2020年12月24日木曜日

更年期の不調

 東洋医学で更年期の不調を撃退!

 疲れ、冷え、頭痛、不眠、腰痛、肩こり、むくみ、イライラ。これといった原因は思い当たらないのに、調子が悪い‥‥。更年期世代のそんな悩みには、漢方や中医学からの視点が求められているのかもしれません。

 西洋医学は、更年期の不調の原因を女性ホルモン・エストロゲンの減少や、老化、ストレスによる自律神経の乱れと捉え、「ストレスを解消して自律神経を整える」ことで対処します。しかし、セルフケアでは思うように症状が改善しないと悩んでいる方が多いのです。

 東洋医学では、不定愁訴は人間の体を構成する「気(き)」・「血(けつ)」・「水(すい)のバランスが乱れることで起きると考えます。

「気」とは、生命エネルギーのこと。「血」は全身に栄養と酸素を運ぶ血液、「水」は体液・リンパ液・水など血液以外の水分を指します。車にたとえると、気はエンジン、血はガソリン、水はエンジンオイル。どれが欠けても車は走れません。

 気・血・水のどれかが不足したり滞ったりすると、さまざまな不調が表れます。特に重要なのは、エンジンに当たる気です。血や水を全身に運ぶ役割を担う気が不足すると、巡りが悪くなってしまうのです。

 東洋医学では、気が不足した状態を「気虚(ききょ)、気の巡りが悪くなった状態を「気滞(きたい)、血が不足した状態を「血虚(けつきょ)、血が滞った状態を「瘀血(おけつ)、水が滞った状態を「水毒(すいどく)と呼びます。

 気虚になると疲れやだるさ、免疫機能の低下による不調などが起こります。血虚は不眠や、些細なことで動悸がするなど精神的な症状が表れます。上半身で血の巡りが滞ると肩こりや腰痛、下半身で悪くなると足の静脈瘤や痔などを引き起こし、水毒になると、むくみなどの症状が生じやすくなるのです。また、頭痛やめまいは、気滞をはじめ、どのタイプでも起こります。

 東洋医学では、女性は7の倍数の年齢のときに体が変化すると考えられており、28歳頃をピークに、その後は次第に下向きとなります。特に更年期に当たる49歳頃からは、衰えが顕著になります。生命エネルギーである気が減ったり、血や水を巡らせる力が弱くなったりするためと考えます。

 気・血・水を作り出し、そのバランスを整えているのは“食事”“呼吸”です。医食同源(薬食同源)という言葉の通り、特に食事が大事。今の自分に必要なものを意識して摂るようにしましょう。きっと不調は和らぐはずです。

(出典:https://fujinkoron.jp/)


■食事と呼吸法でバランスを取り戻す

 気・血・水を整える食事と呼吸法で健やかな体と心を手に入れましょう。

 胃腸を含む内臓、血液、リンパ液、筋肉、ホルモンなど、体を構成するすべての細胞の原料となるたんぱく質を十分摂ることが重要になります。特に、たんぱく質不足による胃腸の衰えには注意が必要です。気・血・水は、胃腸が食べ物を消化吸収して栄養素に変えることで生まれるのです。

 たんぱく質は1日50gを目安に。それを血液などに変えるためには食物繊維やビタミン類、酵素が必要なので、野菜もしっかり食べましょう。


症状別のおすすめ食材

 古来、中国では食材を用いて病気を防ぐという薬膳の考え方があります。足りないものを補う薬膳理論をもとに、不調を改善します。

 更年期の不調を和らげ、胃腸の働きを整えて気や血を補う生薬の活用も一つの方法です。


気を整える呼吸法

逆腹式呼吸法

 自律神経の乱れを整えるのに、有効な呼吸法です。逆腹式呼吸は、小腸を刺激し活性化させます。消化吸収もよくなり、気・血・水の不足を補うとともに巡りをよくします。

(1)肺の中の空気を口からすべて吐き出す。

(2)お腹をへこませて、5秒くらいかけて鼻から肺の中に思いきり息を吸い込む。

(3)吸い込んだ息を2回に分けてお腹をふくらませながら5秒ずつ吐く小腸のあたりがジワーッと温かくなればOK。


小周天呼吸法

 上半身に気を巡らせる呼吸法です。呼吸と体の部位に意識を集中することで気の不足やストレスなどからくるイライラが解消されます。1回1分でOK。

(1)肛門→お尻→腰→背骨→首の後ろ→後頭部→頭のてっぺんと、それぞれの部位に空気を通すイメージで鼻から息を吸い上げる。

(2)頭のてっぺん→額→鼻→喉→胸→ウエスト→おへそ→丹田と、それぞれの部位に空気を通すイメージで口から息を吐く。

(1)と(2)を3~5回くり返す。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2020年12月16日水曜日

鎮痛薬の正しい飲み方

 頭痛薬で陥る“薬物乱用頭痛”

「母親も頭痛持ちだったが、私も生理前になると頭痛がひどくなり、薬局の痛み止めでなんとか凌いでいた。でも、その痛み止めを飲む回数が増えてしまって…」という頭痛患者が少なくないそうです。この場合、外来で詳しく話を聞けば、診断はさほど難しいものではありません。「薬物乱用頭痛」です。元々の原因となっている頭痛は「片頭痛」のことが多い(80%)のですが、もちろん「緊張型頭痛」など、その他の頭痛でも起こり得るのです。

 たとえば片頭痛で不適切な治療を繰り返していると、頭痛発作が頻発するようになってしまいます(慢性片頭痛)。月に10~15日以上起こる頭痛が、3カ月を超えて続いている場合には要注意です。そして、この頭痛発作を慢性化させる最も一般的な原因が薬物の乱用であり、国際頭痛学会ではこれらを「薬剤の使用過多による頭痛」(薬物乱用頭痛/medication-overuse headache;MOH)としています。

 原因となる薬物は、片頭痛発作時に服用するエルゴタミンやトリプタン、さらにはアセトアミノフェン、非ステロイド性抗炎症薬などです(米国では麻薬も)。特に非ステロイド性抗炎症薬であるアスピリンやイブプロフェンは、OTC(over the counter=町の薬局で簡単に入手可能)として市販されていて、厄介です。

 全人口の1~2%の人(全ての頭痛の14.6%)が薬物乱用頭痛に苦しんでいると考えられています。女性が70%を占め、30~50歳代に多くみられます。乱用に至る機序として、麻薬などによる薬物依存との類似性も指摘されています。

 乱用に陥った人の多くでは、日常生活が制限されるばかりでなく、繰り返す頭痛発作によって仕事の効率が低下し、治療費もかさむことになります。これらによる経済的損失も大きな問題となっているのです。

 患者に、自身が陥っている状態を理解してもらうことが治療のスタートです。その上で、原因となっている薬物を即時中止(麻薬などは段階的に減量、中止)し、中止によって起こる頭痛への対処を考えます。ここでは予防薬の投与が重要になります。元々の頭痛が片頭痛である場合には、抗てんかん薬のバルプロ酸(セレニカ)、トピラマート(トピナ;保険適応外)や、抗うつ薬のアミトリプチリンを選択する場合もあります。

 この頭痛は、乱用中止によって消失する頭痛なのです。OTCに頼るのはいけません。

(出典:http://www.sankeibiz.jp/)


■痛み止めの正しい飲み方は?

 頭痛や生理痛などで使われている鎮痛薬(痛み止め)は若い世代にも多く使用されていますが、使用法の誤解も多い薬の1つです。市販の痛み止めの使い方として、「生理痛がひどいと薬の量を増やしたり、時間を空けずに飲んだりしてしまう」という声がありました。

 効果がないと思って決められた量や回数よりも多く使ってしまうといったことはついやりがちなのかしれません。しかし、副作用が出るリスクを高めるだけでなく、エスカレートしてしまい、体に様々な異変が起きるようになってしまいます。


 具体的には、用法用量を守らずに痛み止めを使いすぎると、胃腸障害腎障害頭痛などが起きることがあります。市販の痛み止めの多くは「NSAIDs(エヌセイズ)」と呼ばれる成分が含まれています。NSAIDsは、頭痛や生理痛など様々な炎症や痛みの原因になる物質である「プロスタグランジン」が作られるのを抑えて効き目を表します。

 その一方で、プロスタグランジンには胃の粘膜を保護する役目を持つものもあって、それも作られなくなるため胃腸障害が起きてしまいます。また、プロスタグランジンは腎臓にも作用していますが、NSAIDsによってプロスタグランジンが減ってしまうと、血流が低下し、尿が減少することで腎障害が起きる可能性もあります。

 また、痛み止めを飲んで、かえって頭痛が起きてしまうことがあります(薬物乱用頭痛)。使用しているうちに痛みに対して神経が敏感になり、弱い痛みでも強い痛みとして感じてしまうようになってしまうのです。


 痛み止めは「用法用量を守って月に10日まで!」と覚えましょう。また、市販薬を飲んでも効果がない場合は、生活習慣を見直す必要や、別の病気の場合もあるので要注意です。


正しい薬の 飲み方は?

 薬を用法用量通りに飲むことはもちろん、「飲み方の基本」を抑えておくことも重要です!

 薬の飲み方で正しいのはどれ? 

①薬はコップ1杯の水でのむ

②錠剤は砕いて飲むと効き目が早い

③「食後」に服用の薬は食後30分以上経って飲む

 答えは、①が○、②③は×です。

①水なしや少量の水で飲む人もいますが、カプセルや錠剤がのどや食道に貼り付いて、その部分の粘膜を傷めてしまうことがあるため危険。また、水の量が少ないと薬が十分溶けないため吸収率が下がってしまう場合があります。効果をきちんと得るためにはコップ1杯程度(200cc)の水が必要です。

②薬の外側は糖やセルロースなどでコーティングされていたり、薬が腸で溶け出すようにできていたりと、薬の効果が適切に発揮できるように工夫されています。薬を砕くとこのような工夫が台無し。効き目の出方が変わってしまいます。錠剤を噛み砕いてはいけません。

③「食後」と指示されている薬は、胃に食物がある状態で飲む薬なので、「食後30分以内」に飲むことが基本です。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2020年12月9日水曜日

たんぱく質不足

朝食でたんぱく質が不足している人は筋肉がつかない?

 筋トレは健康維持や体型改善に欠かせませんが、筋肉は長寿にも貢献することが明らかになっています。健康長寿を目指す私たちにとって、まさに「筋肉は裏切らない」のです。

 しかし「筋肉量を増やしたいからと、やみくもにたんぱく質やアミノ酸を摂るのは効率的ではない」と言うのは、筋肉の減少や肥大のメカニズムに詳しい立命館大学スポーツ健康科学部の藤田聡教授。筋肉を効率よく増やすには、たんぱく質をどう摂ればいいのでしょう。


筋合成の落とし穴は「朝食のたんぱく質不足」

 筋肉量が少ない人は、多い人と比べて死亡リスクが高い、ということが分かっています。加齢に伴って筋肉量が減り、やがてロコモティブシンドローム(運動器症候群)につながることはよく知られていますが、それ以外にも、筋肉量が少ないと糖尿病や心疾患のリスクが高まったり、手術に伴う弊害や術後の回復が遅くなったりすることが分かってきたのです。

 筋肉量を維持するためには、食事でたんぱく質を摂ることが重要です。『日本人の食事摂取基準2020版』によると、たんぱく質の1日の摂取推奨量は成人男性65g(65歳以上は60g)、 成人女性50gとなっています。

 男性65g、女性50gというのは、標準体重の場合。1日に必要なたんぱく質量は、活発な運動をしていない人は、体重1kg当たり0.8~1gが目安で、シンプルに1kg当たり1gとすると、体重50kgなら50g、60kgなら60gです。たんぱく質60gは、肉や魚なら約300gに相当します。

 日本人が実際に摂っている量は、1日当たり男性78.4g、女性66.1g(「国民健康・栄養調査(平成30年)」より)で、平均では不足していません。しかし、これは平均値なので、摂取推奨量に達していない人も一定数いるはずです。そういう人は、まず不足分を増やす必要があります。また、「総量は足りていても、朝昼晩の摂取配分が不均等だと筋肉量が低下するリスクが高くなる」と藤田教授は指摘します。

 筋肉は絶えず合成と分解を繰り返していて、食後は「合成」が、空腹時は「分解」が進みます。朝は、食事を摂っていない時間が長く続いたあとなので、筋肉が最も「分解」に傾いた状態であり、速やかにたんぱく質を摂る必要があります。朝食を抜くのはもってのほか!

 朝食を摂っている人も安心できません。日本人の食事は一般的に「朝・昼軽め、夜しっかり」で、たんぱく質の摂取が夜に偏っている人が多いのです。そこが落とし穴なのです。 

(出典:https://gooday.nikkei.co.jp/)


■たんぱく質不足の日本人

 戦後、私たち日本人の食生活は劇的に変わり、たんぱく質の摂取量は増え続けていました。ところが、近年になって過度のダイエットや偏食傾向の影響で、たんぱく質の摂取量は激減! 今や1950年代と同じくらいまで落ち込み、摂取すべきたんぱく質の量が摂れていない人も増えているのです。


日本人の体格の変化とたんぱく質について

 近年、20代~30代の日本人女性には"やせ型志向"の人が増えています。スレンダーな体型に憧れる気持ちは分かりますが、極端な食事制限を行うと、たんぱく質などの必要な栄養素の不足を招いてしまいます。その結果、貧血など健康に影響を及ぼすことも。

 一方、男性はというと、女性とは対照的に30代以上で肥満の割合が年々増加しています。食事からのエネルギー摂取量は減少傾向にあるにも関わらず肥満が増加していることから、運動不足などにより消費エネルギーが減少したことによって、相対的にカロリーオーバーになっていることが原因となっている可能性が考えられます。また、たんぱく質の摂取不足により筋肉量が減少し、基礎代謝量が低下した結果、肥満が増えた可能性も否定できません

 これら以外にも、たんぱく質摂取量の減少は子どもや高齢者の体力低下にも関係していると考えられます。つまり、たんぱく質摂取不足はあらゆる世代にとって重要な健康問題なのです。


健康的な体格を保つために大切なエネルギー収支のバランス

 体重や体格の変化には、食事によるエネルギー摂取量と、運動や基礎代謝などによるエネルギー消費量のバランスが大きく関わっています。エネルギー摂取量がエネルギー消費量を上回ると体重が増加して肥満につながり、その逆の場合、体重が減少してやせにつながります。エネルギー消費量の割合の大部分を占める基礎代謝には、筋肉が重要な役割を果たしています。その筋肉のもととなるのがたんぱく質であり、普段からたんぱく質摂取不足にならないための食事を意識することが大切なのです。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2020年12月3日木曜日

甲状腺機能低下症

 うつ病? 認知症? “元気がなくなってしまう病気”とは

「一見それほどでもない症状でも、実は放っておくとこわい症状も少なくありません。最初は気にもとめないわずかな症状が、放っておくと、取り返しがつかない大病になることもあります」。そう話すのは、体のSOSサインに気づかず、後悔した人をこれまでたくさん見てきた総合内科専門医・秋津壽男先生。秋津医師の新刊『放っておくとこわい症状大全』は、まさにこうした人を少しでも減らしたいという想いから生まれました。日々の健康チェックに役立つ情報満載の新刊です。

別名「治る認知症」。甲状腺機能低下症とは?

 甲状腺の機能が異常に高くなってしまうのがバセドウ病だとすると、その反対に低下してしまうのが甲状腺機能低下症です。「元気ホルモン」である甲状腺ホルモンが低下し、脈拍が上がらず、やたら寒がりになります。

 また、胃腸の働きが落ち、新陳代謝も落ちるため、食欲がないのに太りやすくなるのも特徴です。精神的にも活力が出ず、無気力になってしまいます。

 甲状腺機能低下症は女性に発症者が多く、遺伝的な要因も指摘されています。身内にかかった人がいるようなら、検診項目にぜひ甲状腺ホルモンの検査を加えてください。

 また、それらに該当しない人でも、そもそも年をとるとほかの臓器と同様、甲状腺自体の働きも衰えてきます。そのため、加齢とともに甲状腺機能低下症は増加する傾向にありますが、それを認知症やうつ病と勘違いする方も多いようです。

 活力がなくなってボーッとしてしまうため、「認知症が始まった」「初老期うつや老人性うつになった」と思ってしまうのです。認知症やうつ病の治療をしても症状が改善しなかったのに、甲状腺ホルモンの補充薬を飲んだらものすごく元気になった、というケースもよくあるため、甲状腺機能の低下は、「治る認知症」ともいわれています。

 もし、年をとって、最近なんだか元気が出ない、寒がりになった、食欲が出ない、ボーッとするといった症状が重なる場合は、一度病院で甲状腺機能を検査してみるといいでしょう。

(出典:diamond online)


■甲状腺の働きと甲状腺ホルモン

 甲状腺は首の前側、のどぼとけのすぐ下にあります。蝶が羽を広げたような形で気管を包み込むようにあり、たて4~5cm、厚さ1cm、重さ15~20gほどの小さな臓器です。女性の方が男性より大きく、高い位置にあります。

 正常の甲状腺は柔らかいので、外から手で触ってもわかりませんが、病気になると腫れてくると手で触ることができ、首の下が太くなったように見えてきます。

 甲状腺は、食べ物に含まれるヨウ素を材料にして甲状腺ホルモンを作り、血液中に分泌するところです。甲状腺ホルモンは多すぎても少なすぎても体調が悪くなってしまいます。

 甲状腺ホルモンの働きを一言で表せば、「からだの新陳代謝の調節」です。脈拍数や体温、自律神経の働きを調節し、エネルギーの消費を一定に保っています。子どもの成長や発達、大人の脳の働きを維持するためにも欠かせません。

甲状腺の病気について

 甲状腺の異常は主に3つに分けられます。

●甲状腺ホルモンが過剰 ⇒ 甲状腺機能亢進症(甲状腺中毒症):バセドウ病など

●甲状腺ホルモンが不足 ⇒ 甲状腺機能低下症:慢性甲状腺炎(橋本病)など

●甲状腺に腫瘍ができる ⇒ 甲状腺がん

 
 右図表の甲状腺ホルモンの異常が疑われる自覚症状は、同時に全て揃うというものではなく、一つ一つの症状も甲状腺が腫れるということ以外は甲状腺に特有というものではありません。 そのため、他の病気と間違われていたり、原因がわからずに様々な診療科にかかっていたりします。 例えば、高いコレステロール値を下げることだけに目が向けられている場合があります。 かかりつけ医で甲状腺ホルモンを測ってもらえば、甲状腺の病気であるかどうかが簡単にわかるかもしれません。

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 康復医学学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」は、免疫系に対して調整的な双方向性があるため、甲状腺ホルモンの過不足状態による機能異常の改善効果が期待できます。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2020年11月26日木曜日

飛沫感染と空気感染

 新型コロナは"空気感染"です!

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染様式として接触感染および飛沫感染が重視されています。そうした中、国立病院機構仙台医療センター臨床研究部ウイルス疾患研究室室長の西村秀一氏は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は空気媒介感染によって伝播されると、第61回日本臨床ウイルス学会(2020年10月2~31日、WEB開催)で指摘。その根拠を示した上で、厚生労働省のアドバイザリー・ボードが使用している「マイクロ飛沫感染」という造語は非科学的であると完全に否定しました。

 感染様式には大まかに右の6種があります。これらのうち汚染媒介感染は、乾燥した汚染物が塵埃となって空中を浮遊すればエアロゾル感染となり、エアロゾルが空気を介して伝播したものは空気媒介感染ともなります。さらに汚染媒介感染は接触感染にもなりうるのです。

 鼻腔粘膜への手指を介したSARS-CoV-2の接触感染について、西村氏は「通常、手指が触れる範囲は鼻前庭に限られるが、そこは組織学的には粘膜ではなく鼻毛も存在するような皮膚でウイルスの侵入は難しい。さらに奥に挿入してもようやく粘膜に届く程度で、感染効率は極めて悪いはずである」と説明しました。

 しかし、SARS-CoV-2の感染経路として接触感染がことさら強調されています。シミュレーションモデルとしてSARS-CoV-2に見立てた大量の蛍光塗料を手に塗布し、接触によって塗料があちらこちらに拡散していく実験映像がしばしば用いられます。

 これについて、同氏は「手指に付着した活性を持つウイルスが、あのような極端な多量であることは考えられず、非現実的だ」と述べ、蛍光塗料を用いた実験は素人によるミスリードだと断言しました。

 今年(2020年)9月下旬、米疾病対策センター(CDC)はガイダンスの改訂に当たり、COVID-19の主な感染経路を空気感染とする変更を加えました。その4日後に素案であったとして発表は取り下げられましたが、10月5日には空気感染例が存在することを再び認めるに至っており、接触感染の方がむしろ頻度は低いとまでしています。

(出典:https://medical-tribune.co.jp/)

■感染症~厄介な空気感染

 病原微生物は、何らかの形で私たちの体内に侵入して病気を起こします。麻しんや結核は、インフルエンザやマイコプラズマと同様に、われわれが呼吸する時に吸い込むことで呼吸器に感染します(経気道感染)。経気道感染は、麻しん、結核や水痘のような「空気感染」と、インフルエンザやおたふく風邪などの「飛沫感染」とに分けられます。飛沫感染の「飛沫」とは、咳、くしゃみ、会話によって飛散する唾液を指しています。医学的には、「水分を含んだ直径5?m(マイクロメートル)以上の粒子」であり、目に見えるほどの唾液であれば重さですぐに落下しますが、小さくなればなるほど空中を漂い、別のヒトが吸い込む確率が高くなります。吸い込める距離は通常1~2mほどですが、くしゃみのように勢いよく飛び出た場合には10mを越す場合もあります。

 これが、風邪やインフルエンザなど何らかの呼吸器感染をしているヒトの飛沫の場合、飛沫の中に病原体が含まれることになります。肺炎球菌のような細菌なら、大きさが1個当たり数?mなので、一つの飛沫の中に含まれる菌数は数個~数十個ですが、ウイルスは0.1?m前後であるため数十個~数百個含まれており、吸い込んだヒトの感染リスクが高まります。マスクやハンカチでくしゃみを抑えるなど、咳エチケットは感染拡大予防にとても重要です。

 飛沫が乾燥して小さくなったものや、元々5?m以下の粒子を「飛沫核」と呼びます。飛沫感染する病原体は大きければ落下し、小さければすぐに乾燥して感染リスクが低減します。

 ところが、麻しんウイルス、結核菌、水痘ウイルスは、飛沫核となっても感染性を失わず、飛沫核は軽いために空気中を漂い、広範囲に感染を拡げます。これが空気感染です。電車や飛行機のような狭い空間において、飛沫感染は感染者の半径約2mの乗客が高い感染リスクなのに対して、空気感染では同乗者全員が高い感染リスクを背負うことになります。

 経気道感染以外の感染経路として、感染性胃腸炎や大腸菌のような食中毒病原体は、水や食物を介して消化器官に感染します(経口感染)。クラミジアなどの性感染症や、バルトネラ(ネコひっかき病)などの人獣共通感染症の多くは、病原体を保有するヒトや動物との接触によって感染します(接触感染)。この他、蚊やダニなどの吸血性の節足動物が媒介者となって直接的に血液中へ病原体を送り込むような経路(経皮感染)や、母親から胎児へと病原体が移行して垂直感染することもあります(母児感染)。

 感染経路をよく見ると、飲食、呼吸、生殖と、私たちが生きるために不可欠な行動とともにあることが分かります。生きている限り、私たちは常に感染症のリスクを背負っているのです。そのため、私たちは病原体に打ち勝つための生体防御機構(免疫)を持っています。麻しんのようにワクチンが開発されている感染症では、予防接種で免疫を得ることも重要な予防対策の一つですが、日頃から規則正しい生活を心掛け、自己免疫機能を高めて感染症に負けない身体を心がけることが何よりも大切になってきます。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2020年11月18日水曜日

動物由来感染症

 中国豚コロナ ヒトへの感染の可能性も

 アメリカ研究者チームは、最新の研究論文の中で、中国で確認された「豚急性下痢症候群コロナウイルス(SADS-CoV)」について報告しました。このウイルスは、ヒトへの感染リスクがあると考えられ、もしヒトに感染した場合、新型コロナウイルスに似た症状を引き起こすとの事です。

『アメリカ科学アカデミー紀要(PNAS)』は10月12日、豚コロナウイルスに関する研究論文を掲載し、中国では2016年10月から、豚の下痢や嘔吐の症状を伴う群れの感染を誘発するSADS-CoVの感染があったと指摘しました。


 論文には、SADS-CoVは中国広東省で発見され、4つの子豚の群れに胃腸障害、重度の下痢を引き起こしたと記されています。SADS-CoVは、コウモリを由来として豚に経口感染します。子豚にとって非常に致命的なウイルスで、感染後は90%の子豚が5日以内に死亡すると報告されています。

 研究者は、SADS-CoVウイルスの複製をヒトのサンプル細胞に感染させ、ウイルスの伝播、増殖(複製)などを検証しました。すると、SADS-CoVが肺と腸の両方に由来する初代ヒト細胞で効率的に複製されることを発見しました。このことは、豚からヒトへ感染する可能性を示すといいます。

 SADS-Covは現在、世界的パンデミックを引き起こした「新型コロナウイルス(COVID-19)」と同じファミリーに属しており、研究によると、SADS-CoVがヒトに感染すれば、COVID-19と同様に呼吸器症状を発症する可能性があるといいます。

 この研究は、アメリカ・ノースカロライナ大学の疫学者、免疫学者、微生物学者の14人からなるチームが行いました。

 研究者らは、豚コロナウイルスは流行の可能性があるため、中国の養豚業界は細心の注意を払うべきだと書いています。

 昨年にも中国では「アフリカ豚熱」が発生しており、その結果、数百万頭の豚が殺処分されています。

 台湾大学医学院感染科の黄立民医師は台湾メディアに対し、「ウイルスが哺乳類に感染した場合、人間が感染動物と頻繁に接触している限り、人間にも感染する可能性はある」と指摘しました。

(出典:https://www.epochtimes.jp/


■動物由来感染症

 動物由来感染症とは、世界保健機構(WHO)では「脊椎動物と人の間で自然に行き来することができる病気又は感染」と定義しており、人獣共通感染症やズーノーシス(ZOONOSIS)とも呼ばれています。交通手段が発達したため、人・動物の国境を超えた移動が著しく増え、海外の病気の流入が容易になったことや、野生動物が希少ペットとして飼育されるようになったこと、また、ペットを室内で飼う家庭が増え、人とペットの距離が近くなったことなどから近年、注目されるようになっています。動物からの感染で健康を害する場合があり、現在、WHOで確認されているだけでも200種類以上あり、よく知られる病気として狂犬病や鳥インフルエンザ、エボラ出血熱、中東呼吸器症候群(MERS)、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、豚熱(CSF)などがあります。

