夏の食材、意外な効能
スイカの白い部分
果肉の一番外側の部分で“果皮”と呼ばれます。スイカの果皮は食用が可能で、果肉部分に比べはるかに栄養価が濃縮されています。注目すべき栄養素は「クロロゲン酸」と「シトルリン」。クロロゲン酸は強力な抗酸化力を持つポリフェノールの一種で、生活習慣病の予防に役立ちます。また、シトルリンというアミノ酸も赤い果肉の2倍含まれており、利尿効果を高め、むくみをとる効果があるとされています。
きゅうり
きゅうりにはカリウム、イソクエルシトリン、マグネシウム、ビタミンC、ビタミンKなど、多くの栄養素が含まれているものの、昔から特異的健康成分はないとされてきました。しかし2011年、きゅうりに「ホスホリパーゼ」という非常に効果が高い脂肪分解酵素が大量に含まれていることが発見されました。熱に弱いという弱点はありますが、日本ではきゅうりの料理はあまり加熱しません。さらに、この酵素はすりおろす事で、より放出されやすくなります。脂肪分の多い肉料理などに添えることをお勧めします。
なす
他の野菜に比べ栄養豊富とは言いにくいですが、なす特有の「ナスニン」や食物繊維、カリウムなどが含まれるため、栄養補給にぴったりです。ナスニンは、なすの特徴的な栄養成分で、ブルーベリーや紫キャベツなどの紫色の食品に豊富なアントシアニンというポリフェノールの一種。高い抗酸化力を持ち、がんや動脈硬化の予防などだけでなく、シワやたるみの予防にもその効能が期待できます。
枝豆
マメ科ダイズ属に属する枝豆。栄養学から見ると、大豆が豆類なのに対し、枝豆は"野菜類"として扱われます。体内での働きに基づいて色分けする「三色食品群」の考え方でも、大豆は「赤」の群(体を作るもと)に、枝豆は「緑」の群(体の調子を整えるもと)に分類されています。大豆と同様の栄養素の他に、アミノ酸の一種「メチオニン」を含んでいます。メチオニンは体内で合成できない必須アミノ酸の一つで、アルコールの分解促進作用により肝臓の働きを助け、飲みすぎや二日酔いの予防が期待できます。また、ヒスタミン(アレルギー物質)に作用し、過剰な免疫反応を抑える働きがあります。さらにメチオニンはセロトニンやドーパミンなど神経伝達物質を合成する材料の一つで、抑うつ症状の予防、記憶力の向上など脳の活性化を促します。枝豆は野菜の中でメチオニン含有量が高く、100g中160mg含まれています。
納豆
納豆の旬は冬の1~2月ですが、夏に必須の栄養素が含まれています。ネバネバに含まれるナットウキナーゼは有名ですが、ここではリゾチームと納豆菌を紹介します。「リゾチーム」は病原体溶解酵素。卵が腐りにくいのは殻の内側にあるリゾチームの働きです。納豆のリゾチームは卵よりも多く含まれ、様々な食中毒菌による感染を予防してくれます。そして強力な抗菌作用を持つ「納豆菌」は、O-157をはじめ、チフス菌や赤痢菌、サルモネラ菌などを抑制するだけでなく、腸内では善玉菌と同じような働きをし、善玉菌を増やし、悪玉菌の増殖を抑えてくれます。まさに夏の食中毒を避けるためにも摂りたい食材です。
■代謝酵素と消化酵素
生野菜や果物、発酵食品を食べたり、酵素飲料を飲んだりしても、「体内(代謝)酵素を補うため」ということなら全く意味はありません。“体内で働く酵素”を外部(口)から直接補うことはできないからです。まず理解したいのは、現在、多くの方が「酵素」と思って飲んでいる「酵素飲料」(ペースト状、カプセル状含む)は、野菜や果物を発酵させたもので、ビタミンやミネラルなどの栄養素は補えても、「酵素」そのものを補うことはできないということです。日本で販売されているほとんどの酵素製品も同様です。しかし、各メーカーは、「酵素は生命にもっとも大切」「酵素を補いましょう!」と商品をPRし、また“にわか酵素解説者”たちがインターネットなどで誤った酵素論を展開するため、多くの人が「酵素を飲み、生食すれば酵素は補える」と思いこむようになってしまったのです。
食物酵素は"事前消化"には役立つが‥‥
直接代謝酵素を補うことにはなりませんが、食物酵素の多いものは非常に大きな意味があります。それは“事前消化”です。口にした食物は、本格的な消化活動の始まる前に胃の上部にしばらく留まり、食物自体の持つ酵素によって事前消化が進みます。事前消化がしっかり行われれば、すい臓は余分に消化酵素を作り出すという重労働から解放されますし、消化酵素作りに必要なエネルギーや原料(アミノ酸、ビタミン、ミネラルなど)の消耗は抑えられ、他の代謝に支障がなくなります。ただ、生の食物が含む食物酵素は、自己消化はするものの、他の食物を分解することはしません。加熱品を食べた場合、事前消化は進みませんし、加工品の多い現代人には、事前消化してくれる別の酵素が必要になるのです。
事前消化のために外部から補うことのできる唯一の酵素が「消化酵素」です。米国で「酵素サプリ」といえば消化酵素を指しますが、日本では事情が違います。日本には独得の法規制があり、消化酵素はサプリとしては販売できません。日本の「酵素サプリ」は“野菜や果物の発酵液”がほとんどで、米国の酵素サプリとは、まったく別物。事前消化のための酵素は補えないのです。
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市販の多くの酵素液は“砂糖漬け”による発酵法で作られています。そこから抽出されたエキスはそのままだと飲めるような味ではないため、その後再び“大量の糖分”を加えて製品化されています。ほとんどの酵素液は約60%が糖分だと言われています。
いつもありがとうございます。
愛・感謝 村雨カレン
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