原因の特定が難しい「じんましん」
「じんましん(蕁麻疹)」は身近な病名ですが、食べ物で誘発されることが多いせいもあって実態はあまり知られていません。これを機にもう一度勉強しておきましょう。じんましんとは、皮膚の浅い層に部分的なむくみやブツブツ、赤みが集中して現れる皮膚疾患のことをいいます。症状は、まず痒みを覚えます。痒み以外に、患部がチクチクしたり、熱い感じがしたりすることもあります。
【原因は?】
種類が多く原因を特定することは難しい病気です。大人では食品添加物や食物自体に誘発される場合、ダニやハウスダスト、ペット、花粉、大気汚染、薬などが単独または複合して起こす場合などがあります。子供は風邪の後に免疫系が活発になって起こる場合が多いようです。痒み、熱、痛み以外にミミズ腫れのようなじんましんが出ることもあります。また、じんましんの一種に血管浮腫というのがあり、これが気道に生じると呼吸困難を起こして窒息し、最悪の場合は死に至るケースもあります。【治療法は?】
抗ヒスタミン剤を内服薬または注射で使用する治療が一般的。日常の生活では、生活リズムを整え、疲労や睡眠不足に注意することが大切です。【予防するには?】
基本的には、原因物質を避ける予防法が最良の方法です。特にアレルギー性じんましんは、原因になる食物を食べないこと、動物性アレルギーの場合は動物に近付かないことが大切。非アレルギー性の場合は原因を特定する必要があります。【じんましんの種類】
●心因性じんましん:ストレスが原因のじんましん。日常生活でのストレスを貯めないことが最高の予防法となる。
●アレルギー性じんましん:
食事性じんましんで、代表的なものはサバなどの青魚、エビ、カニ、そばなどが原因になることが多い。子どもでは卵や牛乳も原因の多くを占める。また薬や羽毛、そばがらなども原因になる。
●急性じんましん:
風邪などの感染症がキッカケでじんましんが出るが、通常は2週間以内で治癒する。
●機械性じんましん:
圧迫や摩擦で出るもの。重いカバンをさげると腕が赤くなったり、下着のゴムの圧迫で赤くなったりする。
●コリン性じんましん:
発汗の刺激で出るじんましんで、運動や入浴、体が温まったり興奮したりしたときに出やすい。汗のかきはじめに小さいじんましんが沢山できてピリピリと痛みを伴うことが多い。
●寒冷じんましん:
冷たいものを触れたり飲んだりすると出る場合がある。
●温熱じんましん:
温水や温風によって体が温まり皮膚の温度が上昇すると発症する。
●日光じんましん:
太陽光の強い時期に起こりやすい。日光の当たった部分が赤く腫れ、かゆみを伴う。基本的には発症しても日光を避けていれば数時間で症状が治まる。
■アレルギー性じんましん発症のメカニズム
ヒスタミンが膨らみやかゆみを発生させる
皮膚の血管内や血管周辺には、極めて小さい粒子がたくさん詰まった肥満細胞(マスト細胞)が散らばっています。肥満細胞内の粒子にはヒスタミンやロイコトリエンという化学物質が含まれています。アレルギーや外部刺激など、じんましんの原因物質が肥満細胞を刺激することで、その細胞からヒスタミンが放出されて、血管内に広がります。血管には微小な穴がたくさんありますが、分泌されたヒスタミンの影響で血管が拡張されて穴も広がります。この穴よりサイズが大きい赤血球や白血球は漏れることはありませんが、血液の液体成分(血漿)は漏れて血管の外に滲み出します。その結果、血漿が皮膚の一部を盛りあげて、じんましんの特徴である皮膚表面の赤みやむくみが表れます。さらにヒスタミンはかゆみの神経を直接的に刺激するため、じんましんが発生した箇所はかゆくなりやすいのです。
このようにじんましんは皮膚の浅い層に大小様々な部分的なブツブツが現れて、赤みとむくみが目立ち、強いかゆみを伴います。しばらくすると跡形もなく消えてしまいますが、チクチクと焼ける熱さを感じることもあります。
じんましんの原因は様々で、アレルギーだけではなく、暖かい部屋から寒い所に出たり、腕時計の絞めつけ、運動後に汗をかいて出る場合もあり、特に体調や時間帯に左右されます。
じんましんが出る仕組みは明確で、抗ヒスタミン薬によって症状を抑える治療も確立されていますが、じんましんの発症自体をなくすといった根本的な治療法はまだなく、基本的には原因物質を避けながら薬を服用し続けることになります。
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(参考:http://www.koufukuigaku.org/kenkyu_reishikounou_07meneki.htm)
いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 村雨カレン