2022年10月26日水曜日

冷え対策

 “冷え”は万病のもと

 寒さもいよいよこれからが本番。冷え対策は万全でしょうか。

“冷え”は「ちょっとした不調」と思われがちですが、実は万病のもと。がん、脳血管障害、心疾患など多くの病気の根源に冷えが関係しているのではないかと注目されています。

「手足が冷たい」、「肩がこる」、「しもやけができやすい」、「おなかが冷えると下痢をしやすい」、「腰が冷えると腰痛や足にしびれを感じる」など、冷えの感じ方は人によって様々です。気管支喘息やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の人では肺に冷えを感じ、捻挫や骨折をすると患部に冷えの自覚症状が現れると言われています。冷えを感じたら、体のどこかに問題があると考えた方がよいでしょう。

 しかし、冷えの治療は非常に難しいとされています。西洋医学では“冷え”に該当する病名がなく、診断や検査法、治療法がないからです。東京・芝大門いまづクリニックの今津嘉宏院長は、「東洋医学には、冷えは病気の原因であるという考え方がある。東洋医学の考え方も取り入れながら、病気にならないように自分で体温の管理ができるようになってほしい」とセルフケアの重要性を訴えます。

 冷えには、いろいろな原因があります。冬の冷えというと、気温の低下や寒冷が影響して手足が冷たくなったり、体調を崩したりする人が多くいますが、意外な原因もあります。それは、“精神的なストレス”です。

 近年、精神的なストレスと体温には、関係があると知られるようになってきました。たとえば、会社勤めをしている人の場合、異動や転職などで慣れない仕事を始めると、精神的ストレスを生じ交感神経が優位になる⇒体が戦闘モードになり心臓の鼓動が速くなる⇒体温が上がる‥‥となります。しかし、このような状態が1か月、半年と続くと、エネルギーがなくなって体温は下がってきます。精神的なストレスによって冷えが生じているときは、自律神経を乱しているストレスを解消することが大切なのです。健康に気をつけていても、ストレスの多い生活をしていると体は温かくなりません。スポーツや趣味など、楽しくて夢中になれる活動を自分の生活の中に取り入れましょう。

 また、冷えは大人だけでなく、子どもにも見られます。「冬になるとしもやけができやすい」、「風邪をひきやすい」といった不調は、冷えの兆候です。

 子どもの頃から体を温めることを大切にして、冷やさないように心がけましょう。「10代、20代は、男女ともにホルモンバランスが変わる時期。特に10代の子どもをもつ親は、子どもの体温に気をつけて健康管理をしてあげてほしい」(今津院長)。

(出典:https://www.healthcare.omron.co.jp/)


■対策:免疫機能を高める!

 冷えを感じたらどこを温めたらよいのでしょうか。病気のあるところは温度感覚が変わるため、温める部位は自分でわかることが多いようです。膝が痛いなら膝を、手が冷えるなら手を温めるというように部分的に温めます。肩がこりやすい人や、首が冷えると風邪をひきやすい人は、首の後ろが大事な温めポイントとなります。

 また、冷えると内臓の働きが低下して免疫力も下がり、全身の活動に影響します。冷えから体調を崩しやすい人や手足に冷えを感じやすい人は、全身を温めましょう。四肢末端まで、全身に温かい血液を巡らせるには、へその下あたりを温めるのが効果的。体全体を温めることができます。

 冷えの自覚症状や生活環境は人によって違うので、自分の毎日の生活(衣食住)の中から自分に合った対処法を見つけることが大事です。簡単で長く続けやすいお勧めの方法は、起床後に1杯の白湯を飲むこと。体の芯から温まります。冷たい飲み物は一気に体を冷やして、なかなか体が温まりません。腸が冷えると全身の活動が低下し、体調はマイナスに傾きますから、飲み物や食べ物は胃腸を冷やさないものを選びましょう。

 体温は、いまの体の状態をわかりやすく表してくれるバロメーターです。発熱時にしか体温計を使わないという方は多いと思いますが、日頃から体温計を身近に置いて活用すると自分の普段の体温(平熱)がわかり、体調管理に役立ちます。体の温度には、皮膚の温度と深部体温の2種類があります。皮膚の温度は寝ているときは上がり、朝になると下がってきます。一方、体の深部体温は寝ているときに下がり、朝になると上がってきます。体の温度はこのように違いがあるため、この2つの温度がちょうど交差するときに測定するのがいいそうです。起床後は食べたり飲んだりする前に、夜は布団に入る直前がよいでしょう。

 体温は測定時の条件をきちんと揃えることが体調管理の大事なポイントです。ぜひ、起床時や就寝前などの測定習慣をつけるようにしてみましょう。

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 体の冷えに対しては、昔から漢方が使われています。漢方薬に使われる生薬は上薬・中薬・下薬と分類され、免疫機能(自己治癒力)を高めるには長期服用しても毒性や副作用のない上薬がよく使われます。西洋薬的にはアダプトゲン生薬といいます。「霊芝」を筆頭に、人参(高麗、田七)クコ冬虫夏草などが上薬に分類されています。

 体温を上げることは免疫を高めるための重要ポイントですが、漢方の利用に加えて、ストレス状態や食事、運動、睡眠など普段の生活習慣がとても大切になってきます。「ラフマ葉エキス」でセロトニン活性すれば、生活のリズムの改善、免疫機能の向上が期待できます。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2022年10月20日木曜日

がん抑制成分

筋トレとがんの関係

自分の体が作る天然の抗がん剤

 

 筋肉を維持しておかないと、がんになるリスクが上がるかもしれません。これまでも運動と病気の関係はお伝えしてきましたが、実は筋トレは筋肉がついたり免疫が高まったりというだけではなく、筋肉ががんを抑制する天然の抗がん剤を産生してくれるというのです。つまり、筋トレや有酸素運動は、がん予防や抗老化のためにも大事なのです。


 日本人10万人を対象とした研究では、運動によって結腸がんや大腸がん、肝臓がん、膵臓がん、胃がんのリスクを低下させることが示されています。特に運動量が多いグループは少ないグループに比べて大腸がんのリスクが40%以上に下がるという結果が出ています。

 また、アメリカの報告書でも、大腸がんを減らすための生活習慣として「身体活動や運動」が唯一、"確実に効果的"と位置づけられています。

 骨や筋肉は体重の約40%を占めていて、筋肉は血液中の糖や脂質の多くを消費する代謝臓器でもありますが、長時間座り続けていると、全身の筋肉の70%を占める下半身の活動が停止状態に陥って代謝が落ちます。そして座りっぱなしの姿勢というのは血液が下半身にうっ血した状態が続くことで、血流が悪化し、代謝異常や筋肉の分解などが起きてしまいます。実際に座りっぱなしで死亡リスクが40%も上がることが分かっていて、動脈硬化による心筋梗塞や脳梗塞、そしてがんのリスクも上がってしまうという結果が出ています。

 実は本当に筋肉(骨格筋)からがんを抑制する成分が分泌されることが分かっています。それが「マイオカイン」といわれる物質です。マイオカインは、筋肉が収縮伸展を繰り返すことで初めて骨格筋から分泌されるホルモン様の生理活性物質の総称のことです。

 具体的な作用を見ると、マイオカインが分泌されることで、まず筋肉の芽とも言われる「サテライト細胞」を活性化して筋肉の合成を高め、筋肉量を維持してくれます。そしてマイオカインはうつ症状を抑えて認知機能を高めたり、脂肪を燃焼させて血管を柔らかく保つなど、脳や血管、細胞など全身の機能を調節してがん細胞の増殖抑制にも関係しています。

 国際予防研究所の研究チームが行った418万人の女性を対象とした研究では、1週間の運動量が最も多いグループは最も少ないグループに比べて、マイオカインによる乳がんのリスクが11~20%減少することがわかりました。また、乳がんの治療を受けている女性でも、運動を習慣として行うと、生存率が30~40%向上するという調査結果もあります。

 日常的にしっかり動き、マイオカインが分泌されることによって、がん予防をはじめ全身に良い影響を与えるのです。

(出典:https://project.nikkeibp.co.jp)


■がん抑制成分マイオカイン3種

 マイオカインの中で特に「イリシン」「スパーク」「インターロイキン6」には、とても強力ながん予防効果が認められています。


イリシン 

 イリシンは特に乳がんのがん細胞をアポトーシス(細胞死)へと導く作用があります。実験では、アポトーシスの量が22倍に増加することが確認されています。

 他にもイリシンは、脂肪を溜め込む白色脂肪細胞組織をエネルギー消費する褐色脂肪細胞に変換、一酸化窒素の量を増やして動脈硬化リスクの低下、脳に運ばれたイリシンによる脳細胞の新生や再生、シナプスを形成するたんぱく質の分泌促進など、血管の健康の維持や、アルツハイマー病や認知症の予防にも効果的なことが確認されています。

 運動が脳に良いのはイリシンの作用によるもの。筋肉を動かすことでアルツハイマー予防にもなりますし、太る白い脂肪を減らす=脂肪からの炎症物質も減らせる、ということになります。


スパーク 

 スパークは加齢によって減少し、運動によって増えるマイオカインの一つで、大腸がんを直接予防することが確認されています。スパークを作れない体では、運動してもがん抑制作用がなくなることが分かり、また、培養した大腸がんのがん細胞にスパークを与えるとがんの成長が止まり縮小していくなど、スパークは大腸がんにできたがんの芽を直接アポトーシスに導く働きがあることが確認されています。


インターロイキン6 

 筋肉を動かすことによってインターロイキン6というマイオカインも分泌されて、がん細胞の抑制に作用します。インターロイキン6は体に侵入した細菌やウイルスなどの異物を排除する役割を持つ炎症反応物質。炎症反応を起こすことでがん細胞などの増殖を抑えたり、免疫反応を活性化して白血球を増殖させる働きがあります。慢性炎症や自己免疫疾患などで過剰発生すると、リウマチが悪化するなど、体に悪影響が起こってしまうので、インターロイキン6阻害薬などがリウマチ薬として使われています。しかし本来は私たちの体から異物を取り除いてくれる働きを持つ大切な物質なのです。運動によってもともと持っているインターロイキン6の免疫活性機能をがん抑制のために良い方向に使うことができるのです。


 がんの発症や再発を予防し、生存率を上げるためにも運動がとても大事で、特にがん治療中の患者はサルコペニアにかかりやすいため、座りっぱなしを避けて、日常生活の中でこまめに体を動かす必要があります。そして体を動かすことで筋肉からマイオカインという様々な天然の抗がん物質が分泌されるのです。


「マイオカインを効果的に分泌させる4つの方法」として、

 ①HIITトレーニング

 ②スクワット+ウォーキング

 ③咀嚼運動および口内の健康

 ④精油(フレグランスオイル、エッセンシャルオイル)

などが言われています。

 ご興味のある人はネットなどで調べてみてはいかがでしょうか。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2022年10月12日水曜日

たんぱく質不足

 何もしなくても痩せやすい体になる !?

 何もしなくても痩せやすい体でいるには、筋肉量が大事です。筋肉量が多い人と少ない人では、体重に差が出てきます。

「筋肉はたんぱく質で作られる。その合成にはエネルギーが必要で、それに応じて脂肪の消費量が変わるため、筋肉の多い人の方が太りにくい」(立命館大学スポーツ健康科学・藤田聡教授)

 たとえば身長と体重が同じで、筋肉量12kgの人と筋肉量21kgの人を比べると、筋肉量12kgの人の筋肉の合成に必要なエネルギーは1日117kcal。一方、筋肉量21kgの人は1日204kcal。1日87kcalの差が持続的に続くので、脂肪にすると3カ月で1kgの差が生じます。

 筋肉量は、太りやすさに関係するだけではなく、糖尿病の発症リスクにも影響します。

「食後、糖質の8~9割は筋肉に取り込まれ筋グリコーゲンとして貯蔵される。しかし筋肉量が減ると貯蔵容積が少ないため糖質が取り込めず、インスリン抵抗性の原因になり、糖尿病リスクを高める」(同教授)

 高齢者では筋肉量が少ないとフレイル(健康と要介護の中間の虚弱状態)やサルコペニア(筋肉量の減少・筋力の低下)の問題が生じ、寝たきりを招き、寿命に影響してきます。

 一日に必要なたんぱく質量は、標準体重で活発な運動をしていない場合、体重1kg当たり0.8~1gが目安です。しかし調査では、目標量(参照「日本人の食事摂取基準2020年版」)に対し、約7割が未達成。また、総摂取量だけでなく、1食ごとの摂取量が大事です。「たんぱく質はためられず、3食均等に摂ってこそ筋肉を合成するスイッチが一日3回強く入る。日本人のたんぱく質摂取量は朝昼少なく夜に多いが、こういう不均等な摂り方では、作られる筋肉量に違いが出てくる」(同教授)

 では、お勧めの摂り方は?

