2023年6月28日水曜日

認知症予防と運動

 100歳でも認知症にならない人

 100歳以上の長寿者を「センテナリアン(centenarian)」と呼びます。慶応義塾大学の研究などによって、彼らは認知機能が高いこと、心臓血管病になりにくいこと、加齢にともなって歩行速度が落ちたり、体が弱る状態のフレイルになるのが遅かったりすることが分かっています。また全体の2割程度は自立しているとみられています。

 彼らは体の機能が衰えていないので高齢になっても有酸素運動が続けられ、脳への血流を促します。そのため、いつまでも認知機能が保たれます。

 有酸素運動は20分以上続けると血中の一酸化窒素(NO)が増え、血管を拡張し血流を促進する作用があります。脳内の一酸化窒素が減っていけば学習や記憶の障害が起こりますから、有酸素運動ができる体をつくっておくことは大事なのです。

 竹内内科小児科医院の五藤良将院長(内科、糖尿病内科、アレルギー科、アンチエイジング)は「私のクリニックにも90歳以上で1人で診察に来る高齢者が何人もいる。既往歴はあっても認知症にはなっていない。彼らの経歴をヒアリングしていると、定年退職前後からトライアスロンやマラソン、70代になってからは散歩やウオーキングを習慣としている。歩行にかなりの運動量が発生するゴルフをしている方も多い」と言います。

 また、スポーツ以外では歌うことも有酸素運動です。呼吸器や腹筋を使うので、肺の機能や内臓の働きを活発にし、血流の促進につながります。

 雇用延長等で、65歳、70歳を過ぎても仕事をされている方が多い。体を動かしているので、大病をしない限りはフレイルになるリスクが軽減され、有酸素運動が続けられます。

 運動と認知症の関係は、精神科医のジョン・J・レイティ氏が著書『脳を鍛えるには運動しかない!最新科学でわかった脳細胞の増やし方』でも、「運動を週2回以上続ければ認知症になる確率が半分になる」と紹介しています。同じく精神科医のアンデシュ・ハンセン氏も著書『運動脳』の中で、「運動は認知機能を向上させる。また、運動は記憶力を高め、創造力を高め、注意力を高め、集中力を高める」と述べています。

 脳細胞が増えるだけでなく、運動はストレス発散やメンタルケアにもつながるため、認知症と合併することもあるうつ病リスクも軽減できます。

 超長寿の高齢者は、中年期から認知症と無縁の生活習慣を送っているともいえます。

(出典:https://hc.nikkan-gendai.com/)


■運動が認知症予防に役立つのはなぜ?

 近年、適度な運動は体と脳神経の機能を改善し、認知症予防に役立つことがわかってきました。認知症の発症率と運動との関連を示す研究で、その多くにおいて「高齢者の運動や身体活動は、認知機能の低下や認知症発症予防に効果的」という結果が得られています。

 なぜ運動が脳の認知機能に良い影響を与えるのでしょうか? それは、運動をすると、脳の神経を成長させるBDNF(脳由来神経栄養因子)というたんぱく質が、記憶を司る"海馬"という部分で多く分泌され、海馬の機能維持や肥大に効果があるからだと考えられています。

 体を動かすと、脳から出た指令を神経が介して筋肉が動き、同時に筋肉から出た信号が脳に伝わって脳を活性化する―つまり脳と筋肉は、相互に刺激し合う重要な関係性なのです。

 また、脳が正しく働くためには、絶えず十分な血液が流れている必要があります。高齢者やアルツハイマー型認知症患者の脳では、海馬などで脳血流の低下が見られており、この血流を改善するためにも、運動をして体を動かすことが効果的だと考えられています。

認知症の危険因子「生活習慣病」対策としても、運動は効果的

 糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病は、脳血管性認知症の危険因子と考えられています。また、糖尿病患者では2倍、高血圧患者では3倍もアルツハイマー型認知症の発症率が上がることがわかっています。これらの生活習慣病予防に欠かせないのが食事の見直しと運動の習慣化になりますので、運動をして生活習慣病対策をすることが、結果として認知症予防にもつながることが期待できるのです。

認知症を予防するにはどれくらいの運動が必要?

 認知症予防に適した運動は、散歩やウォーキングなどの有酸素運動です。有酸素運動は全身の血流を改善し、脳の細胞を活性化する効果が期待できます。

 歩く強度は「息がほとんど弾まない程度」とされています。まずは週に3回以上、1日30分以上歩くことから始めてみましょう。

 認知症の発症率と日頃の運動習慣には、深い相関性があります。特に生活習慣病を持っている方は認知症の発症リスクが高いので、生活習慣病の改善と認知症予防のためにも、日々の通勤や外出時に階段を使う、一駅分歩くなどして「無理なく継続できる運動習慣」を身につけましょう。

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康復医学における認知症対処法

 認知症の原因の一つである高血圧や脳血管障害には微小循環の改善が欠かせません。「HM-3000(特系霊芝)」は高血圧・高血糖・脳血管障害に対する微小循環の血流改善を促します。また、認知症の兆候と思われる言動にうつ病の症状が出る場合がありますが、「ラフマ葉エキス」はうつ症状の改善効果が期待できます。

 適度な運動に加え、2つのサプリメントによる体の内側からの対応もお勧めしています。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2023年6月21日水曜日

認知症とガンマ波

 認知症の音楽療法プログラム

 認知症患者に対する音楽療法プログラムは、認知症患者が自分の介護者と言語以外の方法で交流する力を高めることが、「Alzheimer Disease and Associated Disorders」に昨年8月発表されました。「Musical Bridges to Memory(音楽がつなぐ記憶への架け橋)」と名付けられたこの音楽療法プログラムにより、認知症患者の興奮や不安、抑うつといった厄介な症状も低減するといいます。

 研究論文の上席著者である、ボルナ・ボナクダルプール氏(米ノースウェスタン大学フェインバーグ医学部神経学准教授)によると、認知症は精神や記憶に大打撃を与えるが、かなり進行した段階になるまで音楽を楽しむ能力には影響しないと考えられています。「認知症患者は音楽を処理することもできるし、音楽を理解し、受け止め、それに反応することもできる。また、音楽に合わせて踊ったり、演奏したり、一緒に歌ったりすることもできる」(ボナクダルプール氏)。

 ボナクダルプール氏らは今回の研究で、21組の認知症患者と介護者に、Musical Bridges to Memoryプログラムに週1回のペースで12週間にわたり参加してもらいました。研究者らは、これまでに行われた音楽療法に関する研究のほとんどは患者のみを対象としていたが、今回は患者に加えて介護者にも参加してもらった点がユニークであるとしています。

 Musical Bridges to Memoryプログラムは、大切な人と言葉でコミュニケーションを取ることができなくなった認知症患者のために、NPO法人が開発しました。同プログラムは1セッション当たり45分間で、患者と介護者に患者が若かった頃の音楽を生演奏で聞いてもらうと同時に、歌や踊り、ドラムやタンバリンなどのシンプルな楽器の演奏をしてもらうことで、音楽に触れあうよう促すものです。音楽の後には会話時間が設けられました。各セッションの開始前10分間と終了後10分間の認知症患者と介護者の様子がビデオ撮影され、患者と介護者のつながりに音楽療法が与えた影響について分析が行われました。

 その結果、音楽療法後の会話時間には、認知症患者と介護者の間でアイコンタクトを取る頻度が高まり、注意の散漫さや攻撃性が弱まり、陽気な様子が見られるなど、認知症患者の社会性が高まることが観察されました。一方、このプログラムには参加しなかった8組の認知症患者と介護者(対照群)ではコミュニケーションが減少していました。

「様々な能力が低下しつつある認知症患者の症状の管理において、音楽療法は重要な要素となり得る」(ボナクダルプール氏)。米アルツハイマー病協会も、音楽療法を認知症に対する重要な非薬物療法として認識しています。同協会は、「言葉で自分の気持ちを表現できなくなっても、歌の歌詞を通じて表現したり、メロディーを感じたりすることはできる」と話しています。

(出典:HealthDay News)


