2024年11月27日水曜日

老化のしくみ

 若者の老化が進んでいる!?

 世界中で「早期発症がん」、つまり14歳から49歳までに診断されたがんが増えています。過去30年間(1990~2019年)で、50歳未満の新規がん患者は約80%も増えているのです。

(※浙江大学医学部、ハーバード大学、エディンバラ大学などの研究者らが昨年、英医師会雑誌に報告済)

 研究者たちは、2019年の世界疾病負担調査のデータを基に、204カ国の14~49歳の人々のがん罹患率と死亡率の変化を調査。2019年は、50歳未満の100万人以上ががんで死亡し、1990年から約28%も増加していました。研究者らは、2030年には、世界の新たな「早期発症がん」の症例数は31%、関連する死亡者数は21%増加すると推定しています。

 日本でも「国立がん研究センター」のがん情報サービスのデータによると、特に女性の「早期発症がん」が増えているそうです。

「早期発症がん」増加の原因のひとつとして考えられているのが、“老化が進んでいる”ことです。ワシントン大医学部の研究者らが、今年4月、若年成人のがんリスク増加と老化の加速が関連していることを、米国がん学会で指摘しています。

研究チームは、2つの関連を調べるために、英国バイオバンクに登録された約15万人のデータを使って、血液中の9つのバイオマーカーを分析し、参加者の生物学的年齢を算出しました。すると、1965年以降に生まれた人は、1950~54年の間に生まれた人にくらべて、生物学的年齢が年代よりも17%高かったといいます。

 次に研究チームは、加速する老化と「早期発症がん」発症の可能性との関連を調査。その結果、体の老化が早ければ早いほど、肺がん、消化器がん、子宮体がんの早期発症が高まっていました。やはり、50歳未満の新規がん患者が、過去30年間で約80%も増えているのは、老化が進んでいるからなのでしょうか。

 ボストン在住の内科医・大西睦子氏は言います。

「なぜ早期発症がんが増えているのか、その理由を見つけるために専門家は苦闘している。若い人の老化はひとつの理由であるかもしれないが、まだハッキリした理由は分かっていない。アルコールの飲み過ぎ、適切な睡眠の不足、日光への暴露、ストレス、長時間の座りっぱなし、メンタルヘルスの問題、交際関係の欠如などが考えられる。特にこれが悪いということではなく、食生活が乱れている人は、活動レベルが低くて、睡眠不足になりがちということもある。アメリカの研究では、1965~80年に生まれたX世代は、ベビーブーマー世代(1946~64年生まれ)に比べて、健康状態が悪く、また、飲酒や喫煙などの不健康な行動が多く、うつ病や不安症が多いことが指摘されている。便利な社会になり、インターネット、ソーシャルメディアなどと共に過ごす時間もますます増えている。これらに依存した生活は、ヘルシーなライフスタイルがしにくくなる、ということはあると思う」

(出典:https://www.nikkan-gendai.com/)


■老化のメカニズム

「老化」とは一般的に、成熟期以降に起こる“生理機能の衰退”を意味し、遺伝的な要因や外界からのストレスに対し、適応力が低下することで起こる変化と考えられます。

 老化のメカニズム 

 生物学的に老化への太刀打ちは難しいとする「プログラム説」と、成熟後の有害遺伝子の発現で老化していくという「擦り切れ説」があります。成長スピードと同様に、老化スピードにも個人差がありますが、また、体内の組織や細胞によってもそのスピードは違うので、老化が進んでも、組織によっては実年齢よりも若いこともあります。

 老化の原因 

 老化の原因の一つは、「活性酸素による体の錆び」と考えられています。活性酸素生成の原因も様々で、呼吸による酸素の活性酸素化や、車の排気ガス、たばこ、紫外線、激しい運動や心理的ストレスなども活性酸素の蓄積を誘発し、老化の原因になります。また、老化スピードは40歳代から加速しますが、それは40歳代になると「抗酸化酵素」の能力が急速に減少するからです。このことから、逆に老化抑制には代謝を抑え、活性酸素の蓄積を抑えることが有効とする、カロリー制限説が唱えられるようになりました。一方で、老化には活性酸素のみならず、様々な複雑な要因があることから、一概に「老化を確実に抑え込む」ことはできないという考え方もあります。

