2024年3月27日水曜日

有酸素運動

 ウォーキングで冷え性改善、深い眠りも

 冷え性の人が2週間のウォーキングに取り組むと、冷え性が改善し、睡眠の質も上がることが、山口県立大学の山崎文夫氏らの研究で明らかになりました。

 女性に多い冷え性は、睡眠の質を低下させ、体の回復を妨げて、生活の質を下げることが知られています。今回の研究では、「短期間の有酸素運動が冷え性の若い女性の睡眠の質を向上させ、冷えの訴え(冷感)を軽減するかどうか」、さらに、入眠時の足部皮膚温の変化や脳波の変化が見られるかどうかも検討しました。

 研究は冬期(12月~2月)に行いました。過去1年間、日常的には運動していなかった20~21歳の冷え性の女性16人を登録、8人を有酸素運動を行うグループ(運動群)に、もう8人を運動をしないグループ(対照群)に割り付けました。

 運動群には2週間、主にウォーキングとジョギングからなる運動を指示。運動前のウォームアップとして15分間の早歩きまたはジョギングの実施を推奨しました。対照群には、それまでと全く同じ生活を2週間続けるよう指示しました。両群ともに、寝室の温度、就寝時間、入浴時間を指示し、また、開始直前の2日間と終了直後の2日間に、自宅で右表の評価を行ってもらい、前後で比較しました。なお、温冷感と温熱快適性、及び体温は、期間中毎日記録しました。

 運動群の女性は、期間中に週に4日以上運動しており、開始前に比べ、1日あたりの歩数が5000歩以上増えていました。開始以降は、全身と足部の温感と温熱快適性が有意に上昇し、両群の差は2週目に有意になっていました。手の指先、足部、つま先の冷感のスコアが特に有意な改善をみせましたが、足部皮膚温と体温には有意な変化は見られず、両群間に有意差は認められませんでした。

 睡眠の質の評価では、疲労回復と睡眠時間の改善が認められ、視覚的評価スケール(VAS)で睡眠の質を評価した結果も有意に改善していました。睡眠時の脳波は、運動群で中途覚醒の時間が有意に短縮し、深い睡眠の時間が有意に延びたことを示していました。睡眠前のα波の増加も認められました。対照群にはこれらの変化は見られませんでした。

 以上の結果は、短期間の有酸素運動が、若い女性の末端冷え性を改善し、睡眠の質を高めることを示しました。しかし、就寝時に体温や足部皮膚温の上昇が見られなかったことから、「これらの改善は、脳波の変化によって示される、末端の冷えを感じる脳の感受性の低下によるのではないか」との考えを著者らは示しています。

(出典:https://gooday.nikkei.co.jp/)


■有酸素運動のメリット

 有酸素運動とは、酸素を使い体内の糖質・脂質をエネルギー源とする、ウォーキングのような筋肉への負荷が比較的軽い運動のことを言います。

 負荷の比較的軽い運動は、筋肉を動かすエネルギーとして血糖や脂肪が酸素と一緒に使われることからエアロビクス(Aerobics 有酸素性運動)と呼ばれます。一方、短距離走のように短時間で強い負荷がかかる運動の場合は、筋肉を動かすエネルギー源として酸素が使われないため無酸素性運動と呼ばれます。※運動中に呼吸をしているかどうかという意味ではありません。

有酸素運動の効果

 有酸素性運動は脂肪を燃料とするので、血中のLDLコレステロール・中性脂肪や体脂肪の減少が期待出来ますから、冠動脈疾患や高血圧などに効果があります。また運動そのものの効果として、心肺機能の改善や骨粗鬆症の予防などが期待出来ます(右表:継続して有酸素運動を行うことで、医学的に証明されている効果)

 これらの効果を狙ったエクササイズとして、エアロビクスダンス・エアロバイク・太極拳など(室内)、水泳・アクアウォーキングなど(プール)、ジョギング・ウォーキング・サイクリング・ハイキングなど(屋外)があります。

有酸素運動を効果的にするポイント

筋トレを先に行う ●食後に時間を空けてから運動する ●継続して行う

 有酸素性運動を継続して20分頃からエネルギー源が体脂肪に切り替わりますので、脂肪の減少を目的とする場合は長い時間継続出来る有酸素性運動が多いエクササイズを選ぶことが効果的です。

