細胞へのCaの出入りが睡眠を支配?
人はどのようなメカニズムで眠り、どのようなメカニズムで起きるのでしょうか。疲れたから寝る。8時間ぐらい寝たから起きる。そんな単純なことのように思いますが、細胞レベルでみると、ある原子の働きでコントロールされているといいます。人の睡眠時間と覚醒時間は一定に保たれています。毎日、同じように過ごしていれば、だいたい同じ時間帯に眠くなり、だいたい同じ時間、睡眠を取って、毎朝、同じ時間に起きます。逆に、睡眠を長く取りすぎて、朝、起きるのが遅かった日は、その日の夜、なかなか眠くならないし、徹夜をした日は翌日、早くから眠くなってしまいます。
実体験で皆が体験していることなのですが、どのようにしてバランスを取っているのか、何が睡眠時間を測っているのか、これまではっきりと分かっていませんでした。
東京大学と理化学研究所の研究チームは、遺伝子操作を施したマウスを使って実験を行いました。その結果、細胞内にカルシウムイオンを取り込む遺伝子群をなくしたマウスでは睡眠時間が減少。一方、カルシウムイオンを細胞外へ放出する遺伝子群をなくしたマウスでは睡眠時間が増えたのです。
これらの結果などから、研究チームは、マウスが寝るためには神経細胞にカルシウムイオンが入る必要があること、逆にマウスが起きるためにはカルシウムイオンが神経細胞から出る必要があると結論付けました。寝るとき、起きるときには、細胞ではカルシウムの出入りが起こっていたのです。
カルシウムイオンが睡眠時間を調整しているというメカニズムが明らかになったことで、睡眠に異常がある病気の治療に役立つのではないかと研究チームは考えています。
アルツハイマー病などの認知症では、同年代の人と比べても睡眠が浅く、重度の患者ではたったの1時間程度の短時間でさえ連続して眠ることができなくなる人もいるようです。
こうした症状は睡眠と覚醒のバランスが異常を来している表れだと考えられています。しかし、残念なことに現状では認知症の睡眠障害に有効な薬物療法はありません。
特に超高齢社会に突入した日本にとって、認知症の睡眠障害は今後、どんどん大きな問題となってくるでしょう。例えば、将来、カルシウムイオンの出入りを人為的にコントロールするといったことができるようになれば、認知症の睡眠障害のように、現在では対処しようがない症状でも解決することができるのかもしれません。今回の研究成果はその大きな第一歩だとみられています。
(出典:http://www.circl.jp/)
■高齢者、認知症と睡眠について
年齢とともに睡眠が変化する
年齢とともに体力が落ち、老眼になり白髪が増える――それと同じように睡眠にも変化が生じます。第一の変化は早寝早起きになること。これは体内時計の加齢変化によるもので、血圧・体温・ホルモン分泌など睡眠を支える多くの生体機能リズムが前倒しになります。
そして第二の変化は"睡眠が浅くなる"ことです。睡眠脳波を調べてみると、深いノンレム睡眠が減って浅いレム睡眠が増えるようになります。そのため尿意やちょっとした物音でも目が覚めてしまうのです。
認知症の睡眠問題
認知症の方では、同年代に較べてもさらに睡眠が浅く、さまざまな睡眠問題がみられるようになります。重度の認知症の方ではわずか1時間程度の短時間でさえ連続して眠ることができなくなるといわれています。夜間の不眠とともに昼寝(午睡)が増え、昼夜逆転の不規則な睡眠・覚醒リズムに陥るようになります。またしっかり目が覚めきれず「せん妄」(もうろう状態)がしばしば表れます。この時には不安感から興奮しやすく時に攻撃的になるため、介護の負担が増します。認知症患者の一部では、夕方から就床の時間帯に徘徊・焦燥・興奮・奇声などの異常行動(日没症候群)がみられます。これも睡眠・覚醒リズムの異常が関係していると考えられています。
認知症の睡眠障害に有効な薬物療法は知られていません。効果が出ても一過性の場合が多く、長期間使用することは避けねばなりません。睡眠薬や鎮静薬を使いすぎると、強い眠気や誤嚥、転倒・骨折などのために生活の質が低下し、結果的に介護負担が増加します。
認知症の方の睡眠障害への対処法として、「なるべく日中に刺激を与えて覚醒させる」「規則正しい日課で生活リズムを保つ」「夜間睡眠の妨げになる原因をなくす」ことを心がけてください。
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睡眠薬は効きやすくなるので注意を!
認知症の方に対する睡眠薬の使用については、高齢者では若年者に較べて睡眠薬に対する感受性が高く(少量で効きやすい)、体内から排泄する力も弱くなるので、注意深く使用する必要があります。睡眠薬の前に、「ラフマエキス」など、安全性が十分確認されているサプリメントを使用することをお勧めします。
いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 村雨カレン