2023年10月26日木曜日

肺機能を高める

 肺機能を強めて潤いを与えるフルーツ

 咳が止まらない。だんだん痰もからんでひどくなってきた‥‥。

気管支の粘膜での急性炎症がもととなって起こる「急性気管支炎」。多くはウイルスや細菌の感染によって引き起こされます。

 空咳から始まって、次第に痰を伴う激しい咳になり、炎症が進むと黄色い粘った痰が出るようになります。喉から胸にかけてのひりひりした痛みや発熱、倦怠感といった症状が現れるケースもあります。高齢者は、老化によって免疫力が低下し、気管支炎を起こしがちになります。また、体力がないために治りにくく、長引く場合が多く見られます。こじらせて重症化すると肺炎に移行して、命に関わりかねないので早めの対策が必要です。

 中医学では、気管支は「肺」と呼ばれる臓器と関係が深いと考えます。五臓の肺の主な機能(肺気)は、呼吸により空気中から必要な成分(酸素など)を吸入し、体内の不要物(二酸化炭素など)を排出することです。これを「肺は気をつかさどる」といいます。肺を滋潤し、栄養を与える陰液を肺陰と呼びます。肺陰は、肺や気道や体表の分泌液や組織液と強い関係にあります。肺の働きが低下すると、喉の痛み、咳や痰が出る、扁桃が腫れるといった気管支系トラブルを引き起こしやすくなります。

 肺は乾燥に弱い臓器です。空気が乾燥する秋は、もっとも注意が必要な季節。外気の影響を受けて肺も乾燥し、気管支トラブルが起きやすくなります。肺はほかの臓器と違って、外気に直結している分、その微妙な変化をキャッチしやすいといえます。もともと気管支系トラブルがある人は、秋は症状が悪化しやすいので万全の対策を講じましょう。

 急性気管支炎の予防や改善のためには、肺を強めて潤いを与える食材を取り入れることが必要です。おすすめは"梨(なし)"。肺の機能をアップし、しっかりと潤す高い効果があります。とくに空咳、喉の腫れや痛み、痰のからみなど、喉の不調に優れた働きがあり、まさに「のど飴フルーツ」。秋にはぜひ積極的に取り入れることをおすすめします。また、便秘、二日酔い改善効果もあり、女性にとっては乾燥肌、しわ対策にも役立ちます。

 気管支炎の症状が出ているときにおすすめなのが「梨のはちみつコンポート」です。鍋に食べやすく切った梨を入れ、水、白ワイン、はちみつを加えて15分ほど煮ます。咳や喉の痛みをやわらげるのに役立ちます。

 梨の急性気管支炎改善効果を高めるには、長芋、大根、蓮根、白ごま、豆腐、はちみつなどと組み合わせるのがよいでしょう。また、症状が起きているときは、トウガラシがきいた料理や、ネギ、ショウガの大量摂取は悪化の原因になるので控えましょう。 

(出典:https://hc.nikkan-gendai.com 他)


■肺機能を高めれば免疫も高まる!

 私たちは普段、無意識に呼吸をしているため、「肺を大事にしよう」とあまり意識しませんが、肺の機能は20代から加齢と共に低下します。肺機能が低下すると、呼吸は浅くなり、自律神経のバランスが乱れる原因になります。それにより、腸内に生息する免疫細胞の働きも悪くなります。しかも、酸素と二酸化炭素のガス交換を担う「肺胞」は一度壊れてしまうと再生できません。しかし、呼吸筋を鍛え、肺機能を高めることは可能です。

 肺には筋肉がないため、自ら膨らんだり縮んだりすることはできません。右図にあるような肺の周りにあるさまざまな筋肉(呼吸筋)の働きによって動いています。

 短期間のトレーニングでも肺年齢は若返ります。実際に、呼吸筋を鍛えるトレーニングを2週間しただけでも肺年齢が若返ったという例も多くみられます。

「良い呼吸」とは「深い呼吸」のこと。呼吸を司っているのは自律神経ですから、自律神経のバランスが良い状態で深い呼吸ができるのがベスト。毎日数分から、次の3つを意識して良い呼吸をする時間をつくりましょう。

●口呼吸を改め「鼻呼吸」

 マスクの有無に関係なく、常に鼻呼吸を心掛けましょう。鼻呼吸をすると、冷たく乾いた空気でも、鼻の粘膜を通る間に温められ、適度に湿るので肺への負担が軽くなります。また、鼻毛がウイルスや細菌を濾過するので病気予防の効果も。さらには、副鼻腔で作られる一酸化窒素(NO)が肺の血管を拡張し、より多くの酸素を取り込めることが分かっています。こうしたさまざまなメリットは口呼吸にはありませんから、意識して鼻呼吸をするようにしましょう。

●背筋を伸ばして「姿勢よく」

 猫背や前かがみの姿勢でいると肺が圧迫され、必然的に呼吸が浅くなります。浅い呼吸が続けば、血流が悪くなり、臓器の機能低下、疲労、肩こりなどを引き起こします。日常生活でも胸を張り、背筋を伸ばすことを意識しましょう。「ちょっと疲れたな」というときも、姿勢を正した状態で、鼻からゆっくりと息を吸い、口をすぼめながらゆっくりと息を吐き切ることで、副交感神経が優位になりリラックスできます。

●いつでもどこでも「タッピング」

 私たちが無意識に呼吸をしたり、食べ物を消化したりできるのは、自律神経が働いているからです。自律神経のバランスが乱れる要因の1つがストレス。そのストレスによる乱れをいかに整えるかが重要となります。そこでお勧めなのが「タッピング」。副交感神経の働きを高めるツボが多い頭全体を、両手の指でトントンと軽く30秒ほど叩きましょう。これだけで自律神経のバランスを整える効果が期待できます。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2023年10月18日水曜日

冷え性

 自覚症状のない冷えもご用心

 手足が冷たい、足が冷えて眠れない……。冷えは女性に多い悩みですが、温めても治りにくい冷えは、自律神経と深く関わっている場合があります。冷えは万病の元と言われますが、冷えの自覚症状のない人や様々な症状の背後に冷えが存在していることもあります。

 暖かい部屋に入ると、すぐに手足が温かくなりますか。それとも、なかなか温かくならないですか。みなさんは、どちらでしょうか?

「手足などの末梢の血流は、自律神経の働きによって調節されている。ストレスがかかって交感神経が緊張すると、末梢血管は収縮して血行が悪くなる。手足がなかなか温かくならない人は、自律神経の働きが乱れているために血流の調節がうまくいっていない可能性がある。これを"ストレス冷え"と呼んでいる」(東京女子医科大学東洋医学研究所副所長・木村容子准教授)。

 ストレス冷えはこの他にも、自覚症状はあるのに診察しても冷えがない人、逆に足が氷のように冷たくても自覚症状がない人など、冷えの認識にずれが生じていることもある。

 冷えは本人が自覚的に感じる症状ですが、客観的な評価もされています。例えば、冷え症の人が寒冷刺激を受けた場合、冷えを訴える部位の血流量は減少し、実際に皮膚温の低下が認められるという報告があります。また、手足の冷えを訴える人では、寒冷刺激を受けた際に皮膚温の回復が遅延している場合があります。ラットの実験では、オスよりメスの方が血管拡張の反応が遅いという報告もあり、一般的に女性に冷え症が多いということを裏付ける結果と考えられています。

 女性の冷えは、女性ホルモンの乱れから自律神経に変調をきたすことも多く、このような場合は、冷えだけでなくのぼせの症状も現れます。また、甲状腺の機能低下、貧血、低血圧、膠原病などによって、冷えの症状がみられることがあります。病気による冷えは、原因に対する治療が重要です。冷えの症状が続くときは、医療機関に相談しましょう。

 そのほか、肩こり、頭痛、腰痛、不眠、むくみ、疲れやすい、やる気や元気がない、肌のくすみやしみ、乾燥なども、実は冷えによって起きやすい症状です。不調を訴えて受診しても体が冷えていることに気づいていない人は多く、注意が必要です。

 右のような生活が習慣になっていないでしょうか。これらはすべて体を冷やします。「朝食を抜くと体温が上がる機能は働かず、筋肉不足では熱が生み出せません。昼夜逆転は日内リズムを乱して、日中に体温が上がらない人もいます。便利な生活がかえって冷えを助長している可能性があります」(木村准教授)。       

(出典:https://www.healthcare.omron.co.jp/)


■タイプ別“冷え症”の原因と特徴

(1)皮膚温度上昇タイプ

(血管拡張型・ニュータイプの冷え症:全体の30~40%)

 次世代型冷え症 【冷えの場所】手足はもちろん全身に冷えを感じる。【原因】偏った食事、低血圧、基礎代謝の低下、自律神経の乱れ、冷房の影響、家電、OA機器からの電磁波や静電気が影響。足先の温度は高く、普段は血管が拡張して皮膚から熱を放散するために寒さを感じる。何かのきっかけで冷たさを感じると、一気に血管が収縮し、皮膚温度が極端に低下する。【特徴】自律神経が軽い麻痺を起こしており、足先がほてったり冷えたりする。

 かくれ冷え症 【冷えの場所】自分では冷えを感じない。【原因】次世代型と同じ。【特徴】手や足は温かく、ほてりを感じているが、内臓の温度は低下している。冷えに気づきにくく、対応が遅れがちになってしまう。


(2)皮膚温度低下タイプ

(血管収縮型・従来の冷え症:全体の60~70%)

 抹消血管収縮型冷え症 【冷えの場所】主に手足、足先に強い冷えを感じる。【原因】冷房刺激で抹消血管が過度に収縮し、その結果、血液が足先まで運ばれなくなる。関節が硬くなったり、足の筋力低下により足指の機能低下により起こる。【特徴】秋口から春に掛けて症状が強い。手足の血流が通常の1/10に低下することもある。

 内臓温度低下型冷え症 【冷えの場所】腰から下の冷えを感じる。【原因】みぞおちのあたりの温度が、下腹の温度より低いタイプで、下腹部にうっ血を起こし血流量が増加。上腹部の血流が減少して起こり、体に血液がまわりにくくなる。下腹部の臓器が複雑な女性に多い。【特徴】このタイプの人は、女性は婦人科系疾患、男性は腎臓や泌尿器科疾患になりやすい。

ストレスによる自律神経の反応

 ストレスを受けると生体反応は、視床下部→自律神経系→交感神経→副腎髄質と伝播し、ノルアドレナリンやアドレナリンなどが血中に放出されます。すると血糖値の上昇・胃腸機能低下・心拍数の上昇・血圧上昇など循環機能が亢進し、冷えのぼせや、ほかにも肩こり・疲労などが発症します。また、ノルアドレナリン、アドレナリンは、細動脈の収縮から毛細血管への入口を収縮させて微小循環の血液が低下します。そのため、冷えをはじめとする様々な自覚症状を発症してしまうのです。

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 神経伝達物質のセロトニンには、細動脈の拡張・自律神経のバランスを整える働きがあることが確認されています。康復医学学会の研究素材「ラフマ」にはセロトニン産生を促進するデータがあります。また、ストレスの影響で毛細血管の入口が収縮することにより、微小循環血流は低下してしまいます。毛細血管の入口拡張には、一酸化窒素(NO)が大きく関わっています。当学会が長年研究を続けている「特系霊芝(HM-3000)」には、その血中一酸化窒素の産生を促すデータがあります。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2023年10月12日木曜日

血小板

 血小板因子が脳を若返らせる

 3チーム3様の視点で取り組んだ脳の若返り因子探索がどれも1つの成分に行き着き、それらの成果が8月にNature誌とその姉妹誌2つに同時に報告されました。

 若い動物と老いた動物の血液循環をつなぐと老いた動物が若返ることが知られています。実験で、"血漿"にその効果があることが示されました(2014)。若いマウスの血漿を老マウスに注射すると、老化に伴う認知機能障害が改善し、学習や記憶が向上したのです。

 その筆頭報告者であるカリフォルニア大学の研究者はさらなる研究で、「血小板第4因子」(PF4)が老化マウスの認知機能を改善することを突き止めました(Nature誌)

 若いマウスの血漿の血小板分画を老化マウスに投与すると、脳の老化の特徴である神経炎症指標が落ち着くことを見出し、そして若いマウスの血漿にはPF4が豊富なことを発見したのです。ヒトでも同様で、老人より若い人の血漿検体にはPF4がより豊富でした。

 運動には老化に伴う認知機能低下を抑える働きがあり、運動により脳の海馬(の歯状回)の神経新生の増加についてPF4が寄与していることが示唆されています。また、ヒトやサルのPF4が老化に応じて減ることが確認されています。

 PF4に若返りの作用があるという予想は正しく、研究チームが老いたマウスにPF4を注射したところ、若い血漿を投与したときと同様の効果が認められました。PFの投与で、海馬の神経炎症が和らぎ、記憶や学習の検査成績が良くなったのです。

 運動による神経新生の増加にPF4が寄与することを示した上述の成果を報告(2019)した研究者らの新たな研究でもPF4の抗老化作用が示されました(Nature Communications誌)。研究の結果、運動で血小板が活性化することで老化マウスの海馬の細胞増殖が向上し、血小板由来の成分であるPF4の全身循環の増加が海馬の神経新生促進を介して認知機能を若返らせることが示されています。

