的食品成分データベースに関連させ、亜硝酸塩・硝酸塩の摂取量を調査。亜硝酸塩及び硝酸塩への曝露とがんリスクとの関連を調査・評価しました。

 追跡期間中、初発のがん症例3,311例のうち、966の乳がんと400の前立腺がんが診断されました。乳がんリスクは、食品添加物由来硝酸塩の消費量がより多い人で高く、特に硝酸カリウム摂取量が多いと増加しました。前立腺がんリスクの増大は亜硝酸塩と関連し、特に亜硝酸ナトリウムの場合に高くなっています。天然物由来の硝酸塩・亜硝酸塩は、がんリスクの増大と有意に関連しませんでした。

 研究者らは、食品添加物の場合、硝酸塩は乳がんリスクと、亜硝酸塩は前立腺がんリスクと正の相関があることを明らかにしました。これらの結果は、食品産業における亜硝酸塩添加物の禁止に関する活発な議論の中、新たな知見を提供するものです。

 10万2,046人の成人を対象としたフランスのコホート研究(2009~21年)では、人工甘味料の摂取量(最も頻繁に消費されるアスパルテームアセスルファムKスクラロースの合計)とがんリスクとの関連を調査。甘味料の総摂取量がより多い人の全がんリスクは増大し、特にアスパルテーム及びアセスルファムKの場合に高くなりました。乳がんリスクの増大(723例)は、甘味料総摂取量、アスパルテーム、及びアセスルファムKで観察されました。また、肥満に関連したがん(1,509例)は、甘味料総摂取量、アスパルテーム及びアセスルファムKで増大しました。人工甘味料は1万以上の食品や飲料に含まれており、「これらの調査結果は、世界の保健機関が人工甘味料を継続的に再評価するための、重要かつ新しい知見を提供する」と研究者は述べています。

トランス脂肪酸(TFA)摂取量とがんリスクとの関連調査(パリ・ノール大学)では、10万4,909人中、計3,374例のがん(乳がん982例、前立腺がん405例)が見つかりました。食事による総TFA摂取量は、前立腺がんリスクの増大と関連していました。これらの関連は、乳がんで顕著に観察され、なかでも閉経前で特に関連しています。

研究者は「この結果は、工業生産されたTFA類を食品供給から完全に排除するというWHO目標を支持するもので、部分硬化油を含む食品の消費は避けるべき」としています。

(出典:https://www.carenet.com/)


■がん予防のための食事

 現在、2人に1人は何らかのがんにかかると言われ、がんは日本人の死因第1位でもあり、その割合も年々増加しています。

 がん細胞ができるきっかけは、1つではなく、大気汚染、紫外線、ウイルス、喫煙、食事など複数関わります。がんは完全に防ぐことはできませんが、喫煙、食事、ストレス、運動など日常生活を見直すことで、がんになりにくくする、すなわち予防することができます。

 現在がんのリスクを低下させる因子、上昇させる因子がわかってきています。食事の基本は一汁三菜のバランスの良い食事です。がんリスクを減らす食事習慣は次の10項目です。

(1)植物性食品を中心に多種類を食べる (2)野菜や果物をたくさん食べる (3)多種類の穀物、豆類、根菜類を食べる (4)肉類は1日80g以下 (5)脂肪は動物性脂肪食品(飽和脂肪酸)を控え、植物性脂肪から適度に摂る (6)食塩は成人で1日6g以下 (7)アルコールは控えめ (8)食品は新鮮なうちに (9)食品添加物や残留農薬に気を付ける (10)焦げた食品は控える


がんのリスクを上げる食べ物

【アルコール】⇒肝臓がん、大腸がん、乳がん、肺がん、食道がん 

▼多量の飲酒や熱い食べ物で食道粘膜が傷つけられる。特に1日の飲酒量が増えていくと、飲酒しない人よりも2倍以上高くなる傾向がある。

【塩分】⇒胃がん 

▼塩分が多い食品でがんリスクが高くなる原因は、魚、野菜、漬物などの食品成分が胃の中の硝酸と反応して、生成されるニトロソ化合物が胃がんのリスクを上げるためと言われている。 

【肉類】⇒大腸がん、乳がん

▼大腸がんは動物性たんぱく質の加熱などから生成される発がん性物質によるリスクが大きい。そのため保存、加工肉の摂取量が多いとリスクが高くなる。


がんの予防になる食べ物

 野菜 :肺がん、胃がん、大腸がん、乳がん 

 果物 :肺がん、胃がん、乳がん

 カロテン :肺がん 

 ビタミンC :胃がん 

 食物繊維 :大腸がん(結腸のみ)

▲がん予防のある食品はビタミンA、ビタミンC、ビタミンEを含む野菜、果物、植物性油脂のほかに機能性成分(ポリフェノール、カロテノイドなど)を含む食品がある。ポリフェノールやカロテノイドには抗酸化作用があり、体内の活性酸素を除去する働きがある。▲緑黄色野菜に含まれるβ-カロテンの摂取量が多い人は肺がんの発症リスクが低いと言われている。またビタミンD、カルシウム、葉酸等の摂取が大腸がんのリスクを下げるという報告もある。

がん予防に効果のある食品群
(デザイナーフーズ・ピラミッド)

 アメリカ国立がん研究センターでは、天然の植物中に存在する、がん抑制作用のある成分を主に、がん予防効果のある食品約40種類を取りあげ、デザイナーフーズピラミッドを作成しました(右図)。このピラミッドでは、上位にある食品ほど、がん予防の効果が高いと考えられています。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2022年3月2日水曜日

ストレスと疾患

 メンタルヘルスが血管に影響 !?

 柔らかい日差しに春の訪れを感じる3月は、人事異動や昇進など、社会生活の面で大きな変化を迎える季節です。新たに始まる日々に期待が膨らむ一方、変化には不安や心配ごとがつきもの。長引くコロナ禍ならではの不安や行動制限等も加わって、よりストレスをため込みやすい時期を迎えているとも言えます。

 そんなときにこそ気をつけたいのが、心の健康(メンタルヘルス)。忙しさや不安は目には見えないストレスとなって、身体にも悪影響を与えることがあります。

 ストレスというと心労や過労など、嫌なイメージと考える人が多いかもしれませんが、嬉しいことや楽しいことも含めて、日常の様々な出来事がストレスの要因になります。例えば、職場の人事異動、昇進、長時間労働、人間関係のトラブル、プライベートでは住環境や生活の変化、結婚や出産、家族の病気などです。適度なストレスは人間的な成長を促すものですが、ストレスが過剰になると、メンタルヘルスの不調を招くだけでなく、身体疾患のきっかけになることもあります。

 強いストレスが長く続くと、身体を安定した状態に保つように働く自律神経や内分泌系に異常が生じて血管に負担がかかり、血管病のリスクが高まることが知られています(右図)

 恐ろしいのは、強いストレスは、時に心筋梗塞や脳卒中といった命にかかわる病気の引き金になることがある点です。

 たとえば何かの試験を受ける際などには、脈が速くなったり、血圧が上がったりしますが、これは「失敗しないように」という心理的な刺激が脳から心臓に伝わるために起こるものです。軽いストレスでもこうした身体変化が起こるのですから、特に動脈硬化症や心臓病といった持病のある人が強いストレスを受けたときに、脈拍が増加し、血圧が急上昇して、狭心症発作(胸痛)や心筋梗塞を起こすケースもあります。また、脳卒中の最大の要因は高血圧なので、やはり強いストレスが発症の引き金になることがあります。

(出典:https://www.kyoukaikenpo.or.jp/)


■ストレス対策で体の不調を防ぐ

 ストレス対策の基本は、まずは"自分のストレスに気づくこと"です。ストレスによって現れる心身の様々な変化を「ストレス反応」といい、表のように身体面・心理面・行動面に現れることがあります。

 自分の「ストレス反応」に気づいたら、休養や気分転換をするなど早めのセルフケアでストレス解消を促すことが、メンタルヘルス不調の予防、さらには血管病をはじめとした身体の不調を防ぐことにもつながります。


ストレスを解消するポイント

「ストレス解消にはこのストレッチがいい」、「毎日の食事を見直そう」などとテレビや雑誌で特集しています。でも、"1日たった5分間"のストレッチとはいえ、毎日となると続かないし、食事を作るのは面倒‥‥だからみんな困っているのです。

 ストレス対策に必要な栄養素! 

 ストレス状態で一番不足する栄養素はアミノ酸です。ストレス状態の調整機能を果たすセロトニン(脳内ホルモン)の材料「トリプトファン」もアミノ酸の一種です。しかし、実はトリプトファンは日常の食事で十分に摂れています。そのほか最近は、ダイエットや糖尿病対策で糖質制限を実行している人が多いようですが、甘いものを我慢していると逆にストレスが溜まってしまいます。そこで注目したいのが、トリプトファン以外でストレス対策に重要な栄養素「グリシン」(アミノ酸の一種)です。グリシンは、糖質を気にせずに甘みが楽しめるほか、"熟眠改善障害剤"としても認められています。

 食事でストレスを解消するならこの食材! 

 日常食べている食材の中にも注目すべき効果が認められているものがあります。それは「タマネギ」です。タマネギを少しずつ継続的に摂ることによって、タマネギに多く含まれるポリフェノール「ケルセチン」が抗ストレス作用を発揮する可能性があるとして注目されています。

 簡単リズム運動 

 脳内セロトニンを高める方法として、食事のほかに、朝起きた時に日の光を浴びることです。一日の体内時計をリセットする作用があります。また、散歩やガムを噛むことなどのリズム運動も効果的です。

 "飲むだけ"のラフマ・サプリメント! 

 一番簡単な方法は「ただ飲めばいいだけ!」のラフマエキス配合のサプリメントです。「ラフマ葉エキス」はストレス対策にとって最も重要な脳内セロトニンを増やし、また、セロトニン神経の通過性とその安定性、そして安全性も確認されています。その上「グリシン」と一緒に摂れば休息もバッチリです。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2022年3月1日火曜日

歯磨き

 食道がんの予防は歯磨きとフロス

 口の中の粘膜の状態で食道がんのリスクが分かる――。大阪国際がんセンターの研究グループがそんな成果を発表し、話題を呼んでいます。

 研究グループは、食道と同じ細胞でできている口の粘膜に注目。食道がんになったことがある人とない人を合わせて280人を比較したところ、粘膜の状態が悪いと、食道がんのリスクが高くなることを突き止めています。

 具体的に粘膜がどんな状態がリスクになるかというと、「粘膜が黒い状態」が3.3倍、「白い粘膜の付着」が4.3倍、「毛細血管の拡張」が2.8倍でした。かねて食道がんのリスクは飲酒と喫煙が知られていますから、飲酒歴や喫煙歴に加えて粘膜の状態をチェックすると、食道がんを早期発見できる可能性があるでしょう。

 実は口の中の状態と食道がんには、関係が深いことが分かっています。米ハーバード大の研究グループは、歯周病との関係を調査。女性の看護師5万人と男性の医療従事者10万人を20年以上追跡し、歯周病の有無、歯の欠損の有無によって、食道がんのリスクがどうなるか調べました。その結果、「歯周病なし、歯の欠損なし」を1とすると、「歯周病なし、歯の欠損1本以上」は39%、「歯周病あり、歯の欠損なし」と「歯周病あり、歯の欠損1本以上」はともに59%も、食道がんのリスクが高まることが明らかになったのです。年齢や追跡期間、糖尿病の有無などの因子を調整すると、歯周病歴は食道がんのリスクを43%上昇させると結論づけています。

 ハーバード大の研究では、胃がんについても調査していて、同様の結果に。歯周病があると、胃がんのリスクは52%上昇します。

 米中の研究グループは、ある歯周病菌と食道がんの関連性について調査。その結果、食道がん患者のがん細胞の61%、がん細胞に隣接する非がん細胞の12%から歯周病菌が見つかりましたが、健康な人の細胞からはまったく見つかりませんでした。

 歯周病は、口の中の微生物によって炎症が生じて、少しずつ悪化する病気です。歯を支える歯槽骨が溶け、歯が抜ける病気というイメージがあるでしょうが、歯周病に関連する微生物は心筋梗塞や脳卒中、糖尿病など全身の病気に関係することもすでに分かっていて、がんにも関わっているということです。

 これらの研究から分かるのは、食道がんの予防にはオーラルケアが不可欠だということ。歯磨きはもちろん、フロスや歯間ブラシも併用してください。

 飲酒は、ウイスキーやブランデー、テキーラなどの強い酒をストレートで飲むのがよくありません。そういう飲酒はなるべく控え、せめてチェーサー(水)も一緒に飲むことです。

(出典:https://hc.nikkan-gendai.com/)


■歯磨きが大切なわけ

 歯を磨くことは虫歯だけでなく、他の病気の予防にもなります。歯磨きを怠ると、口内の不衛生によって、以下の病気にかかりやすくなることがわかっています(下図参照)

 ストレス×虫歯 

 日常的に仕事や家庭のストレスと闘っている人は、穏やかな生活を送っている人より虫歯が多い。ストレスがあるから清潔な口を保持できないのか、口内の炎症から心理面の不安が表れるのかは明らかにされていないが、1日の中でストレスも虫歯も除去することを心がけたい。

 糖尿病 

 歯を磨かないで過ごすと必ず病気になるというわけではないが、口内の細菌が多いと、血糖のコントロールに影響を及ぼす可能性がある。糖尿病予備軍の人は悪化させないためにも、デンタルフロスを携帯して、口内を清潔に保つことが重要。

 認知症 

 日々口内の健康に気をつけることが、高齢時の脳の働きを維持することにつながる。九州大学などの研究によると、口内の不衛生から歯茎が病気になると、アルツハイマーなどの認知症を発症するリスクが高まることがわかっている。

 骨粗しょう症 

 歯と舌を健康に保つことは、骨の健康にも役立つ。アメリカ国立衛生研究所は、口内の細菌が多いと歯を定位置に保つ結合組織が衰え、さらに体の免疫システムが弱まると公表している。高齢者の骨粗しょう症も、口内の状態が悪いことと関連している。

 心臓病 

 口内の細菌が多いと、動脈プラーク(動脈硬化によって血管壁に異常組織が形成される症状)の蓄積に関わる病原体の温床を作る。動脈プラークは心臓発作のリスクを高めるので、歯磨きは念入りに行いたい。

【歯磨き剤の選び方】フッ素の入っていないもの(Fluoride-Free Toothpastes)を選ぶこと。また、ラウリル硫酸ナトリウムが使われているものも避けましょう。これらは一、二度の使用なら問題ないとされますが、歯磨き剤は毎日口にするものなのです。

※フッ素の危険性:フッ素は厚生労働省も猛毒として認めている物質で、非常に強い酸化作用がある。フッ素の日常摂取は骨硬化症、脂質代謝障害、糖質代謝障害と関連があるとされるが、それだけではなくフッ素やフッ化化合物にはがん化促進と脳神経障害という重い障害と関連するリスクがある。

※ラウリル硫酸Naの危険性:肌の弱い方や疾患のある方への炎症促進。口腔内においても、ラウリル硫酸Na入りの歯磨き剤による顎の上皮細胞の変形・変性などのリスクあり。

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 康復医学学会の研究を基に製品化された霊芝炭配合の歯磨き剤には、フッ素もラウリル硫酸Naも入っていませんので、安心してご使用いただけます。


いつもありがとうございます。愛・感謝 村雨カレン