 どういう動物から感染するのか  

 エボラ出血熱はコウモリの一種からサルなどを介して、中東呼吸器症候群(MERS)はラクダから感染すると考えられています。東南アジア地域で見られる鳥インフルエンザも、野生のハトやスズメ、飼育されているニワトリなどの鳥類から人に感染することが知られています。しかし、このような特殊な感染症だけでなく、日本でも日常的に見られる共通感染症として、ネコに引っかかれて発症する猫ひっかき病、ミドリガメやイグアナなどの爬虫類から感染するサルモネラ症、接し方によっては家庭のペットのイヌ・ネコが普通に持っている病原体で感染するQ熱、パスツレラ症などがあります。

 感染経路は  

 動物から人に感染する経路は、大きく分けると動物から人に直接感染する直接伝播とダニや蚊などを介して感染する関節伝播があります。引っ掻かれたり咬まれたりして生じた傷口からの感染、動物に舐められたり動物や動物の糞尿を触ったりすることでの感染を直接伝播、蚊やダニなどを介して感染したり、動物の肉などを食べて感染したり、動物から排泄された菌が土壌や水系を介して感染するのを関節伝播といいます。

 感染しないために気をつけること  

 動物との濃厚な接触を避け、動物に触った後は手洗いに心がけましょう。動物が赤ちゃんや小さな子どもを舐めたり触ったりするのはよくありません。また、国内外問わず野生動物は大変危険です。引っ掻かれたり咬まれたりしないよう十分に気を付けて接します。ペットを飼育する方は、ペットの身のまわりを清潔にし、糞尿は速やかに処理するよう心がけましょう。

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 康復医学学会が推奨する「ホタテ貝殻焼成カルシウム」の水溶液には、複数の大学の人獣共通感染症学研究室が行った、殺菌・抗ウイルス作用に関するデータがあります。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2020年11月12日木曜日

広場恐怖症

 プロゴルファーが広場恐怖症を告白

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、今年は約3カ月遅れで開幕を迎えた女子ツアー。2017年の「日本ジュニア選手権」を制するなどアマチュア時代から有望株として知られた菅沼菜々プロ(20)が6月25日からの「アース・モンダミンカップ」(千葉)の開幕を前に、不安障害の一つ「広場恐怖症」に苦しんでいることを告白しました。

「選手仲間にも心配されていました。ファンの方に病気について知ってほしいと思い、公表を決意しました」

 彼女が突然その症状に襲われたのは、2016年高校2年の夏。自宅から高校に通う駅のホームで急に、電車に乗ることができなくなったのです。診察を受けたものの病名ははっきりせず、高校3年時は電車通学もできていました。

 しかし高校卒業後、18年7月のプロテストに合格した後から再び症状が出たのです。公共交通機関での長時間移動などに対し、激しい恐怖や不安を覚える「広場恐怖症」と診断されました。広場恐怖症の原因は解明されていません。

 ツアーフル参戦初年度だった昨季は、飛行機や新幹線での移動を伴う北海道や九州での大半の試合に出場できませんでした。昨年8月の所属先の冠大会「ニトリレディス」(北海道)でも、父の運転で盛岡駅まで行ってから新幹線に乗ろうと努力しましたが、ホームにうずくまって号泣。現地入りを断念しました。昨季は全38試合で出場30試合。賞金ランキング62位で、惜しくもシードを逃しました。

「できることを信じてやるしかないです」。彼女はコロナ禍でも前向きにゴルフと治療に努めています。自宅(東京・立川市)を拠点に、練習ラウンドや体幹トレーニングで準備を進めました。薬の服用はドーピング違反にあたる恐れもあることから、治療はカウンセリングや自然療法に限られます。完治した人の本を読み、1人でツアー転戦できるようにと2月末に運転免許証を取得しました。

「不安はありますが、コースは好きなので、そこをプラスに考えて頑張ります」

 今季"開幕戦"となる「アース・モンダミンカップ」の昨年大会は首位発進して、最終的に昨季最高の5位。今年もファンや同じ病気に苦しむ人たちに勇気を届けるため、優勝争いを演じようと意気込み参加しました(結果:4アンダー27位)。


【広場恐怖症】:広い場所が怖いのではなく、広場の人混み、電車や飛行機など公共交通機関の利用時、狭い空間にいる際など、その場所から逃げ出すことが困難な場所や状況に対して強い恐怖や不安を抱く「不安症群」の一種。突然、激しい不快感に襲われ動悸や発汗、身震い、息苦しさなどパニック発作を起こす。10~20代の若年時に発症するケースが多い。パニック症を伴わない場合、生涯でかかるのは女性の2%、男性の1%とされる。高速道路走行中、地下鉄の長いトンネル内、劇場の中央付近の座席などで起きる例がある。

(出典:https://www.sanspo.com/)


■広場恐怖症とパニック

 広場恐怖症の方のほとんどがパニック障害を伴っています。特に原因もなく突然起こる「予期しない発作」、また発作が起きるのではないかという「予期不安」があります。

 パニック発作の症状は、動悸、発汗、めまい、窒息感、胸痛、吐き気や嘔吐、下痢、失神、現実感の消失、死への恐怖です。高齢者では転倒を恐れる、子どもでは迷子を恐れるなどがあります。仮に、動悸や窒息感などで医療機関に駆け込んでも、その時には治まっていることも多く、医師にも身体的異常は確認できないことが多いようです。

 広場恐怖症は、パニック発作が起こった時にそこから逃れられない、助けも求められない状況を恐れます。それは広場に限らず、乗り物、人混みの交差点、高速道路、美容院、歯科受診時、劇場の中心辺りの席など、すぐには逃れられない場所、逃げたら恥をかくと思われる会議、結婚式など自由を束縛される状況などが挙げられます。また逆に、家にひとりでいるという状況に恐怖を感じる人もいます。誰かと一緒なら行動が可能な場合もありますが、家族依存になるなど行動可能な範囲が限られます。生活機能の著しい低下は避けられません。

 明確な原因は解明されていませんが、身体的な不安に対する感受性が高い人がなりやすいようです。脳科学の研究では、大脳の扁桃体に関わる恐怖神経回路の過剰な活動性が指摘されています。扁桃体は心地よい、不快、恐怖といった情動の中心機能を司っています。何かの刺激を受けて扁桃体で生まれた恐怖感情と、環境要因、心理的要因、遺伝的要因が関わりあっていることが多いと言われています。幼少期のつらい出来事、両親の死や別離、虐待、何者かに襲われる、被災するなど強いストレスがかかる経験があったなどの環境的要因が背後にあることが多いようです。加えて遺伝的要因もあり、親が広場恐怖症の場合、遺伝することがあります。

【治療方法】

 薬の服用だけでは完治する可能性は低いと言われています。薬物療法としては、いわゆる抗うつ薬や、抗不安薬などを使用します。

 そして、行動療法は、患者本人に「乗り越えたい」という強い意志があるほうが、効果は高いようです。認知・行動療法として、現実の捉え方、ものの見方に働きかけ、バランスよく柔軟な視点を持てるように、ストレスを軽減していく心理カウンセリングを行います。

 エクスポージャー(曝露療法)も効果が期待できます。不安を感じる状況を低いものから高いものへ順にリストアップし「不安階層表」を作ります。できるところから、実際に経験するようにし、もともと恐れていた場所でも十分な時間そのままいるようにすれば、不安や恐怖を乗り越えられることを実際の体験から学び取るようにする治療法です。

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 パニック障害の原因は、脳内神経伝達物質(脳内ホルモン)のバランスの乱れであることがわかってきています。 特にセロトニンとノルアドレナリンが関係しており、セロトニンは、他の脳内神経伝達物質の情報を制御し、精神状態を安定させる働きがあります。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2020年11月4日水曜日

歯周病

 歯周病で膵臓がんのリスク2倍に!

 歯周病が様々な臓器に影響を与えることは、疫学的には随分前からわかっていました。新たな動きとして、歯周病菌があらゆる臓器に影響を与えることを示すしっかりしたエビデンスが出てきました。歯周病のコントロールの悪さが、全身疾患のリスクを上げるメカニズムもわかってきています。歯科と医科が手を結び、治療を行う機会も増えてきました。

 歯周病は主に2つの要因で他の臓器の健康を左右します。①血液に入り込んで全身を駆け巡る歯周病菌などの口腔細菌と②歯を失い咀嚼が難しくなることでの栄養低下です。口腔ケアをおろそかにし歯周病が進行すると、歯周ポケットの組織が破壊され、炎症が起こります。そこから口腔細菌が血液内に入り込むのです。歯周ポケットの滲出液は血液とほぼ同じ成分であり、血液内でもしばらく生き延びることができるため、血液に乗って全身に運ばれます。


歯周病菌が全身に及ぼす影響

 まず、膵臓がんの発症リスクが高まると言われています。歯周病菌の代表的な菌で、特に問題があるポルフィロモナス・ギンギバリス菌の保菌者は膵臓がんの発症リスクが1.6倍、同じく歯周病菌の一種であるアグリゲイティバクター・アクチノミセテムコミタンス菌の保菌者は膵臓がん発症リスクが2.2倍高くなると発表されています。

 膵臓がんに限らず、歯周病菌はすべてのがんのリスクを上げるとされています。


生活習慣病・認知症と歯周病菌との関係

 例えば高血圧、脳血管疾患、心疾患などに関係していることがはっきりしています。これらの疾患で共通しているのが動脈硬化です。それは、歯周病菌のギンギバリス菌とギンギバリス菌が分泌する無数の外膜小胞(OMVs)に細胞侵入する性質があり、それによって動脈に慢性炎症が起こるからです。

 認知症の中でも多くを占めるアルツハイマー型認知症に関係しているとみられているのが、アミロイドβという脳内で作られるたんぱく質です。これが脳内に蓄積し、脳細胞を死滅させることが発症の一因になっているというのです。

 このアミロイドβは、ギンギバリス菌が多いほど、蓄積が多いことがマウスを使った感染実験でわかっています。つまり、ギンギバリス菌は脳のアミロイドβの沈着を促し、アルツハイマー型認知症の発症リスクを上げると考えられるのです。

 その他、糖尿病、関節リウマチ、早産、低体重児出産、NASH(非アルコール性脂肪肝炎)、クローン病、潰瘍性大腸炎、大腸がんなど、歯周病との関連が指摘されている疾患は多岐にわたります。

(出典:https://diamond.jp/)


■歯周病のメカニズム

 毎日きちんと歯を磨いているから大丈夫だと思っていても、歯医者で「歯周病予備軍です」と言われてしまった方も、多いことでしょう。歯周病になると、歯周ポケットと呼ばれる歯と歯茎のすき間に細菌が増え、歯を支えている骨(歯槽骨)が減少していくため、やがて支えをなくした歯がぐらつき、ついには抜けてしまいます。

 歯周病は、大きく分けて「歯肉炎」「歯周炎」の2つの時期に分けられます。「歯肉炎」の状態であれば、大抵の場合、原因となっているプラーク(歯垢)と歯石を除去し、丁寧にブラッシングをすれば治ります。しかし「歯周炎」まで症状が進行してしまうと、歯茎が腫れ、膿が出たり、歯がぐらついて抜けてしまったりすることもあります。

 歯周病の部分的な原因  

 口の中の部分的な原因としては、プラーク(歯垢)があげられます。プラークは、食事のたびにネバネバした薄い膜の細菌集団が発生し、歯の表面に付着します。うがいなどでは簡単に落ちず、放置しておくことで、徐々に菌が増殖していきます。プラーク1mgには、多い場合500種類以上の細菌が1億個もいるといわれます。

 プラークは、長い間放置されると、歯と歯の間や歯と歯茎の間で、石灰化して硬い歯石(プラークの死骸が石のように硬くなった状態)になります。歯石になってしまうと、自分では取り除くことが出来ないため、歯科医院で特殊な専門の器具(スケーリングやPMTCなど)を使用し、除去しなければなりません。

 歯周病の全身的な原因 

 歯石がたまってしまうと、歯周ポケット(歯と歯茎の間のすき間)が少しずつ深くなっていきます。歯周病菌は酸素が大嫌いなため、歯周ポケットは歯周病菌が繁殖する格好の場所となり、ますます有害な種類の菌を繁殖させます。

 酸素を嫌う歯周病菌は、身体の組織を構成するたんぱく質を壊し、歯茎の腫れなどの炎症を引き起こし、身体を細菌から守る白血球を攻撃する有害物質を出します。また、口臭の原因となるガスを出したりして、その後、歯を支える骨を溶かしてしまいます。支えを失った歯は、最終的に抜けてしまいます。

 今や歯周病は、成人の8割がかかっているといわれる生活習慣病です。前章のニュース(出典:https://diamond.jp/)でお伝えしたように、歯周病は様々な臓器に影響を与えてしまいます。メカニズムを知ることで、しっかりと歯周病にならないための予防をすることが大切です。

 歯磨き剤は、フッ素ラウリル硫酸ナトリウム界面活性剤など、毒性が認められている成分が含まれているものは避けましょう。

 康復医学学会で企画・開発し、メーカーで製品化された歯磨き剤にはこれらは含んでおりませんので安心してお使いいただけます。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2020年10月29日木曜日

のどの老化

 かすれ声は老化のサイン?

 自分の声が、昔と違ってかすれていることに気づいたことはありませんか? 声は30代から衰え始めます。声帯とその周りの筋肉が衰えていくのが主な原因です。

 声帯周りの衰えは、転倒リスクや肺炎リスクにもつながります。声帯には息を吸う、声を出す以外に気管をふさぐ役割もあるからです。気管を閉鎖して肺に息をため込めることで胸郭が安定し、上半身がぶれず身体の全体に力が入ります。できないと、つまずいたときに踏ん張れません。また、食べ物が気管に入って誤嚥性肺炎を起こす恐れもあるのです。

 中高年になると、男性は男性ホルモン、女性は女性ホルモンの分泌低下で、声帯と声に男女逆の現象が起きる傾向があるそうです。男性は声帯が萎縮し声が高くなり、女性は血流が悪くなって声帯がむくみ、声が低くなります。弦楽器の弦が細いと高音、太いと低音になるのと同じです。

 ホルモン分泌のコントロールは難しいですが、声帯とその周りの筋肉を鍛えることは、何歳からでもできます。有効なのは歌うことです。歌う習慣で声帯が衰えにくくなります。ただし、叫んだり、キーが高すぎるまま歌い続けたりするのは、逆にのどを痛めます。

 専門家が勧めるのは呼吸、声帯の振動、共鳴が総合的に鍛えられる発声法です。口を小さくすぼめ『のー』を低音から高音まで、鼻に抜けるように発声します。そして『のー』を高音から徐々に低くしていきます(10回1セット×1日3セット)。

 声帯の振動には粘膜の潤いが必要です。加齢による粘液の減少で声帯の劣化が進みます。声をよく使う場面では、意識して、こまめに水を飲みましょう。水を飲むと副交感神経が優位になり、脳から指令が出て声帯が潤います。

 口呼吸は声帯を乾燥させるので鼻呼吸を心がけます。たばこも控えましょう。有害物質が声帯を劣化させます。ファストフードのセットメニューは、のど焼けと声枯れの原因になりかねないので要注意です。脂質の多い食べ物と炭酸飲料の組み合わせは胃酸の逆流を起こしやすく、声帯の劣化につながる可能性があります。    

(出典:https://gooday.nikkei.co.jp/)


■"のど年齢"老化は肺炎を招く

 高齢者の肺炎の7割以上を占めるといわれる誤嚥性肺炎。

 誤嚥性肺炎とは飲食物や唾液などが気道に入り、そこに含まれていた細菌によって起こる肺炎のことです。主な原因菌は上気道にいる細菌、具体的には鼻やのどに棲みついている肺炎球菌や口腔内の常在菌である嫌気性菌などです。近年、高齢者の誤嚥性肺炎が増えており、高齢者の肺炎の7割以上が誤嚥性肺炎と考えられます。

 誤嚥性肺炎の原因の一つとして、近年「のどの老化」が指摘されるようになりました。のどの筋力の低下と唾液の分泌が減ることによって、飲み込む力(嚥下反射)や咳をして異物を気道から出す力(咳反射)が衰え、誤嚥を起こしやすくなります。

 実際、のどの老化が進み、誤嚥を起こしやすくなるのを心配する人は少なくありません。では、「のどの老化度」はどうすれば分かるのでしょうか。専門家は、反復唾液嚥下テスト、いわゆる「ゴックンテスト」を試すことを勧めています。

 このテストは実際の診療でも行われています。やり方は非常に簡単。まず水を一口飲んで口の中を湿らせてから、「30秒間に何回唾液を飲み込めるか(空嚥下回数)」を見るだけです。若い人は10回くらいできるのですが、年を取ると筋力が衰え、唾液の分泌も減るため回数をこなすのが難しくなっていきます。

 各年代約50人ずつにゴックンテストをやってもらったところ、平均回数は20代で9.8回、30代で8.8回、40代で7.8回、50代で7.0回、60代で6.1回、70代で5.2回という結果が出ました。

 このゴックンテストをやれば、おおよその自分の「のど年齢」が分かります。のど年齢が70代以上、つまり30秒間で5回以下になると誤嚥性肺炎のリスクが高くなります。実際、高齢になると食事中にむせることも増えていきます。自分で気付かない誤嚥(不顕性誤嚥)も同じように増えるのだと考える必要があります。

 このほか、声帯の筋力と息を吐く力を調べる『あー』テストでチェックする方法もあります。息を思い切り吸い込んでから、『あー』と声を出して何秒間続けられるかを計ります。男性で15秒以上、女性で10秒以上できれば大丈夫ですが、それ以下だと問題があります。発声と嚥下はほぼ同じ筋肉を使っているので、声を出す力が弱くなると飲み込む力も弱くなります。


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愛・感謝 村雨カレン

2020年10月22日木曜日

血管の老化

 強い血管をつくる運動習慣

 体を動かすのに最適な季節になりました。適度な運動は、全身の健康づくりに不可欠ですが、実は血管の健康にも大きな影響があります。

 運動をすると自然と体が温まることからもわかるとおり、適度な運動は全身の血行を促進します。血管の内側にほどよい刺激が加わり、内皮細胞が活性化され、その結果として(血管の健康を保つ一酸化窒素などの放出により)血管自体が強くしなやかになり、血管壁が広がって血圧が下がります。そして、血流が改善されて、脳梗塞や心筋梗塞の引き金になる血栓ができにくくなっていくのです。

 もちろん、こうした直接的な血管への影響だけでなく、運動によって消費エネルギーが増えることで、肥満の予防や解消にもつながり、血圧や血中脂質、血糖値などが正常に保たれやすいなど、たくさんのメリットがあります。

 運動習慣のない人や忙しい人にお勧めなのが、いつでもどこでもすぐに取り組める「ウォーキング」です。ウォーキングは、高血圧、糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病や肥満の予防・改善に役立つ有酸素運動であり、かつ、急激な血圧の上昇を起こさないので、体にやさしい運動といえます。まずは、普段の生活で自分がどのくらい歩いているのかを具体的に把握することから始めてみましょう。最近では、スマートフォンに予め歩数計が内蔵されているなど、比較的容易に自分の歩数を計測できます。


 厚労省では、1日の目標歩数が右表のように設定されていますが、現在の日本人の1日平均歩数は、男女ともこの数値に1,000~1,500歩ほど足りていません。

 足りない場合は日常生活の中で補ったり、ウォーキングの時間を設けて意識的に確保していきましょう。

 ウォーキングに加え、より軽度の運動として気軽に行える「ストレッチ」や「筋力トレーニング」を行うことも、強い血管をつくる運動習慣としてお勧めです。ストレッチは筋肉の柔軟性を高める運動なので、ウォーキングの前後に行うと効果が増します。

 筋力トレーニングは、年齢とともに衰えがちな筋肉を鍛えることで運動機能と血流が高まります。階段の上り下りやスクワット等、きつすぎない、息の上がらない程度の筋トレになる運動を、少しずつ取り入れてみましょう。

 なお、運動習慣がない人にとって、瞬間的な力を要したり、激しい動きを伴う運動(球技など勝敗を競うようなスポーツ)は、血圧の急上昇に注意が必要です。特に、高血圧、糖尿病、脂質異常症の人など、動脈硬化の進行が疑われる人や治療中の人は気を付けましょう。

(出典:https://www.kyoukaikenpo.or.jp/)


■血管を老化させる要因:酸化と糖化

超悪玉コレステロールsdLDL

 血管の老化の中でも、病気に直結するのが、血管壁の硬化により血管が狭くなる動脈硬化。酸化されたLDLコレステロールによる血管壁の硬化が引き金とされます。さらに近年、中性脂肪が高いと、LDLコレステロールの粒子の小さいもっと悪玉のsdLDLに変わり、血管の奥まで入り込んで血管壁の硬化を促進することが判明しています。sdLDLは、血中滞在時間が通常のLDLより長いため、血管内皮と長時間接触し、血管内皮細胞の間隙を通過して動脈壁に浸透するので、血管壁の酸化変性を受けやすいのです。

酸化を防ぐ抗酸化酵素

 体内では悪玉コレステロールの酸化を防ぐためのしくみを持っています。酸化を防ぐ物質、酸化還元酵素(GSH-Px、SOD、CAT)の働きで酸化を防ぎます。

 酸化還元酵素は人間の体内で作られる酵素ですが、加齢と共に産生能力が低下します。そして、生活環境や習慣などの影響で過剰になった活性酸素を除去しきれなくなり、動脈硬化が進み、老化の進行や生活習慣病、がんなどの原因になります。

血管老化による糖尿病・肥満の悪循環

 糖尿病で合併する血管障害は、糖尿病の病態の結果と考えられていました。しかし、血管の老化が筋肉などのほかの組織で、エネルギー代謝に作用して糖尿病を悪化させるという、新しい可能性が示されています。

 血管細胞で血管の老化を引き起こす鍵となるたんぱく質が、糖の消費を抑え一酸化窒素(NO)の産生を低下させることにより、筋肉細胞でのミトコンドリアの合成を阻害します。また、ミトコンドリアへの糖の輸送が低下して筋肉細胞への糖の取り込みを妨げエネルギー消費が低下し、血管老化が進行して、さらに糖尿病・肥満を悪化させる悪循環に陥ります。

血管を老化させる糖化

 血管を作っているコラーゲンは、血管の強度や弾力性に大きな役割を担っています。しかし、たんぱく質であるコラーゲンが過剰な糖によって終末糖化産物(AGE)化されると、血管の老化を進行させます。

「血管の老化から肥満や糖尿病の進行」へという悪循環を断ち切るためには、酸化・糖化による微小循環の環境及び血流の低下への対策が必要です。

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 康復医学学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」は、酸化還元酵素GSH-Px(グルタチオンペルオキシダーゼ)の活性化に関するデータや、血液粘度の適正化・赤血球の凝集予防・毛細血管の拡張など、微小循環の環境血流の改善に関するデータを持っています。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2020年10月15日木曜日

老化予防

 加齢より影響大きい肌老化の原因

 肌の老化は年齢を重ねることでも進みますが、加齢による影響は2割程度。実は太陽光線による「光老化」の影響が8割を占めているのです。

「光老化」とは、太陽光線を長期間無防備に浴び続けることにより、皮膚にシミ、シワ、たるみなどが現れる老化現象のこと。「例えば、お尻や内腿など日光に当たる機会が少ない部位の皮膚には、高齢者でもシミやシワはほとんどできない。このことからも肌の老化においては太陽光線の影響が大きいことが分かる。また、皮膚がんの8割程度は、日光に当たる部位に発症することが知られている」(東京女子医科大学 川島眞名誉教授)。

 肌の老化に影響する太陽光線というと「紫外線」を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実は肌にとって脅威なのはそれだけではないようです。

 太陽光線は、波長の短い方から紫外線(UV)、可視光線、赤外線の3つに分かれ、紫外線にはC波(UVC=短波長)、B波(UVB=中波長)、A波(UVA=長波長)があります(UVCは波長が短いため、上空のオゾン層に遮られて、地上にはほとんど届いていない)。

 太陽光線は波長が長いほど、皮膚の奥深くまで届く性質があり、中波長のUVBは皮膚の一番外側にある表皮に、長波長のUVAは表皮の下の真皮に、それより波長の長い近赤外線は皮下組織まで届きます(図)。

 UVBが表皮に与えるダメージで分かりやすいのは日焼けです。強い日差しに1時間も当たっていると、皮膚がヒリヒリしたり、赤くなったりしてきますが、これはUVBを防御するための即時型の反応によるもの。このUVBによる表皮へのダメージが蓄積すると、シミの発生につながります。UVBが表皮細胞に当たると、細胞を守るために幹細胞因子のSCFやエンドセリンが放出されて、色素細胞のメラノサイトを活性化して、シミのもとになるメラニンの生成を促すのです。

 一方、UVAによるダメージはシワを作る原因になります。UVAが届く真皮には、皮膚のハリや弾力を保つ膠原線維(コラーゲン)と弾性線維(エラスチン)が張り巡らされていますが、UVAによるダメージが蓄積すると、その構造が損なわれることでシワができるのです。

 近年ではさらに、近赤外線が皮膚の土台となっている皮下組織にダメージを与えることで、たるみが生じることが指摘されているといいます。

 紫外線が強い時期や時間帯だけ対策をすればいいというものではありません。冬や曇りの日でも、線量は少ないものの太陽光線は常に降り注いでいるので注意が必要です。

(出典:https://style.nikkei.com/)


■内から外から老化予防

 現代の食生活では、いわゆる消化不良が慢性的に起こりやすいといわれています。たかが消化不良と思うかもしれませんが、肩こりがひどい、頭痛がする、だるい、めまいがする、お肌が気になる、などの体の不調の原因のひとつに消化不良があるのです。

 また、体内に取り込まれた酸素が変化してできる「活性酸素」は、皮膚を酸化させることで真皮のコラーゲンは硬くなり、肌の弾力は失われ、肌老化を早めてしまいます。内側からだけでなく、外からの老化予防対策も重要になってきます。


消化酵素と代謝酵素の不思議な関係

 人の体は、体内で生産された酵素を消化と代謝の作業に振り分けています。消化酵素は摂った食物を消化する酵素です。そして、消化酵素以外の酵素がすべて代謝酵素になります。「代謝」とは、すなわち同化(消化、吸収)と異化(エネルギー消費、排泄)など、生命維持にために有機体が行う一連の化学反応のことです。