 同時に発表されたもう1つの報告では、延命効果が知られるホルモンの働きに必要な因子の探索でPF4が発掘されました。「クロトー(klotho)」というそのホルモンは延命に加えて脳機能も改善します。しかし末梢に投与したクロトーは血液脳関門(BBB)を通過できず、脳に到達しません。そこで、クロトーと脳機能改善の関係を仲介する成分を探索し、意外にもPF4がその作用を担うことがわかったのです(Nature Aging誌)。研究の結果、クロトーはPF4を含む血小板因子を増やし、末梢に投与したPF4は脳に到達可能であり、マウスの老いも若きもPF4投与で認知機能が上向きました。

 血小板因子の手入れで老化による脳の衰えを回復できるかもしれない、と研究者らの報告には記されています。また、アルツハイマー病などの高齢者の認知症の治療にも血小板因子が役立ちそうです。

(出典:https://www.carenet.com/)


■血小板の働きと関連する病気

 血小板は骨の中心部の骨髄という部分で産生され、外傷などの原因で血管が破れた場合に、その部位を修復し出血を止める作用を担っています。

 出血時には、血液中の血小板が血管壁の傷口に集まってきて、血小板による血栓を作り、傷口をふさぎます。血小板だけの血栓では、血を止めるにはもろくて不安定です。そこで、血液中の凝固因子と呼ばれる一群のタンパク質が働き、最終的には血小板血栓の全体をおおい固めて、止血が完了します。

 血小板が多すぎると正常な血管内でも血栓で作られやすくなり、放置すると血栓症(心筋梗塞や脳梗塞など)を発症する場合もあります。少なすぎると出血が止まりにくくなります。

 血小板の数値検査は、血液を採取し、自動血球計数装置により測定します。血小板の基準範囲は医療施設によって異なりますが15万~35万/μL(マイクロリットル)で15~35×104/μLと表記されることもあります。


 血小板に関して疑われる病気の例としては、本態性血小板血症、慢性骨髄性白血病、特発性血小板減少症、再生不良性貧血などがあげられます。


 特発性血小板減少性紫斑病 

 血小板減少をきたす他の明らかな病気や薬剤の服薬がなく、血小板数が減少し出血しやすくなる病気です。


 血小板増加症 

 血小板が40万/μL以上に増加したときに血小板増加症といいます。

 原因は血小板が作られる骨髄機能自体の異常である一次性増加症と骨髄以外に原因のある二次性増加症、家族性(遺伝性)血小板血症の3つに大別されます(右表)


 このほかにも、本態性血小板血症、慢性骨髄性白血病、特発性血小板減少症、再生不良性貧血などの病気が疑われます。

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 康復医学学会の主要研究生薬である「HM-3000(特系霊芝)」。この霊芝の子実体から単離されたトリテルペノイド(脂溶性の化合物群)は120種を超えており、薬理研究から、血小板抗凝固作用をはじめとする血小板に関する影響はもちろん、肝臓保護解毒抗酸化抗菌血糖降下抗HIVとヘルペスウイルス主要細胞抑制前立腺肥大改善効果骨密度低下抑制効果等の作用等が確認されています。

「老化」は、医学的な見地からは、動脈硬化、虚血性心疾患、脳卒中、癌、糖尿病、骨粗鬆症、認知症などあらゆる成人病に共通の、かつ最大の危険因子とみなされていますが、確認された上記の作用を見れば、HM-3000(特系霊芝)の抗老化に対する様々なメリットは、大きなものであることがわかります。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2023年10月5日木曜日

睡眠不足症候群

 夜中に目覚めて眠れなくなる

 年齢を重ねると、睡眠に変化が起きて、夜が明ける前に目が覚めてそのまま眠れなくなってしまうことも珍しくありません。また、トイレなどで夜中に何回も目を覚ますようになり、「朝までぐっすり眠る」ことも難しくなってきます。睡眠には多くの役割がありますが、中でも重要なのは日中の心身の疲れを回復する「休養」。年を取ると一般に日中の活動量は若い頃より少なくなり、肉体を維持するための基礎代謝も下がってきます。

 基礎代謝とは、呼吸や消化など、肉体を維持するために最低限必要なエネルギー消費量のこと。年を取るとそれが下がるため、疲れを回復するためにたくさん眠る必要がなくなっていくというわけです。そのため、朝早く目が覚めるようになります。

