2012年11月30日金曜日

ミトコンドリア・対策編②


抗酸化酵素とエネルギーの関係

「昨日の自分と今日の自分は違う」
 一日で見違えるほど容姿が変わることはありませんが、人の細胞は1日でも変化があります。
 人の体は約60兆個の細胞が定期的に入れ替わることで生命活動を保っています。年齢や個体によっても差がありますが、おおよそ1日200個に1個の割合(0.5%)で細胞は新しいものに入れ替わっています。この入れ替わりのためには、細胞は自分のコピーを作らなくてはならないのですが、この時にコピーのミスが生じ遺伝子を傷つけてしまいます。
 この遺伝子の傷を作るのは、他に放射線や紫外線、発ガン物質などもあります。しかし、一番の原因はやはり活性酸素です。活性酸素が体に有害なのは、酸化力が強く、細胞を内部から傷つけてしまうからです。この傷が病気や老化に関与しているものの人間がおよそ120年もの寿命を誇っていられるのは、この傷を修復する生体システムがあるからです。
 ひとつは「遺伝子の修復能力」です。コピーミスや外的要因によって生じる遺伝子の傷を察知して修復し、できないものは廃棄するという機能があり、この機能は他の動物より優れています。
 そして、もうひとつが活性酸素を取り除く「抗酸化酵素」を作ることができることです。体内で合成される抗酸化酵素には、グルタチオンペルオキシダーゼ(GSH-Px)、スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)、カタラーゼの3つがあります。この3種類の酵素が連係して「活性酸素」を除去してくれます。SOD酵素は、活性酸素を処理する過程で過酸化水素を作ってしまいますが、GSH-Pxは、活性酸素を除去しさらに過酸化水素を水に変える働きをします。また、過酸化脂質を含む過酸化物の処理も行うので、細胞膜や細胞小器官(ミトコンドリアなど)を構成する脂肪酸や遊離脂肪酸が酸化するのを防ぐ重要な働きもします。
 しかし、いくら修復する生体システムがあっても、加齢とともにその機能が衰えてきます。その結果、修復しきれなかった遺伝子の傷が蓄積して老化が進みます。老化には個人差がありますが、その原因はやはりエネルギー不足になります。人は遺伝子を修復したり、抗酸化酵素を作り出したりするにもエネルギーを必要とするのです。 


細胞内器官ミトコンドリア・対策編②

活性酸素と抗酸化酵素

体内には、活性酸素に対処するグルタチオンペルオキシダーゼ(GSH-Px)やSOD、カタラーゼなどの抗酸化酵素があります。中でもGSHーPxは、体内で作られる非常に強い抗酸化作用を持つ物質で、活性酸素を除去する機能があります。

抗酸化食品と抗酸化酵素は違う!

ビタミン類やSOD様食品といわれる抗酸化食品は、細胞内酸化物質ミトコンドリア内酸化物質の除去には無力です。
 健康食品で「抗酸化」という言葉を使いますが、細胞内で働く本当の抗酸化作用があるのは抗酸化酵素であり、食品の抗酸化とは違うものなので注意が必要です。

霊芝と抗酸化酵素

通常の抗酸化物質と比べるとGSHーPxは、ただ活性酸素を分解するだけでなく、ここでできた不安定な酸素を水に還元する効能があります。また、不安定な酸素をも還元する効能があります。また、不安定なし、更に活性酸素が作られることを予防することができます。そのためGSH-Pxは、抗酸化作用を持つ物質の中でも非常に強力なものと言われています。

GSH-Pxの活性が顕著な霊芝

※参考資料「HM真菌 エビデンス」(微小循環研究所刊)

 上記のデータのように、霊芝は抗酸化作用に期待が持てる抗酸化酵素のGSH-Pxの産生と活性に影響します。
 さらに康復医学学会が開発した「テラフォトン調整法」によって、生命波といわれる「テラヘルツ波」を有効的に体内に取り入れることで、ミトコンドリアの活性化に影響を与え、活性酸素対策に期待ができます。
 このように特定生薬類似食品「霊芝」+最先端医学「テラフォトン療法」の組み合わせは、康復医学学会が提唱する基本的な康復療法です。

※「テラフォトン調整法」については、『康復医学大綱』(微小循環研究所出版局刊)の63ページ参照



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光・愛・感謝 五月雨ジョージ

2012年11月28日水曜日

ミトコンドリア・対策編①


メタボの秋~冬、その対策!

味覚満載の食欲の秋も終わり、冬本番をむかえています。この時期心配なのは“メタボ”です。

メタボという言葉を聞くと「肥満」を連想する方が多いと思いますが、“メタボリック”という言葉は、本来“代謝”という意味です。そして、メタボリクックシンドロームとは「代謝症候群」という、代謝の異常によって起こるさまざまな病的変化のことです。
 糖尿病、高脂血症、高コレステロール、高血圧、動脈硬化といった病気は、代謝が原因で起こる場合も多々あります。これらがさまざまな形で組み合わさったメタボは、心筋梗塞、脳梗塞などの心臓や血管の循環器系統に異常を引き起こすので、その対策はとても重大です。

 正に「肥満は万病のもと」といえますが、体に悪いのは皮下脂肪ではありません。むしろ“内臓脂肪”のほうが危険です。メタボの日本の解釈は「内臓脂肪症候群」です。しかし、メタボを心筋梗塞や脳梗塞ほど重大な病気と考えている人はほとんどいません。その原因は、内臓脂肪が増えただけではすぐに目に見える症状が出ないところにあります。
 どこか体調が悪ければ病院に行く人は多いと思いますが、本質は代謝のバランスが崩れているところにあるため、個別に治療を試みてもうまくいきません。内臓の脂肪代謝に関係してくるのはエネルギー代謝であり、細胞内小器官・ミトコンドリアでエネルギーを充分に産生できないことが問題なのです。メタボリックシンドロームは、ミトコンドリアの機能低下が原因で起こるもっとも重大な病気のもとなのです。

 メタボの解消・予防には、ミトコンドリアを活性させてエネルギー代謝率を上げ、内臓脂肪を減らすことのが唯一の方法であるといっても過言ではありません。

 今号より、基礎講座として「ミトコンドリア活性・対策編」をお送りいたします。

※ノロウィルス 大流行の兆し!

ノロウイルス患者は、過去10年で最も流行した2006年に次ぐペースで増加しており、厚労省は注意を喚起しています。
 「手洗い」「うがいの励行」が基本なのは当たり前ですが、康復医学学会が推奨するノロウイルス感染防止のポイントは、「患者の嘔吐物」や「おむつ・下痢などの排便」の始末に関しての注意です。ウイルス飛沫が大きな感染源になるからです。
 その予防には、ペーハー値の高い焼成カルシウム(原料:貝殻、pH12.4)などの使用を呼びかけています。水に溶かした焼成カルシウムを撒いて嘔吐物や排便を取り除いた後、その場所に再度噴霧することを進めています。他の薬品などに比べ安全性が高く、持続性があることが、焼成カルシウムを推奨する理由です。


細胞内器官ミトコンドリア・対策編①

■微小循環とミトコンドリア活性

前回までのシリーズ「細胞内器官ミトコンドリア」で、ミトコンドリア内でのエネルギー代謝の低下が、老化や健康寿命だけではなく慢性的な疲労やメタボ・美容など多岐にわたって関係している、とお伝えしてきました。
 そして、これらの対策として有効なのが、微小循環対策ミトコンドリア活性にあることを訴えて来ました。

ミトコンドリア活性に必須な栄養素!

エネルギーは貯めておくことはできないので、常に効率よく産生できる状態にしておくことが元気に活動するポイントです。そのためには、微小循環の環境を良好に保つことが条件となります。
 その基本は、酸素の供給量UPに影響する生薬「霊芝」の摂取です。さらに、必要な栄養素として必須なのが、ブドウ糖を効率よくミトコンドリアへ送る「α-リポ酸」、脂肪酸を送り込む「L-カルニチン」、そしてエネルギー産生の着火剤であり電子伝達系の要でもある必須栄養素「コエンザイムQ10」です。

 霊芝を除く上記栄養素は、体内で合成されるものですが、加齢や疾患、生活習慣、ストレスなどによって、それの産生量は減少してしまいします。食事だけでは必要量を充分満たすことは難しいので、日常的にサプリメントで補給するのが良いでしょう。
 これらの栄養素は、炭水化物や脂肪などの栄養素をミトコンドリア内でエネルギーに変えるために働いています。また、生薬「霊芝」は、微小循環の末梢血管血流を改善して、全身組織への酸素の供給量を上げる働きが認められています。だから、霊芝はミトコンドリア活性に影響を与えるのです。


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光・愛・感謝 五月雨ジョージ



2012年11月23日金曜日

ミトコンドリア④


ミトコンドリアとがん細胞

ミトコンドリアはひとつの細胞に数百~数千個もある細胞内小器官です。そして、身体の臓器の細胞でミトコンドリアが一番多く存在するのが心臓です。

 さまざまな体の組織になりうるヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)などから心筋細胞を、従来より効率良く低コストで大量に作製する方法を、慶応大と医薬品開発会社アスビオファーマ(神戸市)のグループが見つけたと、11月16日付の米科学誌「セルステムセル」(電子版)に発表しました。
 福田恵一慶大教授(循環器内科)と同社の服部文幸主任研究員らは以前、心筋細胞に多い細胞内小器官「ミトコンドリア」を目印に、他の細胞の中から心筋細胞をふるい分ける方法を発見。その後の研究の過程で、他の細胞がブドウ糖(グルコース)も栄養としエネルギーを産生する機能(解糖系)に使うのに対し、心筋細胞はミトコンドリア内の化学反応(TCA+電子伝達系)が主なエネルギー源で、ブドウ糖が不要ということがわかったのです。
 休みなく働く心臓が必要とするエネルギー量は解糖系だけでは間に合いません。そこで、ミトコンドリアで大量にエネルギーを産生しているということです。

 そして、ミトコンドリアの機能が低下すると、心臓機能だけではなく“肥満”や特に“良性腫瘍”にも影響することがわかりました。
 良性腫瘍は、複数の遺伝子が変異して生じた前癌細胞が過剰に増殖して作られます。発生した場所から移動することはなく、この良性腫瘍が悪性化し、周囲の組織への浸潤や転移が起きるようになって“癌(悪性腫瘍)”になります。癌化のメカニズム研究では、主に癌細胞での遺伝子変異が注目されてきましたが、近年は、周辺細胞との相互作用による影響も考えられるようになっています。その仕組みの解明までは至っていませんでしたが、9月30日、神戸大学大学院医学研究科・井垣達吏准教授らは、英国の科学誌「Nature」オンライン版に新たな論文を記載しました。それは、がん組織で高頻度に認められるミトコンドリアの機能低下が周辺組織の悪性化 (がん化) を促進することを発見し、その仕組みを解明したということ。ショウジョウバエを使った実験で、ミトコンドリアに機能障害を起こす遺伝子変異が導入されると、良性腫瘍自身ではなく、近隣にある細胞の増殖能が高まり、近隣細胞は悪性化して、神経組織への浸潤・転移もみられたのです。ヒトの癌組織でミトコンドリアの機能が低下していることは、10年以上前から知られていたが、その意味はほとんど不明でした。特に悪性度が高い膵臓癌では、ミトコンドリアの遺伝子変異が高頻度で起きていました。
 ミトコンドリアではエネルギー産生時に活性酸素を作り出すことは知られていますが、ミトコンドリアの機能が低下している状態のほうが、より多くの活性酸素が産生されてしまい、遺伝子に影響を与えることがわかっています。

※2月12日号「がんと酵素②)も参考にしてください。


康復医学の基本 細胞内器官ミトコンドリア④

■ミトコンドリアと活性酸素の関係

ミトコンドリアで酸素を使いエネルギーを産生する過程で、身体にとって有害な「活性酸素」が必要以上にできてしまいます(もちろん適度の活性酸素には、体内のウイルスや菌を不活化・殺菌する役割もあります)。
 ミトコンドリアの状態によっては、たくさんの活性酸素がミトコンドリアの外に漏れ出します。

活性酸素がタンパク質やDNAを標的に!

ミトコンドリアから漏れ出た活性酸素は、遺伝情報を担うDNAやタンパク質を攻撃し傷つけます。傷が蓄積すると、細胞の機能は低下し、老化の原因にもなります。
 また、過剰に出た活性酸素により、核にあるDNAが傷つけられ遺伝情報が改変されてしまうと、細胞の機能が失われて細胞が老化したり、適切に増殖できなくなり、がん細胞になったりします。

 活性酸素が過剰に発生する原因には、心身的ストレス、過剰な運動、過度のアルコール摂取、喫煙、医療被曝などがあります。


細胞が活性酸素から身を守る!

細胞は活性酸素から身を守るためのしくみを持っています。活性酸素除去物質、酸化還元酵素(GSH-px、SOD、カタラーゼ)の働きで、活性酸素を毒性のない水分子へと変えています。
 酸化還元酵素は、人間の体内で作られる酵素ですが、加齢と共に体内での産生能力が衰えたり、生活環境・習慣などで過剰な活性酸素を除去しきれなくなってしまい老化の進行生活習慣病などの原因となるのです。
 活性酸素除去物質の中で最も強力なのがGSH-pxです。康復医学学会が推奨している「霊芝」には、GSH-pxの産生と活性化に関する豊富なデータがあります。


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光・愛・感謝 五月雨ジョージ



2012年11月21日水曜日

ミトコンドリア③


見かけだけの低体温?

体温測定というと、わきの下での測定をイメージする人が多いと思います。
 しかし、正確な意味での体温は、「深部体温」によって表されます。深部体温とは、体の表面の温度が外気温によって若干変動するのに対して、脳や内臓などの温度は一定に保たれており、このような体の深部の温度を指します。

人の一般的な深部体温は37℃を基準としています。体温に関わらず、手足などが部分的に冷たくなることを不快に感じるのが冷え性ですが、これは低体温とは違います。低体温(症)とは“体全体の体温が低下すること”を指す医学用語です。摂氏に換算して約35℃未満と捉えられていることもありますが、深部体温で測定した場合の低体温とは約36℃未満を指します。一般的な体温計で測定したとき、35.4℃未満であれば低体温の可能性があります。健康な人は、起床したときの体温が最も低く、活動するにつれて少しずつ上昇し、正午から夕方にかけてピークを迎えます。その後は睡眠時まで次第に低くなります。

 日頃から様々な不調に悩む人が多い低体温ですが、低体温は体質だけが原因ではありません。体温が低いうえに薄着などで熱が奪われたり、偏食やダイエット等などによる栄養不足、不規則な生活習慣・運動不足、などが原因と考えられています。また、ストレスなどによる交感神経・副交感神経のバランスが崩れると、36℃を下回り、低体温特有の疾患免疫力の低下などが表れることがわかっています。

 ところが、最近はこうした原因がないにも関わらず、“平熱が低い”人がいます。中で最も注意が必要なのは、肥満(皮下脂肪の増大)によって深部体温は正常なのに皮膚表面には温度が伝わらず、見かけ上の低体温となっている人たちです。彼らの低体温は、それによって健康に害が生じるというよりも、何らかの前兆として低体温が生じているとが考えられます。原因として考えられる身体の機能としては「エネルギー産生の低下」です。そのため、基礎代謝が下がり、脂肪が燃焼されず皮下脂肪が増えていきます。 それが「見かけだけの低体温」になっていきます。
 エネルギー産生の向上が、基礎代謝を上げることにつながり、皮下脂肪対策にもなるのです。


康復医学の基本 細胞内器官ミトコンドリア③

■3大消費エネルギー代謝

意外と少ない「生活活動代謝」

日々のスポーツやエクササイズ、家事、仕事など運動による代謝をすべてひっくるめたのが生活活動代謝ですが、通常、1日に消費されるエネルギーの2~3割と意外に少ないのです。

食べても消費するけど…「食事誘導性熱代謝」

 食事をするとポカポカと温かくなりますが、そのエネルギー代謝の事で自律神経の興奮によって引き起こされますが、1日の消費エネルギーは1割程度です。

消費エネルギーの横綱「基礎代謝」

体温を一定に保ったり、各臓器の働きや血液を循環させたり、生命の維持に不可欠なエネルギーのすべてが基礎代謝エネルギーです。そのため、運動しているときだけではなく寝ている時でも消費されます。しかし、基礎代謝エネルギーは加齢と供に減少してゆくので、若いときと同じ量の食事をしていても脂肪が溜まってしまうのです。

リバウンドはエネルギー節約が原因!

人の身体は生命を維持するため、環境に適応する能力を持っています。ダイエットなどで食べる量が減った場合、身体は「このまま、カロリー(エネルギーの素)を摂取できない状態が続くと危険!」と判断します。すると、生命を維持するためにエネルギーを蓄えたり、エネルギーをなるべく使わない身体になろうとするのです。これが肥満の正体です。つまり、脂肪を蓄えて、エネルギーを使う筋肉を減らそうとするのです。
 また、エネルギーの産生機能の低下は慢性的なエネルギー不足になり基礎代謝の低下を招き、太りやすく痩せにくい体質になってしまいます。これがリバウンドの正体です。

このように肥満や病気などには、ミトコンドリアが関与しています。食事制限と運動だけでは肥満や疾病予防には期待ができないのです。これらの対策にはミトコンドリア活性が有効なのです。


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光・愛・感謝 五月雨ジョージ

2012年11月16日金曜日

ミトコンドリア②


寿命や疾患に関わるミトコンドリア

ミトコンドリアの変異によって十分なエネルギー産生が行えなくなることが原因のひとつになり起る病気に、ミトコンドリア病があります。ミトコンドリア病は、エネルギー需要の多い、脳、骨格筋、心筋が異常を起こすことが多く、体内全てのミトコンドリアが一様に異常をきたすわけではないため、多彩な病態を示すのが特徴です。
 ミトコンドリアDNAの異常が原因でインスリン分泌に障害が生じ糖尿病になる、「ミトコンドリア糖尿病」という疾病もあります。糖尿病患者の1%はミトコンドリア病であると考えられています。そして、生物の寿命について、過去には、老化が代謝エネルギーと密接に関係しているからだという「生命活動代謝速度理論」という説も生まれました。動物は一般的に、体が小さいほど皮膚から熱が逃げやすくなります。体重に比例して体表面積が大きくなるためです。そこで、小さい動物は体温を保つために多量のエネルギーを必要としますから、さかんにエネルギーを代謝します。短時間にエネルギーを消費するので短命になるといわれ、逆に象のような大きい動物は体重あたりの表面積が小さく熱が失われにくいので、エネルギー消費がゆっくり進むので寿命も長くなるというのです。
 しかし現在、平均寿命が延びているのは、食糧事情や医療(感染症対策)などが向上しているだけで、人の生物学的な最長寿命(ある集団の中で一番長く生きたものが何歳で死んだかという値)は今も昔も変わってはいないと言われています。昔の人は身体が衰えるまで生をまっとうできなかっただけのことだといわれています。しかし、今の時代は、平均寿命はまっとうできても「健康寿命」となるとどうでしょうか? 
 傷病後の健康を回復する「康復医学」などもそうです。健康寿命」や「康復医学」にも大きくかかわってくる微小循環とエネルギー代謝。実はその要となるのがミトコンドリアなのです。


康復医学の基本 

■細胞内器官ミトコンドリア②

通常の細胞は微小循環を経由して酸素・栄養素を取込み、ミトコンドリアで身体が機能するために必要なエネルギーを産生しています。この産生方法は2通りあります。そして、エネルギー産生後の二酸化炭素などの不要物を微小循環経由で排出し処理します。酸素・養分を細胞に運び、不要物を回収するのが微小循環の役目なのです。

2系統の産生システム

ミトコンドリアで産生されるエネルギー(ATP)は、2段階のしくみで作られます。
 ひとつは、炭水化物(糖質)を利用してエネルギーを産生するしくみの嫌気性システム「解糖系」です。酸素がなくてもエネルギーを産生できるのですが、量が少ない反面、素早くエネルギーを産生し瞬発力に有効です。ガン細胞はこの解糖系エネルギーを利用しています。解糖系は、エネルギー産生時にピルビン酸を作ります。
 ピルビン酸からいくつかの物質に変化しクエン酸がつくられます。このクエン酸が代謝されて、クエン酸回路・電子伝達系を回し続けます。これが運動のためのエネルギーを生み出す好気性システム「ミトコンドリア系」です。この時には、酸素が必要になります。ミトコンドリア系は解糖系に比べ18倍ものエネルギーを産生します。ミトコンドリア系は、エネルギー産生のスピードは遅いですが、エネルギー産生量が多いのが解糖系との違いです。

エネルギー産生の低下で乳酸が蓄積する!

上記の2つのシステムは、エネルギー産生の時間差が生じ、余った物が「乳酸」という形で残ります。乳酸は一時的に作られる物で、燃えカスや老廃物ではありません。もちろん疲労物質でもありません。必要に応じてミトコンドリアで再利用されエネルギーになりますので、ミトコンドリアの多い筋肉繊維や心筋などで、乳酸は多く使われます。このシステムが低下していると、エネルギー不足を起こし疲労の原因にもなります。そして、乳酸も消費できず蓄積することになります。
 また、乳酸そのものは疲労物質ではなく、セロトニンに影響(後号で詳しく)を与え、疲労を発生させることがわかっています。


いつもありがとうございます。
光・愛。感謝 五月雨ジョージ

2012年11月14日水曜日

ミトコンドリア①


iPS細胞とミトコンドリア

ひとの体は修復する能力がありますが、限界もあります。
 疾病やケガなどで身体の組織や臓器が激しく痛んでしまった場合、修復できずに機能が失われてしまうことがあります。そして、一度失われた組織や臓器の機能を取り戻すことは簡単なことではありません。臓器移植は、移植可能な臓器の数が圧倒的に不足しており、拒絶反応の問題もあります。また、人工臓器は、性能や大きさ、費用の面で、患者の要求に追いついていません。

そんな患者さんへ一筋の光ともいえる研究が、ノーベル賞を受賞しました。ご存知、京都大学教授の山中伸弥博士です。
「私の人生のすべての目標は、iPS細胞を患者さんのもとに届けること」。ノーベル賞受賞が発表された直後にインタビューに答えた山中博士の言葉です。iPS細胞は、大人の体から取り出した細胞(たとえば皮膚の細胞)にいくつかの遺伝子を与えるなどして作られます。体中のほぼすべての種類の細胞になれる能力(多能性)を持ち、無限に増殖できます。つまり、病気の治療に必要な種類の細胞を、iPS細胞から必要な数だけ作ることができるのです。しかも、患者本人の体からとりだした細胞を使ってiPS細胞を製作し、そのiPS細胞から作った細胞を同じ患者に移植すれば、通常の移植で問題となる拒絶反応の心配もないのです。
 自然には治らない組織や臓器を再生させて、機能を回復させることをめざす医療を「再生医療」といいます。山中博士のiPS細胞は、再生医療の切り札になると考えられています。iPS細胞は、「人工的に誘導された(induced)、多能性をもつ(Pluripotent)、幹細胞(Stem cell)」という意味です。幹細胞とは、分裂して自分と同じ幹細胞を作ることができ、また他の細胞にも変化できる未成熟な細胞のことです。

 iPS細胞で作られた組織も、実は「微小循環」が必要です。そしてさらにもう一つ大切なのは、細胞の機能や人が活動するのに必要なエネルギーを産生するミトコンドリアという器官です。ミトコンドリアは体のほぼすべての細胞にあります。この「微小循環」と「ミトコンドリア」は必須条件です。しかも、このミトコンドリアが正常に機能しないと、細胞の機能低下や老化、ガン、生活習慣病、アルツハイマー病といったさまざまな病気の原因になってしまいます。


康復医学の基本

■細胞内器官ミトコンドリア①

近年の研究手法の発達によって、ミトコンドリアの新たな一面が明らかになってきました。今号より康復医学基礎講座では、細胞内最重要の器官「ミトコンドリア」を特集でお送りいたします。

エネルギー産生工場

体が動く時や考える時、そして心臓が動く時に、体の細胞はエネルギーを消費します。その大部分のエネルギーを作り出す“産生工場”が「ミトコンドリア」です。ミトコンドリアは、細胞の中にある遺伝情報を持つ「核」や、特定の機能を持つ構造「細胞内器官」の中で、健康を支配する最も重要な器官です。

1細胞あたり数百から数千個も存在する

人のミトコンドリアの数は、1細胞あたり100個から3000個ほどとされています。エネルギーを必要とする細胞ほどミトコンドリアの数が多く、心臓の心筋細胞や脚などの骨格筋細胞、神経細胞などでその数は多くみられます。

エネルギー産生システム

ミトコンドリアに運ばれた脂肪酸は、b-酸化によって代謝され、電子伝達系による酸化的リン酸化によってエネルギーの産生が行われます。これが、ミトコンドリアの主なシステムです。
 酸素は本来、原生生物にとって毒となるものでしたが、ミトコンドリアの機能により、酸素から運動エネルギーを獲得できるようになりました。 細胞のさまざまな活動に必要なエネルギーのほとんどは、直接あるいは間接的に、ミトコンドリアから「ATP」というエネルギー源の形で供給されます。
 従来、老化などは生理的な自然現象であり、生物である人間には避けられないものと考えられてきました。しかし、今回のiPS細胞のように、医学や科学技術が進歩したおかげで、身体の働きや細胞のメカニズムが科学的に分析されるようになりました。そして、病気や疲労、美容に至るまで、様々な所でミトコンドリアとの関係が解明される一方、ミトコンドリアの機能の低下が問題にされるようになってきているのです。


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光・愛・感謝 五月雨ジョージ

2012年11月9日金曜日

微小循環基礎講座 対策編④【血栓形成の原因】


高血圧型からメタボ型へ

若年層の脳卒中が増えている

日本人の死亡原因のベスト3に入る脳卒中(①ガン、②心臓病、③脳卒中の順)ですが、脳卒中のうちでも高血圧が主な危険因子となる脳出血は減少しています。そして、動脈が詰まって血液が流れなくなり、そこから先が酸欠状態で壊死してしまうのが脳梗塞。脳の血管に直接、血栓ができて詰まることもあれば、心臓付近ではがれた血栓が血流に乗って脳までたどり着き、そこで血管を詰まらせることもあります。障害が起こった場所によって、意識がなくなったり、ろれつが回らなくなったり、手足がまひしたりといった発作が起こり、後遺症として運動障害や言語障害があり、QOL(生活の質)を低下させてしまいます。

脳卒中に関してはどこかに「お年寄りの病気」という気持ちがあるようですが、米国神経学会誌「Neurology」に報告された調査研究によると、近年、脳卒中の発症が若年齢化しているとのことです。
 調査研究では米国中西部の中規模都市圏(人口130万人前後)の住民を対象に、93年7月から94年6月までと、99年、05年のそれぞれ1年間ずつのデータを比較しました。93~94年当時の脳卒中の平均発症年齢が71.2歳だった一方、05年は69.2歳へ低下していましたが、55歳未満(20~54歳)の発症を見ると、93~94年の12.9%に対し、05年は18.6%に上昇していたのです。
 国内の状況はというと高齢患者の増加に隠されがちですが、この数年、70年前後に生まれた世代の脳卒中患者が増加傾向にあることが明らかになっています。この世代は高度経済成長期真っただ中に生まれました。この時期を境に日本人は小児期から欧米型の食生活にどっぷりつかり、社会や生活文化もガラリと変化しました。70年代までの日本人の脳卒中といえば、しょっぱいもの好きが生み出した高血圧が主要因と考えられていました。しかし、それ以降は塩分摂取が減る一方で、“高脂肪食”つまり欧米型の食事が増加。これを背景にした耐糖能異常*、脂質異常症、肥満の「メタボ型」脳卒中が増えてきたのです。
 現在では、脳卒中は「お年寄りの病気」ではありません。そして、つらい現実としては、脳卒中発症後の復職率は3割程度で、それもほとんどが軽症に限られた話なのです。復職もさることながら普段のQOLの確保も重要です。
 今回の微小循環基礎講座は、脳梗塞の原因“血栓”についてです。
※参考:Diamond Online「カラダご医見番」第124回(2012.11.05)より

*耐糖能異常とは:インスリンが分泌されているにも関わらず食後の血糖値が一定以上に高くなり、将来、2型糖尿病に移行する可能性が高いとされる病態をいいます。正常と糖尿病との間に位置するため、「境界型糖尿病」ともよばれています。


康復医学の基本 微小循環基礎講座 対策編④

■血栓形成の原因

血液は、身体を循環するときには凝固したり血栓を形成したりはしません。しかし、血管の障害血流の低下により、血栓が起こりやすく凝固しやすくなります。 
 血栓の形成には3つの大きな要因があります。

①血管内皮細胞の傷害 
 ストレスや喫煙、高脂血症、高血圧、肥満、糖尿病などが原因で血管内皮細胞が傷つき、そこから血栓が生じる。

②血流の緩慢
 長時間の同じ姿勢により血管が圧迫されることで、血流が緩慢または停止している場所や、動脈瘤、静脈瘤、心臓内など血流が渦巻く場所に血栓が生じやすい。

③血液の変化粘度の増加、繊維素溶解活性低下、血液凝固因子の増加など)
 高脂血症や脱水症状時、妊娠・出産時、老齢などでは血液成分が変化しているため血栓が生じやすい。

霊芝の実験的血栓形成への影響


 本実験の中で血栓の形成に対して、霊芝を投与し、ウロキナーゼ(臨床でよく使われている血栓を溶かす薬)と比較した結果、霊芝は血栓形成に対して、抑制する作用を有することが見出された。      
※資料抜粋:『HM真菌エビデンス~自然食菌の同定から臨床まで~』(微小循環研究所刊)

 形成し始めると次から次へと形成する血栓。この血栓に霊芝は影響を与えます。血栓の形成傾向にある場合は、霊芝が血栓形成抑制に期待ができます。また、霊芝は血栓を溶かすのではなく、多くできやすい血栓形成に影響するものなので、副作用などの心配はありません。
 血栓の対策は、血流対策だけでなく、脳・心臓血管障害など血管の病気の対策にも期待ができるのです。


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光・愛・感謝 五月雨ジョージ

2012年11月7日水曜日

微小循環基礎講座 対策編③【細胞への酸素供給のカギ「2,3-DPG」】


寝たきり大国ニッポン!?

「日本は長寿国ですが、寝たきりの比率が世界と比べて2~3倍高い。介護を必要としながら長生きする“寝たきり大国”なんです」。こう話すのは首都大学東京大学院・星旦二教授。同教授は全国の高齢者38,000人の追跡調査を行い、健康で長生きして「生涯現役」を実現するための研究を続けています。
 その結果、生涯現役か寝たきりになる地域があり、検証すると寝たきりにならない生き方がわかってきました。厚労省発表のデータを基にできた「寝たきりになりにくい都道府県ランキング」があります。それによると寝たきりになりにくい県のベスト3は、埼玉、千葉、茨城で、ワーストは長崎、徳島、和歌山となっています。そして、これにもっとも大きく関連しているのが、病院の病床数です。
 同教授は「全国各地の病院の病床数と要介護率を比較したところ、相関関係がありました。病床数が多い都道府県ほど、要介護率が高くなるのです。これはつまり、病院が寝たきりを作っているといっても過言ではないでしょう」。ベスト1の埼玉は、人口10万人あたりの病院の病床数は全国最下位で、千葉は45位です。「病床数が多いのだから、そこに入院する寝たきり患者が多いのはあたりまえだ」と思う人が多いと思いますが、今回用いた「要介護率」は、病院や特養ホームなどの施設だけではなく、自宅で介護を必要としている人も含まれます。
 病床数が多いと寝たきりが増える原因は「入院する期間は徐々に短縮されているとはいえ、日本の病院の入院期間欧米の4倍もあります。がんの手術をしたって、その日か翌日には退院するのが世界の常識。これは医療費を安く済ませるわけではなく、早く退院したほうが、回復が早いからです。病気になって病院にかかるのは仕方のないことですが、いつまでも病院に入院していると寝たきりに移行しやすいと考えられます」。
 どんな原因であれ、高齢になってから長期間の入院をした場合は要注意。身の回りの世話をしてくれるし、一日中ベットの上で過ごすため、生活運動の量が減少し筋肉量が減り体力が落ち寝たきりになる悪循環が生じてしまうのです。
 病院にお世話になることは誰にでもあることですが、康復医学学会では、“寝たきりにならないためには、治療後の健康を早い段階で回復すること”であると提唱しています。



康復医学の基本 微小循環基礎講座

■〔対策編〕③

酸素の供給量と2,3-DPG

赤血球のヘモグロビンは、酸素と結びついて細胞に酸素を届ける役割を持っています。しかし、せっかく吸収した酸素もすべてが細胞に供給できるわけではありません。肺でヘモグロビンと結合した酸素を各組織の細胞にまで運び、ヘモグロビンから切離し効率よく供給するのが「2,3-DPG」という物質です。アスリート達が高地トレーニングをするのは、2,3-DPGを増やすためなのです。

HbA1cと2,3-DPG

血糖コントロールの判断材料として「HbA1c」の数値は、糖尿病の治療コントロールの良否にはかかせない数値です。高血糖で糖化したヘモグロビン(糖化ヘモグロビン)は、酸素を寄せ付けなくなってしまい、細胞に酸素が行き届かない状態になってしまいます。そして、2,3-DPGには、HbA1cの数値に影響を与えるデータがあります。

2,3-DPGの非酵素的HbA1cの生成に及ぼす影響について(独協医科大ME部)

酸素の供給量が減ると以下のような症状が表れます。
○代謝の低下→体力低下、慢性的な疲労、老化の促進など
○免疫力の低下→感染症、インフルエンザ、腫瘍など

霊芝の三大産生物の一つ「2,3-DPG」


現代では、ストレスや生活習慣などの影響で体内の酸素が不足ぎみの傾向にあります。酸素の不足は代謝の低下、体力・免疫力などの低下につながって、これからのシーズン、インフルエンザや感染症にも影響します。
 エビデンスが明確で同定された「霊芝」は、酸素の供給やHbA1cに影響する2,3-DPGの増加に大きな期待できるのです。


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光・愛・感謝 五月雨ジョージ

2012年11月3日土曜日

微小循環基礎講座 対策編② 【血管内皮細胞】


がんや寿命にも関係する血管内皮細胞

微小循環基礎講座③で、血管内皮細胞は血流を正常にし、血管の健康状態を維持するのに重要と解説しました。この血管内皮細胞は、がんの転移にも関わっています。
 国立循環器病研究センターと大阪大のチームが、心臓から分泌されるホルモンにがんの転移を抑える働きがあることを突き止めました。心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)(同センター研究所松尾壽之名誉所長らが1984年に発見)というホルモンで、心不全の治療薬に使われています。がん細胞は血液を通じて移動し、血管内皮に潜り込んで転移します。がん患者は抗がん剤や放射線による治療で血管内皮が傷つき、がん細胞が潜り込みやすいのです。再発の多くは、手術時に血中にがん細胞が流れ出すことによる転移が原因です。チームはANPが血管内皮を保護してがん細胞をブロックすると見ており、「様々な種類のがんの転移を抑制できる可能性が高い。来年中に臨床研究を始めたい」としています。日本癌(がん)治療学会(横浜市)で26日に発表しました。
 そして、血管内皮細胞は寿命にも影響します。東北大学・片桐秀樹教授(代謝学)は、高血圧などで血管が傷つくと、炎症を起こし動脈硬化の要因となるため、血管の最も内側にある血管内皮細胞で炎症反応が出ないような遺伝子操作を行い平均寿命が通常より約3割長いアンチエイジングマウスを作ることに成功した、と米医学誌「サーキュレーション」に発表しています。通常は寿命が約1年9か月のマウスに対し、遺伝子操作で作ったマウス約20匹を比較したところ、平均寿命が約2年3か月と3割程度延び、最長で約2年8か月生きたものもいました。筋肉内の血流と活動量も上昇しました。また、食事制限で寿命が延びると言われていますが、食事制限はしませんでした(食べ過ぎは問題がありますが)。片桐教授は「血管内皮細胞の炎症だけを抑える新薬を作れば、直接人間の長寿につながる可能性がある」としています。
 がんの転移や人の寿命にも影響する血管内皮細胞の機能を正常に維持していくことが、健康を回復する「康復医学」の要になります。


康復医学の基本 微小循環基礎講座

■〔対策編〕②

 血管内皮細胞は、血球細胞同様、血管内で血液と直接接触しているので、血液内のいろいろな変化を鋭敏に察知して、血流の状態を調節するなど、多機能で特に重要な細胞ですものです。

一酸化窒素を産生する血管内皮細胞

血管内皮細胞から産生される一酸化窒素(NO)は、血管拡張作用(降圧作用)、血小板凝集抑制作用(抗動脈硬化作用)、単球の白血球が血管内皮細胞に接着したり内皮細胞下組織に浸潤するのを防ぐ作用、血管平滑筋細胞の増殖を抑制する作用、などがあります。血管内皮細胞の障害は、生活習慣・ストレスや肥満・タバコなどが原因で、高脂血症→動脈硬化→様々な疾患に至ります。



霊芝は、血漿一酸化窒素の産生を促進します。


 一酸化窒素の産生促進作用を有する化合物の開発は、動脈硬化の薬として非常に注目されています。上記のデータのように、霊芝には一酸化窒素の産生促進作用があります。一酸化窒素産生の低下は、血管の拡張作用低下のみならず血小板の凝集にも影響し、血流低下の原因になります。
 微小循環の血流改善のベースになるのが、生薬類似食品の「霊芝」です。康復医学学会も推奨しています。
※資料抜粋:「HM真菌エビデンス~自然食菌の同定から臨床まで~」(微小循環研究所刊)


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ

2012年11月1日木曜日

微小循環基礎講座 対策編①【高血圧と血流の低下】


高血圧は認知症にも影響する!

高血圧とは、血圧が正常範囲を超えて高く維持されている状態をいいます。高血圧自体の自覚症状は何もないことが多いのですが、様々な疾患に影響を及ぼす生活習慣病のひとつでもあります。肥満、高脂血症、糖尿病との合併は、虚血性心疾患、脳卒中、腎不全などの発症リスクとなる点で、臨床的な意義は大きいとされています。

高血圧は認知症にも関わり、高血圧を改善する降圧薬による治療が認知症の予防にもつながることが、国内外の研究で分かってきています。
 認知症は、脳卒中などを原因とする脳血管性認知症と、アルツハイマー型認知症に大別されますが、欧州での研究では、降圧薬による高血圧治療がアルツハイマー型認知症にも有効なことを確認した点で注目されたのです。
 福岡市の九州医療センターの土橋卓也内科医長(高血圧内科)は、福岡県で40年以上にわたり健診を続けた疫学調査でも、「認知症を引き起こす危険因子の一つとして高血圧が認められている」といいます。そして、「高血圧を防ぐ健康的な生活習慣の実践は、認知症の予防にもなる」と呼び掛けています。

 脳血管性認知症の原因となる高血圧の大半は微小循環の血流が低下して起こる本態性高血圧(高血圧症患者の90%以上)です。

 今号より微小循環基礎講座では、その対策編として「微小循環血流の改善」の特集をお送りします。


康復医学の基本  微小循環基礎講座 

■〔対策編〕①

微小循環の血流が低下すると、さまざまな自覚症状が表われます。しかし、初期の段階では症状自体が軽い場合が多いため見過ごされてしまいます。
 血流の低下を放置しておくと、年齢を問わず循環器系をはじめとする疾患につながります。

霊芝と赤血球の変形能

毛細血管は赤血球より細いため、赤血球は自らが変形して通っていきます。しかし、ストレスや生活習慣などの影響で、赤血球は変形しにくく(弾力性が低下)なります。
 霊芝を投与すると、赤血球膜の流動性が増加することによって赤血球の形態を保つことができ、赤血球の寿命と機能性(変形性)の向上につながります。
注:IF値は対照組に比べ小さいほど赤血球の変形性が高いことを示している。
  P値は統計学的に有意であるという意味

霊芝と赤血球の凝集

血液や赤血球の膜に粘度が生じた場合、赤血球どうしが粘着し連銭状態になります。霊芝を投与することで、赤血球の凝集性は投与前及び対照組より明らかに低下していることが見出されました。
注:低ずり応力は赤血球の凝集性、高ずり応力は赤血球の変形性を表す。


 微小循環の血流低下は、疾患だけではなく傷病後の健康回復にも影響を与えます。健康回復を医学する康復医学学会では、健康のポイントに「血流」「睡眠」「体力」を提唱しています。そして、微小循環の血流改善のベースになり、推奨するのが生薬類似食品の「霊芝」なのです。
※資料抜粋:『HM真菌エビデンス~自然食菌の同定から臨床まで~』(微小循環研究所刊)


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光・愛・感謝 五月雨ジョージ