2024年7月31日水曜日

酵素

 夏の食材、意外な効能

 スイカの白い部分 

 果肉の一番外側の部分で“果皮”と呼ばれます。スイカの果皮は食用が可能で、果肉部分に比べはるかに栄養価が濃縮されています。注目すべき栄養素は「クロロゲン酸」と「シトルリン」。クロロゲン酸は強力な抗酸化力を持つポリフェノールの一種で、生活習慣病の予防に役立ちます。また、シトルリンというアミノ酸も赤い果肉の2倍含まれており、利尿効果を高め、むくみをとる効果があるとされています。

 きゅうり 

 きゅうりにはカリウム、イソクエルシトリン、マグネシウム、ビタミンC、ビタミンKなど、多くの栄養素が含まれているものの、昔から特異的健康成分はないとされてきました。しかし2011年、きゅうりに「ホスホリパーゼ」という非常に効果が高い脂肪分解酵素が大量に含まれていることが発見されました。熱に弱いという弱点はありますが、日本ではきゅうりの料理はあまり加熱しません。さらに、この酵素はすりおろす事で、より放出されやすくなります。脂肪分の多い肉料理などに添えることをお勧めします。

 なす 

 他の野菜に比べ栄養豊富とは言いにくいですが、なす特有の「ナスニン」や食物繊維、カリウムなどが含まれるため、栄養補給にぴったりです。ナスニンは、なすの特徴的な栄養成分で、ブルーベリーや紫キャベツなどの紫色の食品に豊富なアントシアニンというポリフェノールの一種。高い抗酸化力を持ち、がんや動脈硬化の予防などだけでなく、シワやたるみの予防にもその効能が期待できます。

 枝豆 

 マメ科ダイズ属に属する枝豆。栄養学から見ると、大豆が豆類なのに対し、枝豆は"野菜類"として扱われます。体内での働きに基づいて色分けする「三色食品群」の考え方でも、大豆は「赤」の群(体を作るもと)に、枝豆は「緑」の群(体の調子を整えるもと)に分類されています。大豆と同様の栄養素の他に、アミノ酸の一種「メチオニン」を含んでいます。メチオニンは体内で合成できない必須アミノ酸の一つで、アルコールの分解促進作用により肝臓の働きを助け、飲みすぎや二日酔いの予防が期待できます。また、ヒスタミン(アレルギー物質)に作用し、過剰な免疫反応を抑える働きがあります。さらにメチオニンはセロトニンやドーパミンなど神経伝達物質を合成する材料の一つで、抑うつ症状の予防、記憶力の向上など脳の活性化を促します。枝豆は野菜の中でメチオニン含有量が高く、100g中160mg含まれています。

 納豆 

 納豆の旬は冬の1~2月ですが、夏に必須の栄養素が含まれています。ネバネバに含まれるナットウキナーゼは有名ですが、ここではリゾチームと納豆菌を紹介します。「リゾチーム」は病原体溶解酵素。卵が腐りにくいのは殻の内側にあるリゾチームの働きです。納豆のリゾチームは卵よりも多く含まれ、様々な食中毒菌による感染を予防してくれます。そして強力な抗菌作用を持つ「納豆菌」は、O-157をはじめ、チフス菌や赤痢菌、サルモネラ菌などを抑制するだけでなく、腸内では善玉菌と同じような働きをし、善玉菌を増やし、悪玉菌の増殖を抑えてくれます。まさに夏の食中毒を避けるためにも摂りたい食材です。


■代謝酵素と消化酵素

 生野菜や果物、発酵食品を食べたり、酵素飲料を飲んだりしても、「体内(代謝)酵素を補うため」ということなら全く意味はありません。“体内で働く酵素”を外部(口)から直接補うことはできないからです。まず理解したいのは、現在、多くの方が「酵素」と思って飲んでいる「酵素飲料」(ペースト状、カプセル状含む)は、野菜や果物を発酵させたもので、ビタミンやミネラルなどの栄養素は補えても、「酵素」そのものを補うことはできないということです。日本で販売されているほとんどの酵素製品も同様です。しかし、各メーカーは、「酵素は生命にもっとも大切」「酵素を補いましょう!」と商品をPRし、また“にわか酵素解説者”たちがインターネットなどで誤った酵素論を展開するため、多くの人が「酵素を飲み、生食すれば酵素は補える」と思いこむようになってしまったのです。

食物酵素は"事前消化"には役立つが‥‥

 直接代謝酵素を補うことにはなりませんが、食物酵素の多いものは非常に大きな意味があります。それは“事前消化”です。

 口にした食物は、本格的な消化活動の始まる前に胃の上部にしばらく留まり、食物自体の持つ酵素によって事前消化が進みます。事前消化がしっかり行われれば、すい臓は余分に消化酵素を作り出すという重労働から解放されますし、消化酵素作りに必要なエネルギーや原料(アミノ酸、ビタミン、ミネラルなど)の消耗は抑えられ、他の代謝に支障がなくなります。ただ、生の食物が含む食物酵素は、自己消化はするものの、他の食物を分解することはしません。加熱品を食べた場合、事前消化は進みませんし、加工品の多い現代人には、事前消化してくれる別の酵素が必要になるのです。

 事前消化のために外部から補うことのできる唯一の酵素が「消化酵素」です。米国で「酵素サプリ」といえば消化酵素を指しますが、日本では事情が違います。日本には独得の法規制があり、消化酵素はサプリとしては販売できません。日本の「酵素サプリ」は“野菜や果物の発酵液”がほとんどで、米国の酵素サプリとは、まったく別物。事前消化のための酵素は補えないのです。

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 市販の多くの酵素液は“砂糖漬け”による発酵法で作られています。そこから抽出されたエキスはそのままだと飲めるような味ではないため、その後再び“大量の糖分”を加えて製品化されています。ほとんどの酵素液は約60%が糖分だと言われています。


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愛・感謝 村雨カレン

2024年7月24日水曜日

赤血球

 人工赤血球、臨床試験開始へ

 奈良県立医科大学は、献血で集めた血液のうち、有効期間が過ぎたものなどを再利用して人工的に赤血球を作製し、実際に人に投与して安全性や効果を確かめる臨床試験を、来年度(令和7年度)から本格的に始めると発表しました。実用化すれば、輸血用の血液の不足を補えると注目されています。

 研究グループは、全身に酸素を運ぶ赤血球を人工的に作製し、実際に人に投与して安全性や効果を確かめる臨床試験を、来年度から本格的に始めるということです。

 グループが開発した「人工赤血球」は、献血で集めた血液のうち、およそ1か月とされる有効期間が過ぎたものなどから赤血球の成分だけを取り出し、人工的な膜で包んだものです。

 輸血用の通常の赤血球は“冷蔵保存”する必要がありますが、「人工赤血球」は“常温”でおよそ2年間保存が可能だということです。

 今回の臨床試験では健康な人16人に投与する計画で、その後グループでは投与する人の数を増やすなどして、10年以内の実用化を目指したいとしています。

 担当教授は「実用化できれば、いつでもどこでも輸血ができるようになる。手術や救急医療の現場で活用できるよう、研究をすすめていきたい」と話しています。

【献血の現場は】

 日本赤十字社によりますと、献血された血液からは ▼赤血球 ▼血小板 ▼血漿 の成分に分けて輸血用の血液製剤が作られ、このうち、赤血球の製剤の有効期間は採血後、28日間ということです。このため、日本赤十字社では医療機関への供給量を調整しながら、期間内に使えるようにしていますが、中には期限が切れて廃棄しないといけないものもあるということです。さらに、1人が1年間にできる献血の回数や量には上限があるため、血液製剤を安定して供給するためには、多くの人が継続的に献血する必要があります。

 しかし近年、若年層の献血が減少していて、30代以下は令和3年度までの10年間で、およそ30%減ったということです。また、献血には年齢制限が設けられているため今後、少子高齢化がさらに進むと、血液製剤が不足するおそれがあるということです。

 奈良県赤十字血液センター献血推進課では「少子高齢化によって将来、医療機関に安定的に血液製剤を届けることができなくなり、日本の輸血医療が成り立たなくなることが懸念されていて大きな課題だ」と話しています。

(出典:https://www3.nhk.or.jp/)