●ロイシンの含有率が高い食品を選ぶ

 筋肉の合成には、細胞内のシグナル伝達物質mTOR(エムトール)という酵素が関わります。これに関係するのが、必須アミノ酸のひとつロイシンです。食後のロイシンの血中濃度が高いほど、mTORに強く作用し筋肉の合成が促進されます。たんぱく質1g当たりのロイシンの含有率を見ると、牛乳、ヨーグルト、プロセスチーズなど乳製品が高いようです。

●いつもの食事に"混ぜる・かける"

 特に高齢者にお勧めの方法です。食事量を大幅に増やすには限界がありますが、混ぜたりかけたりするだけなら、簡単に実践できます。活用するのは、ゼラチン、ゴマ、粉チーズ、きな粉、スキムミルク、かつお節、焼き海苔、麩など。かつお節、焼き海苔、麩は袋に入れて揉むなどして粉々にします。普段の食事にちょっと加えるだけでたんぱく質の増量ができます。

 たんぱく質はムキムキの人だけが必要なわけではありません。健康長寿のために、今日から始めましょう。                   

(出典:https://hc.nikkan-gendai.com/)


■たんぱく質不足が肥満を招く!

 痩身へのあこがれや病気などで肥満を気にする場合、一番陥りやすいのは、"たんぱく質不足"です。どうしてもカロリーカットにばかり目が向き、痩せるために確保すべきたんぱく質まで減らしてしまい、期待するほど効果が見られないケースが目立ちます。


たんぱく質不足と肥満の関係

〇水太り

 血中のたんぱく質が減少すると、血中濃度を保つために、血液中の水分は血管外へ追い出されます。これが組織間にたまり"むくみ"になります。食事制限をしている女性の脚がむくみ、脚ばかりではなく余分な水分が体内に保持され、体重にも響いてきます。そして「水を飲んでも太る」と思いこみ、水分摂取を控えて悪循環に陥ります。

〇リバウンド

 脂肪が減るだけでなく、気をつけないと重要な筋肉も落としてしまいます。特に体重減ばかりに気をとられていると、こうした失敗に陥ります。筋肉が減少すると基礎代謝率も低下しますから、リバウンドしやすい、太りやすく痩せにくい体質になります。

〇酵素のすべてはたんぱく質

 さらに重要なことは、体内の代謝に必要な何千という酵素すべてがたんぱく質(ペプチド結合)だということです。たんぱく質不足では酵素がまともに作れません。また、酵素は食べても体内で分解・消化されるのでそのまま酵素として働くことはありません。酵素は体内で作られるのです。脂肪の燃焼や水分代謝はもちろん、あらゆる代謝機能にトラブルが発生することになります。

〇たんぱく不足・抗肥満対策

 身体はたんぱく質を栄養源として、細胞分裂や修復作業が活発に行われます。そうして基礎代謝はアップし、脂肪の燃焼と同時に太らない体質を作るのです。また、脂肪や糖をミトコンドリアに送り込み効率よく燃焼させてエネルギーにするには「コエンザイムQ10」の働きが重要になります。

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「天然だし」でダイエット

 康復医学学会では、たんぱく質を手軽に摂取・吸収でき、余分な油分や糖分の摂取を控えることができる「だしダイエット」を提案しています。

 毎日の調理に使う油や砂糖を天然だしに換えて「だしでうま味とコク、甘味を補いダイエットに直結させる」という方法で、美味しくて満足のいく食事が可能になります。特に鰹節や鮪節のたんぱく質には、ヒスチジン(満腹系アミノ酸)が多く含まれ、リパーゼ(酵素)を活性化し、中性脂肪の燃焼を促します。鰹節や鮪節のうま味の源・イノシン酸と、シイタケのグアニル酸や昆布のグルタミン酸を合わせると、うま味に相乗効果が生まれます。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2022年10月5日水曜日

アルツハイマー新薬

 アルツハイマー新薬"有効性確認"

 製薬大手のエーザイは9月28日、米国製薬会社バイオジェンと共同開発しているアルツハイマー病の新しい治療薬「レカネマブ」について、最終段階の治験の結果を発表しました。

 治験は2019年3月から米国や日本、それに欧州などで軽度の認知症の患者や発症の前段階の患者、合わせておよそ1800人を対象に行われ、2週間に1回のペースで薬を投与するグループと偽の薬を投与するグループに分けて、医師などが評価する形で患者の認知機能の変化などを調べました。その結果、投与から1年半たった時点で「レカネマブ」を投与したグループでは、症状の悪化が27%抑えられ、有効性が確認できたとしています。

「レカネマブ」は、アルツハイマー病の患者の脳にたまる異常なたんぱく質「アミロイドβ」(Aβ)に抗体を結合させて取り除くことで神経細胞が壊れるのを防ぎ、病気の進行そのものを抑えることを目的としています。

 会社では、詳しい解析結果を今年11月にアメリカで開催される認知症の学会で報告するほか、来年3月末までにアメリカと日本、それにEUで承認申請を行うとしています。

 新薬「レカネマブ」について、開発を進めるエーザイは28日、東京の本社で会見を開き、2023年3月末までに国内や欧米で承認申請を行うとする方針を示しました。

 エーザイは会見で「今回の治験の成功は認知症治療における大きな前進で、承認後は介護負担の低減など前向きなインパクトを社会にもたらすと期待している。薬を待つ人たちのためにいち早く届けられるように全力を尽くしていきたい」と話しました。

 そのうえで、今後について、ことし11月にアメリカで開催される認知症の学会で詳しい解析結果を報告し、来年3月末までにアメリカと日本、それにEUで承認申請を行い、来年中の承認を目指す方針を示しました。

「レカネマブ」は、エーザイがバイオジェンと共同でアルツハイマー病の治療薬として開発を進めてきました。アルツハイマー病患者の脳ではAβがたまっていて、これによって神経細胞が壊れると考えられています。治療薬は、これまで症状が悪化するのを遅らせるものはありましたが、病気の進行そのものを抑える薬で承認されているものはありません。

「レカネマブ」はAβが固まる前の段階で人工的に作った抗体を結合させて除去しようというもので、神経細胞が壊れるのを防ぎ、病気の進行そのものを抑制する効果が期待されています。ただ、壊れてしまった神経細胞を再生させることはできないため、発症する前の「軽度認知障害」の段階や、発症後、早期に投与することが重要だとしています。

 アルツハイマー病の治療薬として使われている薬は4種類ありますが、国内では新薬の承認は2011年以来ありません。

(出典:https://www3.nhk.or.jp/news/ 他)


■改めて、アルツハイマー型認知症とは

 アルツハイマー型認知症は65歳以上の人では最も多い認知症です。脳の神経細胞が徐々に減っていく進行性の病気で、アミロイドβと呼ばれる異常なたんぱく質の蓄積と神経原線維変化(過剰にリン酸化されたタウ蛋白の蓄積)という脳の中での2つの変化を特徴とします。このような変化は症状が出る20年以上前から始まっています。病気が進むにつれて脳が少しずつ萎縮し、さまざまな症状が出てきますが、進行は比較的ゆるやかです。


【原因】加齢や生活習慣病などが発症のリスクに

 アルツハイマー型認知症の有病率は歳を取るほど高くなり、男性よりも女性に多い傾向があります。加齢が最大の要因ですが、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの基礎疾患があるとアミロイドβがたまりやすくなります。糖尿病の人はそうでない人に比べて発症するリスクが2.1倍になることが、国内の大規模な疫学調査で報告されています。寝不足やストレス、歯周病なども関連があるとされています。

 遺伝の影響で発症することもありますが、家族性アルツハイマー病のように原因となる遺伝子がわかっているものはごくわずかです。ほかにもアルツハイマー型認知症になりやすい遺伝子も明らかになっていますが、あくまでリスクを高めるだけです。その遺伝子を持っているからといって必ず発症するわけではありません。


【症状】新しく記憶できず、体験そのものを忘れてしまう

 アルツハイマー型認知症の人に最も多く見られる症状がもの忘れ(記憶障害)です。比較的最近のことを思い出せず、体験したことを忘れがちです。ただし、軽度認知障害(MCI:Mild Cognitive Impairment)やアルツハイマー型認知症の初期のうちは、もの忘れも軽く、加齢によるもの忘れと区別が難しいです。

 日付や曜日、自分のいる場所がわからなくなるといった時間や場所の見当識障害のほか、言語の理解力の低下、道に迷うといった症状も見られるようになります。ほかにも意欲の低下や抑うつ、「お金を盗られた、通帳を隠された」といった物盗られ妄想が生じることもあれば、徘徊したり、怒りっぽくなったりすることもあります。

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 康復医学学会では、「HM-3000(特系霊芝)」の研究から、アルツハイマー型認知症及び脳血管性認知症に対してのアプローチを長年続けており、その有効性を確認しています。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン