2021年3月18日木曜日

春野菜の苦味

 春の皿には苦味を盛れ

ふきのとう
「春の皿には苦味を盛れ」ということわざがあります。春には苦いものを食べましょうという意味ですが、苦いものとは主に、春野菜のことを指しています。

 人間は寒い冬を乗り越えるため、冬の期間中は自然と脂肪を蓄えるメカニズムになっています。しかし、そのまま活動的な春を迎えるわけにもいかないので、体は自然と「春仕様になろう!」とします。そこで、冬に溜まった脂肪や老廃物を出す作用をもつ苦味のある春特有の野菜を食べるようになったとされているのです。そう考えると「春の皿には苦味を盛れ」のことわざの意味に納得できます。

「春の苦い食べ物」といって、まず思い浮かべるのはふきのとうやたらの芽など山菜系ですが、これらはきちんと下ごしらえをして調理しないと、独特の強い苦みが口に残ります。

 これらの山菜類には、春野菜独特の苦味成分「植物性アルカロイド」が含まれていますが、「植物性アルカロイド」は腎臓のろ過機能を向上させる効果や、解毒作用、新陳代謝を促進する効果があるといわれています。

 さらに、春野菜には「ポリフェノール類」の成分も含まれていますが、このポリフェノール類には、体に溜まった老廃物を外に出し、新陳代謝を高めるといった効果が期待できます。まさに、冬から春への切り替えにぴったりといえます。


代表的な二つの春野菜とその効果、食べ方

 【菜の花

菜の花のおひたし
 春を代表する食べ物といえば、菜の花です。実は、菜の花は非常に優れた栄養の宝庫。美肌からデトックスまで様々な効果が期待できます。さらに、菜の花に含まれる成分「イソチオシアネート」には抗酸化作用もあり、いわゆるドロドロ血液をサラサラにしてくれる効果が期待できます。菜の花調理の注意点は"火を通しすぎないこと"。加熱しすぎると大事なビタミンCなどが損なわれてしまいますので、さっとゆでるようにしましょう。代表的な料理「菜の花の辛子和え」は栄養を損なわない、手軽な調理法といえますね。

 【ふきのとう】 

 春の訪れをいの一番に感じさせてくれる食材・ふきのとうには、ナトリウムを排泄させる効果があるので、むくみ対策にもよいといわれています。また、ふきのとうの独特な香りは「フキノリド」という成分からくるもので、胃腸の働きをよくする効果があります。ふきのとうは、おひたしなどにする場合はアク抜きが必要ですが、天ぷらにすればその必要はありません。春野菜が天ぷらとして好まれるのには、そういった理由もあります。


── 冬眠から目覚めた熊などの動物たちも、まずは春野菜を食べると言われています。そのくらい、春の苦味は体をリセットするのに大事な役目を果たしてくれるようです。今夜のおかずの一品に春野菜を加えてみませんか。

(出典:https://tenki.jp/)


■苦味は薬味!

 味覚は、動物の五感の一つで、甘味、酸味、塩味、苦味、うま味の5つが基本の味です。人の場合、主に舌で感じますが、5味のうち苦味が最も感度が高いのです。

 食べ物を口に入れたとき、すべての種類の味を舌で同じように感じるわけではなく、それぞれに味に対する感覚はその味の種類によって舌の感受性が高い部位が異なっており、それぞれの味に特に敏感な舌の部分があります(右図)。動物は特に苦いという感覚に敏感で、その感覚は舌の奥の方が敏感です。一般的に苦さに対する感覚は甘さや辛さに比べて敏感です。また、年をとるにつれて味覚に対する感覚が鈍くなる傾向があります。

「良薬は口に苦し」:この言葉の本来の意味は、「よく効く薬は苦くて飲みにくい。本当に自分のためを思ってしてくれる忠告は、聞くのがつらいが、身のためになる」というたとえのことで、中国の書物が語源。「良薬は口に苦し 忠言耳に逆らう」という言葉だったものが短縮されてしまったのです。

 薬物は用量によって薬にも毒にもなり得ます。薬物として有効な程度のわずかな量でも、毒物による苦味として、人間は敏感に感じ取ってしまいます。そのため薬には苦味がつきものなのですが、良薬ほど口に苦いのにはわけがあるのです。苦味物質は、水に溶けにくい親油性のものが多く、親油性が高いほど低い濃度でも苦味が強いという性質を持っています。多くの薬は、人体の細胞膜の受容体に結合して、薬理作用を発揮します。このとき、親油性の高いものほど受容体と結合しやすく、細胞膜を透過しやすくなります。つまり、親油性の高い性質をもつ苦味物質は、低い濃度でも薬理効果をもたらし、苦味も強く、"薬理効果が高い良薬は苦い"ということになるのです。人々は苦味を取り入れることで味覚の世界を豊かにしてきました。苦味は人間だけが楽しむことのできる味であり、その効果が期待できる味でもあるのです。


霊芝の特異成分は苦味成分の"ガノデリン酸"

 霊芝の主な有効成分の90%以上はキノコの傘の部分にあり、水溶性のβ-グルカン等の多糖類と、脂溶性のトリテルベノイド系(天然物化合物の総称)の苦味成分であるガノデリン酸が中心です。ガノデリン酸は霊芝の特異成分(他のキノコ類にはない成分)です。

 ガノデリン酸は数十種類が確認されていて、ガノデリン酸A,B,C1,C2,D~I,J,K,Ma~Mk及びO~Zが知られています。

 霊芝の薬理作用との関係では、次の4つが確認されています。ガノデリン酸A:肝保護作用免疫活性作用 ガノデリン酸B,D,F,H,K,S及びY:血圧降下作用 ガノデリン酸U,V,W,X,Y及びZ:抗腫瘍作用 ガノデリン酸R,S等:肝臓障害抑制作用


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愛・感謝 村雨カレン

2021年3月11日木曜日

精神的ストレス

 メンタルヘルス改善で血管も健康に

 3月は、人事異動や昇進など、社会生活の面で大きな変化を迎える季節です。新たに始まる日々に期待が膨らむ一方、変化には不安や心配ごとがつきもの。特にこのコロナ禍、例年以上のストレスをため込みやすいようです。新型コロナの世界的蔓延に人類は、「命の危機」はもちろん「人間関係の危機」「次世代への危機」を思い知らされました。

 今こそ気をつけたいのが、心の健康(メンタルヘルス)です。多忙や不安は目には見えないストレスとなって、身体にも悪影響を与えることがあります。まさにコロナ禍はメンタル・パンデミックとも言えるでしょう。人というのはこんなとき、"危機を過大評価"し、"自分の力・他人の力を過小評価"してしまうものなのです。

 ストレスというと心労や過労など、嫌なこと、辛いことをイメージする人が多いと思いますが、嬉しいことや楽しいことも含めて、日常の様々な出来事がストレスの要因になります。例えば、仕事では「人事異動」「昇進」「売上・利益」「長時間労働」「人間関係のトラブル」、プライベートでは「住環境や生活の変化」「結婚や出産」「家族の病気」などです。適度なストレスは人間的な成長を促すものですが、ストレスが過剰になると、メンタルヘルスの不調をまねくだけでなく、身体疾患のきっかけになることもあります。

 強いストレスが長く続くと、身体を安定した状態に保つように働く自律神経や内分泌系に異常が生じて血管に負担がかかり、血管病のリスクが高まることが知られています(右表)。恐ろしいのは、強いストレスは、時に心筋梗塞や脳卒中といった命に係わる病気の引き金になることがある点です。

 例えば受験やプレゼンの際などには、脈が速くなったり、血圧が上がったりしますが、これは「失敗しないように」という心理的な刺激が脳から心臓に伝わるために起こるものです。軽いストレスでもこうした身体変化が起こるのですから、特に動脈硬化症や心臓病といった持病のある人が強いストレスを受けたときに、脈拍が増加し、血圧が急上昇して、狭心症発作(胸痛)や心筋梗塞を起こすケースもあります。また、脳卒中の最大の要因は高血圧なので、やはり強いストレスが発症の引き金になることがあります。

 ストレス対策の基本は、まずは自分のストレスに気づくこと。ストレスによって現れる心身の様々な変化を「ストレス反応」といい、身体面・心理面・行動面に現れることがあります。自分の「ストレス反応」に気づいたら、休養や気分転換をするなど早めのセルフケアでストレス解消を促すことが、メンタルヘルス不調の予防、さらには血管病をはじめとした身体の不調を防ぐことにもつながります。

(参考出典:https://www.kyoukaikenpo.or.jp/)


■精神的ストレスと病気

ストレスで免疫が抑制される理由

 自然免疫の主要因子として働く細胞傷害性リンパ球の一種で、特にがん細胞やウイルス感染細胞の拒絶に重要な役割を果たすのが「ナチュラルキラー細胞(NK細胞)」です。ストレスが加わるとこのNK細胞の活性が低下することがラットの実験で確かめられています。子育て中の母ラットから子供を取りあげると、母ラットのNK細胞の働きは見事に下がります。

 人間の場合も同じです。悲しいこと、辛いこと、心配事があると、やはり免疫力は低下します。精神的なストレスを感じると、交感神経が緊張します。するとアドレナリンやノルアドレナリン、副腎皮質ホルモン(ステロイド)が吹き出し、逆にセロトニン分泌量が低下してしまいます。この刺激により胸腺が小さく萎んでしまい、免疫が抑制されます。胸腺は免疫に対して、とても重要な役割を持っています。リンパ球の免疫の認識する力を指導する器官だと考えればいいでしょう。リンパ球は腸管に関わるNK細胞とT細胞にも関係していますが、ストレスを感じることによりこの働きが抑制されてしまいます。こうした全体的なリンパ球の抑制とセロトニンの減少で、免疫が低下して病気にかかりやすくなるのです。


精神的ストレスが要因でかかりやすくなる病気

 精神的ストレスは「交感神経血管の収縮」、「副腎皮質ホルモン・甲状腺ホルモンの多量分泌」、「酸素不足(酸欠)」などをまねき、がんをはじめとして、下図のような病気の原因になります。

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ストレス対策は ①体力 ②血流 ③睡眠で

 体力が落ちているとポジティブでエネルギッシュな考え方は出来ませんし、免疫力も低下します。また、脳血流の流れを促進することで脳細胞を活性化します。「笑い」が効果的なのは、横隔膜が刺激されることで血流促進効果が生じるからです(英国・リーズのヘルスケア学校の研究発表)。そして、休息や質の良い睡眠は自律神経を副交感神経優位にします。

 康復医学学会では、エネルギー産生の促進には「コエンザイムQ10」を、血流改善には「HM-3000(特系霊芝)」を、質の良い睡眠には「ラフマ葉エキス」をお勧めしています。これらは、ストレスが間接的要因となる様々な病気の予防に効果的な影響を与えます。


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愛・感謝 村雨カレン

経皮毒

 経皮毒について

「経皮毒」と呼ばれる概念は、「日常使われる製品を通じて、皮膚から有害性のある化学物質が吸収されること」です。当然、物質の成分は薬を飲んだときと同じく、経皮吸収された後に血液に乗って全身へ行き渡ります。シャンプーやリンスは入浴時に使いますが、温まった身体の皮膚血管は拡張しているので、経皮吸収率は更に上昇します。

 体内に吸収された化学物質が原因で、羊水が緑色だった方や、芳香剤の香りがする羊水を経験された産婦人科医も少なくありません。何らかの方法で吸収された化学物質が体内に蓄積する可能性も否定はできないということなので、皮膚からの吸収経路も記憶の片隅に置いておきましょう。


生殖器は腕の40~50倍の経皮吸収率!

 経皮吸収率は場所によって異なります。腕の吸収率を1とした場合、右図のようなデータがあります。注目すべきは男女とも陰部で、格段に高い吸収率を誇ります。

 そもそも、化粧品は染み込ませて、経皮吸収させることが目的です。地肌に付いてはいけない毛染めやパーマ液もあります。頭皮も皮膚であり、腕の3.5倍の吸収率があります。

 乾いた衣服であろうと、汗をかけば溶け出して経皮吸収されることもあります。下着は直接肌に触れるので、特に気にしたいところです。

 大切な素肌へは、下着の素材をオーガニックコットンやヘンプ(麻)にして、使う洗剤も、安全な天然系にしましょう。経皮吸収は起こらないという医者もいますが、長くじっくり効果を発揮したいときに使う経皮薬剤もあるのです。即効性の場合は舌下錠や座薬で粘膜から吸収させます。経皮吸収は必ず起こります。

 赤ちゃんのケミカルオムツや、女性のケミカルナプキンなどにも注意を払いましょう。

 ただ漠然と経皮毒を恐れるのではなく、ある程度は吸収されるという前提を知った上で、ご自身のライフスタイルを考慮し、できる範囲で対策を講じて楽しく生活する寛容の精神が大切です。私たちは便利さに慣れてしまったので、不自由への完全移行は難しくなっています。できるところから少しずつ、生活の改善を実践していきましょう。

(出典:https://www.em-seikatsu.co.jp/)


■合成界面活性剤の毒性

 界面活性剤とは、親水基と疎水基を持つ特質を活かして、水と油分などの本来混ざり合わない物質同士を混ぜ合わせる役割を果たすものです。界面活性剤を用いた洗浄剤や乳化剤の数々は、様々な分野で活躍する極めて優れた発明品です。 しかしながら、界面活性剤には強い毒性を持つと言われるものも存在します。

 界面活性剤の原点は、古来より世界中で使用されている脂肪酸ナトリウムなどの天然成分を原料とする古典的な石鹸です。これらの古典的な石鹸は、生分解性に優れ、環境への影響度が低いものでしたが、その反面、洗浄能力は高くありませんでした。 20世紀の初頭、コールタールを硫酸化することで合成された洗剤が発明されて以来、石炭由来の合成界面活性剤を用いた洗剤が主流となっていきます。

 続いて分岐型アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ABS)、ノニルフェノールエトキシレート(NPE)などに代表される合成界面活性剤は、古典的な石鹸に比べて洗浄能力に優れたため、20世紀後半には世界の先進国で飛躍的に使用量が増加しました。しかし、ABSやNPEは生分解性が悪かったため、大量使用によって河川汚染などの弊害が明らかとなり、次第に使用が自粛されるようになります。つまり、一般的に指摘される界面活性剤の毒性は、合成界面活性剤の生分解性の低さによる環境中への残存が、大きな理由のひとつなのです。


界面活性剤による人体への影響

 界面活性剤のうち、特に石油系の原料由来で合成された合成界面活性剤は、人体へ悪影響を及ぼす恐れがあると指摘されています。

 合成界面活性剤は、衣服用洗剤・食器用洗剤・シャンプーやボディーソープ・化粧品など、一般消費者の肌に直接触れる身近な商品にも使用されています。また浄水処理不十分の工業排水などに含まれる合成界面活性剤に、知らず知らずのうちに触れてしまうことも少なくありません。

 このような場合において、合成界面活性剤が人体の皮膚などに付着した際、界面活性剤の浸透作用が働いて体内に侵入します。そもそも人体には、合成界面活性剤を分解する機能が備わっていません。侵入した合成界面活性剤は体内を巡って肝臓などの臓器に蓄積され、「エンドクリン作用」(=内分泌かく乱作用)を及ぼす恐れがあるほか、様々な病気の原因となるとする考え方もあります。

 界面活性剤は極めて有用な特質を持った物質であると同時に、人体や環境に対して悪影響を及ぼす危険性もはらんでいます。そのことを理解し、適切かつ安全な使用が必須です。


 合成界面活性剤をはじめとする経皮毒が招く病気としては、皮膚病、アレルギー、膠原病、ホルモンに関する病気、がん、婦人病などがあります。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン