2013年2月27日水曜日

最悪の老化物質「AGE」①


良いものを摂るより、悪いものを摂らないこと!

「アンチエイジング」という言葉でイメージするのは、女性の美容に関することが多く、事実、女性の方が関心が高いと思います。しかし、アンチエイジング=抗老化は男性も人ごとではありません。加齢に伴って上昇する糖尿病やメタボリック症候群などの生活習慣病の可能性や癌の問題が発生するリスクを、アンチエイジングは下げてくれるからです。

過去、老化を加速させる最大の原因は「酸化」と言われていました。ストレスが多い生活習慣や酸化しやすい食事などでたくさんの「活性酸素」が発生してしまいます。人間の体には活性酸素を無毒化するシステムも備わっているのですが、そのシステムが加齢によって弱まったり活性酸素が発生しすぎたりすると、無毒化が追いつかず、体が「酸化」してしまうのです。
 しかし、酸化よりも厄介な反応があります。それが「糖化」です。体内で糖がたんぱく質と反応して「糖化」し、その結果、「AGE」という最悪の老化物質を生じてしまうのです。
 AGEは日本語で「終末糖化産物」というように、前の糖質やたんぱく質に戻ることはなく、そのまま体内に蓄積されていきます。AGEが体内に蓄積すると、身体を作っているたんぱく質にダメージを与え、骨や血管がもろくなったり、皮膚の弾力性が損なわれたりします。さらに進むと糖尿病の合併症が発症してしまうこともあります。
「酸化」も「糖化」も、身体にダメージを与える反応です。「抗酸化作用や抗糖化作用のある食品を積極的に摂ればいい」と思った方は要注意です。抗加齢医学内科医で日本エイジマネージメント医療研究機構理事の青木晃氏は、「まずは悪いものを摂らないことが大切」といいます。
「酸化」を抑制するために、避けるべきは“悪い油”です。悪い油の代表格が「トランス脂肪酸」。代表格はマーガリンです。その他、コンビニなどで売っているクッキーやパンの原材料表示を見るとよく見られる「ショートニング」や「ファットスプレッド」もトランス脂肪酸です。このトランス脂肪酸は、悪玉コレステロールを増やし善玉コレステロールを減らして、体を酸化させる油です。
 そして、「糖化」抑制のため避けるべきは“悪い糖分”です。原材料表示には「果糖ブドウ糖液糖」や「高果糖液糖」、「フラクトオリゴ糖」などと書いてあります。食品の原材料表示は使用量の多い順に書いてあります。美容目的のドリンクなどでも、「果糖ブドウ糖液糖」が最初に出てくることがあるので注意が必要です。また、白砂糖や白米、白いパンなど、精製してあるものよりも、黒砂糖や玄米、全粒粉パンなど、精製していないものの方が血糖値が上がりにくいので「糖化」を避けるためには有効です。

■最悪の老化物質「AGE」①

血糖値の気になる方は、日頃、糖分の摂取については注意していることと思います。しかし、健康な方でも糖質の摂りかた次第では、老化のスピードや病気にかかる可能性が大きく左右されてしまうので注意が必要です。

終末糖化産物AGEとは

人の身体は、そのほとんどがたんぱく質でできています。そして、たんぱく質は体内に入ってきた糖と非常に結びつきやすい性質があります。このたんぱく質が糖と結合して糖化し、変性したものがAGE(終末糖化産物)という最悪の老化物質なのです。


食後、高血糖でもリスク上昇

AGEを増やす原因は糖ですが、糖は身体のエネルギー源としても大切なものです。しかし、多すぎると糖化を促進します。気をつけなければいけないのが、糖尿病の方以外でも食後に高血糖になるだけで糖化のリスクが増すことです。AGEが増えると上図のような様々なトラブルを起こします。特に糖化のリスクにさらされやすいのが体内のコラーゲンです。コラーゲンは身体の組織の弾力性を保つ働きをしていて、肌や骨、血管などに多く含まれます。そのため、これらの組織は、糖化による老化の進行や疾患などに影響を及ぼします。


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ

2013年2月22日金曜日

睡眠障害とセロトニン


冬のうつの特徴は、睡眠障害と過食傾向! 

冬になると憂うつになる「冬うつ」「冬季うつ」という病気があります。これは、季節性感情障害の通称です。典型的なうつといえば、「不眠」「食欲がない」というのが一般的なイメージですが、冬うつは食べすぎ、寝すぎという症状が多く、うつとは自覚しにくいのが特徴です。冬うつは、冬はほとんど太陽が出ない北欧などに患者が多い、季節性のある「うつ」です。日本では柿の実が赤くなるころから増え始めるといわれ、春になると症状が改善する人が多いのが特徴です。10~11月ごろから徐々に元気がなくなり始め、眠くて、だるくて、何もやる気にならなくなるようなら、冬うつかもしれません。パークサイド日比谷クリニック・立川秀樹院長は「冬うつは20代の後半以降の女性に多い」と言います。「過眠・過食、体が重い、というのが最も多い症状です。食べ物に"癒やし"を求める傾向があり、菓子パンのような甘いものや炭水化物を食べたくなります。また、寝てばかりでも食べるので、 "うつ太り"をする人もいます」(立川院長)。
 この冬うつの原因を、国際医療福祉大学三田病院精神科の平島奈津子教授は、「日照時間が短くなることが引き金となって、セロトニンなどの脳内の神経伝達物質が減ることが一因です」と解説します。
 蓄積したストレスも原因と考えられています。また、遺伝などの家族性も指摘されています。さらに日照時間が短い地域などの環境的なものも要因として挙げられていますが、これらの要素が複合的に組み合わさって発症に至るケースが多いのです。
 冬うつを始め、うつ病の原因とされているのが、セロトニン不足。うつには脳内のセロトニン量を増やすとされている薬、SSRI(セロトニンの再吸収取込阻害剤)などが処方されているのですが、セロトニンの再吸収取り込みを阻止し、“仮想的に”セロトニンを増やすというものです。セロトニンの分泌自体を増やすものではなく、セロトニン神経の活性が低下している場合、あまり意味がありません。
 セロトニン神経の活性化がセロトニンの分泌を促してメラトニンの原料となり、「質の良い睡眠」を作り出します。セロトニンの分泌促進およびセロトニン神経の活性化への効果が期待されるのが、リラックス・ハーブとして昔から愛用されている「ラフマ(羅布麻)」なのです。


■睡眠障害とセロトニン

精神を安定させるセロトニン!

神経伝達物質「ノルアドレナリン」は、“恐れ・驚き・不快・怒り”などの感情に影響を与えます。外部からのプレッシャー(ストレッサー)がかかると、ノルアドレナリンが過剰に分泌されてストレスになります。セロトニンは、ノルアドレナリンなどの情報をコントロールして精神を安定させる役割を持っています。

セロトニンが不足すると睡眠を妨げる!

質の良い睡眠を演出するのが「メラトニン」です。しかし、ストレスや年齢とともに減っていきます。脳内の中央にある小さな内分泌器「松果体」の中には、他の脳部位の50倍ものセロトニンが存在し、そのセロトニンを原料としてメラトニンを作っているのです。

セロトニン分泌にはリズムがあります!

睡眠中はセロトニン神経の活動は弱くなっていて深い眠りを作り、朝方になると分泌量を増やして覚醒し、スッキリ目が覚めるというリズムがあります。いつまでも寝つけずぐっすり眠れない人は、慢性的にセロトニンが不足しているのが原因です。

要注意!慢性的なセロトニン不足

分泌されたセロトニンは、そのまま無くなるわけではありません。約8割は元の神経に再び取り込まれ、2割が酸素によって捨てられ、なくなります。脳幹にある神経細胞の集団「縫線核(ほうせんかく)」から配給されるのは、いつもわずかな量なので、リサイクルしています。
 慢性的なストレスは、セロトニンのリサイクル機能も低下させてしまいます。酸素によって捨てられるセロトニンが増えるのにもかかわらず、縫線核から供給されるセロトニン量はわずかなままです。それが、日常的なストレスなどによって慢性的なセロトニン不足を引き起こします。

ラフマのノルアドレナリンとセロトニンへの影響


◎セロトニンの産生促進
Ⅰ)メラトニンの産生の促進(睡眠の改善) 
Ⅱ)精神安定
Ⅲ)下行性疼痛抑制系の増進

◎ノルアドレナリンの降下作用
Ⅰ)心拍数の減少
Ⅱ)血管平滑筋の拡張
Ⅲ)血圧の低下
Ⅳ)睡眠の改善

 加齢やストレスが原因でセロトニン神経の機能は低下し、同時に起こるメラトニンの減少が「睡眠の質」を低下させます。「ラフマ」は、セロトニンの産生促進に期待できます。また、様々な病気や自覚症状を引起すノルアドレナリン降下の効果にも期待がもてます。


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光・愛・感謝 五月雨ジョージ

2013年2月21日木曜日

睡眠障害と動脈硬化


心臓や血管に悪影響を及ぼす睡眠トラブル

「寝つけない」「夜中に何度も目が覚める」などの睡眠不足の症状が続いている場合や、「睡眠時無呼吸症候群」などの病気によって睡眠の質が低下している場合は、血管や心臓に悪影響が及ぶことがあります。さらにこのような状態をほうっておくと、「心筋梗塞」など、突然死の原因となる病気のリスクが高まります。
 睡眠時無呼吸症候群は、眠っている間、舌の根元などが落ち込み呼吸が止まる状態を何度も繰り返します。 呼吸が止まると、呼吸を再開させるため、横隔膜が強い力で胸腔を広げようとします。そのことによって心臓には大きな負荷がかかります。その状態が続くと、心不全を起こしてしまう危険性もあるので注意が必要です。
 (2010年04月05日 NHK「きょうの健康」より)

 そして、血管年齢に影響する動脈硬化の予防に睡眠が深くかかわっていることが最近、わかってきました。
 米シカゴ大は中年男女495人を対象に5年間、心臓の冠動脈血管の内壁をコンピューター断層撮影(CT)し、動脈硬化の患者に見られる石灰化(カルシウム沈着)と睡眠との関係を調べました。
 その結果、睡眠時間が平均5時間未満の人に石灰化が見られたのは27%。5~7時間では11%、7時間以上寝ている人は6%と、睡眠時間が短いほど動脈硬化の危険性が高まりました。
 国内でも同様のデータがあります。東京女子医大は2002年度から3年間、静岡県の旧大東町(現・掛川市)の町民178人を対象に血管年齢を測定し、生活習慣との関連を調べました。血管年齢が実年齢より10歳以上高い人で見ると、飲酒、喫煙以外に塩分の過剰摂取と睡眠障害を抱えていました。
 当時研究チームを率いた、淑徳大看護学部・渡辺弘美教授は、「血管の健康には睡眠も重要な因子」と強調しています。
「生活習慣病の予防の柱は、食事、運動そして睡眠」と訴えるのは、久留米大医学部精神神経科・内村直尚教授。教授は「夜更かししてテレビを見たり、パソコンに向かったりする現代人は睡眠不足に陥っている」と語っています。       
(2009年3月2日読売新聞より)


■睡眠障害動脈硬化

睡眠障害は動脈硬化を進行させ、様々な疾患が引き起こして健康寿命を脅かします。十分に眠れていない状態では、血管は知らず知らずのうちに傷ついています。血管は「外膜」「中膜」「内膜」の3層構造になっていて、血液に接する内膜には「内皮細胞」があります。この内膜に傷がつくと、動脈硬化につながります。
睡眠障害があると、「高血圧」「肥満」「糖尿病」「血管の内皮機能の障害」などが起こりやすくなります。これらはいずれも、血管を傷つけ、動脈硬化の危険因子となります。
 動脈硬化自体は高血圧や加齢(60代以降)によっても進行します。また、男性は女性と比較して動脈硬化を起こしやすいのですが、女性でも閉経期を過ぎるとエストロゲン(女性ホルモン)が低下するため動脈硬化を起こしやすくなります。

〇一酸化窒素を産生する血管内皮細胞

血管内皮細胞から産生される一酸化窒素(NO)は、血管拡張作用(降圧作用)、血小板凝集抑制作用(抗動脈硬化作用)、単球などの白血球が血管内皮細胞に接着したり内皮細胞下組織に浸潤するのを防ぐ作用、血管平滑筋細胞の増殖を抑制する作用、などがあります。血管内皮細胞の障害は、睡眠障害以外にも、生活習慣・ストレスや肥満・タバコなどが原因となります。そして高脂血症→動脈硬化→様々な疾患に至るのです。

動脈硬化対策は一酸化窒素の産生促進

動脈は、高血圧の場合や中性脂肪・酸化ストレスが増加した場合、血管内皮細胞が傷つき、一酸化窒素の産生低下血管の収縮などが起こります。すると、炎症を起こし易く血栓が形成され易い状態になって動脈硬化も進行します。

〇霊芝は、血漿一酸化窒素の産生を促進します。

霊芝の患者血漿一酸化窒素産生への影響
※『HM真菌エビデンス』(微小循環研究所刊)より

 一酸化窒素は、血管の拡張だけではなく、血小板凝集の抑制、酸化ストレスによる内皮障害の抑制、白血球の内皮細胞への接着の抑制など、重要な役割を持っています。この一酸化窒素の産生を促進させるには、「霊芝」の効果が期待されています。また霊芝は、血流・高血圧に対しても、血管内皮細胞の保護効果が期待されています。


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光・愛・感謝 五月雨ジョージ

2013年2月15日金曜日

高齢者と睡眠障害


年齢とともに変化する睡眠


人は年を重ねるとともに体力が落ち、老眼になり、白髪が増えます。それと同じように睡眠にも変化が生じてきます。まず、感じるのは、若い頃にくらべて早寝早起きになることです。これは体内時計の加齢変化によるもので、睡眠だけではなく、血圧、体温、ホルモン分泌など睡眠を支える多くの生体機能リズムが前倒しになることが原因です。
 そして、次に感じるのが睡眠が浅くなることです。睡眠脳波を調べてみると、深いノンレム睡眠が減って浅いレム睡眠が増えるようになります。そのため尿意やちょっとした物音などでも何度も目が覚めてしまうようになります。このように、睡眠に変化が出ているのに、高齢者ほど寝床に入っている時間が長いことが分かっています。睡眠時間が短くなるのに寝床にいる時間が長くなると、結果として眠れぬままに寝床でうつらうつらしている時間が増えて睡眠の満足度も低下してしまいます。そして、高齢者では退職、死別、独居などの心理的なストレスに加えて、不活発でメリハリのない日常生活こころや身体の病気、その治療薬の副作用などによって、不眠症をはじめとするさまざまな睡眠障害にかかりやすくなります。疾患などでは、狭心症や心筋梗塞による夜間の胸苦しさ、前立腺肥大による頻尿、皮膚掻痒症によるかゆみ、関節リウマチによる痛みなどによる不眠などが表れます。また、それらの治療薬によっても不眠、日中の眠気、夜間の異常行動などの睡眠障害が生じます。高齢者では、うつ病、認知症、アルコール依存症なども多く、これらの精神疾患によっても睡眠障害が生じます。そして高齢者の場合、睡眠薬を服用すると、ふらつきや起床後の効果の持ち越しなど副作用が出やすいということです。
 高齢者の睡眠の問題は認知症にも及びます。高齢化に伴い増える一方の認知症ですが、うち約半分を占めるアルツハイマー病は、記憶力と判断力が著しく低下し日常生活の継続が難しくなる病気です。進行を遅らせる薬はあっても、根治させる治療薬"はまだありません。症状が進行すると、幻覚や攻撃的言動、妄想、徘徊などの周辺症状が悪化していきます。この周辺症状の悪化には、睡眠障害が深く関与しているといわれています。


高齢者と睡眠障害

加齢とともに寝つきが悪くなり眠りが浅くなりますが、一般的に60代以降は、浅い眠りが続き「中途覚醒」が増えます。また余暇の時間が増えるため、昼寝する機会が多くなり、夜の睡眠に悪影響を及ぼします。さらに身体的疾患も睡眠の邪魔をします。神経痛やかゆみ、胃腸症状、あるいは呼吸器疾患からくるせきなどで眠れなくなることがあるのです。

入眠障害

一般的には寝つくまでに30分以上かかると入眠障害の可能性があるとされています。入眠障害の原因のひとつは、寝ようとする時間が早いことです。また、布団に入ってから考え事をしてしまうパターンです。これが、長い期間続くと「今日は眠れるだろうか?」という不安や「眠らなければ」という義務感にとって代わり、更に寝つきが悪くなるという悪循環を生む可能性があります。


中途覚醒

物音や尿意など、これといった理由は無いにも関わらず何故か睡眠の途中で目が覚めてしまうのが中途覚醒です。一度目が覚めると寝直すことが難しい場合があります。そして、他の睡眠障害が原因となって目覚めてしまうという場合もあります。睡眠中に足がつり、そのために目が覚めてしまう「周期性四肢運動障害」や、睡眠中に起こる「無呼吸症候群」も原因のひとつです。

早朝覚醒

早朝の4時や5時に目が覚めてしまい、更にその後、寝付けなくなってしまうのが早期覚醒です。通常、早期覚醒は不眠症のタイプの中では最も少ないのですが、高齢者の間では特に多い種類です。早朝の起床に慣れていない場合は日中の眠気に悩まされることもあります。早期覚醒はうつ病患者に多く見られています

認知症の睡眠問題

アルツハイマー病などの認知症では、同年代に較べてもさらに睡眠が浅く、さまざまな睡眠問題がみられるようになります。重度の認知症ではわずか1時間程度の短時間でさえ連続して眠ることができなくなるといわれています。
 認知症の一部では、夕方から就床の時間帯に徘徊、焦燥、興奮、などの異常行動が目立つ「日没症候群」という現象がみられます。これも睡眠・覚醒リズムの異常が関係していると考えられています。
 そして、この睡眠・覚醒のリズムに影響するのがセロトニンメラトニンです。年齢とともに減少するメラトニンは、原料であるセロトニンが慢性的に不足しているからです。
 康復医学学会が研究を続けているリラックスハーブの「ラフマ」は、セロトニン神経の活性→セロトニン分泌の促進効果が期待でき、睡眠・覚醒のリズムを整えることがわかってきました。


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ

2013年2月13日水曜日

睡眠と血糖値の関係


睡眠障害と血糖値

暴飲暴食による肥満や不規則な生活習慣は、高血圧や糖尿病などの生活習慣病につながるということは、皆さんご存知だと思います。しかし、多くはその裏側に、睡眠不足や睡眠障害が隠れていることはあまり知られていません。
 関西のある産業医は、担当しているIT系企業の社員のBMI指数(肥満度)が上がっていることを問題視しています。システムエンジニアの場合、プログラミング作業などで仕事が深夜までずれ込むことが多く、睡眠は減っています。一方、食欲は増大し、間食をとる社員が急増しています。こうして肥満が増えた結果、「睡眠障害のひとつである、閉塞吐睡眠時無呼吸症候群が増えている」(大阪回生病院睡眠医療センター・谷口充孝部長)といいます。
 国内外の疫学調査によれば、不眠に悩む中年男性が12年後に糖尿病となるリスクは、不眠でない場合に比べて4.8倍にのぼるそうです。若年健常成人を対象にした実験でも、睡眠不足期はそうでない時期に比べ、朝食後の血糖値が1~2割上昇するという結果が出ています。
眠らない、あるいは眠れない状況が続くと、食欲が増加し、運動不足などでエネルギー消費は低下、糖代謝も変化します。その結果、体重が増加したり、インスリンの抵抗性が強まったりして、糖尿病のリスクが増大すると考えられています。
 また高血圧のリスクについては、1日平均睡眠時間7~8時間の人を1とした場合、同6時間未満で1.66倍。高脂血症についても、平均睡眠時間6時間合の人を1とした場合、同5時間未満では高中性脂肪リスクが1.52倍、低HDL(善玉コレステロール)のリスクは5.85倍までハネ上がります。疾患リスクが最小となる睡眠時間は多少異なるものの、睡眠不足でリスクが増す構図は同じなのです。国立精神・神経センター精神保健研究所の白川修一郎客員研究員は、「夜中にちゃんと睡眠をとれれば、血圧は下がる」といいます。
 昼間の活動を支える交感神経は眠ると休まりますが、睡眠が足りないと興奮状態が続きます。徹夜明けに、いつもより興奮した感じがするのはこのためで、交感神経が高ぶると血管が収縮し高血圧を招きやすく、くも膜下出血などの脳・心疾患リスクも増えてきます
 企業社会には睡眠不足や睡眠障害、そして、生活習慣病のリスクが山積しています。睡眠不足や睡眠障害の対策には積極的に取り組んで欲しいものです。

■睡眠障害が関係する、肥満・高血圧・高血糖

 睡眠の程度が血糖値、中性脂肪などの数値を高め、善玉コレステロールの数値を低下させて肥満や糖尿病に拍車をかけています。右グラフは、睡眠時間と各数値の関係です。睡眠は、短時間と長時間に高い数値を示しています。睡眠不足は当然ですが、長時間の睡眠も良くないのです。このことから、睡眠は時間より「質」の問題なのだということがよくわかります。

睡眠と血糖・中性脂肪等の関係!

睡眠障害は、グラフのように血糖値や中性脂肪の数値を高めて肥満や糖尿病に拍車をかけます。そして、その過程で基礎代謝の低下食欲の亢進などが表れ、肥満や高脂血症などから高血圧なども発症します(右上図)。このプロセスによって睡眠障害は、昼間の眠気に起因する就業などの生産能率低下のみならず、高血圧・糖尿病・心筋梗塞・うつ病などの誘引となります。睡眠障害の原因のひとつは、睡眠ホルモン・メラトニンの原料であるセロトニンが慢性的に不足しているからです。康復医学学会が研究を続けている「ラフマ」は、セロトニン神経の活性→セロトニン分泌の促進という効果に期待できる安全なハーブです


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ

2013年2月9日土曜日

睡眠と成長ホルモン


■生活習慣病と睡眠

 2月3日と毎月23日は「不眠の日」。睡眠の大切さを啓発する目的で、2011年日本記念日協会に認められました。
 日本人の約5人に1人が不眠の悩みを抱えており、50代後半から増えています。「たかが不眠症」と思っている人が多いと思いますが、実は高血圧や糖尿病など様々な病気にかかるリスクが増すことがあります。国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所は、「不調に気づかないで放置している人もいる。睡眠の重要性を認識すべきだ」と指摘しています。
 睡眠は、食事や運動とともに健康を維持する大切な要素ですが、日本人の意識は低いとのことです。09年の調査によると、日本は韓国の次に睡眠時間が短いとされています。

 不眠と鬱病との関連性は知られています。不眠症の人は高血圧や糖尿病などの生活習慣病にかかるリスクが高まります。米国の大規模な調査で明らかになっているほか、日本でも同様の結果が出ています。睡眠不足が慢性化すると、自律神経やホルモンの分泌といった体内の調節機構そのものが変調をきたすためです。短時間睡眠を1週間続けると、健康な人でも体内で分泌されるホルモンの一種、インスリンに反応しにくくなり血糖値が上がります一晩徹夜しただけで血圧は10mmHgほど上昇するということです。米国などの研究から、睡眠時間が短いと肥満になりやすくなることもわかっています。原因は、夜更かしをする人は夜食をとりがちだからというだけではなく、不眠が続くと、食欲を増すホルモンのグレリンの分泌が増え、逆に食欲を抑えるホルモンのレプチンの量は減るためとみられています。
 聖マリアンナ医科大学の長田賢一・精神療法・ストレスケアセンター長は、「不眠になったとき、日本人はアルコールに走る傾向が強い」と指摘しています。医療機関を受診するのは1割に満たず、飲酒に頼る人は3割という国際的な調査もあります。しかし、アルコールは不眠の解消には効果が薄いのです。脳は覚醒に近い状態でも身体は休息している「レム睡眠」を妨げるため筋肉が休まらず、翌日にだるさが残りやすいのです。不眠症を解消し、質の高い睡眠をとるには「まず生活習慣を見直し、睡眠のリズムをとること」を強調しています。眠くなってから就寝し、30分たっても寝つけなかったら床を離れてもよく「眠れないと悩むと鬱病の原因にもなりかねない」(日大医学部・内山教授)。【日本経済新聞】

■身体をリセットする睡眠

睡眠不足が引き起こす症状や病気

睡眠不足は、体の免疫機構や防御機構をも低下させ、さまざまな病気が起こるきっかけになったり病気を悪化させたりします。ホルモン分泌のバランスの低下、血糖値上昇、血圧の上昇や、食欲を抑制するホルモンの分泌の低下により、太りやすくなることもあります。
 また、情報の整理、集中力、記憶力の低下などにも影響します。逆に病気から身を守るための免疫力の抗体は、睡眠時に作られます。また、睡眠中は、起きているときに分解されたたんぱく質や糖分を合成して、エネルギーを貯金するようにできています。

メラトニンと成長ホルモン

 睡眠を司るホルモン・メラトニンは、夕方から夜にかけて分泌が多くなり眠くなる、というメカニズムになっています。夜遅くまで起きていたり、テレビやパソコンを続けたりすることは、メラトニンの分泌を抑制してしまいます。メラトニンには抗酸化作用(老化防止、抗がん)などの働きがあります。
 そして、成長ホルモンが体を進化させる働きをします。身長や骨格の形成は、成長ホルモンの働きにより作られていくのです。成長ホルモンが多く分泌されるのは就寝中です。また、成長ホルモンには、代謝率の向上や老化防止、美肌などには欠かせない効果があります


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ



2013年2月8日金曜日

睡眠の重要な役割!


★緊急報告その3★ 海があぶない!

また今回も中国問題から入ります。中国の大気汚染問題に関する第12次5ヶ年計画(~2015年)では、主要汚染物質の5%削減という目標を掲げています。しかし現状は、改善しているどころではありません。中国の汚染の影響はすでに九州地方で出てきています。過去にも中国の黄砂と大気汚染が日本を襲っていますが、今シーズンの黄砂の影響は計り知れないものになります。また、大気ですらこの有り様ですから、生活廃水や産業廃棄の汚染物質による海洋汚染はさらに深刻です。海洋汚染の状況を世界的に調査分析しているNASAでも、2003年度から警鐘を鳴らし続けています。海洋汚染はプランクトンや海藻から始まり、魚などの海産物から奇形を生み、食物連鎖から他の動物へと広がっていきます。しかも大きな動物ほど汚染は蓄積されていきます。すでにイルカやクジラ、アザラシやホッキョクグマなどに影響を及ぼし始めているようです。自然の浄化作用も追いつかないのが現状だということです。このように世界中に汚染を広めてもいいのでしょうか。今回のような問題を「越境汚染」というのです。

■記憶は睡眠時間中に脳内で整理される

夜更かしをしてしまって頭がボーッとしていっこうに仕事がはかどらない・・・という経験をしたことはありませんか。睡眠不足で身体を休ませる時間が少ないと、脳もしっかり働くことができないのです。
 運動をしていなくても、いろいろなことを考えていると、脳の働きは活発になり、エネルギーが消費されていきます。集中して仕事をすれば脳は疲労し、じっくりと物事を考えることができなくなります。だからこそ、頭をよく働かせるには十分な睡眠を取ることが重要なのです。
 そして、睡眠の効果は頭を休めるためだけにあるのではありません。睡眠を取ることは、前日脳に入ってきた情報をきちんと整理し、記憶をより鮮明にする働きがあります。例えば、試験勉強などでは、試験前日に徹夜するよりもひと通り勉強したら寝ることにして、脳の中で知識が整理されるのを待つ方が、効率的です。
 さらに、睡眠の役割として注目されているのが「記憶の固定」です。人の記憶は、大脳皮質に蓄えられます。しかし、蓄えた場所がわからなくなってしまうと、せっかく記憶してもそれを使うことができません。そのため脳内では、睡眠している間に、情報を整理し、重要な事柄をを定着させ、記憶として検索しやすいように情報処理を行っているのです。
 また、睡眠にはゴールデンタイムがあります。午後10時から深夜2時の時間帯に眠ると、記憶の整理が円滑になり、より記憶が定着しやすくなります。そして、充分に睡眠を取った後の頭の中はすっきりと整理されていて、新しいアイデアなども浮かびやすくなるのです。睡眠時間はとても重要だということがおわかりでしょう。 睡眠不足は、脳の整理の時間を削っているのと同じことです。仕事や勉強のできる人は、意識している、していないに関わらず、このような脳の働きが十二分にできるような環境を自ら作り出しているのです。

■睡眠は、身体を休めるだけではない!

人間は、一生のうちの3分の1もの時間を睡眠に費やしています。それは、睡眠には単に身体を休めるだけにとどまらず、以下のような重要な効果や意義・目的があるからなのです。

〇脳を休める!

脳を酷使すると、集中力や記憶力が低下したり、イライラするなどの現象が起こります。そこで、睡眠をとることによって脳に休息を与え、活動のためのエネルギーを蓄えることが必要になります。脳の疲れは、睡眠でしか解消することができません。

〇体を休める!

筋肉を弛緩させて休息を与えるとともに、疲労の原因物質などを処理します。身体の疲れをとるには、睡眠が一番です。

〇自律神経を休める!

「交感神経」(一生懸命に何かをしているときに働く神経で、脳に血液をたくさん送り込む役割がある)と「副交感神経」(リラックスしているときに働く神経で、緊張状態からのんびり状態に体を切り替える役割がある)からなる自律神経に休息を与え、調子を整えます。

〇細胞を新しくする!

「成長ホルモン」は睡眠中にしか分泌されません。 成長ホルモンは、子供の時には、主に骨や筋肉などの発育に必要で、成人では体の機能修復に大きな影響を及ぼします。成長ホルモンが新しい細胞を作って、皮膚を活き活きとさせるのです。

〇記憶を分解・整理して再構築する


【レム睡眠とノンレム睡眠の役割】

睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠という2つのパターンがあります。ノンレム睡眠は、脳が休息状態にある睡眠のことで、一般的には「深い眠り」であると理解されます。レム睡眠は、眠っているようで眠っていない「浅い眠り」であるということができます。身体が眠っているのに脳は活動しています。
2つの睡眠にはそれぞれ下記表のような働きがあります。
※レム(REM)とはRapid eye movementの略で、急速眼球運動という意味。


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ

2013年2月2日土曜日

疲労とその対策⑧


★緊急報告その2★ 中国発生源の感染症で国内初の死者!!

恐れていた脅威が現実のものとなりそうです。厚生労働省は、中国で09年ごろから発生が報告されていたダニが媒介するウイルス感染症で、昨年秋に山口県の成人女性一人が死亡したと発表しました。この病気は「重症熱性血小板減少症候群」(SFTS)で、国内での確認は初めてとのことです。患者には発熱や嘔吐、血小板の減少などがあり、最近の海外渡航歴はなく、明確なダニのかみ痕も確認されませんでしたが、血液からこのウイルスの遺伝子が見つかりました。
 この先、中国大陸からは汚染物質だけではなく、黄砂がウィルスや病原菌などを付着して飛来することが十分に考えられます。中国での致死率は12%とのことでしたが、今回の日本人の場合、発症から1週間という速さで亡くなっています。

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■良質な睡眠はがん細胞を抑制する

脳内神経伝達物質のメラトニンは、眠りをうながすホルモンです。メラトニンは日中の明るいうちはほとんど分泌されませんが、暗くなると分泌量が増えます。すると体温が下がり眠りやすい体内環境を整え生体リズムを作るのです。
 また、メラトニンは、自律神経系の働きにも影響を与えます。交感神経が優位になるのはメラトニンの分泌量が少ない日中で、体は外界からの刺激に即応できるよう活動モードになります。これに対して副交感神経は、メラトニンの分泌量が増える睡眠中や、リラックスしていときに優位になります。すると、「アセチルコリン」という神経伝達物質が分泌されて、心拍数、呼吸数が減り、血圧も下がります。さらに、血管が拡がるので血行もよくなり傷ついた細胞の修復や、タンパク貿の代謝が進みます。
 注目すべきは、この細胞修復とタンパク質の代謝です。細胞は、活性酸素に攻撃されると老化が進みます。細胞のなかには遺伝情報を収めた核があり、細胞が傷つくと遺伝子にも狂いが生じ、そのまま放置されることで異常な細胞が複製され、やがてがん細胞へと成長してしまいます。がん細胞は毎日、何千個も生まれていますが、それが成長してがんを発症するか、それとも消えていくかの違いは、眠っている問の修復作業にかかっているのです。


康復医学の基本 疲労とその対策⑧

■睡眠の重要性:セロトニンとメラトニン

 メラトニンは脳の松果体から分泌され、体の日内リズムを調整しているホルモンです。不眠や時差ぼけの改善や抗老化作用があります。メラトニンは年齢とともに減っていきますが、ストレスやうつでも減少します。
 松果体内には、他の脳内部位の50倍ものセロトニンが存在し、そのセロトニンを原料としてメラトニンを作っています。脳の入り口には「血液脳関門」という関所があり、ここからは通常の抗酸化物質も入り込むことはできません。したがって、現段階ではどんな抗酸化物質も脳内では威力を発揮できないのです。しかし、セロトニンを原料とした脳内最強の抗酸化ホルモンのメラトニンは、この脳関門を容易に通過して様々な効果を発揮することがわかっています。

メラトニン産生だけではないセロトニン神経

メンタルバランスを保つ! 
 人はストレスなどの外因・内因的な影響を受けて、高揚したり、落ち込んだり絶えず変化しています。しかし、その振り幅が大きすぎたり、継続すると「うつ」へと向かいます。セロトニン神経は、そのバランスを整えます。
自律神経の調整! 
 心機能、血圧、代謝、呼吸などを管理する自律神経は、交感神経と副交感神経のバランスがシーソーのように保ちながら、強くなったり弱くなったりを繰返しています。このバランス保つのがセロトニン神経です。
痛みの感覚を抑える!
 感覚に対しては、興奮ではなく抑制する作用があり、特に下行性疼痛抑制系などに関わり鎮痛効果があることは知られています。ひざ・腰の痛みはセロトニン神経機能低下のため痛む場合があります。


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光・愛・感謝 五月雨ジョージ