 約3600人を対象にした疫学研究によると、25歳の平均睡眠時間は7時間、40歳は6時間半、65歳は6時間、80歳は5時間半となっています。秋田大学大学院医学系研究科精神科学講座教授の三島和夫氏は、「毎日8時間眠れるのはせいぜい中学生くらいまで。70代以降はがんばっても6時間くらいしか眠れなくなる」と解説します。

 加齢により眠りが浅くなってくるのはなぜでしょうか。それには、脳の温度(深部体温)の変化が関係しています。

 脳の温度は夕方過ぎから眠りに入る5時間~2時間前くらいに最も高くなり、就寝前の2時間ほどで一気に下がります。深部体温をグラフにしたときに、この落ち込みが大きいほど深い睡眠が増えることが分かっています。

 年を取ると自律神経の機能が低下してくるため、夜間の深部体温の落ち方は高齢者のほうが少なくなるのです。脳の温度が高いと、深いノンレム睡眠は出にくくなります。さらに、高齢者はわずかな刺激でも目を覚ましやすくなります。若者なら眠り続けられる軽い尿意やちょっとした物音でも高齢者は目を覚ましてしまいます。加齢とともに「覚醒閾値(いきち)」が下がるためです。

 以上のような理由で、年を取ると深い睡眠が出にくくなり、しかも刺激に対して目を覚ましやすくなります。その結果、中途覚醒や早朝覚醒に悩まされるようになるのです。

(出典:https://gooday.nikkei.co.jp/)


■睡眠不足症候群と認知症の睡眠

 睡眠不足症候群は、夜間睡眠が慢性的に不足しているために、日中の過度の眠気、集中力の低下、活力の低下などが生じる睡眠障害です。患者は、故意ではないが自発的に慢性の睡眠不足状態を続けています。身体機能の異常を認めることができません。慢性化や睡眠不足の程度によって、いらいら感、集中力の低下、活力の減退、注意散漫、意欲の低下、無反応、不快、疲労感、落ち着きのなさ、協調性の欠如、倦怠感などが出現することがあります。

睡眠不足症候群の対策

 生活習慣を改める :寝る前はカフェインやお酒、タバコなどの刺激物は摂らない、入浴で体を温めてリラックスする、テレビやゲーム、スマホなど画面の光が眠気を減らすので控えるなど。多忙型では、勤務や勉強のスケジュールを再検討する必要があります。

 仮眠をとる :夜の睡眠時間が不足するなら、昼間に仮眠を積極的にとりましょう。午後3時以降や30分を超える昼寝は夜の睡眠に悪影響があるので、お昼から午後3時までの間で、20分くらいにとどめましょう。

 睡眠リズムを整える :睡眠促進ホルモンといわれるメラトニンは、夜間に分泌量が多くなり、朝方に減少します。太陽光を浴びるとメラトニンの脳内分泌量は抑制され、目覚めることができます。また、メラトニンの原料はセロトニンです。セロトニンは、脳内ホルモン全般を調整しています。太陽光やリズム運動でセロトニンは活性化しますが、日常のストレス対応に追われて減少してしまっているとメラトニンも減少します。

認知症の睡眠問題

 認知症の方には、様々な睡眠問題がみられます。重度の認知症の方ではわずか1時間程度の短時間でさえ連続して眠ることができなくなるといわれています。夜間の不眠とともに昼寝(午睡)が増え、昼夜逆転の不規則な睡眠・覚醒リズムに陥るようになります。またしっかり目が覚めきれず「せん妄」(もうろう状態)がしばしば表れます。この時には不安感から興奮しやすく時に攻撃的になるため、介護の負担が増します。認知症患者の一部では、夕方から就床の時間帯に徘徊・焦燥・興奮・奇声などの異常行動(日没症候群)がみられます。これも睡眠・覚醒リズムの異常が関係していると考えられています。

 認知症の睡眠障害に有効な薬物療法は知られていません。効果が出ても一過性の場合が多く、長期間使用することは避けねばなりません。睡眠薬や鎮静薬を使いすぎると、生活の質が低下し、結果的に介護負担が増加します。

 認知症の方に対する睡眠薬の使用については、高齢者では若年者に較べて睡眠薬に対する感受性が高く、体内から排泄する力も弱くなるので、注意深く使用する必要があります。

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 康復医学学会の研究素材「ラフマ葉」にはセロトニン産生に関するデータがあり、睡眠リズムを整える助けとなります。また認知症の方に関しては、睡眠薬の前に、安全性が十分確認されている「ラフマ葉エキス」のサプリメントを使用することをお勧めします。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン