2022年12月22日木曜日

低体温症

 冷え性よりも危険な“低体温症”

「冷え性」は、人が寒さを感じない程度の温度環境で、手足や下半身などが冷えてつらいと感じる自覚症状のこと。指先などが冷たくても、身体の中心部の温度は正常なことが多くあります。一方「低体温」は、深部体温(脳や内臓など身体内部の温度)が下がってしまうことをいいます。

 深部体温が35℃以下になると、激しい震えや、判断力の低下などの症状があらわれ、“低体温症”と診断されます。体温が下がるにつれ、筋肉の硬直、脈拍や呼吸の減少、血圧の低下などが起こり、死に至ることも。自覚がないまま進行することもあるため、高齢者や、屋外作業をする人は注意が必要です。

 厚生労働省の発表によると、2020年の低体温症による凍死は1317人で、そのうち65歳以上が全体の80%以上となっています(※ちなみに熱中症での死亡者数は1528人)。

 凍死というと、「雪山での遭難」など、日常とは遠いところで起こるイメージが一般的ですが、実は多くが家などの屋内で発生しています。年齢を重ねると、身体能力の衰えや持病等により低体温症になりやすい上、寒さを自覚しにくくなることが要因の一つです。

 36℃未満の軽度低体温でも、免疫力が低下し、感染症や脳血管障害、糖尿病など、身体に様々な不調が出やすくなる可能性があるといわれています。疲れやすくなったり、風邪をひきやすくなったり、また風邪がなかなか治らないなどの症状も見られます。さらに肺炎やインフルエンザのリスクも高まります。

 身体の深部温度は直腸で測るため、一般的な体温計では測定できません。毎回病院で測ってもらうわけにもいかないので、普段から身体を冷やさない生活習慣を心がけましょう。ポイントは、衣服、食事、運動の3つです。

①衣服 :厚手の靴下、マフラー・ネックウォーマー(首筋から逃げやすい熱を留める)、ひざ掛け、汗をよく吸い乾きやすい下着等を利用し、しっかり防寒対策をしましょう。

②食事 :食事の7割は身体の熱になるため、温かい物をしっかり食べましょう。

③運動 :身体の熱量の6割を作り出す筋肉をつけましょう。スクワットやストレッチなど暖かい室内でできる運動がおすすめです。


 できることから実践して、体温アップを目指してみてください。

(出典:https://www.dydo.co.jp/)


■日常でも多い"低体温"の弊害

 前項でもお伝えしたように、低体温症は、重症になると命に関わります。しかし、軽度な低体温でも様々な不調に悩む人が多いのが現状です。

 低体温は体質だけが原因ではなく、体温が低いうえに薄着による体熱の放出、偏食(ダイエット等)などによる栄養不足、不規則な生活習慣・運動不足、なども原因と考えられています。

 また、ストレスなどにより交感・副交感神経のバランスが崩れると体温が36℃を下回り、低体温特有の疾患や免疫力の低下などが表れることがわかっています。


低体温になる生活習慣

●ストレスによる血行不良・自律神経の乱れ:

 過度のストレスがかかると血行不良が起こることがあり、これも低体温の原因としてあげられます。また、ストレスは、ホルモンバランスを崩し、自律神経を乱してしまうため、体温をコントロールすることができなくなり、低体温になることがあります。

●エネルギー産生の不足:

 エネルギー産生機能が低下してエネルギー不足になると、基礎代謝が低下するため、冷え性や低体温の原因になります。

●たんぱく質不足:

 ダイエットや高齢者の摂食障害でたんぱく質不足になると、血液を送る筋力が低下し、低体温の原因となります。細胞の中にあるミトコンドリアが熱を発生させているのですが、筋肉量が減ると、ミトコンドリアの数も少なくなり、それにともなって体温が下降すると考えられます。


低体温症を予防するために

 ストレス対策・自律神経バランスの調整には、十分な睡眠とセロトニンを増やす生活が重要です。よく噛むこと、概日リズム(地球上の生物が持つ約25時間周期で変動する生理現象)を整えること、リズム運動を心がけましょう。「ラフマ葉エキス」はセロトニンの産生と活性を促します。また、血行不良には、血流改善作用が認められている「HM-3000(特系霊芝)」を、そして肉体疲労の改善やエネルギー不足の解消には、エネルギー産生に不可欠な「コエンザイムQ10」の継続的な摂取がお勧めです。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2022年12月15日木曜日

冷えのぼせ

 手足は冷えても顔は熱い!?

 下半身や手足の先が冷えているのに、顔や頭はのぼせたように熱くなるのが「冷えのぼせ」です。冷え症の重い症状とされ、女性に目立ちます。

 冷えのぼせの人は、他にも様々な体の不調に悩むことが多い傾向にあります。最近の冷え症の患者の多くが冷えのぼせだという報告もあります。

 通常の冷えと同様に筋肉量の少ない女性に目立つといいます。冷えのぼせの人は、軽い運動の後などでも上半身が熱くなり、汗がどっと出るといった傾向があり、他にも、何もしていない時や、明け方目が覚めた時に大量の汗をかいているといったことが通常の冷え症の人よりも顕著です。

 医療関連機器販売会社が、20歳~59歳までの女性1万人を対象に冷えのぼせについて調査したことがあります。それによると全体の約64%の人が普段体の冷えを感じると回答し、うち冷えのぼせが疑われる人の割合はその約半分でした。冷えのぼせを起こすメカニズムは以下のように考えられています。

 最初は体を冷やすことで起こる一般的な血行不良型の冷えから始まります。血行不良の状態が続くと、代謝がうまく機能せず、静脈やリンパ管の流れが滞り、体の末端がむくんできます。血行が悪くなって冷えが進むと、交感神経と副交感神経は体温を一定に保とうとして通常より頻繁に働くのでバランスが崩れてきます。体は本能的に頭部の温度は下げないようにするため、冷えのぼせが起きやすくなるのです。

 この医療関連機器販売会社の調査では、冷えのぼせとみられる人は各年代とも5割前後ありました。特に50歳代が約57%と最も比率が高かったようです。50歳代は更年期症状が出やすく、ホルモンバランスが崩れる人が多いのです。次いで目立ったのは20歳代の約55%。若い世代は小さい頃からエアコンがある環境に慣れ、運動不足のうえに、肌を出すファッションも定着しているためだと考えられます。

 冷えのぼせの人は自律神経のバランスも崩れているので、一般的な冷え症の人よりも健康面の悩みを抱えていることが多いようです。特にイライラなどストレスに関する悩みを持つ人が多く、全体の約35%と、一般的な冷え症の人よりも15ポイントも高い結果でした。睡眠の悩みを抱えている人も多く、寝ている間も緊張して汗をかき、このために体を十分に温められずに冷えを招いている人もいるといいます。

(出典:http://www.nikkei.com/)


■"冷えのぼせ"の対策

「冷えのぼせ」はもともと冷えの重い症状です。日常生活を見直し、冷えそのものを改善することがとても重要です。

 日々の生活を細かく見直していけば、多くの人が冷えの改善効果をすぐに実感できるでしょう。しかし、長い期間冷えに苦しんできた人は、治るのに時間がかかることがあります。体質だからとあきらめずにじっくりと対処することが大切です。

冷えのぼせ、悪循環のメカニズム

 冷えのぼせの症状が出やすくなるのは、1日の温度差が大きく、気候が不安定になる季節です。激しい温度変化のせいで、自律神経が乱れて体調不良を感じる人が増えるのです。

また、日常のストレスなども「冷えのぼせ」の悪循環を進行させてしまいます。


ストレスによる自律神経の反応

 ストレスを受けると、生体反応は〔視床下部〕⇒〔自律神経系〕⇒〔交感神経〕⇒〔副腎髄質〕と伝播し、「ノルアドレナリン」や「アドレナリン」など脳内の神経伝達物質が血中に放出されます。すると血糖値の上昇、胃腸機能低下、心拍数の上昇、血圧上昇など循環機能が亢進し、冷えのぼせや、ほかにも肩こり・疲労などが発症します。

 また、ノルアドレナリン、アドレナリンは、細動脈の収縮から毛細血管への入口を収縮させて微小循環の血液が低下します。そのため、冷えをはじめとする様々な自覚症状を発症してしまうのです。

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 脳内の神経伝達物質のひとつ「セロトニン」には、細動脈の拡張・自律神経のバランスを整える働きがあることが確認されています。康復医学学会の研究素材「ラフマ葉エキス」には、セロトニン産生を促進し、セロトニン神経通過性を安定させるデータがあります。

 また、ストレスの影響で毛細血管の入口が収縮することにより、微小循環血流は低下してしまいます。毛細血管の入口拡張には、NO(一酸化窒素)が大きく関わっています。

 当学会が長年研究を続けている生薬「特系霊芝(HM-3000)」は、そのエビデンスとして、その血中NOの産生を促すデータを有しています。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2022年12月9日金曜日

水と健康

 冬の水分補給

 コロナ禍が続いても落ち着いても、何かとあわただしい師走。唐突ですが、水分補給していますか? 夏場は熱中症対策などでせっせと水分を補給していたのに‥‥と考える人は多いことでしょう。

 人間の体の約60%は水分です。毎日食べ物や飲み物などから2~2.5リットルの水分を摂取し、尿や便、汗などで同じくらいの量の水分を体から排出しています。これは季節が変わってもあまり変化ありません。この時期、熱中症の危険は去りましたが、水分補給の重要性は夏場と変わってはいないのです。

 コロナだけではなく、寒くなってきてからというもの、職場で、街中で、風邪を引いている人をよく見かけるようになりました。風邪対策の王道であるうがい、手洗いに加えて「水分補給」も大事な予防策のひとつです。風邪やインフルエンザの原因となるウイルスは、乾燥した状態で活発に活動します。反対に湿度50%以上になると活動が急激に低下します。水分補給は喉や鼻の粘膜をうるおしてウイルスの侵入を防ぐと同時に、侵入したウイルスを痰や鼻水によって体外に排出する作用を助けます。また、風邪をひいてしまったら発熱や食欲低下、下痢、嘔吐などの症状により体からの水分排出が多くなりますので、普段以上にきちんと水分を補給するようにしましょう。

 冬場には脳卒中や心筋梗塞の発症が増えます。これは寒くなって血圧が上昇することも一因ではありますが、水分補給も大いに関わっています。寒くなって汗をかかなくなり、のどの乾きを自覚しにくくなる冬場は水分摂取が少なくなります。水分摂取が少ないと、血液の粘度が上がり、いわゆる「ドロドロ」の状態となります。ドロドロ血液によって血管が詰まりやすくなり、結果として脳卒中や心筋梗塞を引き起こす可能性が高くなります。

 この時期、忘年会や新年会など飲酒の機会が多くなります。お酒を飲むと喉が渇くことは多くの方が経験されていると思いますが、アルコールには利尿作用があるため、飲酒が過ぎると体は脱水状態となります。アルコールを飲んだら意識的に水分を補給して、脱水状態を防ぎましょう。また日本酒造組合中央会では、悪酔いをしないとして飲酒の合間に水分を取る「和らぎ水」を勧めています。一年の疲れをお酒で流しても、水分補給をお忘れなく。

…2022年もあとわずか。来年も心身ともにうるおいに満ちた年にしたいものですね!

(出典:https://www.kyoukaikenpo.or.jp/)


■水と健康の基本情報

1. 人の水収支 

 成人男子が比較的安静にしていたときの水収支は右図のとおりとされています。ここで「体内でつくられる水」とは、たんぱく質や炭水化物、脂肪などの代謝によって得られる水を指します。

運動や温熱環境のために発汗量が通常より多いときには、それに見合う水分量の確保が必要となります。

 2. 脱水と健康障害 

 尿、汗等の喪失量に見合う水分を適量摂取できれば、血漿浸透圧は一定に保たれますが、水分摂取量が不足すると血漿浸透圧が上昇し、のどが渇き、尿が濃縮されます。水分の摂取量不足は、健康障害や重大な事故の大きなリスク要因の一つとなります。

【熱中症】:発汗によって血液中の水分が減少すると、生体内では細胞外液と内液の移動によって循環機能に支障を来さないような体液を維持するような調整が行われます。しかし、水分補給を行わないと、脱水による血液の濃縮のために循環不全を起こし、酸素や栄養素の運搬あるいは体温調節にも重篤な障害を起こして、熱中症を起こすことがあります。

熱中症とは高温環境下での障害の総称で、重症度により、通常、「熱疲労」、「熱痙攣」、「熱射病」の3種類に分けられています。

【脳梗塞】:脳梗塞とは、脳血管が閉塞又は狭窄し、脳虚血を来たし、脳組織が酸素、または栄養の不足のため壊死、または壊死に近い状態になる疾患を言います。後遺症を残して介護が必要となることが多く、福祉の面でも大きな課題を伴う疾患です。発症時間で最も多いのが夜間から早朝にかけてで、これは、就寝中には水分をとらないために脱水傾向になることと関わっているとされています。また、年間を通じては夏と冬に多く、夏は脱水、冬は体を動かさなくなることが発症と関わっているとされています。

【心筋梗塞】:心筋梗塞とは、虚血性心疾患のうちの一つで、冠動脈の血流量が下がり、心筋が虚血状態になり壊死、又は壊死に近い状態になる疾患です。動脈硬化病変を基盤として脱水状態になった場合には、閉塞性血栓が発生し、心筋梗塞に至る場合があります。

【その他】:他に、いわゆるエコノミークラス症候群(深部静脈血栓症)等の予防のためにも、水分補給は重要とされています。

 3. 健康のための水の飲み方 

 のどの渇きは脱水が始まっている証拠。渇きを感じる前に水分を摂ることが大事です。水分が不足しやすい就寝の前後、スポーツの前後・途中、入浴の前後、飲酒中とその後等に水分を摂ることが重要です。水分摂取量は多くの人が不足気味です。平均的には、コップの水をあと2杯飲めば、一日に必要な水の量を概ね確保できます。

 水分補給は「早めに」「こまめに」


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2022年12月1日木曜日

貧血

 貧血には鉄分よりたんぱく質?

 知り合いから、こんな相談を受けたことがあります。女子大生の娘さんが貧血で困っているというのです。通院して3年も経つのに少しもよくならないそうです。それだけで、医師がどんな治療をしているのか予想がつきました。聞くと、案の定、鉄剤を与え続けているといいます。これでは貧血がよくならないのも無理はありません。

 昔ほど多くはないようですが、いまでも貧血で苦しんである女性は少なくありません。特にダイエットが原因になっていることが多いようです。そして、医師の対応は昔から少しも変わっていません。「貧血は鉄分の不足が原因」という従うべきマニュアルを信じて、鉄剤を処方するだけです。しかし、実際に私の知人の娘さんがそうだったように、鉄分を補給しただけで貧血がよくなることはありません。少し栄養のことを勉強すればわかることです。

 貧血とは、赤血球の中にあるヘモグロビン(血色素)の量が不足している状態のことです。酸素を運ぶ役割のあるヘモグロビンが足りなくなると、組織の末端で酸欠状態が起こり、そのため顔色が悪くなったり、立ち眩みを起こしたりします。当然、貧血対策のポイントは、どうやってヘモグロビンを増やすかになります。当然、足りないものを増やすには、それを作るための材料を仕入れればいいということになります。

 ヘモグロビンの材料は、“グロビン”というたんぱく質と“ヘム鉄”という鉄分です。ヘモグロビンという名前を見れば、この二つが欠かせないことは明らかです。医師の対応が間違っているのは、二つの材料のうちの鉄分のほうにしか目を向けていないというところ。鉄分だけを与えても、ヘモグロビンは増えません。必要なのは、まずたんぱく質なのです。

 それ以外にも、採るべき栄養素はたくさんあります。ヘモグロビンが出来上がるまでには、ビタミンB6とB12、葉酸、ビタミンC、銅、ニコチン酸等が求められます。確かに鉄分も必要な成分の一つですが、医師が処方する鉄剤には、たんぱく質もビタミン類も銅も何も入っていません。それで貧血が改善するはずがありません。事実、3年も鉄剤を飲まされていた女子大生は、たんぱく質やビタミンの摂り方を指導し始めたとたん、わずか2カ月で貧血が治ってしまいました。彼女の場合も、やはりダイエットが貧血の原因だったようです。

 人間には一日に体重の1000分の一の良質なたんぱく質が必要です。それだけのたんぱく質を確保するのは容易ではありません。ダイエットで食事を減らせば、ますますたんぱく質は不足してしまうことになります。

 それにしても専門家の発想というものは短絡的すぎます。高血圧には減塩、骨にはカルシウム、そして貧血には鉄分。どれもこれも間違いだらけです。そのせいで何年も病気が治らずに苦しんでいる人がいることを思うと、ため息が出る思いです。

(出典:『医学常識はウソだらけ~分子生物学が明かす「生命の法則」~』三石巌著/祥伝社)


■鉄欠乏性貧血の対処法

 貧血には様々な種類がありますが、女性の貧血の中で多いのは、鉄不足の「鉄欠乏性貧血」です。鉄欠乏性貧血は、月経によって血液を失う女性に多く見られ、赤血球のヘモグロビンが鉄不足で合成されずに起こります。また、男性が中年以降貧血になる場合は、胃がん、大腸がんなど消化器のがんが原因であることが多いので注意が必要です。

 鉄不足の主な原因には、●ダイエットや偏食などによる鉄の摂取不足 ●妊娠・授乳などによる鉄の必要量の増加 ●胃切除や、胃酸分泌低下などによる鉄の吸収低下 ●月経過多、潰瘍、痔など失血による鉄の排泄増加 ――などがあります。

 日本人の成人女性が1日に必要とする鉄の量は5.0~9.0mg。しかし、月経のある女性は、毎月20~30mgの鉄分を失いますから、鉄は補給しなければ減る一方です。バランスの良い食事をしていれば、1,000kcalの食事で6mg、2,000kcalでは12mgの鉄を摂ることができます。一方、単純にダイエットで摂取カロリー数を減らすだけでも、鉄は不足してしまいます。


鉄を摂る食事にたんぱく質は欠かせない

●食品に含まれる鉄は、ヘム鉄と非ヘム鉄に分けられます。ヘム鉄は溶けやすいため吸収されやすく、非ヘム鉄は消化吸収されにくいので、ヘム鉄で摂る方が効率的です。

●たんぱく質は、赤血球の中のヘモグロビンの材料となる栄養素ですので、鉄と同様に大切です。肉や魚のたんぱく質は、非ヘム鉄の吸収を高めます。特に、必須アミノ酸のバランスのよいたんぱく質である卵、肉は欠かさないように注意しましょう。1日の目安は、卵1個+魚1切れ+肉80g程度+豆腐半丁程度です。

●ビタミンB2、B6、B12、葉酸、ビタミンCなども造血や鉄の吸収にかかせません。これらを十分に摂るには、偏食せずに3食きちんと食べることが大切です。炭水化物だけでなく、おかずをしっかり食べましょう。

●ビタミンCは非ヘム鉄を吸収しやすい形に換える助けになります。この作用は、梅干しに含まれるクエン酸や酢にもあります。

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 康復医学学会で提案、企画協力により製品化が実現した「黒米エキス」加工食品には、黒米と親和性の高いビール酵母を配合しています。ビール酵母には各種ビタミン、ミネラル、たんぱく質などが豊富ですから、栄養素を効率よく補給、鉄を摂る食事をサポートします。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2022年11月24日木曜日

怒り

 “怒り”が健康に及ぼす悪影響

 今年も残すところあと2ヵ月弱。コロナ疲れや慌ただしい世相に飲み込まれて、ついイライラすることが多くなっていませんか? 怒るとそれからしばらくの間、調子が出ない、ずっとイライラを引きずる‥‥ということがありますが、これは科学的にも明らかになっていて、実は“怒り”には自分の体を傷つけてしまう強力なパワーがあるのです。

 では“怒り”は私たちの体にどのような悪影響を及ぼすのでしょうか。

【ストレス】

 ストレスは諸悪の根源です。怒りの感情が心の中に生まれるとそれがストレスになり、肥満、鬱、高血圧などの症状につながる場合もあります。また怒りを自分の中に閉じ込めるのもストレスの大きな要因になります。

【心臓病】

 怒りが原因の不整脈や動悸もあります。すぐにキレやすい人は、多くの循環器系の疾患リスクがあると意識した方がよいでしょう。心臓病の人が「なるべく怒らない様にして下さい」と言われるのはこのためです。

【睡眠障害】

 怒りは、体中のホルモンバランスを大きく崩し、結果として睡眠障害を起こします。体が休まらないと、他の病気にもかかりやすくなり、精神状態も不安定になります。

【高血圧】

 怒っていると一時的に血圧が上昇し、心臓に大きな負担をかけます。

【呼吸器系の問題】

 喘息などの持病がある人は、怒っていると呼吸がしにくくなったりします。怒りは喘息発作の引き金を引いてしまうこともあるので、注意しましょう。

【脳卒中】

 脳内の1つ、もしくは複数の血管が破裂すると、脳卒中になります。これは怒りが血圧を急上昇させる事によっても起こります。脳卒中は命を奪いかねないだけでなく、命を取り留めても麻痺などが残る場合もあります。

 そのほか、便秘になりやすい(怒っている時は交感神経が優位の状態。消化管の動きが悪くなり、腸内環境が乱れる)、〇血液ドロドロ(激怒した前後では身体は全く別の状態になっている。血液も色が暗赤色になって、粘り気が増す)、〇集中力の低下・やる気の消失(怒るとドーパミンやノルアドレナリンが放出され興奮状態に。しかし、これらの物質が過剰になっていることを感知すると、分泌を止めてしまい必要な時に分泌されない状態になる)、〇風邪やインフルエンザにかかりやすい(怒りで自律神経が乱れると免疫力が低下、逆に副交感神経が過剰になるとアレルギー疾患にかかりやすくなる)、〇酸化&糖化で老けやすい(怒りは大量の活性酸素が発生し続けて、身体が錆びていく状態に。また怒りでアドレナリンが増えているときは、血糖値が下がりにくくなって、糖化が進行)

‥‥等の症状が表れます。


 怒りは他の誰でもなく、自分自身の体を傷付けている事をどうぞお忘れなく!

(出典:https://www.angermanagement.co.jp/)


■"怒り"のメカニズムと予防システム

 怒りには「衝動的怒り」と「戦略的怒り」の2つのタイプがあります。

●衝動的怒り‥‥すべての動物に組み込まれた危機に対する本能。危険を感じると命を守るため相手に攻撃を仕掛けます。興奮状態が恐怖心を取り除き実際に攻撃に移させます。

●戦略的怒り‥‥冷静な判断をした結果生じる怒りで、以下の4種類に分けられます。

①防衛回避:自分の正当性を相手に訴えるために怒り。②強制:上下関係を強調・維持し、自分の正当性を相手に認めさせるための怒り。③制裁・報復:社会的な間違いや、信頼関係の破綻を感じた時の怒り。④自己表現:プライドを傷つけられた時の怒り。相手には悪意はなくても怒りをかう場合も多い。実はこの怒りが最も激しく"キレる"原因となりやすい。


キレやすい人とキレにくい人の違い

 実は以下のような原因が関係しています。

低血糖症:血糖値を正常な数値に上げようと、副腎からアドレナリンを分泌。

現代型栄養失調:グルタミン酸・ビタミン・カルシウムが不足している状態。

成長過程における様々な経験やストレス:脳が形成される過程で様々な経験をしないと、我慢の仕方や解決法が見つけられません。経験の幅が少ない人は感情のコントロールができず、キレやすい人間になってしまうのです。実は現代の子供達は、ストレスに対する免疫力が低下しており、キレる子供が増えています。兄弟の数が減り生活の中での競争がなくなったり、一人でゲームに費やす時間が増加して他人とのコミュニケーションが足りなかったりと、人格形成に必要なストレスが減少しているのです。


怒りを鎮め、キレることを防ぐシステム

 人間には怒りに対するブレーキシステムがあります。一つは脳内物質「セロトニン」です。ドーパミン(覚醒・快感)、ノルアドレナリン(覚醒・怒り)、アドレナリン(恐怖・驚き)といった感情を作る脳内物質を抑制し、興奮した神経が暴走しないようにコントロールしているのがセロトニンです。

 動物の場合、本能を制御するのはセロトニンだけですが、人間には、より強い制御システムがあります。人間だけが著しく発達した「大脳新皮質」です。ここは本能以外の複雑な情報処理や想像力など、人間だけが持つ高度な知能を司る場所です。そして、この大脳新皮質で造られた“理性”こそが、人がキレることを防ぐ第2のブレーキなのです。理性のない動物の場合、怒りに任せて相手の命を奪うまで攻撃します。しかし、他人との共同社会を営む人間の場合、感情剥き出しでは成立しません。そこで、大脳新皮質が“理性”という第2のブレーキを造り出したのです。

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 日常的にストレスや精神疲労を感じている怒りっぽい方には、「ラフマ葉エキス」をお勧めします。脳内セロトニンの増加セロトニン神経通過性の向上に影響を与えます。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2022年11月17日木曜日

内臓温度

 内臓を冷やす生活習慣とは

 どんな健康法を実践していても内臓の温度を上げなければ意味がない、とまで言われる「内臓温度」ですが、なぜ冷やすとよくないのでしょうか?

 内臓温度とは、その名の通り、体の奥にある内臓の温度のことで、適温は37~38℃程度で、体表面温度よりも1~2℃高いのがふつうです。内臓温度が37℃よりも低くなってしまうと内臓の動きが悪くなり、便秘や免疫機能が低下したり、太りやすくなってしまったりと、様々な体への悪影響が出始め、健康とはいいがたい状態になってしまいます。したがって内臓を冷やさないようにすること、内臓を温めて内臓温度を適温に保つことが健康な体の必須条件なのです。


内臓を冷やしてしまう間違った生活習慣(NG行動)

 生野菜は体を冷やす 

 原因は生野菜に含まれているカリウムです。カリウムには大きな利尿作用があり、尿の排泄と一緒に熱を下げてしまいます。また、生野菜にはたくさんの水分が含まれていることも体を冷やす原因となります。

 ヨーグルト 

 それ自体は腸内環境を整えてくれるという良い働きを持っていますが、原料である牛乳には体を冷やしてしまう作用があると言われています。食べるタイミングがポイントです。朝は1日の中で最も体温が低いタイミングなので、できれば夜に食べることをお勧めします。朝に食べるなら体を温める食べ物・飲み物を摂った後に食べましょう。

 温かい飲み物≠体の温度が上がる 

 牛乳を温めて飲んでも体は温まりません。コーヒーや緑茶も、一次的に体が温まっても内臓温度は下げてしまいます。コーヒーやお茶に含まれるカフェインにも利尿作用があり、体を冷やしてしまうと言われています。温かい飲み物以外にも、豆乳や白ワイン、ビール、南国フルーツジュースなども熱を下げてしまう飲み物なので、摂るタイミングや内臓を温めるものを摂取することを意識する必要があります。

 足湯 

 一次的に温まっても、湯から足を出すと一気に足先の血管から熱が逃げてしまい、結果的に体を冷やすことになります。

 熱いお風呂 

 熱くしても長い時間浸からないと体の芯までは温まりません。42℃以上のお風呂に入る人は結果的に体が速く冷えてしまうことが分かっています。38℃から40℃の少しぬるめのお湯に15分から20分程度浸かることをお勧めします。

(出典:https://www.youtube.com/ 健康チャンネル)


■内臓温度を上げるメリット

◆ 基礎代謝が上がる

 1日の消費カロリーの約60%を占める基礎代謝の低下は、太りやすくなり、血流の悪化でむくみや肩こりにもつながります。内臓温度が上がると基礎代謝も向上し、肥満やむくみ・肩こりも解消されます。ちなみに内臓温度が1℃下がると基礎代謝は12~15%下がります。加齢とともに基礎代謝は低下しますので、気を付けましょう。

◆ 免疫機能がアップ

 内臓温度が上がることで血流が良くなり、結果的に白血球が活性化して免疫機能が上がります。血液中の白血球は、体の中の異物を見つけて素早く倒すという機能を持っていて、体の中をパトロールしてくれています。

◆ がんのリスクを減少

 実はがん細胞は健康な人でも1日に5000個ほどできていると言われています。白血球は日々がん細胞と闘っています。がん細胞は35℃くらいの低温が大好きですが、体温が1℃下がると免疫の働きは30%も低下すると言われています。内臓温度の低い人が温度を1℃上げることで、1日約1500個程度のがん細胞が消滅します。

◆ 心筋梗塞、脳卒中予防

 これらは寒くなると増えると言われていますが、内臓温度を上げることで血管内皮機能の改善、血管新生作用につながり、心筋梗塞や、脳卒中の原因となる動脈硬化を防いでくれることがわかっています。

◆ 老化予防

 人は呼吸によってたくさんの酸素を取り込みエネルギー産生につなげていますが、その過程で老化の原因となる活性酸素も作り出してしまいます。1日に取り込んだうちの約2%が活性酸素になりますが、これが血管や皮膚の老化、シワ、シミを作り出してしまうのです。内臓温度を上げ、抗酸化作用を働かせることで活性酸素が減り、新陳代謝を促進して老化を防ぐのです。


【内臓温度の簡単な測り方】

 正確な温度は病院で測る必要がありますが、家でも簡単に内臓温度を確かめる方法があります。片方の手のひらをへその上に、もう片方の手のひらはへその下に当てる。この時に上のほうが下よりも冷たければ、内臓温度が低い証拠。

 また、右表の項目で3つ以上気になるものがあれば内臓が冷えている可能性があります。


【内臓温度を上げるために】

 熱を体の隅々まで運ぶ役割は毛細血管の働きによるもの。毛細血管を強くして血流を改善することで内臓温度を上げることができます。

 康復医学学会では、血流の改善に生薬「HM-3000(特系霊芝)」を日常的に摂ることをお勧めしています。また、「ヒハツ」というスパイスには毛細血管を強くしてくれる「ピペリン」という成分が多く含まれていることが知られています(1日1g、小さじ1/2で十分)。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2022年11月9日水曜日

世界糖尿病デー

 糖尿病、“糖質制限”のワナ

 来週の月曜日、11月14日は「世界糖尿病デー」です。糖尿病の脅威が世界的に拡大しているのを受け、世界規模で糖尿病に対する注意を喚起しようと、国際糖尿病連合(IDF)と世界保健機関(WHO)によって1991年に開始され、2007年には国連の公式の日になりました。11月14日は、1922年にチャールズ・ベストとともにインスリンを発見したフレデリック・バンティングの誕生日にあたります。

 一般的な糖尿病の分類としては1型、2型糖尿病とされています。完全なインスリン分泌障害でインスリン注射が避けられないのが1型、大多数を占めるのは2型糖尿病です。

 2型糖尿病を以下の3タイプに分けることを提唱しているのが、総合内科専門医の團茂樹先生(宇部内科小児科医院 院長)です。

①クラシカル糖尿病

 ▶慢性的な主食における糖質過剰摂取が原因で、内臓脂肪過剰を伴っているタイプ

②間食型糖尿病

 ▶主食の糖質はきちんと適量であるにもかかわらず、甘いものやジュースなどの間食により食後血糖スパイクを繰り返しているタイプ

③粗食型糖尿病

 ▶主食においてカロリーはむしろ控えているにも拘らず、ほとんどが炭水化物のみで済ませてしまう。それも、これらの食事の性質上、短時間摂取(早食い)になるために食後血糖スパイクを引き起こしているタイプ 

 糖質制限に関しては、ストイックに減らしすぎると思わぬ弊害が生じます。参考までに一つ極端な実例を挙げます。糖質制限によって「体重は確実に減っているが、生理が止まった」「筋肉が落ちた」などはよく耳にしますが、日頃から糖質制限を厳しくしすぎている人が、強度の高いレジスタンス運動(筋肉に負荷をかける動きを繰り返し行う運動。いわゆる筋トレ)をするとどうなるでしょう?運動すると交感神経が刺激され、それだけで血糖値は上がります。糖質制限やレジスタンス運動を極端に行う生活をしていると、何も摂らなくても血糖は急上昇して300mg/dl近くになることもあるのです。

 日頃の厳しい糖質制限によって、ブドウ糖は常にやや枯渇傾向にあり、そんななか急遽激しいレジスタンス運動をすると、その分ブドウ糖が必要になります。そこで筋肉や肝臓などの臓器にあるグリコーゲンを急遽分解し、ブドウ糖を捻出します。なけなしの貯金を急遽解約したわけです。体にとっては非常事態ですから、なだらかな血糖上昇とはならず急上昇するのです。

 これは極端な一例ですが、ストイックな糖質制限が引き起こす弊害です。

(出典:https://gentosha-go.com/)


■糖尿病とHM-3000(特系霊芝)

 糖尿病の専門医は、「糖尿病は治りません。このクスリを一生飲み続けることですね」と言って、患者に血糖降下剤を与えます。現在「糖尿病」は血糖値をはじめとする数値で判断され、病院でも数値を下げることが第一目標とされてしまっています。

 現代でいう糖尿病の治療薬にその価値はほとんどないといっても過言ではありません。血糖降下剤の一つ「スルホニル尿素剤(SU剤)」は、アメリカの臨床試験で、使用により心筋梗塞死のリスクが増すという結果が出ています。また「α-グルコシダーゼ阻害薬」も、合併症や寿命延長効果を認めた試験結果はありません。さらに「グリタゾン系薬剤」に関しても、心筋梗塞や心不全、骨粗しょう症、膀胱がんなどの増加が確認されています。つまり、すべてが"数値を下げるための対症療法"であり、遺伝性のいわゆる1型糖尿病におけるインスリン治療以外は、まったく無駄だといえるのが現実なのです。(現在、2型糖尿病患者に対しては、インスリンの分泌を促進して血糖値の上昇を抑制するためのGLP-1注射を処方する医師も多いようです)


糖尿病と微小循環

 高血糖状態が続くと血流や血管(特に微小循環)への負荷が高まります。血管内皮細胞は、微小循環をはじめとする血管を円滑に維持していますが、糖化たんぱく質が増えると、その影響で血管内皮細胞が阻害され、NO(一酸化窒素)の産生が低下し、血管が収縮し炎症を起こしやすく、血栓が形成されやすい血管になってしまいます。

 糖尿病の合併症には、網膜症腎症心筋梗塞や脳卒中を起こす動脈硬化などがあります。境界型糖尿病でも10年以内の動脈硬化の発症リスクが正常型の2倍になることが分かっています。糖尿病治療の本来の目的は「合併症への対処」です。それには、やはり末端の微小循環の血流の改善が基本となります。

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「HM-3000(特系霊芝)」による作用

 ヘモグロビンは酸素と結びついて細胞に酸素を届けますが、糖化したヘモグロビン(HbA1c)は酸素を寄せ付けなくなり、細胞に酸素が行き届かない状態になってしまいます。「HM-3000(特系霊芝)」は、酸素の供給量を高める作用のある物質、2,3-DPG(グリセリン2,3-リン酸)の産生促進に影響を与えます。また、2,3-DPGは、酸素を効率よく細胞に供給するだけではなく、HbA1c生成阻害作用も確認されています。「糖尿病」というとインスリンを分泌する膵臓をまず思い浮べますが、血糖値を精密にコントロールしているのは実は肝臓です。そして、霊芝には、肝臓での糖新生を抑制するとともに解糖系およびグリコーゲン合成を活性化させ、さらに肝臓への糖の輸送能を亢進して血糖上昇を抑制する作用もあると言われています。「HM-3000(特系霊芝)」を活用しながら、体重を減らしてヘルシーな食事、エクササイズに励めば、肝臓にも、血糖コントロールにもいいということなのです。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2022年11月2日水曜日

 40代から要注意! 2つの食材

 健康状態と日々の食事は切っても切れない関係にあります。特に影響の受けやすい40代からは摂るべき食品、控えるべき食品を見極めることがとても大切になってくるのです。

 控えるべきものの1つ目は「異性化糖・人工甘味料」です。もちろん砂糖も摂りすぎると2型糖尿病のリスクを上げるという研究結果(非糖尿病者1億8000万人以上を対象)もありますが、日本の食事の貧困化という視点で見たとき、本当に気を付けるべきは異性化糖・人工甘味料等の生産コストの低い甘味料です。成分表を見れば一目瞭然、安い商品のほとんどは異性化糖や人工甘味料が甘みとして使用されています(1970年代以降砂糖の消費は加工食品でも家庭でも減少傾向)。コスト削減のために生まれた異性化糖や人工甘味料。異性化糖の初の日本量産は1960年代後半。人工甘味料はもっと古く、サッカリンが1886年にドイツから輸入、一時使用禁止になった後も、1907年には日本で量産がスタート。以降、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムK、ネオテーム、アドバンテームといった人工甘味料が次々と開発され、異性化糖とともに砂糖のシェアを奪っていきました。人工甘味料は血糖値を上げずに糖尿病のリスクをあげてしまいます。清涼飲料水の調査では、1日1~2回摂取するだけで摂取しない人に比べ2型糖尿病の発症リスクが26%、心血管疾患発症リスクが35%、脳卒中の発症リスクが16%増加するという結果が出ています。

 異性化糖は肥満の原因だけでなく、腸での吸収も速く、糖化は砂糖の10倍といわれています。また、異性化糖の過剰摂取は肝臓の負担も大きいのです。

 人工甘味料のリスクは発がん性です。フランスの調査(2022年)では、アスパルテーム、アセスルファムK、スクラロースなどの摂取により、全がんのリスクが上昇。また、腸内細菌にも影響を与えてしまいます。特に40代50代とがんの発生率が高まり、腸内細菌が減少していく中で、人工甘味料の摂取は控えた方がよいのです。

 40代から控えるべき2つ目の食品は「超加工食品」です。超加工食品はリンの摂取も増えて腎臓に負担をかけ、様々な食品添加物を加えているので、直に健康への障害リスクがアップ。スペインの調査では、超加工食品の摂取が1日1食から2食以上で全死因の死亡率が62%増加。イタリアの調査では全死亡リスクが38%増加、心筋梗塞や脳卒中の原因になり心血管疾患リスクが65%上昇するほか、摂取が10%多い毎に認知症リスクが25%上昇。

 加工食品の添加物は個々の安全性は確認されているものの、他の添加物と一緒に摂った時の研究はほとんどされていません。また、今まで安全と言われてきた添加物が後で危険だとわかり突然使用禁止になるのはよくあることです(「コウジ酸」、「アカネ色素」等)。

 40代以降は化学成分を分解する力も弱くなっていくので、高齢になればなるほどこういう食べ物の影響は受けやすくなります。   

(出典:https://www.youtube.com/健康チャンネル)


■40代以降、食生活はこう変える!

 40代になると、食生活は何も変えていないのに、体力が前ほど続かなくなったり、おなか周りに脂肪が付いてきたりします。これは決して気のせいではありません。

 40代に近づくと、特に女性の基礎代謝率は低下して、エストロゲンの量が減り、血管のハリがなくなります。それが理由で腹部に脂肪が付きやすくなり、心疾患、認知機能の低下、骨粗しょう症のリスクが上がります。

 しかし、下記を参考に食生活に変化を加えることで、40歳を過ぎてからもフィットでヘルシーな生活の基盤が作ることが可能になるのです。

(1)カルシウムの摂取量を増やす

 エストロゲンの産生量が減ると、カルシウムが体に吸収されにくくなることが分かっています。骨粗しょう症のリスクは加齢と共に高くなるので、カルシウムは絶対不可欠。40~50代以上の男性は1日750~1,200mg、女性は1日650~1,200mgを目安にカルシウムを摂取しましょう。

(2)たんぱく質の摂取量を増やす

 間食にも言えることですが、食事には、言い訳なしでたんぱく源を。加齢と共に筋量が減る中で、筋肉の維持と強化を促進するたんぱく質(とウエイトトレーニング)は絶対に欠かせません。終日に亘ってたんぱく質が豊富な食品を摂取すれば、筋力トレーニング中もたんぱく質が効率的に使えることは調査でも明らかです。動物性たんぱく質と大豆などの植物性たんぱく質をバランスよく摂ることも大切です。

(3)塩分の摂取量を減らす

 塩分の摂り過ぎが問題となる一番の理由に高血圧が挙げられます。体の中では、水分と塩分が一定の濃度に保たれています。食塩を摂り過ぎると、一時的に高くなった塩分濃度を下げるために、体内に水分がため込まれます。これによって、心臓に送り込まれる血液量が増え、血管にかかる圧力が増し、血圧が上がってしまうのです。また血管や心臓に負担がかかる高血圧は、脳卒中や心筋梗塞、心不全、動脈瘤など循環器系の病気につながります。ジャンクフード、超加工食品、調味料、冷凍食品などにも予想外の塩分がたっぷり含まれています。 

(4)週2回は脂の乗った魚を食べる

 オメガ3脂肪酸たっぷりの食生活は、心血管系疾患のリスクを下げます。40代に入ったら、オメガ3が豊富な魚(サーモン、サバ、イワシ、マス、ニシンなど)を定期的に摂取しましょう。魚と魚油に含まれるオメガ3(EPAとDHA)は、脳、心臓、眼の健康を支えます。

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 そのほか、食物繊維やビタミン、ポリフェノールを含む野菜・果物、ミネラルを含む海藻・ナッツ類、全粒穀物や豆類、などを積極的に摂りましょう。そしてなるべく"手作り"して食べることをお勧めします。

 安さ、簡単・便利さと引き換えに奪われてしまったのは私たちの健康でした。食べ物にそんなに手間暇とお金をかけられないと思うかもしれませんが、体を壊したときの医療費のほうが、ずっと高くついてしまうことをお忘れなく。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2022年10月26日水曜日

冷え対策

 “冷え”は万病のもと

 寒さもいよいよこれからが本番。冷え対策は万全でしょうか。

“冷え”は「ちょっとした不調」と思われがちですが、実は万病のもと。がん、脳血管障害、心疾患など多くの病気の根源に冷えが関係しているのではないかと注目されています。

「手足が冷たい」、「肩がこる」、「しもやけができやすい」、「おなかが冷えると下痢をしやすい」、「腰が冷えると腰痛や足にしびれを感じる」など、冷えの感じ方は人によって様々です。気管支喘息やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の人では肺に冷えを感じ、捻挫や骨折をすると患部に冷えの自覚症状が現れると言われています。冷えを感じたら、体のどこかに問題があると考えた方がよいでしょう。

 しかし、冷えの治療は非常に難しいとされています。西洋医学では“冷え”に該当する病名がなく、診断や検査法、治療法がないからです。東京・芝大門いまづクリニックの今津嘉宏院長は、「東洋医学には、冷えは病気の原因であるという考え方がある。東洋医学の考え方も取り入れながら、病気にならないように自分で体温の管理ができるようになってほしい」とセルフケアの重要性を訴えます。

 冷えには、いろいろな原因があります。冬の冷えというと、気温の低下や寒冷が影響して手足が冷たくなったり、体調を崩したりする人が多くいますが、意外な原因もあります。それは、“精神的なストレス”です。

 近年、精神的なストレスと体温には、関係があると知られるようになってきました。たとえば、会社勤めをしている人の場合、異動や転職などで慣れない仕事を始めると、精神的ストレスを生じ交感神経が優位になる⇒体が戦闘モードになり心臓の鼓動が速くなる⇒体温が上がる‥‥となります。しかし、このような状態が1か月、半年と続くと、エネルギーがなくなって体温は下がってきます。精神的なストレスによって冷えが生じているときは、自律神経を乱しているストレスを解消することが大切なのです。健康に気をつけていても、ストレスの多い生活をしていると体は温かくなりません。スポーツや趣味など、楽しくて夢中になれる活動を自分の生活の中に取り入れましょう。

 また、冷えは大人だけでなく、子どもにも見られます。「冬になるとしもやけができやすい」、「風邪をひきやすい」といった不調は、冷えの兆候です。

 子どもの頃から体を温めることを大切にして、冷やさないように心がけましょう。「10代、20代は、男女ともにホルモンバランスが変わる時期。特に10代の子どもをもつ親は、子どもの体温に気をつけて健康管理をしてあげてほしい」(今津院長)。

(出典:https://www.healthcare.omron.co.jp/)


■対策:免疫機能を高める!

 冷えを感じたらどこを温めたらよいのでしょうか。病気のあるところは温度感覚が変わるため、温める部位は自分でわかることが多いようです。膝が痛いなら膝を、手が冷えるなら手を温めるというように部分的に温めます。肩がこりやすい人や、首が冷えると風邪をひきやすい人は、首の後ろが大事な温めポイントとなります。

 また、冷えると内臓の働きが低下して免疫力も下がり、全身の活動に影響します。冷えから体調を崩しやすい人や手足に冷えを感じやすい人は、全身を温めましょう。四肢末端まで、全身に温かい血液を巡らせるには、へその下あたりを温めるのが効果的。体全体を温めることができます。

 冷えの自覚症状や生活環境は人によって違うので、自分の毎日の生活(衣食住)の中から自分に合った対処法を見つけることが大事です。簡単で長く続けやすいお勧めの方法は、起床後に1杯の白湯を飲むこと。体の芯から温まります。冷たい飲み物は一気に体を冷やして、なかなか体が温まりません。腸が冷えると全身の活動が低下し、体調はマイナスに傾きますから、飲み物や食べ物は胃腸を冷やさないものを選びましょう。

 体温は、いまの体の状態をわかりやすく表してくれるバロメーターです。発熱時にしか体温計を使わないという方は多いと思いますが、日頃から体温計を身近に置いて活用すると自分の普段の体温(平熱)がわかり、体調管理に役立ちます。体の温度には、皮膚の温度と深部体温の2種類があります。皮膚の温度は寝ているときは上がり、朝になると下がってきます。一方、体の深部体温は寝ているときに下がり、朝になると上がってきます。体の温度はこのように違いがあるため、この2つの温度がちょうど交差するときに測定するのがいいそうです。起床後は食べたり飲んだりする前に、夜は布団に入る直前がよいでしょう。

 体温は測定時の条件をきちんと揃えることが体調管理の大事なポイントです。ぜひ、起床時や就寝前などの測定習慣をつけるようにしてみましょう。

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 体の冷えに対しては、昔から漢方が使われています。漢方薬に使われる生薬は上薬・中薬・下薬と分類され、免疫機能(自己治癒力)を高めるには長期服用しても毒性や副作用のない上薬がよく使われます。西洋薬的にはアダプトゲン生薬といいます。「霊芝」を筆頭に、人参(高麗、田七)クコ冬虫夏草などが上薬に分類されています。

 体温を上げることは免疫を高めるための重要ポイントですが、漢方の利用に加えて、ストレス状態や食事、運動、睡眠など普段の生活習慣がとても大切になってきます。「ラフマ葉エキス」でセロトニン活性すれば、生活のリズムの改善、免疫機能の向上が期待できます。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2022年10月20日木曜日

がん抑制成分

筋トレとがんの関係

自分の体が作る天然の抗がん剤

 

 筋肉を維持しておかないと、がんになるリスクが上がるかもしれません。これまでも運動と病気の関係はお伝えしてきましたが、実は筋トレは筋肉がついたり免疫が高まったりというだけではなく、筋肉ががんを抑制する天然の抗がん剤を産生してくれるというのです。つまり、筋トレや有酸素運動は、がん予防や抗老化のためにも大事なのです。


 日本人10万人を対象とした研究では、運動によって結腸がんや大腸がん、肝臓がん、膵臓がん、胃がんのリスクを低下させることが示されています。特に運動量が多いグループは少ないグループに比べて大腸がんのリスクが40%以上に下がるという結果が出ています。

 また、アメリカの報告書でも、大腸がんを減らすための生活習慣として「身体活動や運動」が唯一、"確実に効果的"と位置づけられています。

 骨や筋肉は体重の約40%を占めていて、筋肉は血液中の糖や脂質の多くを消費する代謝臓器でもありますが、長時間座り続けていると、全身の筋肉の70%を占める下半身の活動が停止状態に陥って代謝が落ちます。そして座りっぱなしの姿勢というのは血液が下半身にうっ血した状態が続くことで、血流が悪化し、代謝異常や筋肉の分解などが起きてしまいます。実際に座りっぱなしで死亡リスクが40%も上がることが分かっていて、動脈硬化による心筋梗塞や脳梗塞、そしてがんのリスクも上がってしまうという結果が出ています。

 実は本当に筋肉(骨格筋)からがんを抑制する成分が分泌されることが分かっています。それが「マイオカイン」といわれる物質です。マイオカインは、筋肉が収縮伸展を繰り返すことで初めて骨格筋から分泌されるホルモン様の生理活性物質の総称のことです。

 具体的な作用を見ると、マイオカインが分泌されることで、まず筋肉の芽とも言われる「サテライト細胞」を活性化して筋肉の合成を高め、筋肉量を維持してくれます。そしてマイオカインはうつ症状を抑えて認知機能を高めたり、脂肪を燃焼させて血管を柔らかく保つなど、脳や血管、細胞など全身の機能を調節してがん細胞の増殖抑制にも関係しています。

 国際予防研究所の研究チームが行った418万人の女性を対象とした研究では、1週間の運動量が最も多いグループは最も少ないグループに比べて、マイオカインによる乳がんのリスクが11~20%減少することがわかりました。また、乳がんの治療を受けている女性でも、運動を習慣として行うと、生存率が30~40%向上するという調査結果もあります。

 日常的にしっかり動き、マイオカインが分泌されることによって、がん予防をはじめ全身に良い影響を与えるのです。

(出典:https://project.nikkeibp.co.jp)


■がん抑制成分マイオカイン3種

 マイオカインの中で特に「イリシン」「スパーク」「インターロイキン6」には、とても強力ながん予防効果が認められています。


イリシン 

 イリシンは特に乳がんのがん細胞をアポトーシス(細胞死)へと導く作用があります。実験では、アポトーシスの量が22倍に増加することが確認されています。

 他にもイリシンは、脂肪を溜め込む白色脂肪細胞組織をエネルギー消費する褐色脂肪細胞に変換、一酸化窒素の量を増やして動脈硬化リスクの低下、脳に運ばれたイリシンによる脳細胞の新生や再生、シナプスを形成するたんぱく質の分泌促進など、血管の健康の維持や、アルツハイマー病や認知症の予防にも効果的なことが確認されています。

 運動が脳に良いのはイリシンの作用によるもの。筋肉を動かすことでアルツハイマー予防にもなりますし、太る白い脂肪を減らす=脂肪からの炎症物質も減らせる、ということになります。


スパーク 

 スパークは加齢によって減少し、運動によって増えるマイオカインの一つで、大腸がんを直接予防することが確認されています。スパークを作れない体では、運動してもがん抑制作用がなくなることが分かり、また、培養した大腸がんのがん細胞にスパークを与えるとがんの成長が止まり縮小していくなど、スパークは大腸がんにできたがんの芽を直接アポトーシスに導く働きがあることが確認されています。


インターロイキン6 

 筋肉を動かすことによってインターロイキン6というマイオカインも分泌されて、がん細胞の抑制に作用します。インターロイキン6は体に侵入した細菌やウイルスなどの異物を排除する役割を持つ炎症反応物質。炎症反応を起こすことでがん細胞などの増殖を抑えたり、免疫反応を活性化して白血球を増殖させる働きがあります。慢性炎症や自己免疫疾患などで過剰発生すると、リウマチが悪化するなど、体に悪影響が起こってしまうので、インターロイキン6阻害薬などがリウマチ薬として使われています。しかし本来は私たちの体から異物を取り除いてくれる働きを持つ大切な物質なのです。運動によってもともと持っているインターロイキン6の免疫活性機能をがん抑制のために良い方向に使うことができるのです。


 がんの発症や再発を予防し、生存率を上げるためにも運動がとても大事で、特にがん治療中の患者はサルコペニアにかかりやすいため、座りっぱなしを避けて、日常生活の中でこまめに体を動かす必要があります。そして体を動かすことで筋肉からマイオカインという様々な天然の抗がん物質が分泌されるのです。


「マイオカインを効果的に分泌させる4つの方法」として、

 ①HIITトレーニング

 ②スクワット+ウォーキング

 ③咀嚼運動および口内の健康

 ④精油(フレグランスオイル、エッセンシャルオイル)

などが言われています。

 ご興味のある人はネットなどで調べてみてはいかがでしょうか。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2022年10月12日水曜日

たんぱく質不足

 何もしなくても痩せやすい体になる !?

 何もしなくても痩せやすい体でいるには、筋肉量が大事です。筋肉量が多い人と少ない人では、体重に差が出てきます。

「筋肉はたんぱく質で作られる。その合成にはエネルギーが必要で、それに応じて脂肪の消費量が変わるため、筋肉の多い人の方が太りにくい」(立命館大学スポーツ健康科学・藤田聡教授)

 たとえば身長と体重が同じで、筋肉量12kgの人と筋肉量21kgの人を比べると、筋肉量12kgの人の筋肉の合成に必要なエネルギーは1日117kcal。一方、筋肉量21kgの人は1日204kcal。1日87kcalの差が持続的に続くので、脂肪にすると3カ月で1kgの差が生じます。

 筋肉量は、太りやすさに関係するだけではなく、糖尿病の発症リスクにも影響します。

「食後、糖質の8~9割は筋肉に取り込まれ筋グリコーゲンとして貯蔵される。しかし筋肉量が減ると貯蔵容積が少ないため糖質が取り込めず、インスリン抵抗性の原因になり、糖尿病リスクを高める」(同教授)

 高齢者では筋肉量が少ないとフレイル(健康と要介護の中間の虚弱状態)やサルコペニア(筋肉量の減少・筋力の低下)の問題が生じ、寝たきりを招き、寿命に影響してきます。

 一日に必要なたんぱく質量は、標準体重で活発な運動をしていない場合、体重1kg当たり0.8~1gが目安です。しかし調査では、目標量(参照「日本人の食事摂取基準2020年版」)に対し、約7割が未達成。また、総摂取量だけでなく、1食ごとの摂取量が大事です。「たんぱく質はためられず、3食均等に摂ってこそ筋肉を合成するスイッチが一日3回強く入る。日本人のたんぱく質摂取量は朝昼少なく夜に多いが、こういう不均等な摂り方では、作られる筋肉量に違いが出てくる」(同教授)

 では、お勧めの摂り方は?

●ロイシンの含有率が高い食品を選ぶ

 筋肉の合成には、細胞内のシグナル伝達物質mTOR(エムトール)という酵素が関わります。これに関係するのが、必須アミノ酸のひとつロイシンです。食後のロイシンの血中濃度が高いほど、mTORに強く作用し筋肉の合成が促進されます。たんぱく質1g当たりのロイシンの含有率を見ると、牛乳、ヨーグルト、プロセスチーズなど乳製品が高いようです。

●いつもの食事に"混ぜる・かける"

 特に高齢者にお勧めの方法です。食事量を大幅に増やすには限界がありますが、混ぜたりかけたりするだけなら、簡単に実践できます。活用するのは、ゼラチン、ゴマ、粉チーズ、きな粉、スキムミルク、かつお節、焼き海苔、麩など。かつお節、焼き海苔、麩は袋に入れて揉むなどして粉々にします。普段の食事にちょっと加えるだけでたんぱく質の増量ができます。

 たんぱく質はムキムキの人だけが必要なわけではありません。健康長寿のために、今日から始めましょう。                   

(出典:https://hc.nikkan-gendai.com/)


■たんぱく質不足が肥満を招く!

 痩身へのあこがれや病気などで肥満を気にする場合、一番陥りやすいのは、"たんぱく質不足"です。どうしてもカロリーカットにばかり目が向き、痩せるために確保すべきたんぱく質まで減らしてしまい、期待するほど効果が見られないケースが目立ちます。


たんぱく質不足と肥満の関係

〇水太り

 血中のたんぱく質が減少すると、血中濃度を保つために、血液中の水分は血管外へ追い出されます。これが組織間にたまり"むくみ"になります。食事制限をしている女性の脚がむくみ、脚ばかりではなく余分な水分が体内に保持され、体重にも響いてきます。そして「水を飲んでも太る」と思いこみ、水分摂取を控えて悪循環に陥ります。

〇リバウンド

 脂肪が減るだけでなく、気をつけないと重要な筋肉も落としてしまいます。特に体重減ばかりに気をとられていると、こうした失敗に陥ります。筋肉が減少すると基礎代謝率も低下しますから、リバウンドしやすい、太りやすく痩せにくい体質になります。

〇酵素のすべてはたんぱく質

 さらに重要なことは、体内の代謝に必要な何千という酵素すべてがたんぱく質(ペプチド結合)だということです。たんぱく質不足では酵素がまともに作れません。また、酵素は食べても体内で分解・消化されるのでそのまま酵素として働くことはありません。酵素は体内で作られるのです。脂肪の燃焼や水分代謝はもちろん、あらゆる代謝機能にトラブルが発生することになります。

〇たんぱく不足・抗肥満対策

 身体はたんぱく質を栄養源として、細胞分裂や修復作業が活発に行われます。そうして基礎代謝はアップし、脂肪の燃焼と同時に太らない体質を作るのです。また、脂肪や糖をミトコンドリアに送り込み効率よく燃焼させてエネルギーにするには「コエンザイムQ10」の働きが重要になります。

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「天然だし」でダイエット

 康復医学学会では、たんぱく質を手軽に摂取・吸収でき、余分な油分や糖分の摂取を控えることができる「だしダイエット」を提案しています。

 毎日の調理に使う油や砂糖を天然だしに換えて「だしでうま味とコク、甘味を補いダイエットに直結させる」という方法で、美味しくて満足のいく食事が可能になります。特に鰹節や鮪節のたんぱく質には、ヒスチジン(満腹系アミノ酸)が多く含まれ、リパーゼ(酵素)を活性化し、中性脂肪の燃焼を促します。鰹節や鮪節のうま味の源・イノシン酸と、シイタケのグアニル酸や昆布のグルタミン酸を合わせると、うま味に相乗効果が生まれます。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2022年10月5日水曜日

アルツハイマー新薬

 アルツハイマー新薬"有効性確認"

 製薬大手のエーザイは9月28日、米国製薬会社バイオジェンと共同開発しているアルツハイマー病の新しい治療薬「レカネマブ」について、最終段階の治験の結果を発表しました。

 治験は2019年3月から米国や日本、それに欧州などで軽度の認知症の患者や発症の前段階の患者、合わせておよそ1800人を対象に行われ、2週間に1回のペースで薬を投与するグループと偽の薬を投与するグループに分けて、医師などが評価する形で患者の認知機能の変化などを調べました。その結果、投与から1年半たった時点で「レカネマブ」を投与したグループでは、症状の悪化が27%抑えられ、有効性が確認できたとしています。

「レカネマブ」は、アルツハイマー病の患者の脳にたまる異常なたんぱく質「アミロイドβ」(Aβ)に抗体を結合させて取り除くことで神経細胞が壊れるのを防ぎ、病気の進行そのものを抑えることを目的としています。

 会社では、詳しい解析結果を今年11月にアメリカで開催される認知症の学会で報告するほか、来年3月末までにアメリカと日本、それにEUで承認申請を行うとしています。

 新薬「レカネマブ」について、開発を進めるエーザイは28日、東京の本社で会見を開き、2023年3月末までに国内や欧米で承認申請を行うとする方針を示しました。

 エーザイは会見で「今回の治験の成功は認知症治療における大きな前進で、承認後は介護負担の低減など前向きなインパクトを社会にもたらすと期待している。薬を待つ人たちのためにいち早く届けられるように全力を尽くしていきたい」と話しました。

 そのうえで、今後について、ことし11月にアメリカで開催される認知症の学会で詳しい解析結果を報告し、来年3月末までにアメリカと日本、それにEUで承認申請を行い、来年中の承認を目指す方針を示しました。

「レカネマブ」は、エーザイがバイオジェンと共同でアルツハイマー病の治療薬として開発を進めてきました。アルツハイマー病患者の脳ではAβがたまっていて、これによって神経細胞が壊れると考えられています。治療薬は、これまで症状が悪化するのを遅らせるものはありましたが、病気の進行そのものを抑える薬で承認されているものはありません。

「レカネマブ」はAβが固まる前の段階で人工的に作った抗体を結合させて除去しようというもので、神経細胞が壊れるのを防ぎ、病気の進行そのものを抑制する効果が期待されています。ただ、壊れてしまった神経細胞を再生させることはできないため、発症する前の「軽度認知障害」の段階や、発症後、早期に投与することが重要だとしています。

 アルツハイマー病の治療薬として使われている薬は4種類ありますが、国内では新薬の承認は2011年以来ありません。

(出典:https://www3.nhk.or.jp/news/ 他)


■改めて、アルツハイマー型認知症とは

 アルツハイマー型認知症は65歳以上の人では最も多い認知症です。脳の神経細胞が徐々に減っていく進行性の病気で、アミロイドβと呼ばれる異常なたんぱく質の蓄積と神経原線維変化(過剰にリン酸化されたタウ蛋白の蓄積)という脳の中での2つの変化を特徴とします。このような変化は症状が出る20年以上前から始まっています。病気が進むにつれて脳が少しずつ萎縮し、さまざまな症状が出てきますが、進行は比較的ゆるやかです。


【原因】加齢や生活習慣病などが発症のリスクに

 アルツハイマー型認知症の有病率は歳を取るほど高くなり、男性よりも女性に多い傾向があります。加齢が最大の要因ですが、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの基礎疾患があるとアミロイドβがたまりやすくなります。糖尿病の人はそうでない人に比べて発症するリスクが2.1倍になることが、国内の大規模な疫学調査で報告されています。寝不足やストレス、歯周病なども関連があるとされています。

 遺伝の影響で発症することもありますが、家族性アルツハイマー病のように原因となる遺伝子がわかっているものはごくわずかです。ほかにもアルツハイマー型認知症になりやすい遺伝子も明らかになっていますが、あくまでリスクを高めるだけです。その遺伝子を持っているからといって必ず発症するわけではありません。


【症状】新しく記憶できず、体験そのものを忘れてしまう

 アルツハイマー型認知症の人に最も多く見られる症状がもの忘れ(記憶障害)です。比較的最近のことを思い出せず、体験したことを忘れがちです。ただし、軽度認知障害(MCI:Mild Cognitive Impairment)やアルツハイマー型認知症の初期のうちは、もの忘れも軽く、加齢によるもの忘れと区別が難しいです。

 日付や曜日、自分のいる場所がわからなくなるといった時間や場所の見当識障害のほか、言語の理解力の低下、道に迷うといった症状も見られるようになります。ほかにも意欲の低下や抑うつ、「お金を盗られた、通帳を隠された」といった物盗られ妄想が生じることもあれば、徘徊したり、怒りっぽくなったりすることもあります。

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 康復医学学会では、「HM-3000(特系霊芝)」の研究から、アルツハイマー型認知症及び脳血管性認知症に対してのアプローチを長年続けており、その有効性を確認しています。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2022年9月29日木曜日

老化と睡眠

 なぜ高齢者は早寝早起きになる?

「定年になったらゆっくり寝たい、と思っていたが、朝早くに目が覚める。仕方がないので、早朝散歩するようにしている」こんなお年寄りが多いと思います。

 年を取ると元気な高齢者でも睡眠が浅くなり、夜中に起きたり、朝早く目が覚めたりします。理由のひとつは、加齢により体内時計が変化するからです。ヒトは地球の自転によって24時間周期で昼と夜が来るのに合わせて体内環境を変化させる仕組みがあります。

 実際、体温やホルモン分泌などは約24時間のリズムを刻みます。これを"概日リズム"といい、それをつかさどる機構が体内時計です。高齢になるとこの体内時計が変化して、血圧や体温やホルモン分泌など睡眠を支える生体機能の周期が前倒しになります。その結果、朝早くに起きるようになると考えられています。

 2つ目の理由は睡眠が浅くなるためです。睡眠には深いノンレム睡眠と浅いレム睡眠がありますが、高齢になるとノンレム睡眠が減少してレム睡眠が増えることが脳波の測定などでわかっています。つまり、高齢な方は睡眠中でもちょっとした物音で起きてしまうのです。

 なぜ、高齢になると睡眠が浅くなるのでしょうか? それは基礎代謝が減るからです。基礎代謝とは呼吸や体温など生きていくうえで欠かすことのできない必要最小限のエネルギー消費量をいい、睡眠時間と相関関係にあることがわかっています。若い人の睡眠時間が高齢者よりも長いのは基礎代謝が高いからです。

 ですから、高齢者がよく眠れないのは"日常の活動量が少ない"からというよりも、筋肉量が減るなどして基礎代謝が落ちるからです。ならば、筋トレをして筋肉をつけて基礎代謝を上げれば若い頃のように眠れるかといえば必ずしもそうではありません。そもそも高齢になると筋肉が簡単にはつきませんし、基礎代謝は筋肉だけで決まるものではありません。ただし、睡眠時間が長くなることはなくても、良質な深い眠りが期待できます。

 また、夜早く寝るようになるのは朝早くから動くために活動時間が長くなって疲れるからと思っている方が多いようですが、むしろ問題は太陽光です。

 屋外の強い光は、24時間より少し長い周期で刻まれている人の生体リズムを、24時間リズムにリセットする働きがあります。早朝散歩をすることはそれだけ早く、強烈な太陽を目の中に浴びて生体リズムがリセットされて1日が始まるのですから、そのぶんだけ眠気が早く来るというわけです。

 なお、「朝起きたら光を浴びて体内時計をリセットしましょう」というのは若者へのアドバイスです。若者は夜遅くまでスマホを見るなど夜に光を浴びることが多く夜型生活になっているからです。

(出典:https://hc.nikkan-gendai.com/)


■良質な睡眠が血管の老化を防ぐ

 血管のためにも、ぐっすり眠りたいものです。とはいえ、現代は「眠れない」という人が少なくありません。特に30~40代は、忙しさから睡眠時間があまりとれず、平均睡眠時間は2~3時間という方も多くみられます。睡眠不足が血管によくないことはわかっていますので、意識して睡眠時間をとるようにすることが大切です。

"寝てる間に"修復される血管メンテナンスのメカニズム

 私たちは睡眠をとることで脳や体を休ませています。血管の修復やメンテナンスには、「成長ホルモン」と「メラトニン」というホルモンが大きく関わっています。寝ている間にこの2つのホルモンが分泌されることで、血管の修復・メンテナンスが行われます。

 睡眠直後から3時間ほど分泌されるという「成長ホルモン」は、実は、睡眠中に血管も修復しているのです。成長ホルモンは、寝入りばなに多く分泌され、体内の新陳代謝を促して、体が受けたダメージを修復します(傷んだ毛細血管の修復や、老化や劣化の予防など)。

 眠気を誘うことで知られている「メラトニン」には、とても強い抗酸化作用があり、細胞の新陳代謝を促したり、活性酸素からのダメージを軽減して血管の老化を防いでくれます。そんな効果を期待できるメラトニンですが、朝日を浴びてから15時間後に分泌されるため、その時間に寝る準備が整っていることが大切になります。

 睡眠中は「副交感神経」が優位になって、心身ともにリラックスした状態です。心拍数が下がり、血圧も下がるため、血管への負担が減ります。つまり、ぐっすり眠ることが"血管力"を高め、若々しい体と脳を保つことにつながります。睡眠時間が短いと交感神経の緊張を招くため、血管にはよくありません。寝不足が続くと、ほぼ例外無く血圧が上昇します。

 また、睡眠不足は食生活にも悪影響を及ぼします。満腹感を得にくくなり、また食欲を促すホルモンを放出するので、睡眠不足だと普段より食べてしまうのです。深夜になるとお腹がすいてくるのはそのせいです。また、睡眠時間は、短過ぎても長過ぎてもよくありません。6~7時間くらいが脂肪率の低い睡眠時間と言われています。

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 血管・血流の改善効果が期待される「HM-3000(特系霊芝)」を日常的に摂り、メラトニンの材料である脳内セロトニンの増加が期待できる「ラフマ葉エキス」を夕方に摂ることをお勧めします。睡眠中の血管力強化、睡眠の質の改善が期待できます。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2022年9月21日水曜日

脳の老化

アルツハイマー病予防・改善への期待

 本日、9月21日は「世界アルツハイマーデー」です。1994年「国際アルツハイマー病協会」(ADI)は、世界保健機関(WHO)と共同で毎年9月21日を「世界アルツハイマーデー」と制定し、この日を中心に認知症の啓蒙を実施しています。 また、9月を「世界アルツハイマー月間」と定め、様々な取り組みを行っています。日本でも公益社団法人「認知症の人と家族の会」がポスターやリーフレットを作成し、認知症への理解を呼びかけるなどの活動を行っています。 

 日本は4人に1人が高齢者の「超高齢社会」となっており、2025年には高齢者のうち5人に1人が認知症になると推計されています。また、昨今の急激な社会環境変化もあり、脳や心の健康増進は大きな社会課題となっています。

 そんな中、「世界初!乳由来βラクトペプチドのアルツハイマー病予防・改善に繋がる新たな機能を解明」というニュースが飛び込んできました。


~ ヒトiPS細胞由来神経細胞を用いたミトコンドリア機能改善効果の確認 ~

 キリンホールディングス株式会社R&D本部のキリン中央研究所は、乳由来βラクトペプチドの1つGTWYペプチド(以下、βラクトペプチド)が、アルツハイマー病の主要な病態のひとつであるミトコンドリア機能の低下を改善するという新しい機能を、ヒトiPS細胞由来の神経細胞を用いて、世界で初めて明らかにしたそうです(2022.7.31~8.4にアメリカで開催された世界最大のアルツハイマー病に関する学会「国際アルツハイマー病学会2022年度大会」で発表済)

 近年、細胞のエネルギー産生工場として知られる「ミトコンドリア」の機能が低下することがアルツハイマー病の主要な病態の一つであることが明らかになり、脳の健康維持にはミトコンドリア機能の維持や改善が重要であると考えられています。また、認知症予防には食事などの日常生活の改善が重要で、最近の疫学研究で牛乳や乳製品の摂取が認知症リスクを低減する事が報告され、注目を集めています。

 研究の結果から、βラクトペプチドはアルツハイマー病におけるミトコンドリア機能低下を改善することで、アルツハイマー病の病態を予防・改善する可能性が明らかになりました。今後脳の健康維持・認知機能改善の取り組みへの応用が期待されています。

(参照:https://news.biglobe.ne.jp/)


■脳内の糖が老化緩和と寿命の鍵

 個体の老化や個体の寿命には、脳の神経細胞の機能が大きく関わっています。高次の機能を担う脳は、体内で最もエネルギーを必要とする器官です。その機能を支えるのは神経細胞内のエネルギーであるATP(アデノシン三リン酸)であり、ATPは糖(グルコース)の分解によって作られます。その一方で、食餌制限などにより血糖値を下げることで、寿命が延びることが知られています。

※食餌制限とは:線虫やショウジョウバエなどの下等生物から霊長類まで多くの動物種で、自由に食べることができる餌の量を減らすと、寿命が延長することが認められている。


 昨年、東京都立大学の研究グループが、加齢による脳神経細胞内のATP量の減少は、神経細胞内への糖取り込みを促進することで抑えられることを発見しています。また神経細胞内への糖取り込みを促進すると、加齢性運動機能低下が緩和し、寿命が延伸することがわかりました。さらに、神経細胞内への糖取り込みの促進と食餌制限を組み合わせると、より効果的に寿命が延びることを見出しました。この結果から、脳神経細胞への糖取り込みが、個体の老化と寿命の制御に重要な役割を果たしていることがわかったのです。この発見は、脳のアンチエイジングと健康寿命の延伸のための新たな抗老化戦略や創薬に繋がることが期待されます。

この研究から、脳の老化における糖代謝の役割が明らかになり、脳神経細胞への糖の取り込み促進は、抗老化効果があることが示唆されました。また、食餌制限を組み合わせることで、相乗的な抗老化効果がみられたことから、脳神経細胞への糖取り込みの促進と食生活の改善の組み合わせよって、将来的に健康寿命の延伸が期待されます。

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 康復医学学会では、学会設立当初から「不老」(抗老化、運動機能・記憶力の維持)、「延年」(健康寿命の延伸)を主要な研究対象として活動して参りました。

「HM-3000(特系霊芝)」はその骨幹をなす生薬です。血流・血管への影響はもとより、腫瘍や潰瘍への影響や自己免疫疾患やアレルギー反応、ストレス耐性への影響など、数多くのデータを有しています。中国最古の薬物書『神農本草経』において、薬草類の中で"健康的で寿命を全うできる"と解説されているのは、上薬である「霊芝」だけです。

 私たちは食べたものから生命活動のエネルギー通貨と呼ばれるATPを絶えず作って生命を維持しています。摂取した食物がATPになるまでの過程は複雑で、3段階(解糖系→クエン酸回路→電子伝達系)があります。中でもエネルギー工場と言われるほど多くのATPを産生する電子伝達系は、「コエンザイムQ10」がないと機能しません。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2022年9月15日木曜日

口腔健康

 食欲の秋、"脱早食い"で健康アップ

 国民健康栄養調査の結果では、男女とも食べる早さが「早い」人ほど肥満度が高い人の割合が多いことがわかっています。いくつかの疫学研究でも同様の結果が出ており、また子どもにおいても同じ傾向がみられます。

 早食いをすると肥満になりやすいのはなぜか? 食事をすると血液中のブドウ糖濃度が上昇し、満腹中枢がそれに反応して満腹感を知らせますが、ブドウ糖濃度が上昇するには、ある程度の時間が必要です。早食いの場合、満腹感が得られる前に多くの食事を摂ってしまいがちになり、摂取エネルギー量が多くなるため肥満につながると考えられています。

 広島大学の研究チームが約1,000人の男女を5年間追跡調査した結果では、早食いの習慣のある人がメタボを発症した割合は11.6%で、ゆっくり食べる人の2.3%、普通の人の6.5%よりも高いということが確認されています。早食いは、体重の増加、血糖値の上昇、腹囲の増加にも関連していることがわかっています。

 日本肥満学会の「肥満症治療ガイドライン」では、肥満の行動療法の一つとして「咀嚼法」があげられており、一口30回噛むことが推奨されています。咀嚼には、満腹中枢を刺激して、食欲を抑える働きがありますが、さらにゆっくりよく噛んで食べることで、食後のエネルギー消費量である「食事誘発性体熱産生」が増加します。食事誘発性体熱産生とは、食後安静にしていても栄養素の消化・吸収による代謝によって使われるエネルギー消費量のこと。つまり、よく噛んでゆっくり食事をすることは、エネルギー摂取量の抑制とエネルギー消費量アップの2つの効果が期待できることになります。

 ゆっくり食べる、つまり食べるスピードを遅くするには、食材の工夫をする、という方法もあります。料理の際は、食材は大きく厚めに切り、噛みごたえがある状態に。きのこやこんにゃくなど食物繊維を多く含む食材を使うことも効果的です。魚や肉は骨付きのものを選ぶと噛みごたえや食べにくさから時間をかけて食べることができます。

 十分な咀嚼には、"噛める"ことも大切です。国民健康・栄養調査報告から、歯の本数が多い人ほどよく噛めることがわかっています。歯を失う2大原因は、虫歯と歯周病です。毎日の歯みがきや定期的な検診で、歯の健康も維持しましょう。

(出典:https://www.kyoukaikenpo.or.jp/)


■お口の健康から全身の健康へ

 近年、お口の健康が、全身の健康や生活習慣病に大きく関係していることを示す科学的なデータが報告されつつあります。


口腔健康は生活習慣病に関係あり!?

 厚生労働省が行っている国民健康・栄養調査から、現在歯の数が少ない人ほど炭水化物の摂取量が多く、ミネラル、ビタミン類、食物繊維の摂取量が少ない傾向が認められています。こうした背景から、歯周病などによる歯の喪失と共に生じる咀嚼能力の低下が、食行動の変化を招き、食行動の変化から生じる栄養摂取状態の悪化が、生活習慣病やメタボリックシンドロームを促進するのではないかと推測されます。


口腔機能の低下を防ぐことがフレイルを防ぐ

 歯・口の健康の悪化が放置され、食べる・しゃべるといった機能の低下が進むと「オーラルフレイル」と呼ばれる状態になります。これは、栄養 面・身体面のフレイルを進行させ、サルコペニア(加齢性筋肉減少症)やロコモティブシンドローム(運動器症候群、ロコモ)の要因となります。オーラルフレイルを予防・改善することによって、全身のフレイルに歯止めをかけることが重要です。

 昨今、地域包括ケアシステムが推進される中で、フレイル予防への動きが活発になってきています。

 日常生活の行動に、少し運動を取り入れたり、歩く時間や距離を伸ばすなどして、毎日続けられる方法を少しずつ始めましょう。 ロコモティブシンドロームを予防する方法によっても、足腰の筋力を向上・維持し、バランスを保つことで、フレイルを予防し、その進行をおさえることができます。


※地域包括ケアシステムとは :高齢者が住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援の体制を包括的に構築、提供しようとするシステム。

※QOLとは :「quality of life」の略。人々の生活を物質的な面から量的にのみとらえるのではなく、精神的な豊かさや満足度も含めて、質的にとらえる考え方。

※ADLとは :「activities of daily living」の略。食事、排泄、着脱衣、入浴、移動、寝起きなど、日常の生活を送るために必要な基本動作全てを指す。高齢者の身体活動能力や自立度をはかるための重要な指標。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2022年9月7日水曜日

こむら返り

 “こむら返り”はなぜ起きる?

 ふくらはぎや足の裏が突然つって(けいれんを起こして)激痛が走る“こむら返り”。運動不足の高齢者から激しい運動をする若い人まで、幅広い年齢層が経験する不快な症状です。人によっては、血管や内臓の病気を背景に発生することもあるといいます。こむら返りはなぜ起こり、どうすれば予防できるのでしょうか。

 こむら返りとは、筋肉が強い痛みを伴ってけいれんを起こすこと。"こむら"はふくらはぎという意味で、その名の通り、こむら返りが一番起こりやすいのはふくらはぎです。原因は諸説ありますが、一番有力なのは、体液中の「電解質バランスの崩れ」です。電解質(イオン)とは、カルシウムやカリウム、マグネシウムなど、五大栄養素のミネラルのことで、このバランスが崩れると、足がつる現象が起こると言われています。

 筋肉を動かそうとするとき、脳からの指令を受けた神経が反応し、筋肉に電気信号が送られます。その働きに関与するのが電解質で、電解質バランスが崩れてしまうと、神経から筋肉への伝達が阻害されるのです。

 そのほか、筋肉に疲労がたまったときもこむら返りが起きやすいと言われています。

では、どんな状況でこむら返りが起きやすいのでしょうか。

 季節に関して言えば、こむら返りがよく起きるのは夏です(右表)。発汗量の多い夏は脱水症状を起こしやすく、電解質バランスが崩れがちだからです。利尿作用のあるアルコールを過剰に摂取することも、脱水につながるので要注意です。

 就寝中も、足がつりやすい場面です。昼間の活動量が多すぎたとき、1日の疲れがこむら返りとなって夜中に出るのだと思われます。寝返りのような急な動きが引き金となって足がつるのでしょう。 

 また、こむら返りは下肢静脈瘤や肝臓病がもとで生じることもあります。下肢静脈瘤があると足の静脈血の量が増え、電解質のバランスが崩れてしまいます。そのため、下肢静脈瘤が悪化すればするほど、こむら返りをよく起こすようになります。次いで多いのが、肝臓の病気です。脂肪肝や肝炎などの肝臓の病気が進めば、様々な物質を分解・合成するという肝臓本来の働きが果たせなくなり、電解質バランスも崩れるのです。

(出典:https://gooday.nikkei.co.jp/)


■予防は、水分補給と適度な運動から

 こむら返りの予防上の注意点としては、適度な水分補給によって脱水を避け、適度な運動を毎日続けることが大切です。血流が良くなれば電解質バランスも整うので、入浴時はお湯に浸かって体を温めるのもいいですし、下肢静脈瘤や肝臓病がある人は、その治療も必須です。いずれも適切な治療を受けて改善すれば、こむら返りの頻度を減らすことができます。

 食事に関しては、こむら返り予防に効く食材は特にありません。食事が偏ると体の中も偏ってくるので、電解質バランスを崩さないよう、野菜や穀物、肉類など何でもバランス良く食べるようにしましょう。電解質バランスの崩れを防ぐためにイオン飲料を飲むのもいいと思いますが、糖類や人工甘味料にはご注意を。

 頻繁にこむら返りを起こす人は、医師に相談して弾性ストッキングを使ってみてはいかがでしょうか。血流が改善すると電解質バランスが崩れにくくなり、こむら返りの予防効果が期待できます。


電解質バランスにとって大切な腎臓の働き

 余分な水分や電解質、老廃物を尿として体外に排泄し、必要な水分と電解質は再吸収することで、体内を一定の環境に維持する働きをしているのは"腎臓"です。体内の水分量や、体液に含まれる電解質量のバランスを保つのも、腎臓の役割のひとつなのです。

 人の体は、約60%が水分でできています。汗を大量にかくなど、体内の水分量が不足したときは尿の量を減らします。一方、飲み物や食べ物で体内の水分量が増えたときは尿の量を増やして余分な水分を体外に出します。

 身体を体液が入っている「水槽」と例えると、水分の出入りを調節し、体内の水分量をコントロールするポンプのような働きをしているのが腎臓です。

 電解質は神経の伝達や筋肉の運動に深くかかわり、腎臓はこれら電解質の量を一定に保つ働きもあります。腎臓の機能が悪くなり、電解質のバランスが崩れると、こむら返りだけでなく、むくみが出てきたり、高血圧や心不全などをもたらしたりします。最悪の場合、生命の危機にかかわることもあります。

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肝臓・腎臓を元気にする霊芝

 血液の流れが良くなり、血液がきれいになると、肝臓や腎臓などの臓器にきれいな血液がたくさん流れるようになります。すると徐々にそれぞれの臓器は元気になっていきます。単純な仕組みですが、各臓器の働きがよくなることで病気の予防ができます。

 康復医学学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」には、血管・血液・血流の改善作用や肝臓への保護作用など、微小循環に関する豊富なデータがあります。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2022年9月1日木曜日

心臓病

夏の心臓病

 夏は血圧が低下する季節。気温の上昇によって体内にこもった熱を放散しようと血管が拡張します。また、汗をたくさんかくと血管内の水分と塩分が失われ、血液量が減少します。こうしたことから血圧が下がりやすくなるのです。

 血圧が低いことは、高血圧のように他の病気には直接つながりませんが、軽く考えてはいけません。めまい、立ちくらみ、頭痛、全身の倦怠感といった症状が生じ、失神して命に関わるような大きな事故につながるリスクがあるのです。

 低血圧の明確な基準はありませんが、世界保健機関(WHO)では、安静時「収縮期血圧100㎜/Hg以下/拡張期血圧60㎜/Hg以下」としています。私たちの体は、血圧が下がって血流量が少なくなると、優先的に脳、心臓、腎臓に血液を送ろうとするため、ほかの臓器への血流が減って影響が出るのです。低血圧が続き、脳への血流が減ると意識消失を招きます。動脈硬化が進んでいる高齢者は急激な血圧低下を起こすことがあるので注意が必要です。

 夏場は「起立性低血圧」にも注意。急な立ち上がり、長時間の立ち続けで生じます。座ったり横になっていたりする状態から立ち上がるとき、血液は重力によって下半身に移動して溜まります。すると心臓に戻る血液量が一時的に減り、心拍出量が低下して血圧も下がります。通常は交感神経が働いて血管を収縮させ、速やかに血圧を正常化しますが、人工透析や糖尿病の患者さんは、交感神経がうまく働かなくなっているため、血圧が下がったままの状態になってしまいます。

 起立性低血圧で最も危険なのは、基礎疾患として大動脈弁狭窄症や、心房細動性の徐脈(1分間の脈拍が60回未満)がある人。急な血圧の低下でさらに脈拍が減るため、ショック状態になって心臓が止まる危険があります。

 ほかにも、女性で生理が重い女性、運動習慣があって大量の汗をかくのに水分補給が少ない人など、循環血液量が変化する要因がある場合は起立性低血圧に注意しましょう。また、高齢者で「サルコペニア」の人は、水分貯蔵庫である筋肉の量が減っているため、脱水や熱中症リスクが高くなります。サルコペニアの人は脱水や熱中症になると、脳保護のために血圧が一時的にバーンと上がります。その状態で急に立ち上がると、今度は血圧が一気に下がるため、そのまま意識を失い命にかかわる事態が起こりかねません。日本人は、サルコペニアの人も含めて処方されてた降圧剤をきちんと飲む人がほとんどのため、ただでさえ血圧が下がる夏は降圧剤が効きすぎて血圧が必要以上に下がってしまう恐れがあります。

 糖尿病や高血圧などの基礎疾患がある人、心臓や腎臓の異常を指摘されている人、高齢者で筋肉量が落ちている人などは、1日の水分摂取が少ないなと感じたらしっかり補給したうえで、横になっている姿勢から急に立ち上がることは避けるよう意識しましょう。

(出典:https://hc.nikkan-gendai.com/)


■心臓病を遠ざける生活習慣を

 心臓病の多くが動脈硬化に起因します。4つの危険因子を遠ざける生活習慣を実践して動脈硬化を予防しましょう。

(1)高血圧を防ぐ

 高血圧の最大の原因は塩分の過剰摂取だと言われます。味付けは塩だけに頼らず、香辛料やだし・酢などを上手に使って、減塩を心がけましょう。

(2)脂質異常を防ぐ

 肉の脂身や動物性生クリームなどの乳製品などに多く含まれる飽和脂肪酸は、中性脂肪やコレステロールを増やすので摂り過ぎに注意が必要です。一方、オリーブ油やゴマ油、魚の油に多く含まれる不飽和脂肪酸は、これらを減らす働きがありますので、良質の脂質を選び、必要な量だけを摂るように心がけましょう。新鮮な生のアジやイワシなどの背が青い魚には不飽和脂肪酸が豊富で、血液の流れを改善する効果もあります。

(3)高血糖を防ぐ

 食事は腹八分目を心がけ、栄養バランスを考えて摂りましょう。間食(甘いお菓子)やアルコールにも注意が必要です。

(4)禁煙を徹底する

 喫煙は心臓病だけでなく、多くの生活習慣病を招く危険因子です。喫煙者のみならず、身近な家族の健康も害します。「今すぐ禁煙」を実行しましょう。


康復医学における心臓病対応

 康復医学においては、「心臓は筋肉であり、血管はコラーゲンチューブである」と認識して、下記の改善項目に対し、生薬・補酵素で対処します。


●微小循環の血流改善

→ 当学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」がよい働きをします。虚血性の心疾患の場合、霊芝は、微小循環の血流改善、酸素の供給量の促進、そして、血栓の形成抑制に影響を与えます。その他、霊芝には心機能に影響し改善に導く数々のデータがあります。また霊芝には、動脈硬化の要因となる物質(「ICAM」などの接着因子)の発生を抑える性質があることが発見されています。


●ストレスによる心負担を改善

「ラフマ葉エキス」で対処します。ストレスはストレスホルモンの上昇によりノルアドレナリン、アドレナリンの分泌が促進され細動脈収縮を起こします。そして血圧が上昇し心拍数も上がり、結果として心臓負担が増えます。ラフマ葉エキスはセロトニン分泌を促進させ、ノルアドレナリン、アドレナリンの分泌を抑制します。


●心筋機能を改善

→これには「コエンザイムQ10」(Co-Q10)をお勧めします。現在、食品として扱うことができるようになったCo-Q10は、それまで代謝性強心剤としてうっ血性心不全症などの治療に用いられてきました。Co-Q10は細胞内のミトコンドリアに存在しますが、そのミトコンドリアがより多く存在するのが心臓の細胞です。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2022年8月25日木曜日

夏風邪と免疫機能

 夏風邪に負けない体を作る

 夏風邪の症状として咽頭痛(のどの痛み)や発熱が挙げられます。そもそも「夏風邪」とは、梅雨から夏季にかけて流行するウイルス感染症の総称。発熱、のどの痛み、鼻汁、せきなどが主な夏風邪の症状で、下痢や腹痛を伴うこともあります。

 厚生労働省作成の新型コロナウイルス感染症診療の手引きによると、初期症状は多くの症例で、発熱、呼吸器症状(鼻づまり、鼻水、咽頭痛、せき)、頭痛、倦怠感などとなっており、医師であっても夏風邪と新型コロナウイルス感染症を症状のみで見分けることは非常に難しいと言われています。もし風邪のような症状があった場合には、自分で判断せず医療機関に相談しましょう。

 新型コロナと同じく、夏風邪の原因もウイルスです。ウイルス感染の多くは、せきやくしゃみなどによる飛沫感染です。マスクの着用、手洗いうがいをこまめに行うことを徹底することで予防へとつながります。

 特に夏は暑さで寝苦しく、睡眠不足になったり、食欲が落ちて栄養不足になったりすると免疫機能が低下しやすくなります。また、冷房が効いた室内と暑い室外で気温差や湿度差が大きいと、自律神経が乱れて体温調節ができなくなります。

 風邪のウイルスが体内に入ると、鼻水やせき、のどの痛み、発熱などの症状が出ます。これらの症状は、体内の免疫システムが正常に作動している証拠です。回復が早ければいいのですが、免疫機能が低下していると、逆に症状をこじらせ長引かせてしまいます。


風邪をひいてしまったときの食事

 風邪が悪化しているときは、体力を消耗する一方で消化吸収力が低下しています。消化のいい食事を基本にして、エネルギー源となるご飯、パン、麺類などの糖質の多い主食をしっかり取るようにしましょう。

のどが痛いとき  

 食材を小さく切って飲み込みやすいようにやわらかく調理します。熱すぎるものや辛いものは、のどへの刺激が強いので避けましょう。

熱があるとき  

 脱水症状をさけるためこまめに水分補給をすることが大事。食事も、スープや雑炊、おかゆなど、汁気が多いものを積極的に取り入れていきましょう。

下痢のとき  

 普段よりも多量に体から水分が排出されるため、水分不足になりやすく、ミネラルバランスも崩れがちです。水分とミネラルを補いましょう。腸の働きが鈍り、栄養素が吸収されにくい状態のため、消化のいいものを摂ることがポイント。

「風邪かな?」と思ったら、体を温め、温かい食事を取り、安静にして十分に睡眠を取り入れながら長引かせないようにしましょう。

(出典:https://diamond.jp/)


■免疫機能を低下させない!

 新型コロナウイルスも夏風邪も、ウイルス感染で起こる病気。健康的な食習慣を普段から心掛けることは、ウイルスに負けない体づくりにもつながります。免疫機能を低下させないためにはどんなものを食べ、どんな生活習慣をしたらよいのでしょうか?


免疫を低下させない食事

 免疫機能を低下させないための食事としては右表のような栄養素を摂ることが大切になります(管理栄養士:岡田明子氏)


免疫機能の維持・アップのための生活習慣

 免疫力アップに大切なことは、適度な活動性と休養のバランスからだを温めること、ストレスを減らすこと、そして腸内環境を整えることです。

 免疫は、日中の活動中に高まり、夜になると低下します。免疫力を高めるためには、決まった時刻に起きて食事を摂り、しっかりとからだを動かすこと。“活動”と“休養”という一定のリズムを保つことが大切なのです。しかし外出自粛やテレワークにより生活のリズムが崩れ、朝寝坊や夜更かしから抜けられない人が増えました。さらに「コロナが怖い」と、家から一歩も出ず、まさに“不活動”に陥る高齢者もたくさんいます。


精神的ストレスは免疫の大敵!十分な休養と睡眠がカギ

 睡眠不足や精神的ストレスも、免疫力を落とす大きな要因のひとつです。睡眠時間が少ないほど風邪を引きやすいことがわかっています。また精神的なストレスが高まる仕事が多いときほど唾液中の抗体の一種IgA(免疫グロブリンA)が低下しているそうです。

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 康復医学学会が推奨する「ラフマ葉エキス」には、精神的なストレスを改善し、質の良い睡眠に良い影響を与えるエビデンスがあります。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2022年8月18日木曜日

高齢者・認知症と睡眠

 認知症と睡眠の関係

 アミロイドβはアルツハイマー型認知症の原因の1つとされています。入眠困難や中途覚醒、早朝覚醒などがある睡眠が不安定な人は、睡眠が安定している人に比べてアミロイドβの蓄積が5.6倍ということがわかっています。

 脳のごみ掃除は夜中に行われます。脳には「グリア細胞」と呼ばれる細胞がニューロンの何倍もあり、ニューロンに栄養を渡すことでその働きをサポートしています。眠っている間はこのグリア細胞が収縮するため、細胞間の隙間が60%も広がると考えられています。ぐんと広くなった隙間に脳の中で作られている脳脊髄液がどんどん流れてくるので、ごみの排出が活発になります。睡眠中こそ、最高のクリーンアップ・タイムというわけです。

 よって、いかに睡眠の質を上げるのかが大事ですが、最近の研究では昼寝の習慣がある人はアルツハイマー型認知症になりにくいとされています。注意点は、1時間以上の昼寝の習慣は、逆にアルツハイマー型認知症になりやすいという事です。

 認知症患者は体内時計の調節障害がより強く現れ、深部体温やメラトニン分泌リズムが平坦化・不規則化して昼夜の差が不明瞭になるため、昼夜逆転による日中の過剰な眠気、夜間の不眠や中途覚醒などの睡眠障害が高い頻度で認められます。

 その傾向は午後1~3時にかけて最も強く現れると報告されていますので、眠気の出たお昼間に20~30分程度昼寝をすることをおすすめします。20~30分で起きる自信がない方は、カフェインは飲んでから15分ほどして効果が出てきますので、昼寝の直前に紅茶やコーヒーなどを飲むと良いかもしれません。

 短時間の昼寝は脳疲労の軽減と機能回復をもたらし、就寝までの覚醒状態を適正に維持する効果が期待できます。

 また、昼間に適度な運動を行うことはメラトニン分泌を介した睡眠周期の調節を正常にして、睡眠・覚醒パターンを規則化するのに有効であることが示唆されていますので、睡眠のリズムがうまくいっていない方は、昼寝を20~30分程度行い、その後適度な運動を行うことがベストのようです。

 高齢者での激しい運動は逆効果となる報告があり、適正な運動強度は散歩や屋内での掃除、階段昇降程度とされています。               

(出典:https://obata-naika.jp/)


■年齢とともに睡眠は変化する

高齢者・認知症と睡眠

 年齢とともに体力が落ち、老眼になり白髪が増える――それと同じように睡眠にも変化が生じます。

 第一の変化は早寝早起きになること。これは体内時計の加齢変化によるもので、血圧・体温・ホルモン分泌など睡眠を支える多くの生体機能リズムが前倒しになります。

 そして第二の変化は"睡眠が浅くなる"ことです。睡眠脳波を調べてみると、深いノンレム睡眠が減って浅いレム睡眠が増えるようになります。そのため尿意やちょっとした物音でも目が覚めてしまうのです。


認知症の睡眠問題

 認知症の方では、同年代に較べてもさらに睡眠が浅く、さまざまな睡眠問題がみられるようになります。重度の認知症の方ではわずか1時間程度の短時間でさえ連続して眠ることができなくなるといわれています。夜間の不眠とともに昼寝(午睡)が増え、昼夜逆転の不規則な睡眠・覚醒リズムに陥るようになります。またしっかり目が覚めきれず「せん妄」(もうろう状態)がしばしば表れます。この時には不安感から興奮しやすく時に攻撃的になるため、介護の負担が増します。認知症患者の一部では、夕方から就床の時間帯に徘徊・焦燥・興奮・奇声などの異常行動(日没症候群)がみられます。これも睡眠・覚醒リズムの異常が関係していると考えられています。

 認知症の睡眠障害に有効な薬物療法は知られていません。効果が出ても一過性の場合が多く、長期間使用することは避けねばなりません。睡眠薬や鎮静薬を使いすぎると、強い眠気や誤嚥、転倒・骨折などのために生活の質が低下し、結果的に介護負担が増加します。認知症の方の睡眠障害への対処法として、「なるべく日中に刺激を与えて覚醒させる」「規則正しい日課で生活リズムを保つ」「夜間睡眠の妨げになる原因をなくす」ことを心がけましょう。


睡眠薬は効きやすくなるので注意を!

 認知症の方に対する睡眠薬の使用については、高齢者では若年者に較べて睡眠薬に対する感受性が高く(少量で効きやすい)、体内から排泄する力も弱くなるので、注意深く使用する必要があります。睡眠薬の前に、「ラフマ葉エキス」など、安全性が十分確認されているサプリメントを使用することをお勧めします。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2022年8月11日木曜日

HSP

 騒音、雑音とストレス

 騒音の激しい場所にいるとイライラしてしまいます。集中できなくなるだけではなく、「騒音の大きい場所に住むと太る」というスウェーデンのカロリンスカ医科大の研究(2014年)があります。5156人を対象に、騒音と肥満の関係性を統計的に調べたところ、空港、鉄道、大きな幹線道路などの近くに住む人は、相対的に体脂肪の量が多かったそうです。個人差もありますが、女性だけで言えば、騒音が5デシベル上がるごとにウエストが1.51センチ増えることも数字上で明らかになったといいます。

 騒音の刺激を受けると、ストレスによってコルチゾール、すなわちストレスホルモンが分泌されます。ですからコルチゾールが増えることで食欲は増え、睡眠の質も下がります。当然、太りやすくなってしまうわけです。そのため、音が激しい場所、たとえばカラオケボックスやゲームセンターなどでストレスを発散したい場合は、自分で気分転換と思える程度がいいでしょう。付き合わされて、騒音に聞こえるようだったら黄信号。また、過剰なコルチゾールの分泌は、プランニングや論理分析に関与する脳の前頭前野の働きを阻害するともいわれています。音がうるさくて集中力が欠けてしまうのです。

 一方で、雑音が数多く意識に入ってくるということは、それだけ多くの情報を脳が処理しているといわれ、創造性を与えるという指摘もあります。

 私たちは情報が入る際に、「感覚情報のゲーティング」と呼ばれる情報の取捨選択を自動的に見分けてフィルタリングしています。情報のフィルタリングに"漏れ"が多い人は、一般平均よりも広い範囲から雑音を含めた刺激を受け取ってしまうといいます。雑音を拾ってしまう人は、本来であればフィルタリングされ、シャットアウトされるかもしれなかった情報に気が付くため、創造性豊かな人物になりえる可能性があるのです。

 イリノイ大学の研究(2012年)によると、比較的静かな環境(50デシベル/書店の店内や役所の窓口周辺など)よりも、適度な周囲の雑音(70デシベル/コーヒーショップの店内、ファミレスの店内など)、たとえばカフェなどの場所のほうが創造性を求められる仕事においては被験者たちのパフォーマンスを向上させたという報告もあります。

 ただし、騒音に近い雑音(85デシベル/パチンコ店内やゲームセンター内など)においてはパフォーマンスが低下してしまうという結果も明らかになっています。

 むしろ、あまり雑音を気にせず仕事がはかどるという方は、人よりもいろいろな情報が入ってくるため、結果的にそれらを結合して、とんでもないアイデアを思いついたりすることができる――といった可能性を秘めています。

 少し賑やかな場所で仕事をしたいという方は、雑音以上、騒音未満こそが創造力を向上させストレスにならない空間といえるでしょう。      

(出典:https://hc.nikkan-gendai.com/)


■音や光に過敏な"HSP"

 世の中にはHSP(Highly Sensitive Person:非常に敏感な人)と呼ばれる、外界の刺激や体内の刺激にきわめて敏感に反応してしまう気質の人がいます。

 このところ、新型コロナウィルスの流行により、ニュースや街中の雰囲気が以前と変わりつつあります。在宅時間が長くなるにつれ、家族と過ごす時間の増加や、ニュースで見る世間の様子に落ち込みや疲れやすさを感じている人は、もしかすると、その原因はHSPという気質に由来しているのかもしれません。

 特になじみのない環境では、他の人が感じないほどの些細な刺激でも神経がたかぶる傾向があり、神経系の興奮が長引き、疲れやすくなります。HSPと想定される人は、全人口の15~20%と推定されています。また、高齢になるほど刺激に敏感になりやすく、状況によっても敏感さは変化するといわれています。HSPは生まれながらに持った気質です。個人差が大きいといわれますが、共通する特性として「周囲の些細な変化に気づきやすい」「小さな刺激に敏感に反応する」「情報を深く処理する傾向がある」などが挙げられます。

 HSPには一人で過ごす時間を好み、空想力や直感力に恵まれた人がいる一方で、新しい刺激を好み、人との関わりを求めるため疲れすぎてしまう人もいます。HSPの特性を備えつつ刺激を求めて行動する人をHSS(High Sensation Seeking)型HSP、そうでない人(非HSS型HSP)と区別する場合もあります。


発達障害や適応障害との違いは?

 発達障害は、脳機能の発達のかたよりが原因で、対人コミュニケーション能力や問題解決能力などの低下がみられる状態です。HSPの特性は発達障害と似ているものもあるため、間違われることがあります。HSPを発達障害の自閉症スペクトラム(ASD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)と比べると、表のような共通点と相違点があります。

 適応障害は職場や家庭などの環境ストレスが大きすぎて、自分の能力をうまく発揮できず不適応に陥った状態です。音や光、感情などの刺激に敏感に反応するHSPの特性が原因で、適応障害をきたすことがあります。

 HSPの過敏さには、神経伝達物質「セロトニン」も関係しています。脳内に存在するセロトニンには扁桃体の興奮を鎮める役割がありますが、生まれつきセロトニンが少ない人や働きが弱い人は、結果として扁桃体が過敏な状態になってしまうことがあります。

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 康復医学学会の研究する「ラフマ葉エキス」には、脳内セロトニンの増加作用が認められており、また、セロトニンのセロトニン神経通過性を安定させる働きもわかっています。


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愛・感謝 村雨カレン