とれない“酒疲れ”はビタミンB1不足?
お酒を飲んだ後は、十分な睡眠をとっても抜けづらいことが多く、その背景にはビタミンB1不足が深く関わっています。「酒疲れ」とは、お酒を飲んだ翌日やしばらく飲酒が続いた後に感じる、だるさや倦怠感、集中力の低下などの状態を指します。特に睡眠をとってもこの疲労感が解消されない場合、単にアルコールの毒性や睡眠不足だけでなく、体内の栄養素バランスの乱れが関与していることが多いと言われています。
ビタミンB1(チアミン)は、糖質をエネルギーに変換するのに不可欠なビタミンです。脳や神経、筋肉などが正常に機能するためには、十分なエネルギー供給が必要であり、その過程を担うのがビタミンB1です。また、乳酸などの疲労物質の蓄積を抑える働きもあり、不足するとだるさやイライラ、記憶力低下といった症状が現れます。
【飲酒とビタミンB1の消費メカニズム】
アルコールを体内で分解する過程で、ビタミンB1は大量に消費されます。特にアルコールを多量に摂取した場合、まず肝臓でアセトアルデヒドという有害物質に分解され、それをさらに無害な酢酸へ分解する過程にもビタミンB1が使われます。お酒を頻繁に飲む人は、この代謝サイクルが繰り返されることで、ビタミンB1の消耗が著しくなります。
さらに、アルコールは小腸でのビタミンB1吸収を阻害する作用もあり、摂取量そのものが不足しがちな人は、より欠乏に陥りやすくなります。飲酒時に食事をあまりとらず、おつまみや偏食に走ることで、栄養バランスがより崩れやすくなるのもリスクです。
【ビタミンB1不足の具体的症状と酒疲れ】
ビタミンB1が不足すると、●倦怠感・だるさ ●集中力低下・イライラ ●食欲不振 ●むくみ・動悸 ●睡眠障害や記憶力低下 ●乳酸の蓄積による筋肉痛やコリ‥‥といった症状が表れます。これらが「酒疲れ」の正体であり、たとえ十分な睡眠をとっても、体内のエネルギー代謝が滞っているために抜けにくいのです。
ビタミンB1不足が重症化すると、脚気やウェルニッケ脳症、コルサコフ症候群など非常に重篤な神経障害につながることもあります。また高齢者やもともと食事量が少ない人ほど、欠乏の影響を受けやすい点にも留意が必要です。
【酒疲れを防ぐための実践的対策】
長期間続く酒疲れを感じた場合、単なる「飲みすぎ」や「加齢」と捉えず、ビタミンB1などの栄養素補給を意識することが大切です。飲酒時は、枝豆や豚肉、うなぎなどビタミンB1を多く含む食材をとりいれ、過度の空腹飲酒や偏った食事を避ける習慣が重要です。
睡眠や休養だけでは回復しない「酒疲れ」は、背景にあるビタミンB1不足を補うことで根本的な解消に近づきます。
■ビタミンB1不足を解消する
ビタミンB1不足を解消するには、豚肉や大豆、玄米、うなぎ、枝豆、ナッツ類など、ビタミンB1を多く含む伝統的な日本の食材を積極的に取り入れることが大切です。
ビタミンB1不足解消のための行動
ビタミンB1は、体内で糖質をエネルギーに変換する重要なビタミンで、疲労回復にも役立ちます。不足すると脚気(かっけ)や倦怠感、食欲不振などの原因になります。まず重要なのは、日々の食事に意識してビタミンB1が豊富な食品を加えることです。特に白米中心の食生活は欠乏を招きやすいため、玄米や麦飯、雑穀ご飯など、精製度の低い主食を混ぜて食べると効率的です。
また、ビタミンB1は熱や水に弱いため、調理中の損失が多くなりがちです。煮汁や茹で汁もスープなどに活用し、できるだけビタミンB1の流出を防ぐ工夫が必要です。
さらに、アリシンという成分と一緒に摂取すると吸収率が高まります。アリシンはにんにく、ねぎ、玉ねぎ、ニラなどに多く含まれるため、これらの食材を豚肉や豆類と組み合わせた料理もおすすめで、疲労回復効果が期待できます。
日本に昔からある効果的な食べ物と飲料
歴史的には、江戸や大阪では白米食が普及して「脚気」が多発し、「江戸患い」「大阪腫れ」とも呼ばれていましたが、玄米や麦飯の摂取で回復したという記録があります。現代でも、玄米や麦飯、そばなどの伝統食がB1供給源として有効です。
また、伝統的和食の「納豆」や「豆腐」「枝豆」といった大豆製品もおすすめです。
そして、日本には昔から体力回復に即効性のある飲料もあります。「甘酒」です。庶民は質素な食生活の中で夏を越すのは楽ではなかった江戸時代、甘酒を飲んで夏を乗り切っていました(甘酒は俳句の"夏"の季語です)。ご飯に米麹と湯を加えて温めておくと甘酒ができますが、分析してみるとブドウ糖がきわめて多く、20%以上にもなります。また、米のたんぱく質も麹菌の酵素によって必須アミノ酸群に変えられて豊富に含まれています。そして、特筆すべきは、麹菌が繁殖するとき、ビタミンB1、B2、B6、パントテン酸、ビオチンなど、生理作用に不可欠な重要なビタミン群を作り、これを米麹にきわめて多量に蓄積させているということです。甘酒は米麹とお湯だけでも簡単に作れます。甘酒の一杯が豚肉に変わるほど、疲労回復に効果的なのです。また、ぬか漬けの“ぬか”もビタミンB群の宝庫です。いつもありがとうございます。
愛・感謝 村雨カレン






