■赤血球と血液循環

 赤血球は、体内で1秒間に約100~200万個、1日に2000億個が常につくられています。したがって、赤血球がつくられる仕組みが破綻した場合、容易に貧血になってしまいます。体内には20兆個の赤血球がありますが、赤血球が少なすぎると十分な酸素が運ばれず貧血になり、多すぎると血液が粘っこくなり、血栓症の危険性が高まります。このため、体内では赤血球を適切な数に調整する仕組みがあります。

 赤血球の主な役割は、肺から取り込んだ酸素を全身の組織に運ぶことです。実際には、赤血球はヘモグロビンに結びついた酸素を体のすみずみまで運びます。

 赤血球の内容の大部分はヘモグロビンです。ヘモグロビンにはヘム(ポルフィリンと鉄から生合成される)があり、ヘムに含まれる鉄に酸素が結びつくことによって、赤血球は酸素を運ぶことができます。

 赤血球の酸素を運ぶ能力は、血液中のヘモグロビン濃度で決まります。人体のすべての細胞にとって、ミトコンドリアにおけるエネルギー産生のために酸素が必要なのです。

 赤血球は白血球・血小板と共に骨髄でつくられます。元になる細胞は骨髄中の「多能性造血幹細胞」で、骨髄内で増殖・分化を繰り返して形成されます。赤血球の寿命は約120日。古くなった赤血球は、最終的に脾臓のマクロファージによって処理されます。

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霊芝の赤血球・血液循環への影響

 康復医学学会の主要研究生薬である「HM-3000(特系霊芝)」。この霊芝は、赤血球及び血液循環に対して、主に以下のような作用が確認されています。

〇赤血球変形性の改善 〇集合性の低下 〇血栓形成の予防 〇組織酸素供給の向上 〇毛細血管の口径と密度の調整 〇血漿粘度の低下 〇2,3-DPG(グリセリン2,3-リン酸)の産生促進 〇血管内皮細胞の増殖促進 〇血圧の降下 〇血糖値の降下など

 これらの作用により、以下の病態への予防・対応が可能になります。

▼赤血球の老化と機能低下 ▼血栓形成症 ▼組織の酸欠 ▼血中脂肪含量の上昇 ▼毛細血管密度の減少 ▼新陳代謝の低下 ▼血漿粘度の増加 ▼血圧の上昇 ▼血糖値と糖化ヘモグロビンの上昇 ▼血管壁の障害など

「HM-3000(特系霊芝)」の効能は、上記の血液循環への影響の他、免疫系への様々な影響、抗酸化作用、その他(補肝・造血促進・生存期間の延長・鎮静・鎮痛作用など)が認められており、それぞれに関連するエビデンスによって実証されています。


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愛・感謝 村雨カレン

2024年7月17日水曜日

ミトコンドリア

 土用の丑の日といえば

今年の夏の「土用の丑の日」は7月24日(水)、そして二の丑が8月5日(月)です。ちなみに、土用の丑の日は夏だけではなく、春・夏・秋・冬に存在し、2024年は右表の6回となっています。

“土用”とは、四立(立春、立夏、立秋、立冬)の前、約18日の期間のことで、その中にある十二支の"丑の日"が「土用の丑の日」です。

 天然うなぎの旬は10~12月ですが、夏にもウナギを売りたいという鰻屋の相談に答えて、平賀源内が「“本日丑の日”という張り紙を店に貼る」という発案をしてから鰻屋は大繁盛した、というエピソードはあまりにも有名です。現在、養殖うなぎは「土用の丑の日」に合わせて6~8月を旬としつつ、一年を通して安定した美味しさが楽しめます。

 日本では古くから食文化に深い関わりを持つ重要な食用魚「うなぎ」ですが、その生態は意外と知られておらず、研究者の間でも、2006年にやっと産卵場(スルガ海山)を発見したほどです。

 ウナギの祖先はまず外洋の深海で誕生し、やがて陸域の川や湖との間を回遊するように進化してきたと遺伝子解析によってまとめられ、東京大海洋研究所や千葉県立中央博物館などのチームが発表しました。

 ウナギは淡水域で成長し、外洋に戻って産卵することが知られていますが、外洋に生息していた祖先が陸地近くの海や淡水域に行動範囲を広げたのか、その逆なのかは謎だったそうです。同研究所は「ウナギの複雑な生活パターンの起源の解明は、養殖に必要な飼育条件を研究する上でも重要な知見となるだろう」と話しています。

 チームはニホンウナギなど19種のウナギ属とウナギの親せきに当たる魚のうち、入手できた約40種に着目。それぞれが持つ細胞内小器官「ミトコンドリア」にあるDNAの配列を比較し、どのような道筋で進化してきたのかを示す「系統樹」を描きました。すると、浅い海に生息するアナゴやウツボなどとウナギとは、外見が似ているものの古くから別々に進化を遂げてきたことが判明。水深200~3000mにすむフクロウナギやシギウナギなどの深海魚の方がより近縁であることを示唆する結果となりました。

 この発見は、ミトコンドリアにあるDNAの解析によって解明されましたが、そのミトコンドリアは種の判別に使われるだけの器官ではありません。人間の場合、日頃の生活から病気、老化、寿命に至るまで係わる大切な器官なのです。

 土用の丑の日や夏バテ予防に食べられるウナギ。この季節、なぜか食べたくなる‥‥しかし、国産物の「うな重」は高くて、最近はなかなか口にできないのが現状です。


■ミトコンドリアはエネルギーの製造工場

 全ての真核細胞に存在するミトコンドリアは、呼吸を営み、生命活動に必要なエネルギー「ATP(アデノシン三リン酸)を作ります。細胞内分裂によって増えます。

 ミトコンドリアには緑色のイメージがありますが、生きた細胞の中のミトコンドリアは赤茶色です。ミトコンドリアの中に鉄成分が多く含まれていて、酸素と結合すると赤錆色になるからです。ちなみに、筋肉には白筋(速筋)と赤筋(遅筋)がありますが、赤筋が赤いのはミトコンドリアが多く存在するからです。

■ミトコンドリアの主な機能

 脂肪酸のβ酸化や、電子伝達系による酸化的リン酸化によるエネルギー生産が主な機能です。酸素は本来、原生生物にとって毒となるものでしたが、ミトコンドリアの機能により、酸素から運動エネルギーを獲得できるようになりました。 細胞のさまざまな活動に必要なエネルギーのほとんどは、直接あるいは間接的に、ミトコンドリアからATPの形で供給されます。

■エネルギー産生の代償

 酸素を利用することによって、もっとも効率的なエネルギー産生システムを持っているミトコンドリアですが、酸素は他の化合物との反応性が強く、活性酸素の心配があります。呼吸で取込む酸素のほとんどはエネルギーに合成利用されますが、1~5%の酸素が体内で活性酸素になると言われています。

 健康や体力、抗老化などには、積極的に酸素を取込み効率よく使いエネルギーを産生することが大切ですが、エネルギー産生時にできる活性酸素は、疲労や老化、または、さまざまな疾患にも影響します。

■エネルギー代謝

 摂取エネルギーと消費エネルギーのバランスが崩れると、脂肪細胞に脂肪がどんどん溜まっていくことになります。そして、エネルギー代謝を司るのがミトコンドリアなのです。エネルギーを多く必要とされるところにミトコンドリアが多く存在するのはそのためです。

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 当学会では、ミトコンドリアの活性化に「コエンザイムQ10」をお勧めしています。エネルギー(体力)の増強肉体疲労の改善老化予防に期待できます。


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愛・感謝 村雨カレン

2024年7月10日水曜日

熱中症

 暑熱順化で熱中症予防

「暑熱順化(しょねつじゅんか)」とは、身体が暑い環境に適応するためのプロセスを指します。このプロセスにより、体温調節機能が向上し、汗の分泌が増え、心臓血管系の反応が改善されるため、熱中症のリスクが減少します。具体的には、暑熱順化を行うことで、身体がより効率的に熱を放散し、暑さに対する耐性が向上します。

暑熱順化の方法

 徐々に暑さに慣れる

●急激な温度変化に晒されるのではなく、徐々に暑い環境での活動を増やすことが重要です。最初は短時間の軽い運動から始め、徐々に運動時間と強度を増やしていきます。

●例えば、初日は20~30分程度の軽い散歩から始め、1週間かけて1時間のウォーキングや軽いジョギングに増やすと良いでしょう。

 日中の暑い時間帯を避ける

●特に暑い時間帯(10時~16時)に無理な運動や作業を避けることが推奨されます。この時間帯は日差しが強く、気温も高いため、熱中症のリスクが高まります。

●早朝や夕方の涼しい時間帯に活動することで、体への負担を軽減できます。

 適切な水分補給

●暑熱順化中は特にこまめな水分補給が重要です。汗をかくことで体内の水分と塩分が失われるため、水分と電解質をバランスよく補給する必要があります。

●水だけでなく、スポーツドリンクなどの電解質を含む飲料を摂取することが効果的です。

 適切な服装

●通気性の良い、軽い服装を選ぶことが重要です。吸湿性と速乾性に優れた素材の服を着ることで、汗を効果的に蒸発させ、体温を下げる手助けをします。

●また、帽子やサングラスを着用し、日差しを防ぐことも有効です。

 栄養バランスの取れた食事

●暑さに対する耐性を高めるためには、栄養バランスの取れた食事も重要です。特にビタミンやミネラルを含む食品を積極的に摂取することで、体調を整え、暑さに対する適応力を高めます。

 休息をしっかりとる

●暑熱順化中は、体が多くのエネルギーを使います。そのため、十分な休息と睡眠をとることで、体を回復させ、適応を促進します。

●適度に休憩を挟みながら活動することが重要です。


 これらの方法を実践することで、体が暑さに順応しやすくなり、熱中症のリスクを大幅に減らすことができます。暑熱順化は一朝一夕には達成できないため、日々の継続的な努力が必要です。

(出典:https://www.city.ashiya.lg.jp/他)


■熱中症:自律神経と体温調節

 体温を一定に保つことは人体の重要機能のひとつです。体内で生産された熱と、体外へ放出される熱のバランスがうまく取れていないと体温を一定に保つことはできません。重要なのは体温を調節するシステムです。

体温調節の要「自律神経」

 通常は、体内で作られた熱で血液の温度が上昇し、温まった血液が体表を通るときに皮膚から熱を放散して体温を下げます。

 しかし、猛暑の夏など、体表からの熱の放散だけでは間に合わない場合、皮膚に分布する汗腺からどんどん汗を出し、皮膚の表面を濡らすことにより温度を下げる働きをします。汗腺も自律神経に支配されており、発汗を促進するのも交感神経の役割です。

熱中症とチアノーゼ

 血液中の酸素濃度が低下して、唇や爪の色が紫色になるチアノーゼですが、通常、健康な人の血液では、酸素とヘモグロビンが結合していて、それが血液の赤い色を作っています。しかし、熱中症で体温調節が限界を超えると、皮膚血管が拡張して皮膚に血液が集中し、発汗などのため血液粘度も上昇し血流障害を起こします。重症の場合、〔心負担〕⇒〔血圧低下〕⇒〔チアノーゼ〕という経過をたどり、虚脱状態や意識障害などを引き起こします。

普段からの良好な血流の維持が大切

 現代人が汗をかけない原因の一つに、東洋医学でいうところの「?血(おけつ)」の問題があります。つまり、"微小循環血流の滞り"です。血液は酸素や栄養素とともに体内の熱を運ぶ役割も持っていますから、微小循環血流を改善し、血流を良好に維持すれば、体温調節システムも効率よく働くのです。

 当学会の主要研究生薬である「HM-3000(特系霊芝)」微小循環の改善作用と、「ラフマエキス」自律神経調整作用が、熱中症の予防にも役立ちます。


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愛・感謝 村雨カレン

2024年7月3日水曜日

カプサイシンの効果

 食べる漢方薬、七味唐辛子

 今日7月3日は「七味」の日でもあります。大阪の向井珍味堂が【しち(7)み(3)】の語呂合わせにちなんで7月3日に記念日を制定しています。

 七味唐辛子の歴史 

薬研
 1625年(寛永2年)現在の東京、両国あたりは当時、薬研堀(やげんぼり)と言われていた所で、医者や薬問屋が集まっていました。「薬研(やげん)」とは、当時の薬(漢方薬)をすり潰す道具の事です。そこに住んでいた初代からしや徳右衛門が「漢方薬を食に利用できないか」と考え、試行錯誤した結果生まれたものが「七味唐辛子」で、別名「薬研堀」と呼ばれ、江戸名物になったと言われています。その中身は、生と炒った唐辛子の粉、粉山椒、黒胡麻、芥子の実、麻の実、陳皮、菜種の七種類だったそうです。

 江戸で流行した「七味唐辛子」は、大阪、京都の関西にも広まり、京都の清水寺の参道や長野の善光寺の参道などでも独自の配合で売り出すお店などが現れました。

 お店によって使っている種類や配合が違い、今では、同じ七味唐辛子でもお料理によって使い分けが出来る程種類やバリエーションも豊かになり、どのご家庭にも常備してあると言っても過言ではない程、浸透しています。

 お寺の門前に出来た理由として、「体の不調が治るように」とか「健康で過ごせるようにお参りした帰り道、薬効成分のある物を買って帰る」という事があったそうです。

 江戸時代から愛されてやまない組み合わせ、「そば+七味唐辛子」は鉄板ですが、麺類との相性は抜群! うどん、焼きそば、焼きうどん、パスタはどれもお勧めです。特にパスタは、トマト系にもクリーム系にもオイル系どれに合わせても意外なおいしさでクセになる人も多いようです。乳製品との相性も良いので、ピザやグラタン、ラザニア、ポタージュスープ、などにも相性が良いそうです。

 美味しいし、体にも良い!ときたら、使わない手はありません。皆様も固定観念にとらわれず、様々なお料理に振りかけて、新たな味との出会いを楽しんでみて下さい。

(出典:https://allabout.co.jp/)


■カプサイシンの効用

「カプサイシン」は唐辛子の辛みとなっている成分です。カプサイシンは油やお酒、酢に唐辛子を浸けると溶け出しやすいですが、水には溶け出しにくいという性質もあります。唐辛子を生の状態で食べても吸収率が悪く、10%程度しか吸収されません。しかし、茹でたり油と一緒に摂取すると吸収率は30~70%に上がります。効率よく摂取したいのなら、ラー油や豆板醤などの調味料を利用するといいでしょう。

※誤解されやすいですが、唐辛子の赤い色素成分はカプサイシンではありません。「カプサンチン」という別の色素成分です。 

血圧・コレステロール値を下げる

 マウス実験ではカプサイシン添加のエサを与え続けたところ、5カ月目に血圧が低下したという結果を得ており、高血圧の治療法として注目されています。また、カプサイシンには副腎皮質からアドレナリンを出させる働きがあります。アドレナリンは脂肪燃焼効果のあるリパーゼを出したりしますが、血圧を下げる効果も期待できます。カプサイシンには血管を拡張させる作用があるので、唐辛子を香辛料・薬味として使うぐらいの量ならば血圧を下げることにつながります。

 また、カプサイシンはコレステロール値を下げる作用もあるので、コレステロールが血管壁に付着するのを防ぐ効果も期待できます。

 カプサイシンには体温を上げて発汗を促し、脂肪を燃焼させるという効果が期待できますが、これはすなわち代謝をよくすることにつながるということです。代謝がよくなれば消費されるカロリーも増えることになり、血圧も減少していきます。

カプサイシンのその他の働き

●冷え性・便秘の改善、疲労回復効果、整腸作用:カプサイシンは末梢血管まで血流を良くしてくれる働きがあるので、冷え性の改善が期待できます。新陳代謝が活発になることで血行が改善し老廃物の排出を促すことにより、疲労回復効果も見込めます。カプサイシンの持つ辛みは唾液や胃液の分泌を盛んにするため食欲を回復させる効果ももたらします。胃液の分泌により胃が保護され、必要な栄養をしっかりと吸収します。さらにカプサイシンには整腸作用があり、便を排出するためのぜん動運動を促進、便通改善にも役立ってくれます。

●鎮痛作用カプサイシンの鎮痛作用は、湿布やクリームの成分に使われています。

●胃粘膜保護作用:胃潰瘍を発症しにくくする。ただし、カプサイシンを大量摂取すると保護作用がなくなるので注意が必要。

●育毛効果:代謝改善や血行促進により皮脂の過剰分泌を抑え、毛穴の詰まりが解消します。

 さら唐辛子にはビタミンCやビタミンEがたくさん含まれており、肌の細胞の老化防止にも役立ってくれアンチエイジングのためにも利用したい香辛料です。ただし、カプサイシンの摂り過ぎは健康被害をもたらすこともあります。気を付けましょう。

(※1回の食事量での摂取目安:体重1kgに対して5mg/日。体重60kgの人の場合、300mg/日)


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愛・感謝 村雨カレン