老化はいつから始まるか

 細胞レベルで見ると、老化は生まれた直後から始まります。研究で、胎児から採取した細胞は約50回の分裂が限界であることが分かりました。そして限界まで分裂した細胞を“老化細胞”と呼びます。老化細胞に増殖を促す処理を施しても、二度と増殖しません。若い頃は機能低下した細胞は除去され、新しい細胞が補充されて機能を保ち、老化を防いでいます。しかし、年齢と共に細胞の入れ替わりは遅くなり、それ自体が停止すると、組織の機能が低下し、徐々に老化が進行していきます。やがて、老化細胞で生きていかねばならなくなります。

 一方、極めて稀ですが遺伝子の異常によって、正常な人より早いスピードで老化する病気もあります。「早老症」といい、国の難病にも指定されています。

老化による身体への影響

 老化は、右表(⇒)のように体に様々な影響を引き起こします。このほかにも、視力の低下や聴力の低下など、高齢者には様々な身体の影響が出てくるのです。


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愛・感謝 村雨カレン

2024年11月20日水曜日

てんかん

 てんかん、認知症との誤診に注意

 自動車整備工場で働く60代後半の男性は、2~3年前から職場で「ぼんやりしていて会話が成り立たない」「指示した内容を何度も忘れる」と指摘されていました。

 近所の脳神経内科では、アルツハイマー型認知症の疑いありとの診断。経過観察状態が続いたが、約半年前、家族旅行からの帰宅後、旅行の記憶がスッポリ抜け落ちていることに気が付く。家族に促され、大学病院で検査を受けた。診断名は「てんかん」だった――。

「てんかんは、脳の神経細胞が過剰に興奮することで一時的な症状が繰り返し起こる脳の慢性疾患。高齢者てんかんで最も多いのが脳卒中の後遺症で、3~4割を占める。ほかにも脳腫瘍や頭部外傷、アルツハイマー病によって発症するが、全体の3分の1は原因不明とされ、誰にでも発症する可能性がある」(相模原市認知症疾患医療センター長の大石智氏)

 子供のてんかんではけいれん発作が多いですが、高齢者の場合は非常にまれで、けいれんを伴わない“複雑部分発作”がよく見られます。「ボーッとしている」「呼びかけに無反応」等の意識障害や、「口をペチャペチャモグモグさせる」「机や膝の上を指でトントン叩く」等の状態。1~2分ほど続きますが、目立つ症状ではないため、異変に気付きにくいそうです。

「高齢者がてんかん発作を起こすと、発作直後に意識障害が残る『もうろう状態』になることがある。自力で食事が摂れないだけでなく、あちこちウロウロと動き回るので、壁にぶつかったり転落したりする危険がある」(同氏)

 発作の後のもうろう状態は、数十分から1週間続きますが、本人はその間の記憶がないので、意識が回復しても周囲と話が噛み合いません。発作は飲酒や寝不足のほか、抗コリン作用を含む薬剤によって誘発されやすいので、注意が必要です。

 通常、てんかん発作は数分で消滅しますが、高齢者は意識障害が回復する前に何度も発作を繰り返す「てんかん重積」を起こしやすくなります。入浴中なら溺死、運転中なら事故につながりかねません。さらに一度重積状態を起こすと、再度起こしやすくなります。脳の一部が興奮した状態が長時間続き、脳細胞がダメージを受けて脳機能障害や精神機能障害などの後遺症が残る恐れがあります。

 早期の診断・治療のためにも、問診で発作発生時の状況を詳しく伝えるのが重要です。

「診察では、いつから、どんな時に、どんな症状かを伝えること。発作の頻度を把握し、てんかんの疑いが高ければ脳波検査で突発波と呼ばれる異常な脳波の有無を確認する」(同氏)

 てんかんの治療は、抗てんかん薬の経口投与が一般的。高齢者の場合、少量でも治療効果が非常に高く、9割は発作を消失または抑制できるとの報告もあります。一方で、認知症と誤診されるとてんかん治療の機会を逃すだけでなく、認知症の薬は逆にてんかん発作を誘発します。物忘れ=認知症と思い込まず、てんかんの疑いも持つべきでしょう。

(出典:https://www.nikkan-gendai.com/)


■てんかんは“慢性の脳疾患

「てんかん」は国際保健機関(WHO)によって「大脳神経細胞の過剰な電気的発射に由来する、反復性の発作を主張する慢性の脳疾患」と定義付けられています。つまり、てんかんは、脳の興奮(=発作)を一回だけでなく繰り返す疾患だということです。

 人間の脳の回路は「興奮」と「抑制」の絶妙なバランスによって成り立っています。誰の脳でも(てんかん発作のない人でも)このバランスが崩れれば、回路が暴走して痙攣発作を起こす危険性を秘めています。例えば、酸欠状態や低血糖状態など特殊な環境下や、外傷や脳卒中で脳が傷つけられた急性期などです。

 てんかんとは、何らかの原因により(原因は様々)大脳の一部または全体に、普段から暴走しやすい回路ができている状態と言えます。その暴走しやすい回路は、過剰な電気的発射を起こす場所でもあり、「てんかん焦点」と呼ばれます。てんかんはこの焦点の分布のしかたで分類したものが「全般てんかん」と「局在関連てんかん」(=部分てんかん)です。 ※原因による分類は「特発性」と「症候性」

生体電流を乱す原因

 私たちを取り巻く現代の生活環境は、身体に有害なものをたくさん含んでいます。日常的に以下のような環境に置かれていると、生体電流の滞り、電位の乱れの可能性が大きくあり、「てんかん焦点」が形成されやすくなってしまいます。

▼食生活の乱れや運動不足 ▼パソコンやスマートフォン・携帯電話など家電の電磁波

▼加齢(40歳前後から生体電流は衰え始める) ▼ホルモンの変化(女性ホルモンの影響も大) ▼ストレス ▼疲労 ▼睡眠不足・睡眠リズムの乱れ

 携帯電話やTV、パソコン、電子レンジなど微弱な電磁波を常に発している機器、私たち自身の食生活や睡眠リズムの乱れ、ストレス、運動不足、加齢による生体電流生産の衰えなどが原因となって生体電流に乱れを生じさせるのです。

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 当学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」に含まれる成分として有機ゲルマニウムがあります。有機ゲルマニウムには、血行促進、免疫細胞活性化、骨代謝調整ホルモンのバランス調整などの他に、生体電流を整える作用も認められています。


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2024年11月13日水曜日

過酸化脂質

 最強の毒ALE 発がん性と神経毒性

 老化物質AGE(advanced glycation end products;糖化最終産物)の危険性については、何度かお伝えしているのでご存知のことと思います。このAGEと同じくらい、いやむしろAGE以上に危険だとする研究者もいるくらいの危険物質が「ALE(advanced lipoxidation end products;脂質過酸化最終産物)」なのです。

 揚げ物が好きな人は多いと思います。唐揚げ、とんかつ、エビフライ‥‥でも、こうした美味しいものに限って危険が潜んでいるものです。高温調理過程の中でできてしまう毒、それがAGEであり、ALEなのです。

 AGEはたんぱく質が糖化されること(コゲによる劣化)によって生まれます。それが私たちの体に蓄積されることによって様々な障害を起こすのです。一方、高温調理で油が酸化され、過酸化脂質になります。この過酸化脂質がさらに酸化され、アルデヒド(酸化二次生成物)という毒になります。そしてアルデヒドがたんぱく質にくっついて過酸化されたもの(サビによる劣化)がALEです。これが体内に蓄積すれば、様々な病気の原因になるのです。

ALEを作るアルデヒド

 過酸化脂質が増えると、アルデヒドなど多くの酸化二次生成物をもたらします。過酸化脂質が発生してから少しずつ分解されていき、嫌な臭いを強く感じるようになります。この臭いの主成分がアルデヒド。「油酔い」と言われるもので、味も悪くなっていきます。

ALE産生の2パターン

①外因性:揚げ物などに含まれるアルデヒドの大量摂取により、活性酸素⇒ALEの形成。

②内因性:悪い生活習慣や炎症により、組織内にアルデヒドが産生される。

脂質アルデヒドの毒性(各種論文より)

▼腎臓や結腸における4-HNEたんぱく質(ALE)の形成は、がんの成長・進行を促進する。

▼4-HNEのレベルの上昇は、肝臓がんや膵臓がんの発症リスクを高める。

▼4-HNEは脳の神経細胞、血管筋・肝・骨格筋細胞のミトコンドリアに酸化ストレスを誘発。

▼4-HNEは発がん性、遺伝毒性、変異原性がある。


 私たちの体はもともとGST、GSH、ADH、AKR、ALDHなどアルデヒドを解毒する酵素持っていますが、揚げ物を摂り過ぎると、これらの酵素では対応しきれなくなり、結果的にアルデヒドが体内に蓄積されてしまうのです。

(出典:栄養チャンネルhttps://www.youtube.com/)


■過酸化脂質と疾病への関与

 体内の過剰な活性酵素・過酸化脂質は、組織の老化を加速させ、細胞の機能低下や細胞数の減少によって、様々な病気の発症につながる恐れがあります。

過酸化脂質って?

 過酸化脂質とは、活性酵素がコレステロール中の不飽和脂肪酸と結びつき酸化して出来た脂質の総称で、悪玉コレステロールと言われています。

 過酸化脂質を生み出す原因としては、▼ストレス ▼喫煙 ▼激しい運動 ▼大気汚染 ▼残留農薬 ▼紫外線 ▼食品添加物‥‥などがあります。

過酸化脂質の病気への影響

 過剰な過酸化脂質は、肌の老化からアルツハイマー病やガンまで、その影響は甚大です。血管内に付着・血管に溜まる過酸化脂質は、動脈硬化脳卒中心筋梗塞などに影響しますし、皮脂が酸化してできた過酸化脂質は、皮膚の細胞を傷つけ、アトピー性皮膚炎火傷の悪化かぶれシミソバカスなどの炎症を引き起こします。

 脂質異常症患者や冠動脈狭窄患者の血液では、過酸化脂質の濃度が健常者に比べて数倍高く、過酸化脂質が動脈硬化症発症に関与しています。また、過酸化脂質が蓄積した老化赤血球の数が多くなると、アルツハイマー型認知症のリスクが高まることも確認されています。

過酸化脂質を減らすには

 過酸化脂質対策には、活性酸素を抑える役割を持つ「抗酸化物質」が有効です。私たちの体内には元々抗酸化酵素や抗酸化物質が存在しています。しかし体内の抗酸化機能は肥満や食生活の乱れ、加齢によって低下しますので、食品から抗酸化作用をもつ成分を摂ることが重要となります。代表的な抗酸化物質としては、ビタミンAビタミンCビタミンEポリフェノールカロテノイドなどがあります(右表)。また、クロレラなどの食品から摂取するルテインによって、老化赤血球の増加が防げたり、味噌や醤油に含まれる糖化褐変物(メイラード反応産物)には抗酸化作用があることも分かっています。

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「HM-3000(特系霊芝)」には、非常に強い抗酸化作用を持つ酵素である「GSH-Px(グルタチオンペルオキシダーゼ)の産生・増加作用があることが確認されています。


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2024年11月6日水曜日

肺と血液循環

 たばこを吸わない人の肺がん増加!

 今、たばことは強く関連しない肺がんが増えています。「肺がんの患者数は右肩上がりに増加する一方で、喫煙者は減っている。これは、たばこが原因でない肺がんが増えていることを意味する」(中部国際医療センター樋田豊明医師)

 肺がんは「組織型」という分類法で腺がん・扁平上皮がん・大細胞がん・小細胞がんに分かれ、発生しやすい部位や特徴が異なります(右表参照)

 4分類のうち、喫煙との関連が強いのが扁平上皮がん小細胞がん。喫煙率の低下によって、扁平上皮がんと小細胞がんは減っています。そして、喫煙とは関連が少ない腺がんが急激に増えています。腺がんの発症理由ははっきりしていませんが、PM2.5等の大気汚染が肺のがん細胞の遺伝子異常を起こすというデータが複数出ています。たばこが身近ではない生活をしていても、だれでもリスクがあるということです。

「そもそも肺がんは無症状の場合も多く、症状がなくても全く大丈夫とは言えない。肺がんはステージⅣで発見される患者が珍しくない。それは自覚症状がないまま病状が進行してしまうから。早期発見には、喫煙者・非喫煙者を問わず受診することが重要」(同医師)

 重要なのは、「要精密検査」となったら、無症状でも、非喫煙者でも放置しないことです。国立がん研究センターの発表では、肺がん検診で要精密検査と判定された人の精密検査の受診率は83.8%。20%弱が放置しています。

 肺がんは、がんの部位別死亡率の中で、男性でトップ、女性で2位です。前述の通り、進行してから発見される人が多いからです。早期発見は当然ながら生存率を高めます。

 今年6月から放射線治療の一種、陽子線治療が肺がんで保険適用となりましたが、進行してからの発見では保険適用となりません。

 従来の放射線治療はX線やγ線を用います。これらは体の表面近くで最も強い効果があり、体の奥へ進むにつれ効果が弱くなり、さらにはがんを越えて体を突き抜けます。そのため、正常な組織や臓器を傷つけてしまうのです。これに対し陽子線治療では、最大のエネルギーを放出する場所(体の表面からの深さ)を設定できます。がんがある場所に設定すれば、そこで最大効果を発揮して停止。奥まで突き抜けません。がんに対して、集中的な治療ができるのです。肺がん治療の進化は目覚ましく、その恩恵を受けるためにも、正しい知識を。

(出典:https://www.nikkan-gendai.com/)


■肺の構造と血液循環

 肺は体の中でもかなり大きい器官の1つです。胸腔の大部分を占め、ちょうど横隔膜の上に乗る形をしています。左右の肺は非対称で、大きさは右肺8:左肺7。心臓がやや左寄りにあるため、左肺の方が少し小さくなっています。多角形小葉の集まり"葉"で構成され、右肺は上葉・中葉・下葉の3葉、左肺は上葉・下葉の2葉でできています。

 肺の入り口である肺門には、気管支のほか、肺動脈、肺静脈などの血管、さらに神経なども多数出入りしています。

肺胞と血管の間のガス交換

 肺門から入った空気は、気道を進んで肺胞に入ります。肺胞は直径0.2mmほどの小さな袋で、その周囲を毛細血管が網の目のように取りまいています。

 肺胞のまわりには、肺動脈から続くたくさんの毛細血管が走り、その中には、体内を巡ってたくさんの二酸化炭素を運んできた静脈血が流れています。

 このとき、毛細血管の酸素分圧(PO2)は40mmHg、二酸化炭素分圧(PCO2)は46mmHgです。これに対し、肺胞内のPO2は100mmHg、PCO2は40mmHg。血管内と比べると、肺胞内のほうが圧倒的に酸素が多く、二酸化炭素は少ない状態です。

 ガスの移動は、ガス分圧の差によります。肺胞⇒静脈の毛細血管は、60(100-40)mmHgの圧力で酸素が移動し、静脈側の毛細血管⇒肺胞は反対に、6(46-40)mmHgの圧力で二酸化炭素が移動します。このガス交換の結果、酸素をたっぷり含んだ血液は、肺静脈から心臓へと戻り、再び全身へと向かい、一方、肺胞に移動した二酸化炭素は、肺の呼吸運動によって気道から体外へと排出されます。つまり、血液にとって肺胞は酸素の供給する場所であり、二酸化炭素の捨てる場所でもあるといえるのです。

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酸素供給・血流改善への霊芝の影響

 体内に取り込まれた酸素は、赤血球が全身へと供給します。そして、赤血球が運搬する酸素を切り離して、全身の細胞への酸素供給量を高め細胞の酸欠を改善するのは「2,3-DPG(グリセリン2,3-リン酸)」の働きによるものです。また、血液の通り道である毛細血管の柔軟性の維持や傷ついた血管の修復・改善には「NO(一酸化窒素)」の作用が欠かせません。

 康復医学学会の推奨する生薬である「HM-3000(特系霊芝)」には、2,3-DPGを産生・増加させる作用があること、そして体内でのNO合成酵素を活性化させ、NOの産生を促進する作用があることが確認されています。


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愛・感謝 村雨カレン