 ウォーキングに関していうと、歩いている歩数が多いほど、心臓病や癌や死亡率が低下することもわかっています(右図参照)。この研究はアメリカで行われた研究で、40歳以上の人で歩数と死亡率の関係を見ています。1万歩あたりまでは、歩けば歩く人ほど死亡率が下がっているのがわかります。ちなみに、心血管病と癌の発症率に関しても同様の結果でした。


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愛・感謝 村雨カレン

2024年3月19日火曜日

生体内の酸素

低酸素ストレス

 現代人の生活習慣の中では、慢性的に低酸素状態にあるといわれています。ストレス、喫煙、機密性の高い住宅での換気不足、大気汚染による空気中の酸素濃度低下など、多くの理由が指摘されています。酸素は、免疫や細胞活性・エネルギー産生などに影響し病気や健康を左右します。酸素は1回の呼吸で約5%が身体に供給され、約16%が呼気として体外へ排出されます。身体に供給される5%の酸素は、ストレスや生活習慣、病気などの影響で、その5%も完全に供給されているとは限りません。

 健康や老化については、活性酸素による「酸化」で話題になりますが、むしろ酸素の供給量が低下する「酸欠」の方が問題なのです。

 低酸素と代謝 

:低酸素は生物的環境における酸素の欠乏と定義され、細胞ストレスや正常な代謝活性の変化を引き起こします。低酸素により活性酸素種が蓄積し酸化ストレスが生じることで、様々な細胞成分に有害な作用を及ぼします。細胞は低酸素に応答し、細胞内シグナル伝達のメカニズムを適応させることで生存率を維持します。これらの機能は、低酸素でも細胞が生存、回復できるように全体的な代謝活性を抑制します。低酸素は多くの固形がんに共通する特徴です。がんの増殖が血液の供給を上回るため、がん組織は周囲の正常組織と比較して著しく酸素濃度が低くなります。

 低酸素の定義  

:低酸素は、病態生理学的には細胞の酸素消費量と血流の不均衡により、酸素が欠乏している状態です。低酸素では、電子伝達系の最終的な電子受容体である酸素分子が不足するため、活性酸素の産生が増加します。活性酸素の蓄積により、活性酸素の産生と細胞の抗酸化防御のバランスが崩れます。これが「酸化ストレス状態」です。過剰な活性酸素は、脂質やたんぱく質、DNAなど全ての細胞成分に対し有害な作用を及ぼします。

 細胞は、低酸素応答に特化した機能を活性化して、低酸素に適応します。これらの働きは、代謝活性を抑制することで生体エネルギー産生機構の過剰な活性を防ぎます。

 活性酸素種(ROS:Reactive oxygen species) 

:活性酸素は、酸素分子に由来する反応性の高いフリーラジカルです。活性酸素は、ミトコンドリアの電子伝達系におけるATP産生時に作られる正常な副産物であり、細胞のシグナル伝達や恒常性において重要な役割を担います。健常な細胞では、カタラーゼやグルタチオン、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)などの細胞内抗酸化システムにより、活性酸素の毒性を抑制しています。細胞が低酸素などのストレスを受けると、活性酸素の蓄積による酸化ストレスが引き起こされます。

 過剰な活性酸素の蓄積はDNA、RNAへの損傷やアミノ酸の酸化、脂質の過酸化、酸化による酵素の不活化など、細胞成分に有害な作用を及ぼします。

(出典:https://blog.cellsignal.jp/)


■酸素の役割と抗酸化システム

生体内酸素の主な作用

細胞の活性作用:酸素は細胞による代謝活動を活発にし、体内のガス(一酸化炭素、二酸化炭素)や老廃物の排泄を促進します。そのため細胞が活性化され多くの疾患予防や抗老化にも影響します。 

疲労回復効果:人は活動するのにエネルギーが必要です。このエネルギーを産生するのに必要なのが酸素です。エネルギーの不足が疲労の原因のひとつなのです。酸素がエネルギーを作り、疲労の回復物質の乳酸も、乳酸を炭酸ガスと水とに分解してしまいます。 

脂肪分解:酸素は新陳代謝を活発にし、脂肪を効率よく燃焼させます。酸素が有効に活用されるだけでも、細胞が活性化され、基礎代謝も上がり脂肪が分解されます。 

記憶力や集中力に影響:脳の働きは、酸素と密接な関係があり、酸素の消費量も最大なのは脳です。酸素不足になると、まず影響がでるのが脳です。軽い症状として、眠気・イライラ・目の疲れ・視力の減退などの様々な症状が出てきます。また、記憶力や集中力が低下し、仕事や学習力にも影響します。

酸化ストレスを防御する抗酸化作用

 活性酸素やフリーラジカルの発生を抑制したり、発生したラジカルを捕捉して分解処理したり、生じたダメージを修復・再生したりする抗酸化作用をもつものが抗酸化酵素や抗酸化物質です。例えば、抗酸化酵素にはスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、カタラーゼ(CAT)・グルタチオンペルオキシダーゼ(GSH-Px)などがあり、お互いに作用しあいながら抗酸化機能を発揮しています。これらの酸化還元酵素は、亜鉛、銅、鉄、マンガン、セレニウムなどのミネラルに加え、たんぱく質などが必要になります。体内にこれらの原材料が少ないと、酸化還元酵素を作ることができなくなります。また加齢により生産量も低下します。

低酸素と酸化

 低酸素ストレスは、上記のような作用を低下させ、生体の恒常性の維持に支障をきたします。また、酸素は同時に活性酸素による酸化ストレスも引き起こします。

 康復医学学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」は、酸素の供給量を上げる物質「2,3-DPG(グリセリン2,3-リン酸)の分泌を促進し、血液粘度の適正化、赤血球の凝集予防、毛細血管の拡張など血流改善のポイントから低酸素ストレスに対処します。また、活性酸素による酸化ストレスに対しては、抗酸化酵素「GSH-Px(グルタチオンペルオキシダーゼ)の活性化データがあります。


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愛・感謝 村雨カレン 

2024年3月13日水曜日

たんぱく質の重要性

 中年のたんぱく質摂取が寿命を延ばす

 世界中で高齢化が進む中、健康寿命を延ばすことが求められており、栄養はその中の重要な要素です。中でもたんぱく質は身体の健康維持に大きな役割を果たしますが、中年期にたんぱく質を多く摂取した人ほど、疾病なく健康的に加齢する可能性があることが新たな研究でわかりました。米国・タフツ大学の研究者らによる本研究の結果はアメリカ臨床栄養誌オンライン版2024年1月17日号に掲載されました。

 研究者らは、Nurses'Health Study(NHS:看護師健康調査)コホートの女性参加者を対象とし、登録時の年齢が30~55歳の12万1,700人に対し、ベースライン時およびその後2年ごとに追跡調査を実施(該当疾患のない48,762人が対象)。

 調査票から総たんぱく質、動物性たんぱく質、乳製品たんぱく質(動物性たんぱく質のサブセット)、植物性たんぱく質の摂取量を調べました。「健康的な加齢」は、11の主要な慢性疾患がなく、精神状態が良好で、認知機能または身体機能のいずれにも障害がないことと定義しています。ライフスタイル、人口統計学、健康状態を調整した多変量ロジスティック回帰を用いて、健康的な加齢に関連するたんぱく質摂取量のオッズ比(OR)*と95%信頼区間(CI)を推定しました。主な結果は以下のとおり。

●ベースライン時の平均年齢は48.6(6.3)歳、38.6%がBMI値25以上、22.9%が現在喫煙者、88.2%が既婚者であった。

●総たんぱく質摂取量の平均値(エネルギー百分率)は18.3%であり、内訳は動物性たんぱく質13.3%(うち乳製品たんぱく質3.6%)、植物性たんぱく質4.9%であった。

●3,721/48,762人(7.6%)が健康的な加齢の定義に合致した。たんぱく質の摂取は、健康的な加齢のORと有意に関連していた。エネルギー3%増加あたりの健康的な加齢のORは、総たんぱく質1.05、動物性たんぱく質1.07、乳製品たんぱく質1.14、植物性たんぱく質1.38であった。

●植物性たんぱく質の摂取は、身体機能の制限がないことや精神状態が良好であることのOR上昇とも関連していた。動物性または乳製品たんぱく質、炭水化物、または脂肪を植物性たんぱく質に同等のカロリーで置き換えた場合、健康的な加齢との有意な正の関連が観察された。

●主な植物性たんぱく源は、パン、野菜、果物、ピザ、シリアル、焼き菓子、マッシュポテト、ナッツ類、豆類、ピーナッツバター、パスタであった。

 研究者らは、女性看護師の大規模コホートにおいて、中年期の食事からのたんぱく質摂取、特に植物性たんぱく質摂取は、健康的な加齢の高いORおよび健康状態のいくつかの領域と関連しているようだ、と結論付けています。

(出典:https://www.carenet.com/)

*オッズ比(OR)とは:オッズとは、「見込み」のことで、ある事象が起きる確率(p)の、その事象が起きない確率(1ーp)に対する比を意味する。オッズ比とは二つのオッズの比のこと


■健康ボディはたんぱく質が作る!

 たんぱく質を栄養源として細胞分裂や修復作業が活発に行われることで、基礎代謝はアップし、脂肪の燃焼と同時に太らない体質作りにも期待ができます。

たんぱく質で水太り解消!

 血中にたんぱく質が少なくなると、血中濃度を保つために、血液中の水分は交換血管(微小循環血管)を通して血管の外へ追いだされます。これが組織間にたまり、むくみになります。食事制限をしている女性の脚がむくみ、脚ばかりではなく、余分な水分が体内に保持され、それだけ体重にも響くことにもなります。そして「水を飲んでも太る」と思いこみ、水分摂取を控える傾向になり悪循環に陥ります。

たんぱく質でリバウンド防止!

 脂肪だけが減ればいいのですが、気をつけないと重要な筋肉も落としてしまいます。特に体重減ばかりに気をとられていると、こうした失敗に陥ります。筋肉が減少すると基礎代謝率も低下しますので、リバウンドしやすい、太りやすく痩せにくい体質になってしまいます。

たんぱく質は体を構成している主たる成分であり、中でも筋肉はたんぱく質の塊のようなものですから、たんぱく質不足はその影響大です。

たんぱく質が酵素を作る!

 さらに重要なことは、食物の消化や体内の代謝など、あらゆる生命活動に必要な2万種類以上の「酵素」の全てがたんぱく質(ペプチド結合)だということです。たんぱく質不足ではその酵素がまともに作れません。脂肪燃焼や水分代謝はもちろん、あらゆる消化・代謝機能にトラブルが発生し、体内の解毒や排泄に関わっている肝臓や腎臓も正常に働きません。これではスリムな健康ボディは期待できません。また、健康維持のため外部から抗酸化栄養素を補給しても、たんぱく質不足では体の抵抗力そのものが落ちてしまいますから、せっかくの栄養素も十分に効力を発揮できず、活性酸素の猛攻撃には対抗できません。

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 普段の食生活でたんぱく質を摂取しても、きちんと吸収され、体内で有効利用されているかは別問題です。いかに良質なたんぱく質を手軽に摂取・吸収できるかがポイントです。そのためにサプリメントを利用するのも一つの方法です。

 康復医学学会では、魚由来の「ペプタイド型コラーゲン」や、薬食同源のだし生活を応援する「三種混合だし」、そして、たんぱく質にHM-3000(特系霊芝)を加えた「天然たんぱく質食品」など、良質なたんぱく質サプリメントを開発して製品化につなげています。どれも吸収効率の高い水溶性低分子ペプチドタイプの天然たんぱく質原材料を使用しています。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2024年3月6日水曜日

寝言

 危険な寝言とは

 寝言は、日本人の約66%の人が1度は経験しています。原因は様々で、寝苦しいなどの外的要因もあれば、夢が影響していることも多いといいます。

「通常、夢を見るとされるレム睡眠中は脳から全身の筋肉に"動くな"という指示が出ている。そのため、夢の中で話し体を動かしても実際には言葉を発することもなく、身体も動かない状態が維持される。しかし何らかの原因でこの機能が崩れると、夢に合わせた寝言や体の動きが現れる。この代表的な病気が『レム睡眠行動障害』。この障害は年齢や神経系の病気の影響があり、50歳以降の男性に多い」(睡眠ストレスクリニック院長中村真樹氏)

 子供は、睡眠をコントロールする脳のシステムが未発達のため、寝言を発する子も多いそうですが、成長とともに脳のシステムも発達し、だいたい25歳までには、寝言・寝ぼけは自然になくなっていきます。しかし、年齢に関係なく、生活習慣の乱れや強いストレス、寝る間際のアルコールやカフェインの摂取が原因で眠りが不安定になると、寝言が出ることがあります。また、テレビやネットなどで見た衝撃的な内容が記憶に刻まれ、夢の内容として追体験されることで夜中にうなされたり、寝言を発したりすることもあります。

 日頃穏やかな父親が、就寝中の夜中に「聞いたこともないような暴言を吐いて怒り出した」という例もあるそうですが、当の本人は「怒鳴っていた記憶もないし、どんな夢を見ていたのを覚えていない」とのこと。

「夢を見るレム睡眠から深い眠りのノンレム睡眠に移行すると、直前のレム睡眠時に見ていた夢を忘れてしまう傾向にある。そのため、寝言を言っていた本人は朝起きた時に覚えていない。また、睡眠時は理性が働かないため、日中我慢していることが夢で出てしまったときに、意外な一面性が寝言に現れることもある。大抵の寝言は数分でおさまるが、うなされてあまりにも苦しそうならば、起こして夢をリセットしてあげてもいい」(中村氏)

 中には、心的外傷後ストレス障害(PTSD)・不安障害など、過去の強烈なストレス体験がもとになって毎晩悪夢にうなされるという人もいます。

「PTSDの場合、不安・恐怖に慄き、助けを求めるような寝言が多く認められる。他には、てんかんの発作や睡眠時無呼吸症候群などの場合、唸るような声をあげることも。脳機能障害がある人や、70歳以上の高齢者には『せん妄』という意識障害の症状として寝ぼけ・寝言が認められることもある。寝言が起きている状況、寝言に伴う異常な行動、合併症の可能性など、精密に調べた方が良いケースもある」(中村氏)

 20~30代で、数分程度ぶつぶつ言ったり、身体が少し動く程度であれば病気の可能性は低いですが、寝言・寝ぼけに伴う身体の痙攣や、悪夢が何日も続く場合は、何らかの病気が隠れているかもしれません。睡眠障害を専門にする医師に相談しましょう。

(出典:https://www.nishikawa1566.com/)


■病気が原因の寝言

病気が原因で起きる寝言もありますので、注意が必要です。普段あまり寝言を言わない人でも、インフルエンザなどで高い熱が出ると寝言を言うことがあります。また、ストレスも寝言の原因になります。強いストレスにさらされると、寝言の回数や程度が増えます。

寝言に関わる主な病気

 睡眠時無呼吸症候群  

:中高年に多い「睡眠時無呼吸症候群」でも、寝言がみられます。うめき声やあえぎ声のことが多く、はっきりした単語はあまり聞かれません。寝言にいびきや呼吸停止を伴うときは、この病気が疑われます。

 レム睡眠行動障害  

:この病気は、夢の中での動きをそのまま現実世界でもやってしまうもので、初老期以降の男性が時々かかります。本人や隣で寝ている人がケガをすることがありますから、注意が必要です。

 ナルコレプシー  

:睡眠障害の一種で「居眠り病」とも呼ばれています。覚醒させる神経システムが弱くなるため、一日に何度も急に耐え難い眠気に襲われて眠り込んでしまいます。 寝言の内容は感情的なものが多く、しばしば悪夢を伴います。若い頃に発症し、笑ったり怒ったりすると急に体の力が抜けたり(情動脱力発作)、寝入りばなに幻覚を見たり(入眠時幻覚)、金縛りにあったり(睡眠麻痺)などの症状が表れます。

 パーキンソン病  

:パーキンソン病は、脳の神経伝達物質ドーパミンの減少で発症します。手足の震え、筋肉のこわばり、歩行障害等の症状が特徴で、日本では20万人も患者がいるといわれています。ドーパミンが減少する前に、まず脳幹という部分の辺りに何らかの異変から、睡眠を調節する神経に障害が起きて「寝言」を発すると考えられています。

 PTSD  

:心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの強度のストレス下では、毎夜続く悪夢とときに寝言がみられます。 悪夢を伴う寝言の場合は、助けを求めるような叫びや悲鳴など、感情的色彩が強く感じられるものが多いようです。

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 寝言が関わる病気は、脳内ホルモン(神経伝達物質)の分泌異常が影響し、睡眠の質の低下から進行することがあります。睡眠の質に関わる数種類の神経伝達物質は分泌のバランスが重要で、そのバランスを調整しているのがセロトニンです。

 康復医学学会の主要研究素材「ラフマ葉エキス」には、セロトニンの分泌を促進し、セロトニン神経通過性の安定に関するデータがあります。

 また、当学会では、アミノ酸の一種である「グリシン」の研究から"甘味調味料"を開発し、製品化につなげていますが、グリシンの「深部体温を下げる作用」により、睡眠障害改善剤としての働きがあることもわかっています。


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愛・感謝 村雨カレン