■40Hzの変調音で認知症改善に光

 音楽による病気の治療プログラムは世界中の様々な研究機関や製薬会社で研究が勧められていますが、日本でも新しい健康創造の手法が模索されています。

 中でも注目されているのが、高齢化が加速する日本の大きな社会課題である認知症です。事実、日本の高齢者における認知症有病率は15%と推計され、今後さらなる増加が予測されています。その認知機能障害の特徴のひとつに、脳内での認知機能に必要な「40Hzの脳波」の活動が低下するという報告があります。一方、その「40Hzの脳波」は「40Hzの変調音」を聴くことによって増大するという研究もあります。

 今まで米国の研究機関等で認知症予防の研究に用いられてきた40Hzの音は単調なパルス音(ブザーのような音)で、人が日常で聴き続けることは難しい音でした。日本のピクシーダストテクノロジーズと塩野義製薬は、共同で「より生活に溶け込んだ形で、自然に五感を刺激することによって長期的な介入を可能とし、認知症ケアを実現する」というコンセプトを掲げ、新しい「音」の開発に挑戦。誕生したのが「40Hzガンマ波サウンド」です。暮らしの中で使いやすいようにTVの音を音源にして、それを自然に聴くことができる音に変調する技術を開発し、商品化したのです。

「40Hzガンマ波サウンド」による、人の脳内への40Hzの脳波(ガンマ波)誘発の検証実験には、20Hz、40Hz、80Hzとそれぞれの変調音、40Hzパルス音、まったく変調を施していない無変調音、さらに40Hzの変調音「ガンマ波サウンド」に関しても、複数の波形パターンを用意。参加者にそれらの音をランダムに聴いてもらい脳波を測定したところ、「40Hzガンマ波サウンド」は、波形の形状にかかわらず、脳内に40Hzのガンマ波を誘発することが実証されました。過去の研究で用いられてきたパルス音と同様に、人が聴きやすい変調音にもガンマ波を誘発する機能があることが確認されました。

 そして、日常生活の中で当たり前に耳にするTVの音を変調するスピーカーが実現したのです。また、実際にTVで流れている「ニュース」番組と「音楽」番組を音源にした「40Hzガンマ波サウンド」で脳波の測定を行い検証した結果、ナレーションやボーカルの明瞭度を損なわないことが期待される「40Hzガンマ波サウンド」の音刺激であっても、脳内のガンマ波の同期を確認。テレビの音を利用した認知症改善の可能性がさらに拓けたのです。

 認知症ケアを目的とするスピーカーにおいては高齢者データが大切になるため、若年層と高齢者に対して「TVを音源とする検証」と同様の音を提示。結果、若年層、高齢者ともに40Hzガンマ波サウンドの聴取で、脳内の40Hzガンマ波が同期したのです。この結果は、音刺激の作用によって高齢者の認知機能が改善する可能性を示したのでした。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2023年6月14日水曜日

座り過ぎ

 “座り過ぎ”が寿命を縮める?

 長引くコロナ禍で、日常生活での運動量がだいぶ減ってしまいました。2020年1月と4月で、コロナ禍の高齢者(65~84歳)の身体活動量の変化の調査(国立長寿医療研究センター)によると、一週間当たりの身体活動量が約60分(約3割)も減ったことがわかっています。

 逆に、テレワーク・在宅勤務の影響で長くなっていると指摘されているのが"座り時間"です。これには、食事をする時間やテレビを見る時間、読書や趣味をする時間など様々なシチュエーションがあり、一日の多くの時間、私たちは座って過ごします。女性の場合、事務職やオペレーターなど、デスクワークという方も少なくありません。

 実際、日本人は、他国の人に比べて座っている時間が長いというデータがあります。経済協力開発機構(OECD)に参加する20か国を対象とした調査によると、日本人の座り時間は一日平均で7時間(420分)。20か国の平均である5時間(300分)より2時間も長く、サウジアラビアと並んで最も座り時間が長かったのです。こうした"座る生活"が染みついている私たちの座り時間が、コロナ禍でさらに長時間化していたのです。実は、世界保健機関(WHO)をはじめとするグローバルな健康常識では、座りがちであることを「セデンタリー(sedentary)」と表現して、喫煙と同じくらい体に悪影響をもたらすものと捉えています。