 体のすべての器官、組織の中には、各々独自の働きをする代謝酵素が存在します。実は、老化を抑え、健康体でいられるのも、各器官に存在するこれら代謝酵素のおかげです。

 重要なことはこの二つの酵素のバランス関係です。もともと体内で作り出される酵素(潜在酵素)は、「消化」「代謝」の二つの機能を持ち合わせています。一生涯で生産される酵素の量は決まっているので、一日の生産量も、ほぼ決まっていると考えられています。一日に生産された一定量の酵素のうち、「消化酵素」の使用が少量ですむならば、大半が「代謝酵素」に充てられるわけですから、人は健康な状態を保っていると言えます。


"不老長寿の妙薬"と呼ばれた「プラセンタ」

 プラセンタとは哺乳動物の胎盤のことで、胎児の生命を維持し、成長を促す大切な働きを担っています。ですから、生体に働きかける多彩な作用が期待できるのです。

 さらに、抗炎症作用、抗ストレス作用、基礎代謝向上作用、内分泌調整作用、自律神経調整作用、免疫賦活・調整作用、強肝・解毒作用などさまざまな薬理作用から漢方の世界だけでなく現代医療の世界でも幅広く使われるようになりました。

 そして今一番注目されているのが、プラセンタの「美肌作用」です。プラセンタには、たんぱく質・脂質・糖質・ビタミン・ミネラルなど美肌の素となる5大栄養素が豊富に含まれており、"エイジングケア"や"シミ対策"、"肌質改善"などにも有望とされています。

 年齢を重ねても若々しく美しい肌を保ち続ける上で重要な要素が「血行促進作用」「抗酸化作用」そして「線維芽細胞増殖作用」の3つ。プラセンタはこの3つの要素を全て兼ね備えた、まさに肌老化予防の美薬といえるのです。

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 当康復医学学会では、パパイヤ末と霊芝黒焼末を配合した本物の消化酵素製品や、酵素分解法を用いた良質プラセンタエキス配合の化粧品を開発しています。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2020年10月8日木曜日

過敏性腸症候群(IBS)

 お腹の不調、気になりませんか?

 慢性的なお腹の張りや痛み、下痢や便秘が続くなど、お腹の不調に悩んでいませんか?

 下痢の場合、食べ物や飲み物が原因かもしれません。辛い食事や脂っこい食事、いつもと違う食事で、便がゆるくなり、下痢になる場合があります。下痢を起こしやすい飲み物としては、牛乳やアルコールがあります。牛乳に含まれる「乳糖」によって、「乳糖不耐症」の人が牛乳を飲むとお腹がゆるくなります。アルコールは腸のぜん動運動を活発化させるので、飲み過ぎると下痢をしやすくなります。

 慢性的な便秘の原因は右の3つで、日本人に最も多いのは「弛緩性便秘」です。朝食の欠食や不規則な食事・生活、食物繊維や水分の摂取不足、運動不足などの不健康な生活習慣が原因である可能性が考えられます。

 近年、多いお腹の病気に「過敏性腸症候群(IBS)」があります。検査では腸に炎症や腫瘍などの異常はないものの、ストレスや自律神経失調などが原因で腸が刺激に対して過敏な状態になり、数ヵ月以上の便通異常を繰り返すこともあります。

 IBSの症状は、①下痢型、②便秘型、③下痢と便秘を繰り返す混合型、④その他の分類不能型 の4タイプがありますが、男性は下痢型が、女性は便秘型が多い傾向にあります。症状が起こる際に腹痛を伴うこと、排便により症状が軽減すること、不安や緊張などストレスがかかる状況で症状が悪化すること、などが特徴です。

 日本人の約10人に1人はIBSであるといわれ、20~40代の若い世代に多く発症しますが、症状があっても病気であるという認識が薄く、医療機関を受診していない人が多いようです。また、IBSと似た症状に、潰瘍性大腸炎やクローン病、大腸がんなどがあります。

 お腹の不調の改善には、食事・運動・睡眠を見直し、規則正しい生活を送ることが大切です。十分な睡眠や適度な運動の習慣化が、ストレス解消や腸の働きの改善に役立ちます。ストレスをためないように、自分なりのストレス解消法を見つけて実践しましょう。

 1日3食、栄養バランスのよい食事を心がけ、暴飲暴食、夜間の大食は避けましょう。

 下痢型の場合は、炭水化物や脂質の多い食事、アルコール、香辛料、コーヒーなどを摂ることで腹痛や便通の変化が現れやすくなります。症状を誘発しやすい食品を摂取している場合は、それらの食品を控えましょう。ヨーグルトなどの発酵食品は、症状の軽減に有効だといわれています。便秘型の場合は、食物繊維の多い食品や水分を十分にとりましょう。

(出典:https://www.kyoukaikenpo.or.jp/)


■過敏性腸症候群(IBS)

 過敏性腸症候群(IBS=Irritable Bowel Syndrome)は、お腹の痛み、便秘や下痢などのお通じの異常が数ヵ月以上続く状態のときに最も考えられる病気です(大腸に腫瘍や炎症などの病気がないことが前提)。女性のほうが多く、年齢とともに減ってくることがわかっています。命に関わる病気ではありませんが、お腹の痛み、便秘・下痢、不安などの症状のために日常生活に支障をきたすことが少なくありません。


IBSの起こるメカニズム

 小腸や大腸は食べ物を消化・吸収するだけでなく、不要なものを便として体の外に排泄してくれます。

 これには、食べ物を肛門方向に移動させるための腸の収縮運動と腸の変化を感じとる知覚機能が働いていて、脳と腸の間の情報交換により制御されています。

 ストレスによって不安状態になると、腸の収縮運動が激しくなり、また、痛みを感じやすい知覚過敏状態になります。この状態が強いことがIBSの特徴です。実際に、大腸に風船を入れて膨らませて刺激すると、健康な人は強く刺激しないと腹痛を感じないのに対し、IBSの患者では弱い刺激で腹痛が起こってしまいます。

 IBSになる原因はわかっていません。しかし、細菌やウイルスによる感染性腸炎にかかった場合、回復後にIBSになりやすいことが知られています。

 感染によって腸に炎症が起き、腸の粘膜が弱くなるだけではなく、私たちの腸にいる腸内細菌の変化も加わり、運動と知覚機能が敏感になるためです。

 近年はIBSでみられる腸や脳の機能異常を起こす物質を見つける研究、遺伝子の研究や機能的MRI検査などを用いた脳機能画像の研究が盛んです。

 IBSに対する薬剤以外の治療の代表は、食事療法と運動療法ですが、薬剤でもIBS症状が軽快しにくい場合は、心理療法が有効なことがあります。ストレスマネージメントに加え、リラクセーション(弛緩法)、集団療法、認知行動療法、対人関係療法、催眠療法などがあります。日本では現在のところIBSに対する心理療法を実施している専門医療施設は限られていますが、症状にストレスまたは心理的な変化が大きく関連していると考えられる場合には、心理療法単独または薬剤との併用による治療の効果が期待されます。

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 ストレスの軽減と質の良い睡眠に役立つのが、「ラフマ葉エキス」です。ラフマ葉の抽出物には、抗ストレス作用睡眠改善などが期待できる物質が豊富に含まれています。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2020年10月1日木曜日

糖の病気

 砂糖の摂取で栄養素が失われる !?

 結論から言うと、「砂糖は食べるな」ということ。砂糖(スクロース)は、ブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)が結合した糖であり、二糖類の一種です。砂糖の摂取によって無駄に消費される栄養素があるのです。まず、砂糖のリスクを見てみると、

▲砂糖でがんになる:フランスの10万人コホート研究「砂糖入り飲料を100ml/日多く摂取することでがん発症リスクが18%上昇、乳がんのリスクは22%も上昇」(BMJ誌.2019) 

▲砂糖の慢性疾患の関係:砂糖入り飲料水は、体重増加、過体重、肥満のリスクを増加させ、2型糖尿病の発症率、高血圧リスク、心血管代謝死等を高める(米国統計、メタ分析) 

▲肥満の増加の原因として異性化糖の摂取が疑われ、使用を制限する運動が世界的に拡大。

▲砂糖の過剰摂取は、体内のビタミンやミネラルの不足を促進(排泄が促進されてしまう)。また、尿細管でのビタミンやミネラルの再吸収を妨害する---などが挙げられます。

 砂糖だけではなく、果糖ブドウ糖液糖(果糖が50~90%)やブドウ糖果糖液糖(果糖が50%未満)にも注意する必要があります。これらは異性化糖とも呼ばれブドウ糖の10倍以上の糖化リスクがあります。夏場の成長飲料水や、アイス、かき氷などには注意が必要です。


砂糖で枯渇する6つの栄養素

 ビタミンB1(V.B1) :代謝を促す重要な栄養素。砂糖による栄養妨害はV.B1欠乏症に強く関連していることはわかっています(1938)。特に現代日本人はV.B1不足と言われます。

 マグネシウム(Mg) :エネルギー代謝に欠かせないミネラル。1分子の砂糖を消費するのに28~56分子のMgが消耗されます。日本人はMgも不足しています。砂糖や果糖ブドウ糖液糖などの精製糖質の摂り過ぎや高血糖は、Mgの排泄量を高めます。

 ビタミンC(V.C) :グルコースとV.Cの化学構造は非常に似ています。V.Cを取り込む輸送体(還元型V.Cの場合はSVCT、酸化型V.Cの場合はGLUT)のうち、GLUTはブドウ糖の輸送体でもあるので、V.Cと競合してしまいます。

 ビタミンD(V.D) :フルクトースの慢性的な摂取により、血清V.D濃度が低下します。高フルクトースはV.Dの分解酵素(24-ヒドロキシラーゼ)の働きを高めてしまうのです。さらにV.Dの合成に必要な酵素(1α-ヒドロキシラーゼ)の働きは低下させてしまいます。

 カルシウム(Ca) :砂糖の高摂取は、骨折のリスクを増加させます。「精製糖質の過剰摂取はカルシウム、マグネシウム、カリウムの尿中排泄が大幅に増加した」

 クロム(Cr) :「精製糖質の高摂取によって通常の10%から300%まで尿中Crの排泄が増加した」。Crは、血糖を調節するインスリンの効果を促進するという糖質の代謝に関わるミネラルです(糖尿病の人はCrが少ない)。

(出典:https://www.youtube.com/watch?v=uvQT9Ba-Th8&t=504s)


■"糖"が起こす病気

 脂質、糖質、たんぱく質。これらは私たちが生きていくために必要な「三大栄養素」とされています。「質の良いもの」であれば、脂質やたんぱく質を摂ることは、体のために必要です。つまりこの二つを語るときに問題となるのは主に「質」であり、それ自体に害があるとは言えません。しかし「糖質」には、脂質、たんぱく質を摂りすぎること以上の、恐ろしい害があるのです。糖は、どのようにして体に害を及ぼすのでしょう。

 思い浮かぶのは肥満糖尿病ですが、それだけではありません。まず挙げられるのは動脈硬化、そしてそこから引き起こされる脳梗塞心筋梗塞です。これらの主な原因は一般的には高血圧や高脂血症とされていますが、血圧やコレステロールが高かろうと低かろうと、脳梗塞や心筋梗塞の発症率に変化はないという研究は無数にあります。血圧コレステロールが高めの方がなりにくいというデータさえあるのです。

 動脈硬化の本当の原因は糖質です。ここで言う動脈硬化とは、いわゆる血液がドロドロで動脈が詰まりやすい状態になっていること、専門的にいえば「粥状動脈硬化」をさします。コレステロールそのものに罪はないと書きましたが、糖がコレステロールと結びつくと問題なのです。また体内のたんぱく質と糖質が結びつくと、AGE(終末糖化産物)という有害物質が作られます。これが体の至るところで細胞を傷つけ、感染症やがん、アレルギーにかかりやすくし、また老化を促進します。

 炭水化物全般までは否定しませんが、「直接糖」に関してはすべて体に非常に悪いと考えてよいでしょう。「糖質は体の大事なエネルギー源なのでは?」と言われそうですが、この直接糖は多くの面で体を害することが様々な医学研究でわかっています。まずは直接糖を避けることです。「自然な形の糖」とは食材のなかに、さまざまな栄養素と一緒に含まれている糖質のことで、「間接糖」と呼ばれます。一方「不自然な形の糖」とは、食材を精製して生まれた、ただの糖の塊になっているもので、これは「直接糖」と呼ばれます。

 砂糖や精製された白米、小麦といった「白い炭水化物」は、いずれも直接糖です。栄養価が高く健康的なイメージのあるハチミツや黒砂糖、三温糖なども、植物から不自然に糖分だけを取り出した直接糖です。これらの直接糖を摂ることは、体にとって有害と言わざるを得ません。そして玄米や全粒小麦などの間接糖であっても、摂り過ぎれば病気になるリスクは高まりますので、注意した方がいいでしょう。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2020年9月24日木曜日

糖尿病

定年までに2型糖尿病発症の可能性!

 日本では30歳の男性社員の3人に1人、女性社員の5人に1人は、65歳までに「2型糖尿病」になる可能性があるそうです。

 関東、東海地方に本社を置く国内12企業と社員およそ10万人が参加する「J-ECOH研究」では、糖尿病歴がない30~59歳の男女、5万3,828人(男性4万6,065人、女性7,763人)の追跡データを解析しています。


「2型糖尿病」の定義は、健康診断の検査で、(1)過去1~2カ月間の血糖状態を反映するHbA1c値が6.5%以上 (2)空腹時血糖値が126mg/dL以上 (3)随時血糖値が200mg/dL以上のいずれかを満たす、もしくはすでに糖尿病治療を受けている場合としています。2008年からの追跡期間中、男性3,339人、女性248人が、新たに2型糖尿病を発症しました。

 さらに30歳時点で健康な会社員が65歳までに2型糖尿病になる累積罹患率を計算したところ、男性が34.7%、女性が18.6%でした。つまり、男性の3人に1人、女性のおよそ5人に1人が65歳までに2型糖尿病を発症する可能性がある、というわけです。

 BMI(体格指数)ごとにリスクをみた結果、BMI 30以上(肥満)の男性が65歳までに2型糖尿病を発症する確率は77.3%、女性は64.8%、またBMI 25以上~30未満(過体重)では、それぞれ49.1%、35.7%でした。例えば、30歳時点で「ちょっと太り気味かなぁ」という男性の半数は、定年間際に糖尿病と診断されかねないのです。

 研究者は「日本の会社員は男女ともに糖尿病リスクが高い」とし、「若年者の肥満予防、糖尿病早期発見プログラムが必要」と警鐘を鳴らしています。

 実際、「座りっぱなし」「長時間労働の影響による食生活の乱れ」「慢性的な睡眠不足」と、日本の会社員の生活環境は2型糖尿病の危険因子だらけ。一部の企業では患者を対象とした血糖管理プログラムを提供していますが、予防までは手が回りません。結局一人ひとりが自衛するほかないのです。何はともあれ、余暇にはしっかり身体を動かすこと。ツケを後半生に回すのだけは避けたいものです。

(出典:https://diamond.jp/)


■糖尿病と康復対応

 糖尿病は、血糖値をはじめとする数値で判断され、数値を下げることが第一目標とされる場合が多い病気です。

 そして高血糖状態が続くと血流や血管(特に微小循環)への負荷が高まります。

 糖尿病を放置しておくと合併症を起こしてしまいます。糖尿病の合併症には網膜症・腎症・心筋梗塞や、脳卒中を起こす動脈硬化などがあります。境界型糖尿病(耐糖能障害)でも10年以内の動脈硬化の発症リスクが正常型の2倍になることが分かっています。糖尿病治療の本来の目的は、合併症への対処です。それには、やはり末端の微小循環の血流の改善が基本であると言えます。

 康復医学は、微小循環の血流改善を基本に、糖化ヘモグロビン・糖化たんぱく質対策、エネルギー代謝の促進、過食・偏食の抑制などをもって糖尿病に対応します。


 微小循環の血流改善  ヘモグロビンは酸素と結びついて細胞に酸素を届けますが、糖化したヘモグロビン(HbA1c)は酸素を寄せ付けなくなり、細胞に十分な酸素が行き届かない状態になってしまいます。康復医学学会の主要研究生薬の「HM-3000(特系霊芝)」には、酸素の供給量を促進させる2,3-DPG(2,3-ジホスホグリセリン酸)という物質の産生に影響します。また2,3-DPGには、HbA1cの生成を阻害する作用も確認されています。


 エネルギー代謝の促進  :糖が消費されるのは、細胞内の小器官であるミトコンドリア内で大量にエネルギーが生産されるときです。このときにミトコンドリアの活性を促進させる最も重要な栄養素が「コエンザイムQ10(Co-Q10)」です。Co-Q10は、効率的にエネルギー産生させ、糖の消費量を増やすのです。


 過食の抑制  :糖尿病になると、食事制限などでストレスが生じます。また、食べてもなかなか満足感が得られず、必要以上に食べてしまうという悪循環に陥ってしまいます。これはストレスで脳内セロトニンの分泌が抑制され、セロトニンの量が不足しているのが原因のひとつと言われています。これには康復対応の「ラフマ葉エキス」が効果的です。ラフマは、脳内セロトニンの増加とセロトニン神経通過性の安定が期待できます。


 糖尿病の食事は糖質制限のみならず、塩分や油脂分も制限、味は薄味傾向が強制され、うま味も乏しくなります。満足感が得たいのでついつい過食になりがちです。

 そこで、和食の基本である「だし」の使用が重要になります。だしの風味には油脂に匹敵する高度なおいしさがあるのです。現代社会が"だしの力"を軽視してきた結果、日本人は油脂と砂糖、塩の味に"やみつき"になってしまい、糖尿病も増加の一途をたどっているのです。お勧めは混合だし。昆布+鰹節でうま味は5~7倍、昆布+干しシイタケでうま味は10倍以上の相乗効果が得られます。もちろん化学調味料はNGです。


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愛・感謝 村雨カレン

2020年9月17日木曜日

胃の病気

ピロリ菌は糖質と塩分がお好き?

 ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は、胃の粘膜に棲みつくらせん形をした細菌です。

 胃は強酸性の環境のため、細菌が棲みづらい場所です。しかし、ピロリ菌は「ウレアーゼ」という酵素を作る力があり、尿素を分解してアンモニアを生成することができます。 このアンモニア(アルカリ性)で酸性を弱め、胃の中に存在しているのです。そして、除菌しない限り、一生棲み続けます。

 ピロリ菌は、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、そして胃がんの原因として挙げられています。ピロリ菌に感染したからといって、必ずしも潰瘍やがんが発症するわけではありません。ピロリ菌に様々な環境因子(ストレス、アルコール、精製糖質等)が重なり合って胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がん等を引き起こします。


ピロリ菌は糖質がお好き

「高グルコース(ブドウ糖)は、ピロリ菌の増殖と生存率を促進する」(Journal of Biomedical Science 2014; 21(1): 96)という論文があります。高血糖体質の人はピロリ菌を増殖させることが分かっており、この論文では、高血糖に気を付けるよう喚起しています。

 では炭水化物が全てダメかというとそうではなく、胃に直接届く精製糖質が良くないと言っています。玄米など食物繊維が多い炭水化物が最終的に分解されるのは小腸・大腸であり、胃では糖質までには分解されません。一方、砂糖、果糖ブドウ糖液糖、そして胃で精製糖質に分解される可能性のある白米、精白小麦などはピロリ菌の餌になるので注意が必要です。

 ピロリ菌に糖質を与えるとピロリ菌増殖経路(ペントースリン酸経路)を刺激します。またピロリ菌が糖質を代謝する際に副産物として出される乳酸は、腫瘍形成の環境を作りやすいといわれています。

 日本の研究(福岡県久山町研究)でも、「高血糖はピロリ菌感染によるリスクと胃がんリスクを増加させる」という報告がされています。


ピロリ菌は塩分がお好き

 動物実験では、ピロリ菌を感染させても一匹も胃がんになりませんでしたが、多量の塩分を与えると、胃がんが頻発しました。塩分はピロリ菌によるコロニー形成を促進し、炎症や潰瘍そして腫瘍の形成を招いてしまうのです。ピロリ菌は、ナトリウム依存性の糖輸送体を利用して、糖質を取り込むことが分かっています。


■主な胃の病気

 ピロリ感染症 

 ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)は主に口から侵入し、幼少期に感染すると言われています。自然界にはほとんど存在せず、感染者の胃の中にだけ存在するため、何らかの形(口移しの食事や嘔吐等)で経口感染することが推測されています。感染すると組織学的な胃の炎症が起こります。炎症が持続すると胃や十二指腸の潰瘍、胃がんが発症しやすくなります。

 現在は、保険診療で除菌ができるようになり、抗菌薬2種類と胃酸を抑える薬の3剤を1週間服用します。成功率は1次除菌が70~80%(新薬の登場で90%)、失敗すると2次除菌を行いますが、その成功率は90~95%とされています。

 除菌には薬を使いますので副作用が出ることもあります。軟便、下痢、味覚異常など比較的軽い副作用が多いのですが、まれに出血性腸炎等を引き起こすこともあります。


 胃がん 

 胃がんは、胃の粘膜にある細胞が、何らかの原因でがん化して発生します。がんの種類別の死亡者数は男性で第2位、女性で第3位と報告されています。このようなデータを見ると治りにくいがんと思うかもしれませんが、胃がんは早期に見つかれば95%以上が治癒すると言われている治療成績のよいがんでもあります。

 ただし早期の段階では自覚症状は出にくいので、早期発見、早期治療のためには、たとえ症状がなくても定期的に内視鏡検査を受けることが非常に重要です。

 病期は、胃がんが胃の壁の中にどのくらい深くもぐっているのか(深達度)、リンパ節や他の臓器への転移があるかどうかによって決まり、それによって治療法が決まっています。 

 早期に発見できれば内視鏡治療が行われます。お腹を切らずに内視鏡で治療しますので入院期間は短く、体への負担は非常に少なくすみます。


 機能性ディスペプシア 

 機能性ディスペプシア(functional dyspepsia:FD)は、内視鏡査を受けても胃、十二指腸潰瘍や胃がん等の病気がないのにも関わらず胃が痛い、胃がもたれるなど様々な胃の症状を訴える病気です。

 原因については、胃の運動機能異常、内臓の知覚過敏、胃酸の分泌異常、ピロリ感染、精神的ストレス、不規則な食事など様々な要因が考えられます。

 治療は胃酸分泌抑制薬、胃の運動機能改善薬、抗不安薬、漢方薬等を使用します。また最近は機能性ディスペプシアそのものに保険適応のある薬剤も登場しています。またピロリ菌の除菌で改善することもあります。

 FDは、様々な要因が関与しているためそれらを考慮しながら個々に応じた治療がされます。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2020年9月9日水曜日

免疫

 “免疫力”という言葉は不適切?

 新型コロナウイルスの流行以降、「免疫力」という言葉をよく見聞きするようになりました。しかし、学問の分野では「免疫力」という言葉は使われていません。むしろ、この言葉は不適切であると言えるのです。

 そもそも「免疫」とは何でしょうか。免疫学は免疫について研究する学問で、非常に広範囲で専門性が高く、多くの学者がしのぎを削って研究している医学分野の一つです。日本人の貢献も有名も大きく、利根川進先生や本庶佑先生は免疫学分野でノーベル賞を受賞しており、日本人によって数多くの発見がなされています。

 ヒトの身体は、常に病原体の侵入や増殖の脅威に晒されています。細菌・カビやウイルス、寄生虫などが、体内に侵入して増えることで、病気=感染症が引き起こされます。それを阻止するために常に働いているのが免疫です。

 免疫の重要な機能として「自己と非自己を見分ける機能」「病原体等を侵入・増殖させない機能」「一度晒された病原体に即応する機能(免疫記憶)」「異常な『自己』を判別する機能」等があります。免疫は大きく「自然免疫」「獲得免疫」に分かれます。自然免疫系は病原体のパターン等を認識して即応的に働く免疫システムであり、獲得免疫系は病原体等に対してより特異的な反応をする細胞等の活性化や調整により成り立つ複雑なシステムです。特に獲得免疫系では、ウイルス等に付着して抵抗する「液性免疫」を担う抗体と、それを産生するリンパ球の一種「B細胞」や、「細胞障害性T細胞」を中心とする細胞性免疫があり、これらを調整する役割の細胞もたくさんあります。

 大事なことは、免疫というのは「システム」であり多数の細胞などのネットワークによって担われた「様々な機能」を持つものであるということです。「免疫力を上げて強い身体を作る」‥‥雰囲気はわかりますが、システムのどの部分をどうすれば免疫力が上がったことになるのか。全ての免疫細胞が頑張れば「免疫力が上がった」ことになるのか。新型コロナウイルスによる COVID-19では、多くの免疫細胞が広く強く活性化して「サイトカインストーム」が起こることがあります。「免疫力が上がっている」と言えそうです。しかし、これは、すなわち"重症化"していることを示しています。「免疫力」が上がると病気が重症化して時に死亡してしまう‥‥?

 さらにアレルギーは免疫細胞が活発に活動することで症状が出る疾患です。これも"免疫力アップ"の結果と言えるでしょうか?


「免疫力」‥‥この言葉は結局、雰囲気で使われていて、どこまでも不適切な感じがします。、免疫は雰囲気で解釈するものではありません。 

※峰宗太郎先生:医師(病理専門医)・薬剤師・研究者(出典:https://news.yahoo.co.jp/)


■免疫系の構成要素

 免疫系には以下のような多くの構成要素があります。

●白血球=免疫細胞

顆粒球  好中球、好酸球、好塩基球がある。好中球(食細胞)は細菌やその他の外来細胞を捕食し、殺傷する。好酸球は捕食するには大きすぎる異物を殺傷し、寄生虫を動けなくして殺傷するのを助け、がん細胞の破壊を助ける。アレルギー反応にも関与する。好塩基球はヒスタミン(アレルギー反応に関与する物質)を放出し、好中球と好酸球を問題のある部位に引き寄せる物質をつくる。

リンパ球  :B細胞やT細胞、NK細胞などの獲得(特異)免疫を司る白血球。T細胞は獲得免疫に関与し、ヘルパー、キラー、制御性の3種類がある。また、B細胞は特定の抗原に対する抗体を作り出す。抗体の産生は抗原によって活性化される。

樹状細胞  :通常は組織内にある白血球に由来する細胞。T細胞が異物の抗原を認識するのを助ける。

●抗体(免疫グロブリン)

 B細胞によって作られるたんぱく質。侵入物の抗原にしっかりと結合し、攻撃用の印になったり、侵入物を直接中和したりする。

●補体系

 体を守るための一連の反応に関与する一群のたんぱく質で構成されており、例えば、細菌や外来細胞を殺傷する、マクロファージが外来細胞を認識して捕食しやすくする、マクロファージや好中球を問題のある部位に引きつける等によって体を守る。

●サイトカイン

 免疫細胞等から分泌されるたんぱく質で、免疫系の情報伝達物質として働き、免疫反応の制御を助ける。

●ヒト白血球抗原(HLA)

 自己と非自己の区別を可能としている一群の標識分子。組合せは人によってほぼ固有であり、すべての細胞の表面に存在している。

●インターロイキン

 ある種の白血球から分泌され、他の白血球に影響を及ぼす伝達物質(サイトカイン)の一種。

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「HM-3000(特系霊芝)」は免疫系に対して調整的な双方向性があるため、免疫機能の亢進による病態(アレルギー、アトピー、リウマチ、膠原病、甲状腺機能異常、劇症肝炎、糖尿病等)や、免疫機能低下に関わる病態(細菌・ウイルスによる感染症、エイズ、傷口治癒の慢性化、腫瘍の発生等)にも有効な作用の発揮が期待できます。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2020年9月3日木曜日

植物油脂の危険性

 “ラクトアイス”は健康的?

 昔から多くの人に愛されているのがアイスクリームです。観光地ではたいていソフトクリームが売られていますし、コンビニのアイスクリーム用の冷凍庫は、冬でも商品がぎっしり詰まっています。それだけ需要があるということでしょう。

 コンビニのアイスクリーム用冷凍庫に詰まったいろいろな商品は、よく見るとアイスクリームばかりではありません。「アイスクリーム」「アイスミルク」「ラクトアイス」「氷菓」の4種類があります。

 一番わかりやすいのが氷菓です。カップに入ったかき氷タイプ、アイスキャンディタイプとありますが、いずれも清涼飲料水が凍ったのと同じで、砂糖の塊です。

 わかりにくいのはアイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイスの違いです。この3つは成分によって分けられます。

アイスクリームを名乗るには、乳固形分15%以上、乳脂肪分8%以上が必要です。アイスミルクは乳固形分10%以上で乳脂肪分3%以上、ラクトアイスは乳固形分3%以上となっていて、商品の成分表示にもそれが書かれています。


「健康のため脂肪分が少ないラクトアイス」は大間違い!

 この成分表示を見て、「健康のために少しでも乳脂肪の少ないラクトアイスにしておこう」と考える人が結構います。しかし、この判断は大間違いなのです。

 ラクトアイスはアイスクリームと比べて乳成分が少なくなっています。それでもアイスクリームに近い味を出すために、植物油脂と乳化剤・香料などの添加物を足しています。

 そうした植物油脂には「トランス脂肪酸」(心疾患のリスクを高めることがわかっている不自然な合成油)というとても体に悪い物質が含まれています。そんなものを選ぶくらいなら、少しくらい高価でもちゃんとしたアイスクリームを食べたほうがずっと健康的です。

 ちなみに、飲み物に入れるミルクもどきの「コーヒーフレッシュ」も同様です。あれはミルクではありません。植物油脂と水に、乳化剤・香料という添加物を入れたものです。

 ラクトアイスはアイスクリームではありませんし、コーヒーフレッシュはミルクではありません。もう、それふうのニセモノを口にするのはやめるべきです。特にアイスクリームは子どもにも食べさせる機会が多いと思いますので、ぜひ正しい知識を頭に入れておいてほしいものです。

(出典:https:// https://diamond.jp/)


■トランス脂肪酸の危険性

 トランス脂肪は今、世界で最も危険視されている脂肪酸です。しかし日本人でそれに気付いている人はまだわずかなようです。トランス脂肪は、不飽和脂肪を加熱し水分を蒸発させ、脂肪を凝固させたもので、もとは不飽和脂肪だったものを飽和脂肪にしています。こうした脂肪は人工のもので、自然には存在しないものです(天然の動植物の脂肪中にも少量存在)。作られる一番の理由は、安く長持ちするうえ、扱いやすいからです。

 海外の消費者はトランス脂肪の危険性に気付き始めました。2018年までにアメリカではトランス脂肪は全面規制の対象となり、ヨーロッパでも禁止か厳しい制限があります。

 世界保健機関(WHO)は、2003年から食品中のトランス脂肪酸から摂取するエネルギー量を、総摂取エネルギー量の1%よりも少なくすることを示しています。また、油脂を加工するときにできるトランス脂肪酸を減らすための行動計画「REPLACE」を公表し、トランス脂肪酸の低減を進めるよう各国政府に呼びかけています。日本では、トランス脂肪酸については、健康影響が飽和脂肪酸に比べてかなり小さいと考えられる等から、目標量は定めていません。ただし、厚生労働省もトランス脂肪酸の摂取量を総摂取エネルギー量の1%相当より少なくすることが望ましいとしています。

 トランス脂肪は、糖類とともに、糖尿病、高血圧、コレステロール疾患、心臓血管の病気、癌、リウマチ性関節炎、カンジタ症、アレルギー、うつ、慢性疲労などあらゆるものに関与するとされています。トランス脂肪は身体にとって異物であり、細胞を損傷させる働きをする危険な物質なのです。砂糖や人工甘味料と同様に、そのダメージは蓄積していくことになり、相乗的な悪い効果が推測されます。

 マーガリンと呼ばれる物質は部分水素添加植物油で作られたバターの模造品、つまりトランス脂肪酸の一種です。マーガリンとは、本来、屠殺用の家畜を太らせるための二級のバターであって、分子式の水素を増やすだけでプラスチックに早変わりする代物なのです。

 トランス脂肪酸は「植物油脂」と表示してあるものの多くに入っています。サラダ油、ドレッシングオイル、市販のマーガリンやショートニング、パン、クロワッサン、加工食品その他に入っています。

 中国や韓国でも表示義務がちゃんとありますし、中国でのトランス脂肪酸の漢字表記は「反式脂肪」です。いかにも体に悪そうですが、韓国の大企業でも自国内で販売するものは、トランス脂肪酸を全く使わないか、使っても制限はしているようです。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2020年8月26日水曜日

ドライアイ

 ドライアイで抑うつ症状に!?

 近年、デジタル作業の増加やストレス社会により若年層を中心に「ドライアイ」に陥る人が増えています。

 順天堂大学大学院医学研究科眼科学の研究チームは、2016年に開発したiPhoneアプリ「ドライアイリズム」によるクラウド型大規模臨床研究を実施した結果、ドライアイの自覚症状が重症化するほど抑うつ症状を併発することを明らかにしました。

 今回の研究では、アプリを対象期間にダウンロードした国内のユーザー4,454人を対象に、ドライアイの重症化と抑うつ症状の関連を解析しました。その結果、明らかになったことの一つが、冒頭に挙げた「ドライアイがうつ病と関係しているのではないか」ということです。

 研究チームは、対象者4,454人のうち、ドライアイ診療で広く用いられている問診票OSDI(Ocular Surface Disease Index)13点以上を「ドライアイ症状あり」、抑うつ症状の程度を評価する問診票SDS(Self-rating Depression Scale)40点以上を「抑うつ症状あり」と定義。ドライアイの症状や、年齢・性別などの基本情報、病歴、生活習慣などとの関連や、ドライアイの自覚症状と抑うつ症状の関連を解析したところ、4,454人中74%にドライアイ症状、73.4%に抑うつ症状があったのです。ドライアイ症状がある人の78.8%に抑うつ症状もありました。

 ドライアイの自覚症状の程度を、軽症、中等症、重症で分けると、自覚症状が悪化するにつれ抑うつ症状も悪化傾向を示すことが分かりました。さらに、自覚症状が軽度であれば1.62倍、中等度であれば2.39倍、重症であれば3.29倍、抑うつ症状を併発しやすいことも分かりました。

 研究結果から導き出されたのは、「ドライアイの自覚症状が悪化すると抑うつ症状を併発することが増える」。つまり、ドライアイがひどい人にはうつ病の人も隠れている可能性があり、うつ病の早期発見・早期治療につなげられるかもしれないということです。

「ドライアイがあって抑うつ症状が生じているのか、その逆で抑うつ症状からドライアイに至っているのかまでは、この研究ではなんとも言えません。しかし、ゆくゆくは眼科と精神科が協力して治療を行うようになるかもしれません」(研究チーム 猪俣准教授)

 ドライアイは放置しておいていい病気でないことは確実のようです。

(出典:https://dime.jp/)


■まずは洗眼 ドライアイ対策

 本来目の表面には常に少量の涙が分泌され続けていて、角膜(黒目)と結膜(白目)を潤しています。ドライアイとは、涙の分泌量が減ったり、量は十分でも涙の質が低下することによって、目の表面を潤す力が低下してしまう疾患です。

 現在、日本では約2,000万人ものドライアイの患者がいるといわれ、オフィスワーカーにおいては3人に1人がドライアイという報告もあり、年々増加傾向にあります。

 ドライアイの原因として、加齢による涙液分泌の減少やエアコンによる乾燥、パソコン・スマホなどによる影響が大きく、女性に多い事が解っています。乾きの症状のほか、異物感や痛み、充血やかすみ、疲れといった多種多様な症状も多くみられます。

 結膜(白目の表面を構成する層)には、毛細血管が走っています。目の表面の乾燥などによって毛細血管が刺激を受けると、毛細血管が拡張し、大量の血液が流れるので、充血するのです。

 白目の部分が真っ赤になる「結膜下出血」は、高血圧や糖尿病、薬の副作用、また疲れやストレスなど様々な原因で起こりますが、ドライアイが原因であることも多いようです。


自宅でできるドライアイ対策

 まずは「洗眼」です。目のまわりには皮脂やフケをはじめとして、花粉やホコリ、アイメイクの残りなどが付着しやすく、これをそのままにしておくことでドライアイのほか、アレルギー性結膜炎や霰粒腫や麦粒腫などの疾患を引き起こしたり、「まつ毛ダニ」とよばれるダニが繁殖したりすることもわかってきました。 

 アレルギー性結膜炎や霰粒腫等の疾患はまつ毛の根元やそのすぐ近くにある涙の分泌腺の開口部を清潔に保つ事で症状の改善が期待できます。

 起床時はもちろんですが帰宅直後の洗眼もおススメです。石鹸や洗顔料でまぶた~まつ毛の根元をしっかりこすり洗いして流しましょう。

 しっかり洗眼した後は、目の周りを温めて、血流を良くするのがオススメです。血流が良くなると涙の分泌量が増えるのでドライアイ症状が和らぎます。

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「HM-3000(特系霊芝)」の血流改善効果は全身に及びます。目と目の周囲の血流が改善されることで、目と目の周囲も温められ、涙腺を刺激しドライアイの症状も改善します。

 また、ドライアイによる抑うつ症状を軽減するには「ラフマ葉エキス」がお勧めです。抗ストレスハーブとして古くから使用されている安心・安全の生薬です。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2020年8月19日水曜日

小腸

 最後のブラックボックス『小腸』

「お腹の張り」は、病院でも改善させることがなかなか難しい症状のひとつです。医師らは胃カメラや大腸カメラをして、まずは症状の原因になるものを除外するのですが、検査をすると、がんや潰瘍などの「器質的疾患」は存在しないことがほとんどだそうです。まずは一安心ですが、患者としては症状の原因がないので逆に困ってしまいます。お腹の張りを一時的に減らす薬はありますが、根本治療にはなりません。

 そこで注目されるのが「小腸」です。6~7mもの長さの小腸。これまで胃カメラでも大腸カメラでも届かない未知の領域であった小腸は、最近まで「ブラックボックスの臓器」と言われていました。「小腸を調べなくて良いのか?」と思われるかもしれませんが、幸いなことに、小腸は管腔内が流れの速い臓器なので、滞って小腸がんが発生することは少ないのです。なので、小腸はこれまでいわば「ほったらかしの臓器」だったわけです。しかし困っている人が多い「お腹の張り」。その原因は、小腸にあるようです。

 健康な小腸には腸内細菌が大腸と比較して非常に少なく、1mlあたり10万個から1000万個くらいと言われています(大腸には1mlあたり1000億個もの腸内細菌が棲息)。

 ところが、小腸に腸内細菌が異常に増殖して、普段の10倍くらい細菌が繁殖することがあり、これを「SIBO(シーボ:小腸内細菌異常増殖症)」と呼んでいます。

 SIBOは様々な症状や病気を引き起こします。まずは異常に増えた細菌が発酵して腸内ガスを産生します。すると、そのガスで「お腹が張る」ようになります。小腸は膨らむことに強くはできていないので、小腸壁のバリアーが崩れ、容易に異物が体内に入ってくるようになります。これをリーキーガット(腸から漏れてしまう)症候群と言います。他にも小腸がうまく機能しないと、免疫力の低下や精神疾患にも影響を与えると言われています。

 SIBOが起こる理由としては、

小腸の動きが悪いことで小腸内に無駄な細菌増えやすくなる 

胃酸の分泌が少ないため小腸の無駄な細菌を殺せない

などが挙げられます。

小腸の動きが悪い場合には、小腸と大腸を繋いでいるバウヒン弁(回腸と盲腸の境界にある弁)の位置をお腹の上からマッサージしてあげることが良いと言われています。また、ピロリ菌を除菌して、胃を元気にして胃酸分泌を活発化しましょう。

逆に「胃酸を抑えるお薬」を慢性的に飲んでいる方は、小腸の腸内細菌が繁殖するもとになりますので、頓服に変えると良いでしょう。

最近では、小腸内視鏡やカプセル内視鏡が少しずつ広まり、腸内細菌のゲノム分析が進んできていて、腸内細菌の働きや弊害が分かりつつあります。ブラックボックスだった小腸の研究が進めば、難解なお腹の張りも理由が分かって治療法が一般的になるかもしれません。

(出典:https://www.fukuoka-tenjin-naishikyo.com/)


■小腸内の細菌が爆増する病気

 腸内細菌は食べたものをエサとするだけに、食生活がカギを握ります。 一般的に、"腸にいい"というとヨーグルトや納豆などの発酵食品、食物繊維が豊富な野菜が「整腸食」として浮かびますが、近年、整腸食でお腹の調子を崩す病気の存在がわかってきました。

「『SIBO(シーボ:小腸内細菌増殖症)』は、大腸にあるべき細菌が小腸に流れ込み、小腸内の細菌が爆発的に増えるという病気。ただでさえ小腸に細菌が異常にある状態で整腸食を摂取すると、さらに細菌が増殖して大量のガスが発生し、便秘や下痢、肌荒れや肥満を招く。小腸は本来、ガスに耐えられる器官ではないため、『リーキーガット症候群』を患いやすくなり、あらゆる感染症や肝臓がんになるリスクが上がる」(江田クリニック江田院長)


FODMAP(フォドマップ)とは?

SIBOを予防・改善するためのキーワードは「FODMAP」です。これは、「Fermentable(発酵性の)」、「Oligosaccharides(オリゴ糖)」、「Disaccharides(二糖類)」、「Monosaccharides(単糖類)」、And、「Polyols(ポリオール)」、という4種類の糖質の頭文字を組み合わせた略語のこと。

オリゴ糖は豆類や小麦など、二糖類は牛乳やヨーグルトなど、単糖類は果物やはちみつなど、ポリオールはキシリトールガムやマッシュルームなどに多く含まれています。そのFODMAPに含まれる糖質を摂取しないような食生活が望ましいそうです。


 腸内を悪化させるかもしれない意外なNG食品 

ヨーグルト 牛乳 納豆 さつまいも ごぼう キムチ オリゴ糖 

豆乳 大麦 きのこ類 セロリ アーモンド(20粒以上) 

ドライフルーツ ウーロン茶など


「腸活ブームでヨーグルトや豆類、フルーツを積極的に食べる人が多いが、SIBOによるお腹の不調を抱えている場合は、それらを控え『低FODMAP食事法』を行ってほしい。チェック項目(上参照)に複数該当する人は、3週間FODMAPの食品を一切摂らないこと。その後、穀物、野菜、乳製品など1ジャンルずつFODMAPの食品を再開してみることで、何を食べると調子が悪くなるのか特定できる」(江田院長)。低FODMAP食事法の実践期間中は、小麦⇒、納豆⇒海藻・ブロッコリー、はちみつ・オリゴ糖⇒メープルシロップ・ピーナッツバター、ヨーグルト⇒アーモンドミルクなどに変更するとよいそうです。



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愛・感謝 村雨カレン

2020年8月12日水曜日

熱中症

 かくれ脱水と基礎疾患

 厚生労働省の発表資料によると、昨年の5月~9月の全国における熱中症による救急搬送人員の累計は 71,317人でした。熱中症は、最悪の場合、死に至る怖い病気です。でも、正しい知識を持って対処すれば防ぐことができます。

 高齢になると発汗など体温の調節機能が低下します。高齢者が特に気をつけなければならないのが、自身の脱水状態に気づかない「かくれ脱水」の存在です。暑いと感じる感覚も、年齢とともに鈍くなります。のどの渇きを感じていないのに、熱中症になることもあります。自覚のないまま進行することもあると、まずは自覚することが大切です。

 また、年齢に限らず熱中症にかかりやすい"熱中症弱者"の存在も問題です。血糖コントロール中の糖尿病患者さんや、βブロッカー(高血圧、頻脈性不整脈、虚血性心疾患、心不全などで用いられる薬)を服用している患者さんなどが熱中症弱者にあたります。

 なぜ糖尿病患者さんが?と思われるかもしれません。血液中のブドウ糖濃度が高いと、それを薄めようとして血管の外側から水分を取り込み続けます。増えた水分は尿として体外へ排出される浸透圧利尿が生じるため、体内の水分不足=脱水症状を招いて熱中症にかかりやすくなるのです。

 また、糖尿病の合併症で自律神経系に支障があると「暑さを感じにくい」「汗をかきにくい」そうです。そして、高血圧の利尿剤はいうに及ばすですが、βブロッカーなどの心臓の機能を落とすことで血圧を下げたり心臓の負担を軽くしたりする薬の場合、暑熱環境で体内に熱がたまると、体温の上昇を抑えるため、熱を放出しなければなりません。そのため対表面の血流を増やすことで、①皮膚から外気への熱伝導を促進、②大量の発汗と汗の蒸発時に体から奪う気化熱で体温の低下を図ります。体内に溜まった熱を体外へ汲み出すのが血流で、汲み出しているのが心臓のポンプ機能で、その心臓ポンプの機能を落としてしまうのがβブロッカーですからよけいに熱中症にかかりやすくなるのです。


■熱中症と血液循環

 熱中症は、主に外気の高温・多湿などが原因です。

 体温よりも気温が低ければ、皮膚から空気中へ熱が移行しやすく、体温の上昇を抑えることができ、湿度が低ければ、汗をかくことで熱が奪われ、体温を適切にコントロールすることができます。しかし、夏場などのように外気の温度が高くなると、人の体は自律神経の働きによって抹消血管が拡張し、皮膚に多くの血液が集まり、外気への熱伝導によって体温を低下させようとする機能が低下して、熱の放出が困難となって、体温調節は発汗だけに頼ることになります。

 発汗が多量になると、体内の塩分濃度の減少に伴い、筋肉が硬直、けいれんしたりします。また、自律神経は体内の塩分濃度を保つために発汗量を制限(少なく)します。

 屋内では汗が気化できずに流れ落ちるだけで気化熱が発生せず体温を体の外へ放出することができず、体内に熱がこもります。


熱中症 ⇒ 循環機能異常!

 唇や爪の色が紫色になるチアノーゼは、血中酸素濃度の低下で起こります。通常、健康な人の血液では、酸素とヘモグロビンが結合していて、それが血液の赤い色をつくっています。しかし、熱中症で体温調節が限界を超えると皮膚血管の拡張のために皮膚に血液が集中し、発汗などのため血液粘度も上昇し血流障害を起こします。重症の場合、心負担→血圧低下→チアノーゼを経て虚脱状態や意識障害などになります。血栓症を発症する場合もあり、脳血管障害、心機能障害をはじめ、高齢者や基礎疾患を持っている方はより注意が必要です。

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 夏のこの時期、炎天下でもエアコン環境の中でも、体温調節異常から循環機能異常が起こることは十分考えられます。実際、家の中でも就寝中に熱中症が起きています。また、血流障害による夏の血栓症は冬より多いという調査報告もあります。また、暑さでだるくなり、食欲がなくなり、あっさりしたものや清涼飲料水・アルコールばかりを摂っていると、体内でエネルギーに変える栄養素やたんぱく質が不足し、体がだるくなったり、疲れやすくなったりして夏バテ症状を引き起こすことになります。熱中症による血流低下からくる酸素供給低下の予防には、多めの水分と「HM-3000(特系霊芝)」がお勧めです。また、食欲減退によるエネルギー産生不足には、霊芝に加えて「コエンザイムQ10」です。かくれ脱水や基礎疾患を持つ熱中症弱者の熱中症対策に期待ができます。


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愛・感謝 村雨カレン

2020年8月5日水曜日

夏血栓

この時期、判断が難しい“夏血栓”

 今年6月、男性陸上隊員(45)が死亡しました。死因は心筋梗塞。10kgの荷物と小銃を携帯しながら20kmの「徒歩行進訓練」後、別の訓練までの休息時に倒れたといいます。陸上自衛隊第一師団の発表では、隊員間の距離を取っていたため、亡くなった陸上隊員は訓練中、途中からマスクをあごにずらしていたそうです。マスクということから、「マスクによる熱中症で亡くなった?」と思う人が多いのではないでしょうか。

「心筋梗塞ということから、熱中症ではない。脱水で血液がドロドロになり、血栓ができやすくなったことが原因だ。一般的に『夏血栓』と呼ばれている。しかしながら、猛暑日のマスクは脱水を起こしやすくするため、熱中症だけでなく、夏血栓に対してもリスクを高める。新型コロナウイルス対策でマスク装着が日常化しているが、装着には注意が必要だ」(国際医療福祉大学熱海病院検査部長 〆谷医師)

 心房細動で血栓ができる心原性脳塞栓もこの時期に多い血栓症なのですが、心房細動が起らなくても血栓ができやすくなる条件があります。夏の血栓の症例では、「夏の暑い日に東京ドームでビールを飲みながら野球観戦をしていた30代男性が急に胸の痛みを訴え、救急車で運ばれてきた。検査をするとその人は心筋梗塞だった。ほかにも30代の運転手は、胸の痛みと血痰が出たため、検査をしたら肺血栓塞栓症だった。また、デスクワークの多い50代のビジネスマンは、1週間ほど息切れが続いたので、肺のレントゲンを撮ると、動脈が少し拡張していた。その後、待合室で待っていると急に心肺停止に。スタッフが蘇生措置をして一命を取り留めたが、もし措置が10分遅れていたら死亡していた。その患者も肺血栓塞栓症だった」(大谷クリニック院長 大谷医師)

 夏の暑い日に急に気分が悪くなり、しかもそこで間違った処置をしてしまうと命を落とす危険が一気に増します。例えば、急性肺血栓塞栓症と診断が確定され治療した場合の死亡率は2~8%ですが、夏血栓とわからず適切な治療が行なわれなかった場合の死亡率は30%に上ります。

 一般の人は自分が熱中症なのか、夏血栓なのか判断が難しいのです。熱中症の場合は、体を冷やすなどの処置をしますが、脳梗塞などの場合は血栓を溶かす作業をしなくてはなりません。判断を間違えたために障害が残つたという症例もあります。そのため、熱中症だと思って日陰で休んでいたら、突然、死亡してしまうという恐れもあります。「急性肺血栓塞栓症の死亡例の40%が発症1時間以内の突然死です。症状は発熱、冷や汗、動悸、咳、呼吸困難、胸の痛み、血痰など。もし苦しいと感じたら、自分で判断しないで早めに病院で検査を受けたほうがいいでしょう」(大谷医師)

■夏血栓とその対策

 冬の血栓症は、暖かい部屋から急に寒い室外に出たときなど、急激に血管が収縮し、血流が早くなって血栓がはがれ、脳や心臓の血管に詰まることが多いのですが、夏血栓は脱水症状などで血液粘度が上昇することが主な要因です。厚生労働省の調査によると、血栓症は35歳からの発症率が急増しています。

血栓ができやすい要因

血液の変化 
 いわゆる「血液ドロドロ状態」。血栓症のリスクという観点からは、血小板や凝固系が活性化されやすいこと、線溶系に異常をきたしている可能性が考えられます。血小板が活性化されると血液が凝固しやすくなりますが、例えば精神的なストレスが大きい場合は、その傾向が強くなります。

血管の変化 
 血管内で血液が固まりにくい状態を保つために働くのが血管内皮(血管の最内側層)細胞です。この細胞が炎症や動脈硬化により障害されると血液が固まりやすくなります。動脈の内膜にコレステロールなどからなる粥状物質がたまってプラークができ、次第に肥厚することで動脈の内腔を狭めるタイプでは、プラークが破綻した際に凝固系が一気に活性化され、急性心筋梗塞や梗塞範囲の大きい脳梗塞を引き起こします。

血流の変化 
 血流が遅いと血栓症を起こしやすくなります。血流速度は、心臓が血液を送り出す力や細動脈で生じる抵抗によって変わりますが、静脈ではふくらはぎの筋肉の収縮や呼吸運動も大きく関わっています。エコノミー症候群は、静脈に血栓が生じて起こります。

エアコンやアルコールの摂取でも脱水症状になる!

 夏血栓のひとつである脳梗塞による死亡率は、気温が30℃を超えると上がり、32℃で急上昇する傾向にあります。室内では、エアコンのせいで汗をかいた自覚がなくても、知らないうちに脱水症状になっていることもあります。また、ビールなどは、水分補給をしているようでも、アルコールの利尿作用によって、逆に脱水症状になりやすいのです。

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 血栓は、夜間の睡眠中、血圧の低下によって起きることもあります。血栓症は、徐々に進行していくがんなどと異なり兆候が見えにくく、突然、重篤な症状を起こし、心筋梗塞や脳内出血などで死に至るケースもあり、脅威は身近なものとなっています。そして、脂質異常症、糖尿病、高血圧、ストレスの蓄積、喫煙、加齢などの危険因子が多くある人ほどリスクが高くなります。

 康復医学学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」には、医薬品のように血栓を溶かすのではなく、形成し始めると次から次へと形成される血栓に対して、それを抑制するエビデンスがあります。「夏の血栓」対策にはおすすめです。


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愛・感謝 村雨カレン