コロナ死より過剰な“行動規制・自粛”
治療薬やワクチンにより、各国でエンデミックが宣言され、コロナパンデミックが終盤に入りました。世界各国は、これまでの対応を反省し、次に活かそうとしています。
昨年12月14日、英『ネイチャー』誌は、世界保健機関(WHO)の研究者たちが発表したコロナパンデミック期間の超過死亡に関する論文を掲載し、社説で解説を加えました。この中で、「2020~2021年の超過死亡数は公式発表の約2.74倍、1483万人だった」「2021年にはCOVID-19が冠動脈性心疾患を抜き世界一の死因となることが予想される」と論じています。世界中で多くの人がコロナで命を落としましたが、その総数は把握できていません。同誌の社説では、この研究について「表面上は死者がほとんど出ていない多くの低・中所得国が、おそらく富裕国と同じように、いやそれ以上に大きな打撃を受けたことを浮き彫りにしている」として、「死亡を記録するシステムを改善する」ことが必要と主張しています。
では、日本はというと、12月20日、厚生労働省は「人口動態統計速報(令和4年10月分)」を公表しました。2020年と2021年の死亡数は右図のとおり。2020年と比べて、2021年は死者数が増加しています。2015~19年の死亡者数の平均と、コロナ流行後の死者数の差の比較を見るとコロナ流行以降、ほぼ右肩上がりで増加しています(医療ガバナンス研究所)。
なぜ、死亡者が増えているのでしょう。マスコミは「コロナによる医療逼迫が深刻化したこともあって死者数が押し上げられた可能性があると専門家はみている(2022.05.22朝日新聞)」「新型コロナによる直接死のほか、医療逼迫の影響で医療機関にアクセスできず新型コロナ以外の疾患で亡くなった(2022.10.12毎日新聞)」など、自粛などで生活習慣病が悪化したとする論調が目立ちます。
しかし、医療逼迫が超過死亡に与える影響は小さいと考えます。それは、韓国ではそのような現象が起こっていないからです。日本と韓国の感染者数の推移はほぼ同じです。オミクロン株流行以降、世界で特に感染者数が多い二国であり、医療提供体制も似ています。
ところが、両国の超過死亡は全く違います。2022年3月10日に、米ワシントン大学の研究チームが、英『ランセット』誌に発表した論文(74の国と地域を対象、2020.1~2021.12の超過死亡の推定)をみると、日本の超過死亡数は11万1000人と推定され、確認されたコロナによる死者1万8400人の6.0倍で、この数字は、経済協力開発機構(OECD)加盟38カ国中で最大でした。一方、韓国の超過死亡数は4630人で、確認されたコロナ死亡数5620人の82%でした。コロナ流行期間に、コロナ以外の死亡者数が減少していたのです。韓国の超過死亡数は、OECD加盟38カ国中6番目に少なくなっています。
(出典:新潮社 Foresight)
■健康は二の次だった日本の対策
コロナ対策の日韓両国の差は何でしょうか。緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置の期間が長かったことが大きいと考えられます。例えば東京都は、2020年は30日、21年は245日、22年は60日で、合計335日間、国民生活は何らかの規制の下にありました。その間、多くの人々が自宅に閉じこもり、体調を崩しています。こんなに長期間、規制を強いている国は世界でも少数派です。
自粛は高齢者の健康を損ねます。コロナ自粛で体重が増加し、高血圧、糖尿病、高脂血症を悪化させた患者が大勢おり、その中には、脳卒中で亡くなった人もいます。
厚労省の「人口動態統計」を用いてコロナ流行期間の死因を分析すると、興味深い事実がわかります。人口10万人あたりの死亡数は、2019年の1125.8人から21年には1173.7人へと47.9人(4.3%)増加。最も増加したのは、老衰24.6人(24.8%増)、誤嚥性肺炎7.4人(22.5%増)、心疾患5.7人(3.4%増)、悪性新生物4.1人(1.3%増)と続きます。コロナ感染の主な死因である肺炎は、この間、77.9人から59.3人へと18.2%減少しています。日本の死亡者の増加理由の47.3%は、老衰と誤嚥性肺炎によるもので、いずれも長期にわたる自粛が悪影響を及ぼしたと言っていいでしょう。
これが、日本のコロナ禍の超過死亡の実態です。高齢化した日本では、長期間にわたる自粛が高齢者の健康を蝕みます。厚労省や専門家は、コロナ対策には関心がありましたが、国民の健康は二の次でした。専門家の暴走とも言えます。次のパンデミックでは、感染症や公衆衛生の専門家任せにするのでなく、国民が主体となって、国民本位で議論すべきでしょう。
そして、本来想定されている死亡者数より増えた「超過死亡」について、世界中で日本だけが増えています。それをメディアが報じていないのも問題です。(コロナ対策のため)外に出ないのは大切ですが、もろ刃の剣になっています。アメリカでは自粛は勧めていません。
日本人の性格も裏目に出ています。感染症に対しては真面目なのはいいのですが、“健康対策”になっていないのです。現在、感染が広がっているオミクロン株の流行はこの冬にピークアウトすると思われますが、「XBB」「XBB.1.5」のような変異株が増えてきており、次の夏にかけてまた流行するでしょう。
そもそも日本人は、ベースとなる体力が落ちている上に複数回のワクチン接種によって免疫機能も低下傾向です。コロナだけでなく老衰、誤嚥性肺炎、アルツハイマーで亡くなる人が増えています。普段から体力を守る、認知症にならないように注意することが大切です。
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予防策としては、特に高齢者に関しては体力をつけること。もちろんワクチンも必要ですが、大切なのは体力を維持することです。基本のうがい、手洗いも大切ですが、コロナウイルス対策で一番大切なのは「換気」だと言われています。
適切な食事・運動に加え、質の良い睡眠も心がけましょう。「HM-3000(特系霊芝)」や「コエンザイムQ10」、「ラフマ葉エキス」などもお役立てください。
いつもありがとうございます。
愛・感謝 村雨カレン