 座り続けることは、「エコノミークラス症候群」の状態と同じです。大きな筋肉が集中する脚を動かさないことで血行不良が起こり、全身に酸素や栄養を送る血流が滞ります。脚の静脈に血液の塊、血栓ができやすくなり、その血栓は血管の中を流れ、肺に詰まって肺塞栓などを起こす恐れがあります。

 座り過ぎの影響は命にもかかわります。2012年、平均50歳の1万人超を対象としたオーストラリアの研究では、テレビの視聴時間が1時間長くなると平均余命が22分短くなるという結果に。また、世界54か国の人々を調べた研究では、座り時間が長いことが原因で、年間43万3000人もの人が命を落としていたという報告もあります。

 セデンタリーなライフスタイルは、病気の発症リスクも高めます。複数の論文を分析した信頼性の高い研究から、長時間の座り過ぎが、がん、2型糖尿病、心血管疾患などの発症リスクの上昇や、がん、心血管疾患による死亡リスクの上昇に関連することがわかっています。

 さらに、座り過ぎはうつや認知症の発症リスクを高め、座り時間が長い人は記憶の形成に関わる脳の皮質が薄くなるなど、メンタルや脳神経への悪影響も指摘され始めています。

 最新の報告では、座り過ぎの心身へのダメージは、週末に動いただけでは解消されない、運動とは独立した影響であることも明らかになっています。

“Move more, sit less(もっと動いて、座り時間は短く)”は今や、自分や大切な人の健康を守る上での重要なメッセージです。

(出典:https://halmek.co.jp/)


■健康リスクは血流の滞りから

 座り時間は加齢に伴って高齢者ほど長時間化する傾向にあります。座り時間は、テレビの視聴時間や活動量計を装着する実験などで測定する場合が多いのですが、いずれの研究においても、年齢に比例して座り時間が長くなる傾向が認められています。

 座り時間に関する研究報告の増加を受け、セデンタリーなライフスタイルは心身の健康に大きなデメリットをもたらすと、国民に警鐘を鳴らす国も増えています。

 英国、オーストラリア、米国などでは、身体活動に関するガイドラインの中に、座り時間を最小限にすべきであることを明記して、国民に向けて「脱・座り過ぎ」のキャンペーン・啓発活動も進めています。

 世界規模で人々の身体活動の促進に注力するWHOは、すべての年代の人々の座り過ぎを減らし、身体活動を促進することで、心血管疾患なら6%、糖尿病は7%、乳がん・大腸がんに至っては10%も減らすことができ、世界中で年間530万人もの死亡を減らせるという推計も発表しています。


座り過ぎによる高齢者の健康リスク

 長時間の座位行動*は、死亡率や生活習慣病発症のリスクを高め、身体機能やメンタルヘルスを低下させます。1日わずか10分の座位行動を中高強度身体活動に置き換えることで、歩行速度や機能的移動能力、バランス能力をある程度改善できる可能性が示されています。

*座位行動とは「座位、半臥位および臥位におけるエネルギー消費量が 1.5METs(Metabolic Equivalents)以下のすべての覚醒行動」と定義される。


 座り時間が長くなる  ⇒  足の筋力や筋肉量を中心に身体機能が低下 

⇒  代謝機能の低下  ⇒  疲労感上昇・血流の悪化 


 特に「第二の心臓」とも呼ばれるふくらはぎの活動量の低下は、血液を心臓に押し戻すポンプ機能も低下させるため、血流が滞った状態になります。するとむくみや血栓のリスクが上昇し、それが血管内で詰まる「血栓症」のような病気も引き起こしかねません。

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 康復医学学会の主要研究生薬である「HM-3000(特系霊芝)」の効能は、大きく①血液循環の改善②免疫系への影響③抗酸化作用④その他(補肝機能、造血促進、生存期間の延長、鎮静、鎮痛作用など)の4つに分けられます。そして、特に血液循環に対しては、●赤血球変形性の改善 ●赤血球の集合性(連銭)の低下 ●血栓形成の予防 ●組織への酸素供給の向上 ●毛細血管口径と密度の調整 ●血漿年度の低下 ●2,3-DPG(グリセリン2,3-リン酸:酸欠改善やHbA1c精製阻害作用のある物質)産生の促進 ●血管内皮細胞の増殖促進 ●血圧の降下 ●血糖値の降下‥‥などの作用が確認されています。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2023年6月8日木曜日

睡眠

 高齢でもグッスリ眠ることは可能?

 睡眠の変化は自然な老化現象の一つです。年を取ると、日中の活動量や基礎代謝が下がってくるため、若い頃よりも必要な睡眠時間は短くなっていきます。

 睡眠時間が短くなり早く目覚める⇒夜も早く眠気を感じるようになる⇒布団に入る時間も早くなる‥‥と、どんどん朝型にシフトしていき、「早朝覚醒」(必要以上に早起きしてしまう)に悩まされることになります。

 また、加齢に伴って深い睡眠が減るとともに、外界の音や光などの刺激によって目が覚めやすくなる‥‥その結果、夜中に目が覚める「中途覚醒」も増えていきます。

 早朝覚醒や中途覚醒があっても、あまり気にならない人もいますが、できれば若い頃のように「朝までグッスリ眠りたい」と考える中高年は少なくありません。

「睡眠を若返らせる」にはどうしたらよいのでしょうか。

まず、早朝覚醒の対策としては、「朝の光」に注意すること。午前中に太陽の光が目に入ると体内時計のリセット作用が働きます。朝のかなり早い時間から光が目に入る日が続くと、夜も早く眠くなっていきます。朝に太陽の光を浴びると、体内時計を朝型にシフトすることができます。早起きの習慣をつけるには朝日を浴びること、と言われるのはそのためです。目覚めるのが早すぎることに悩んでいるのなら、これと逆のことをすればいいわけです。夜に浴びる光は、体内時計を夜型にシフトさせます。

 厚手で遮光機能のあるカーテンや雨戸を使い、寝室には太陽の光がなるべく入らないようにする。もし朝早く目が覚めても、カーテンを開けなければ太陽の光が目に入ることはありません。朝早く外出するときは、帽子やサングラスで光を目に入れない工夫をしましょう。

 併せて、夜は早く眠らないようにするために、室内の照明を明るくする。パソコンやスマホから出るブルーライトは悪者扱いされることが多いですが、早朝覚醒に悩む人は気にする必要はありません。強い光には覚醒作用があるので、必要以上の早寝を防いでくれます。

 実際、午後8時以降に2~3時間、2500~3000ルクスの光を中途覚醒や早朝覚醒に悩む人たちに見せ続けたところ、体内時計が夜型にずれ、中途覚醒の時間が減り、トータルの睡眠時間も増えることが確認されています。

 夜中に目が覚めてしまう中途覚醒の対策としてお勧めなのは、運動です。

 ただし、ふと思い立って1日だけ走ってみても、長期的な睡眠の質はあまり改善されません。大切なのは運動を習慣化すること。15分のウォーキングなど負荷の低い運動でも、毎日続けると効果が期待できます。運動の習慣がある人は中途覚醒が少なく、徐波睡眠(最も深いノンレム睡眠)が多く、全体の睡眠時間も長くなることが確認されています。

(出典:https://gooday.nikkei.co.jp/)


■眠りに関わるホルモン

 年齢に関わらず、人は脳と体に休養を与えるために眠ります。人の睡眠には以下の3つの仕組みが関係して調節されています。

①疲れたから眠る(恒常性維持機構) 

②夜、暗くなって眠る(体内時計機構) 

③目覚めている状態を維持する(覚醒調節機構)


体内時計とは

 人間には1日周期でリズムを刻む「体内時計」が備わっており、意識しなくても日中はカラダと心が活動状態に、夜間は休息状態に切り替わります。体内時計は毎朝光を浴びることでリセットされ、一定のリズムを刻みます。体内時計の働きは脳の「視交叉上核」という部位が司り、ほぼ全ての臓器の体内時計に指令を与えて様々な生体リズムを刻んでいます。

 メラトニンは、脳の松果体という部分から分泌される情報伝達物質(ホルモン)です。体内時計に働きかけることで、覚醒と睡眠を切り替えて、自然な眠りを誘う作用があることから“睡眠ホルモン”とも呼ばれています。メラトニンには、季節のリズム、睡眠・覚醒リズム、ホルモン分泌のリズムといった 概日リズム(サーカディアンリズム)を調整する作用があります。

 また、体内時計からの信号で、メラトニンの分泌が止まります。メラトニンは目覚めてから14~16時間ぐらい経過すると体内時計からの指令が出て再び分泌されます。 徐々にメラトニンの分泌が高まり、その作用で深部体温が低下して、休息に適した状態に導かれ眠気を感じるようになります。

 メラトニンは、年齢を重ねるとともに分泌量が減ることが明らかになっています。年をとると朝早く目覚めたり、夜中に何度も目が覚めたり、睡眠時間が短くなったりするのは、加齢により体内時計の調節機能が弱まっているためと考えられています。

 メラトニンは眠りを誘うほかに、抗酸化作用によって細胞の新陳代謝を促し、疲れを取ってくれるので、病気の予防や老化防止に様々な効果を持つと考えられており、注目されているホルモンのひとつです。また、以前から睡眠時間が短いと糖尿病になりやすいことが知られていましたが、最近ではメラトニンが不足すると糖尿病の発症率が高くなるという研究が報告されています。

 メラトニンの原料となるセロトニン 

 セロトニンが少ないと、合成できるメラトニン量も減ってしまい、うまく入眠できなくなります。メラトニンは夜になると分泌量が増えるとされていますが、日中に太陽光を浴びたり、リズム運動を行うなどしてセロトニンをつくっておくことが大切です。

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 康復医学学会の主要研究素材である「ラフマ葉エキス」には特異成分としてヒペロシド及びイソクエルシトリンなどが含有されており、これらは睡眠の質の改善に役立つことがわかっています。その他、ラフマ葉エキスの生理作用として、鎮静作用抗ストレス作用血圧安定などの効果が期待できます。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2023年6月1日木曜日

骨を鍛える

 骨を鍛えて健康寿命日本一!

長野県が取り組んだ3つの対策とは?

 いくつになっても自分の足で歩ける体を維持し、寝たきりを回避したい‥‥。そのためには、「健康寿命」を延ばすことが不可欠です。足腰を鍛える「筋トレ」や、認知症予防のための「脳トレ」など、すでに日常生活に取り入れている人もいることと思います。

 健康寿命を延ばすためには、筋肉も脳も重要なのはもちろんですが、「骨」も欠かせない要素のひとつです。信州大学医学部運動機能学特任教授の中村幸男氏は、「健康寿命を延ばすために、骨を強くすることも忘れないでほしい」と呼び掛けます。

 骨を強くする方法として、「かかと落とし」が良い、と言われています(中村氏は、このかかと落としの提唱者です)。立った状態でかかとを上げ、ストンとかかとを床に落とす、この運動によって骨を強くすれば、骨折を減らし、寝たきりを回避する可能性が高まります。

 もちろん、栄養面での対策も欠かせません。中村氏は、かかと落としの運動に栄養面の改善なども加えて骨を丈夫にするという取り組みを、15年近く長野県で続けてきました。

 この取り組みが、長野県の健康寿命の延伸に貢献したのではないか、と中村氏は推測します。もちろん、他にも要因は考えられますが、中村氏をはじめとする医療従事者が強い骨作りに尽力してきたことも、少なからず寄与した可能性があります。

 どうして骨折が命を落とす原因になるのか、実際、要介護状態になる原因として骨折よりむしろ脳卒中や心筋梗塞、認知症を避けたいと思う人が多数派でしょう。しかし、骨折・転倒や関節疾患など、骨に関連する原因が2割近くを占めていることも事実です。例えば、骨折で入院した後に肺炎を起こして亡くなる方も少なくないのです。

 若い頃の骨折は、基本的には時間とともに治るものです。しかし、老年期に起こる骨折は、そうはいきません。多くの場合、骨がもろくスカスカの骨粗しょう症がベースにあるため、簡単に折れてしまい、治癒にも非常に時間がかかります。よくあるのは、ちょっと転倒しただけで、大腿骨と骨盤とのつなぎ目付近の「大腿骨近位部」が折れるパターン。骨折で安静を余儀なくされるうちに寝たきりとなり、全身が弱って肺炎などの病気になるリスクが上がり、死期が早まるのは決して珍しいことではありません。

 つまり、骨折の大元にある骨粗しょう症は、健康寿命を縮める主犯格の1つ。骨折から寝たきりになっていく過程を断ち切るためには、骨を丈夫にすることが欠かせない。

 中村氏らが長野県で進めてきた骨の強化対策は、まず多くの人々に骨密度検査を受けてもらうこと。それと同時に、骨を強くする食事や、かかと落としをはじめとする運動を続けてもらうことです。「こうした取り組みを行えば、健康寿命を3年ほど延長することができるのではないか」と中村氏は語ります。

(出典:https://gooday.nikkei.co.jp/)


■質の良い骨をつくる

 ヒトの体をつくる上で、主軸となる一番大事なパーツが「骨」です。私たちの体はみんな同じ骨の数、同じ形でできていますし、いくつになっても骨の代謝は続いていきますので、競技や年齢が違っても、骨のために"やるべきこと""やってはいけないこと"は同じです。

 私たちは「動く・食べる・寝る」この3つだけを繰り返して、今の体がつくられています。だからこそ、丈夫な骨や元気な体をつくるには、どんな材料、どんな刺激(運動)が必要なのかというイメージを持つことはとても大切です。


 私たちの体は、食べ物から摂取したカルシウム(経口カルシウム)が足りない時は、体に蓄えられているカルシウム(経骨カルシウム)を使って補おうとします。使う場所は、主に腰椎、頸椎、大腿骨等の大きな骨から。これは高齢になって骨が曲がったり骨折をしやすかったりする箇所と重なっています。糖分の摂りすぎや日常のストレスなども、体内で多くのカルシウムを消費する一因です。「いかに経骨カルシウムに頼らない食生活をするか」が、質のよい骨を保つカギになります。

  “質のよい骨”とは、「しなやかさ」と「強度」と「密度」がバランスよく保たれている骨のことです。バランスのよい骨を作るのに必要なのは、コラーゲンとカルシウムです。また体に吸収されにくいカルシウムは、ビタミンDとビタミンK2を含む食品を一緒に摂るのがお勧めです。日頃からヨーグルト、手羽元、牛すじ、皮付きの魚、チーズ類、納豆などを意識して食べましょう。運動や食べ物の力を上手に借りてしっかりとした骨をつくり、良好な状態をしっかりキープしておくことが大切です。


日頃の行動や姿勢を意識するだけで、骨は鍛えられる

 骨は、重力に逆らう"タテ方向の刺激(負荷)"を与えることで、骨密度が高まります。宇宙飛行士やシンクロナイズドスイミングの選手に、骨密度が低くなる傾向がみられるのには、こうした負荷が大きく関係していると言われています。

 骨を強くするためにできることは、普段の生活の中にもたくさんあります。例えば、積極的に階段を使うこともそのひとつ。ベタ足を意識して上り下りをすると、足裏全体で自分の体重を支える動きになり、負荷がかかって骨によい刺激を与えることができます。

 また、電車の中でも座るより立って乗る方が骨に負荷がかかります。背筋を伸ばして姿勢良く立って乗りましょう。椅子に座る時は"骨盤が立つように"浅く腰掛け、おへそから下に少し力を入れ、足裏をしっかりと床につけます。正しい位置に骨があるだけで、骨の質も変えていくことが可能です。

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 古来より「関節を利す」「筋骨を堅くする」などの効能が伝えられる霊芝ですが、近年、「HM-3000(特系霊芝)」が豊富に含むエルゴステロールやビタミンD等の成分によって、骨粗しょう症予防・改善の効果についても認められてきています。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン