2025年3月5日水曜日

ストレスと心血管系

 “騒音”は心臓に悪影響を及ぼす?

「騒音」は心臓にとって大敵になる──。そんな新たな研究が、2024年8月、欧州心臓病学会年次総会で発表されました。

 ドイツのブレーメン心臓血管研究所に急性心筋梗塞で入院した50歳以下の患者430人の居住地の騒音レベルを調べたところ、同地域の一般住民よりも高レベルの騒音に暴露していることがわかったそうです。若年で心血管疾患リスクが低い人でも、騒音の悪影響によって急性心筋梗塞のリスクがアップした可能性が示されたのです。

 またフランスの別の研究では、急性心筋梗塞で入院して28日以上生存していた患者864人を追跡調査。入院から1年後の時点で19%の患者に主要心血管イベント(心臓突然死、心筋梗塞の再発、狭心症など)が発生していて、夜間の騒音レベルが10dB(デシベル)増加するごとにリスクが25%増加することが明らかになったといいます。

 騒音と心臓疾患との関係は数多くの研究が行われています。マサチューセッツ総合病院の研究では、幹線道路沿いや空港周辺などの騒音レベルが高い環境に長期で暴露され続けた人は、騒音レベルが低かった人に比べて心血管疾患の発症リスクが3倍以上でした。健康な成人男女499人を対象に脳と全身の動脈のPET/CT画像を撮影、米国運輸省の騒音データに照らし合わせて騒音レベルを評価。騒音レベルが高い環境に住む人は情緒管理機能中枢である脳の扁桃体の活動レベルが高く、動脈の炎症レベルも高いことがわかったのです。

 他にも、115dB以上の環境で20年以上耳栓なしで生活した場合、心筋梗塞が最大で1.6倍に増えると報告されていますし、WHO(世界保健機関)も1日平均65~70dBの騒音は心臓疾患を増加させるとしています。

 騒音が心臓疾患リスクを高める原因については、「ストレス」と「ホルモン」の関与が考えられています。騒音は、脳のストレス検知部位である扁桃体の活動を活発にさせます。扁桃体は、外からの刺激に反応して自分にとって有益=快なのか、害悪=不快なのかを判断する役割があり、害悪の場合は活性化し、副腎髄質からアドレナリンやノルアドレナリンなどのカテコールアミン、皮質からはストレスホルモンのコルチゾンを分泌させるのです。これらは心拍数を増加させ、血流を増して血管を収縮させるため血圧が上昇します。それだけ、心臓や血管の負担が増大することになります。さらに、ストレスによって炎症細胞が放出され、動脈硬化性のマクロファージが炎症反応を増強するため、プラークができたり、動脈瘤を形成したりすることなどもわかっています。騒音が不快な音の刺激として扁桃体を過剰に活動させることが、心血管疾患リスクをアップさせるのです。

 もちろん、騒音によって生じる睡眠不足や活動量の低下、難聴なども心臓に悪影響を与え、心臓疾患リスクを高めますから、騒音は考えている以上に心臓にとって大敵といえます。

(出典:https://www.nikkan-gendai.com/)


■ストレスによる心血管系への影響

 ストレスによる生体反応を見てみましょう。ストレスの刺激(物理的或は心理的)を受けると、生体反応が起こり、主に精神神経系・心臓血管系・内分泌代謝系・筋肉運動系・消化器系・生殖系など、自覚症状や疾病があらわれるのがわかっています。

 ストレスが心臓に与える影響は次のとおりです。

交感神経の働きが高まり、脈が速くなり血圧が上昇する 

血管が収縮するため、心臓と血管に大きな負荷がかかる 

神経伝達物質が増え、血栓ができやすくなる 

血液の粘りが強くなり、冠動脈の硬化や閉塞が起こる 

心臓の筋肉が収縮しにくくなり、正常に血液を送り出せなくなる(たこつぼ心筋症)

 ストレスによる心臓の違和感は、ズキズキ・チクチクといった痛みで、長時間持続することがあります。また、強い不安感や不眠などの精神的な症状を伴うこともあります。

【ストレスが心臓血管系に及ぼす影響】

ストレス ストレスホルモンCRH(コルチコトロピン放出ホルモン)ノルアドレナリン・アドレナリン 交感神経興奮 細動脈収縮 血圧・心拍数 心臓負担 

【関連する疾患と症状】

高血圧、狭心症、不整脈、神経性狭心症、血圧不安定など。 

ノルアドレナリン・アドレナリンが血小板凝集を促進

 ストレスは血圧や血糖値を上げ、消化器系の働きを抑制し、血清コレステロール値を急上昇させたりします。そして、ノルアドレナリン・アドレナリンは、血小板凝集を促進させ、正常な血液の流れを妨げ、血栓症を起こします。血栓ができると、動脈硬化症で狭窄した動脈に重い閉塞を招きかねません。

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対策ポイント:神経伝達物質のバランスと微小循環の血流改善

 ストレス状態が続くとストレスホルモンが放出されセロトニン放出が抑制され、アドレナリをはじめとする神経伝達物質のバランスを崩します。そして、微小循環の血流を低下させ、血小板凝集の促進~血栓~伴う疾病が表れることが考えられます。

 康復医学学会が長年研究を続けている「活性ラフマ」は、脳内のセロトニンを活性させます。脳内セロトニンの増加、セロトニンの神経通過性の改善により、ノルアドレナリン及びアドレナリンの働きを安定化させます。また、「HM-3000(特系霊芝)」は微小循環の血流改善に働くため、ストレスによる脳・心臓血管系対策に期待が持てます。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2025年2月26日水曜日

低血圧と認知症

 降圧薬減らして認知機能低下が抑制

 高齢者への降圧薬投与は珍しくありませんが、同薬の認知機能に及ぼす影響について一貫した見解は得られていません。米・カリフォルニア大学の研究者らは、高齢者1万2,644例を対象に降圧薬の減薬と認知機能低下の関連を検討する標的試験模倣研究を実施。その結果、「降圧薬の減薬による認知機能低下リスクの抑制が示唆された」と『JAMA Intern Med(9月23日オンライン版)』に報告しました。

 対象は、2006~19年に米軍退役者向け介護施設(CLC)での生活歴が12週間以上、降圧薬の継続期間が4週間以上で65歳以上の高齢者1万2,644例(平均年齢77.7±8.3歳、男性97.4%、白人73.1%、黒人17.5%)。CLC入所時に血圧160/90mmHg超、心不全の既往、降圧薬不使用が確認された例は除外。

 降圧薬の定義を9種の薬剤(β遮断薬、カルシウム拮抗薬、ACE阻害薬、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬、ループ利尿薬、サイアザイド系利尿薬、α遮断薬、血管拡張薬、カリウム保持性利尿薬)とし、減薬の定義を〔①前週と比べ使用薬数の減少または30%の用量減が認められ、②使用薬数または用量が低下した状態を2週以上維持した状態〕とした上で、対象を減薬群(1,290例)と継続群(1万1,354例)に分け、2年間またはCLC退所/死亡まで追跡しました。

 主要評価項目は、認知機能スケール(正常1点、軽度2点、中等度3点、重度4点)に基づき患者本人または介護職員から報告された12週時の認知機能低下とし、性、年齢、患者背景(体重、血圧、投薬量、既往歴など)を加味した解析で算出しました。

 追跡期間の中央値は減薬群が23週(範囲9~65週)、継続群が21週(同5~77週)で、ベースライン時の認知機能に両群で差はありませんでした。

 12週時の認知機能低下リスクは、継続群に比べ減薬群で有意な低減が認められ、認知症集団ではリスクの低減幅がより大きかったことがわかりました。

 研究者は研究の限界として、〔①大部分が白人男性である、②心不全患者を除外している、③認知症の種別を考慮していない〕ことを挙げた上で、「降圧薬の減薬による認知機能低下リスクの抑制が示唆された。特に認知症例において抑制効果が大きいと考えられる」と結論づけています。

(出典:https://medical-tribune.co.jp/)

※日本においても、東海大学名誉教授で大櫛医学情報研究所所長の大櫛陽一氏が、その著書『高血圧の9割は正常です』(ダイレクト出版刊)や『長生きしたければ高血圧のウソに気づきなさい』(ベストセラーズ刊)などで、脳梗塞や認知症と降圧薬の危険な関係を明らかにしています。


■低血圧と認知症の関係

 血圧というと高血圧ばかりに注意が向けられますが、健診における低血圧の基準値はありません。日本高血圧学会の基準でも、上120未満、下80未満であれば、どれだけ低くても「正常血圧」と判定されてしまいます。「診察室血圧」は病院で計る血圧、「家庭血圧」は家で計る血圧です。大抵の人は病院では少し緊張するため、上の血圧が10~20、人によっては30以上も高くなります。そのため最近は、家庭血圧の方が重視されているようです。

日本では「低血圧」は病気ではない?

 日本高血圧学会が決めた血圧の基準値の中にも「低血圧」という言葉は一切出てきません。また「高血圧学会」は存在しますが、「低血圧学会」はありません。つまり日本では、低血圧は病気として扱われていないということです。ただし世界保健機関(WHO)の定義があり、“上100以下、下60以下の状態が継続している”ものを低血圧としています。日本でもこれに準じて診断している医師が大勢いるので、健診の最後の「内科診察(医師による診察)」で「低血圧」と判断され、その旨が健診結果に記載されることがあります。

 低血圧の主な症状は、めまい、立ちくらみ、朝起きられない、など。命に係わることはなく、動脈硬化、脳卒中、心筋梗塞などのリスクが低いこともあって、「低血圧は治療の必要がない」とする医師が少なくありません。食事や生活習慣の改善指導を行う程度です。

 低血圧に悩む人の数はよく分かっていませんが、人口の約1~2%(125万~250万人)といわれます。また男性よりも女性のほうが多く、男女比は1:2とされています。     

血圧と認知症の意外な関係

 そんな低血圧と認知症の発症との関係を示唆する研究が、最近増えてきています。中年期では高血圧が認知症のリスク因子とされており、血圧を下げることが、将来の認知症の予防になると考えられています。ところが老年期になると、むしろ低血圧が認知症のリスクを高めるらしい、ということが分かり始めてきたのです。

 低血圧の人は、血液が全身に十分に回りにくく、特に脳は体の最上部にあるため、血液不足になりやすいのです。しかも高齢になると、ほとんどの人が動脈硬化になります。血管が硬くなるため、血圧を上げなければ、ますます血流量が減ってしまいます。つまり低血圧が続くと、血の巡りが悪くなって、脳細胞が酸素不足や栄養不足になるリスクが増してしまうのです。それが認知症の引き金になると考えられています。実際、高血圧の高齢者への降圧剤の処方で、血圧が下がり過ぎ、かえって認知能力が低下した、という話をよく耳にします。

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 康復医学学会の主要研究生薬である「HM-3000(特系霊芝)」には、恒常性の保持・調整作用「温寒」の性質に対する双方向性作用生理機能(呼吸や排泄、血液の循環、生殖、汗をかくことなど、生命活動に関連する基本的な機能)の正常化作用などが認められており、それらの作用が高血圧を改善するとともに、低血圧をも正常に戻す働きを持っていると言われています。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン


2025年2月19日水曜日

膵臓がんと糖尿病

 膵臓がんと糖尿病の関係

 メディアで語られる膵臓がんのイメージは、「非常に怖いがん」であるということ。実際、膵臓がんの5年生存率は8.5%と、数あるがんのなかでもダントツで低いのです。「膵臓がんが見つかって、あっという間に亡くなってしまった」という話もよく聞きます。

 膵臓は血液中の糖を調整するインスリンを分泌するため、糖尿病と膵臓がんは密接な関係があります。50歳以上になって急に糖尿病になった人は要注意です。糖尿病が発症してから2年以内に膵臓がんが発見されることが多く、特に発症して1年未満の人が膵臓がんになるリスクは、糖尿病でない人と比べて5.4倍と非常に高くなっています。

 膵臓がんの早期発見で大きな実績を上げている、JA尾道総合病院副院長の花田敬士氏によると「治療中の糖尿病が急に悪化した人に、膵臓がんが発見されることも少なくない。糖尿病を長くコントロールしてきたのに急に数値が悪化した場合は、膵臓がんを疑う必要があり、私も臨床の現場でときどき遭遇する」とのことです。

 膵臓がんだけでなく、慢性膵炎などの膵臓の病気でも糖尿病が悪化することがあります。普段の生活習慣が原因である糖尿病と、膵臓の病気が原因となった糖尿病とでは、治療方法が異なるので、きちんと検査して原因を突き止めることが大切です。

 喫煙や肥満も膵臓がんの危険因子で、喫煙者の膵臓がんのリスクは約1.8倍です。禁煙でリスクは低下しますが、非喫煙者と同レベルまで下がるには約20年かかると言われます。

 肥満の程度を表すBMI(体格指数)が、海外で30以上、日本で25以上になると「肥満」と定義されます。海外では肥満による膵臓がんのリスクは1.3~1.4倍です。日本の場合、肥満男性の膵臓がんリスクは1.7倍で、特に、20代の肥満男性は3.5倍になるので要注意。

 不規則な食事や運動不足は肥満の原因となるので注意が必要です。また、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病があると、やはり肥満につながる可能性が高まります。肥満を解消することは、膵臓の病気のリスクを下げ、膵臓を守ることにつながると言えます。

 膵臓がんをはじめ、膵臓の病気はどれも初期の状態では自覚症状がほとんどありません。それが病気を早く発見することを難しくしていますが、だからこそ、膵臓の病気の「危険因子(リスク)」を知っておくことが重要になります。

「膵臓の病気は、生活習慣と関わりが深いという特徴がある。お酒が好きで量を飲む人や、脂っこい食べ物が好きな人は、膵炎のリスクが高くなる。また、糖尿病などの生活習慣病があると、膵臓がんのリスクが高まる。そのため、膵臓を守るためには、生活習慣の見直しがその第一歩になるといえる」(花田氏)

(出典:https://gooday.nikkei.co.jp/)


■膵臓がんの予防と霊芝

 膵臓がんはよく“難治がん”といわれます。膵臓は深いところ(胃の裏)にあり、臓器や血管に囲まれているため、腫瘍の発見や診断のための細胞採取が困難とされています。周辺にある動脈に膵臓がんが拡がると、がんの大きさが小さくても手術が行えないことが多々あります。これが、膵臓がん全体の7割は手術で治すことができないこと、がんによる臓器別の死亡数で第4位と不良であることの理由です。

膵臓がんの予防

 膵臓がんの危険因子として、膵炎、胆石症、糖尿病があります。膵臓の炎症を繰り返しおこしていると、がん化しやすくなります。また、がんが存在していて、炎症を繰り返す場合もあります。慢性膵炎や急性膵炎もともに膵臓がんの発症と関係があります。糖尿病を患っている方も発生率が高いといわれています。

 生活習慣については、危険因子として、喫煙、肉食傾向、肥満が膵臓がんの発生する確率を高くするといわれています。適度な運動をし、肥満を防いで、喫煙や食生活の改善を心がけることでリスクを減らすことが大切です。また、歯周病で膵臓がんのリスクが2.2倍になることも分かってきています。歯の健康にも気を付けましょう。

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がん・糖尿病と霊芝

 康復医学学会の主要研究生薬である「HM-3000(特系霊芝)」は、微小循環の血流を改善し、体内環境の正常化をもたらしますので、抗がん対応としてもお勧めできます。

 膵臓がんをはじめとする各種悪性腫瘍ですが、その進行に伴い栄養状態が悪化し衰弱した状態を称して「悪液質」という言葉が用いられます。多くの研究によって、霊芝はがんで生じた悪液質を改善し、転移・浸潤の可能性を減らすというデータが揃ってきています。

 さらに霊芝には、免疫バランスの保持、生体機能恒常性の維持、酸素供給量の促進、血栓形成の抑制、抗酸化作用、抗がん剤の薬効の向上と副作用抑制等の働きが認められています。

 糖尿病に関しては、霊芝の三大産生物質の一つ「2,3-DPG」(グリセリン2,3-リン酸)に、HbA1c(糖化ヘモグロビン)の生成を阻害する作用があることが確認されています。

 また糖が消費されるのは、細胞内構造物であるミトコンドリア内で大量にエネルギーが産生される時です。ミトコンドリア活性を促す最も重要な栄養素である「コエンザイムQ10(Co-Q10)は、効率的にエネルギーを産生させ、糖の消費量を増やすため、糖尿病に関して有効に働きます。霊芝とCo-Q10との併用が効果的です。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2025年2月12日水曜日

ペニシリンの日(抗生物質)

 風邪は抗生物質は効かない!

 今日、2月12日は「ペニシリンの日」です。ペニシリンは、1928(昭和3)年にイギリスの細菌学者アレクサンダー・フレミング博士によってアオカビから発見された世界初の「抗生物質」です。そして、1941(昭和16)年のこの日、イギリスのオックスフォード大学附属病院が、世界で初めてペニシリンの臨床実験に成功したことを記念して「ペニシリンの日」が制定されました。

「抗生物質」とは、簡潔に言うと「抗菌薬」です。つまり細菌による感染症に対して有効な薬のことを言います。逆に言えば、細菌以外(ウイルスなど)の原因で引き起こされた病気には効果はありません。例えば「風邪」です。風邪はそのほとんどがウイルスによって引き起こされます。ウイルスは細菌ではないので、“抗生物質が風邪に効くことはほぼ無い”と言っていいでしょう。

 しかし「風邪の時にも病院で抗生物質を処方された」という方も多いと思います。実は風邪の時に抗生物質を処方されることは珍しいことではありませんでした。これには処方する病院側からすると“保険”的な意味合いが強いようです。「万が一細菌性の風邪だったら‥‥」「症状がひどくなって肺炎になったら‥‥」「風邪で抵抗力が落ち他の感染症を併発してしまったら‥‥」等々、このようなことが起きたときのための“言い訳”として抗生物質を処方してしまうのです。※肺炎などの予防効果もほとんどないことが、様々な研究で明らかになっています。

 患者側の意識も関係していて、「抗生物質で病気が早く治る」とか「抗生物質は何にでも効く」といったイメージがあることも問題のひとつです。これは日本に限らず、イギリスでも3割以上の人が「風邪には抗生物質が効く」と思っているそうです。

 ちなみに抗生物質を処方しがちかどうかは、医師の教育環境(出身大学、研修先の病院など)に関係なく、抗生物質を処方する医師は処方してしまうというデータがあります。

 また、抗生物質は、感染症に対し非常に有効な薬ですが、同時に使い方を間違えると大変なことになる薬でもあります。それは抗生物質を使い過ぎると、その抗生物質に対する耐性菌を発生させてしまうからです。

 薬剤耐性菌による感染症は、現代医療においても治療が困難な病気です。現代医療最大の発明とも言われる抗生物質を受け付けない感染症なのですから、それも当然と言えるでしょう。特に、複数の抗菌薬に耐性をもつ多剤耐性菌の場合、治療は非常に困難を極めます。普段から抗生物質の使用が過ぎると、いざ命にかかわるような感染症にかかった時、抗生物質が効かないという可能性が十分に有り得るのです。

 抗生物質の乱用には様々な弊害があります。抗生物質を飲んでも風邪が早く治るわけではありません。特に子供たちの将来のためにも、そのことを記憶に留めておきましょう。

(出典:https://hara-kodomo.com/)


■抗生物質と免疫

(毎日新聞記事)
 抗生物質(抗菌薬)は、免疫力に影響を与える場合があります。抗生物質は、体内に侵入した悪い細菌を殺すことで病状を改善しますが、同時に体内に存在する善玉菌(良い細菌)も殺してしまいます。善玉菌は免疫の獲得に重要で、それが減ると免疫の獲得に時間がかかる可能性があります。

 また、抗生物質の不適切な服用は、薬剤耐性菌を生み出す原因にもなります。薬剤耐性菌とは、細菌が生き残るために自らの遺伝子を変異させたり、別の細菌やウイルスから薬に抵抗性のある遺伝子をもらったりして、その薬が効かなくなる細菌のことです。風邪の原因はほとんどがウイルスなので、抗生物質による治療は不要です。(※ウイルス感染による風邪でも、細菌感染を合併している場合は抗生物質の投与が必要になります)

抗生物質の副作用

 抗生物質の主な副作用には、発疹、めまい、吐き気、下痢、酵母菌感染症などがあります。また、深刻な副作用としてクロストリジウム・ディフィシル感染症が起こる可能性もあります。そして、抗生物質の使いすぎは、次のような問題を引き起こす可能性があります。

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●薬剤耐性菌が増加する     ●抗生物質が効きにくい体になる

●腸内細菌が壊され下痢になる  ●アレルギーが発症しやすくなる

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 抗生物質は、ウイルスによる風邪やインフルエンザには効果がありません。ウイルス感染による風邪でも、細菌感染を合併している場合は抗生剤の投与が必要になります。

 抗生物質は、適切に使用すれば効果は高く耐性菌も発生しにくいです。処方された分は最後まで飲み切りましょう。

霊芝に見られる双方向の免疫調整機能

 古代中国の時代から、“最高峰の生薬”とされてきた「霊芝」。現代においては、霊芝が免疫に対して“双方向の調整機能”を有していることが科学的に解明されています。つまり、不足の場合は上げ、過度の場合は抑えて身体の恒常性を保つ特性があるのです。

 免疫機能が低下すると、細菌やウイルスに感染しやすくなるため、霊芝は身体の細胞性免疫と液性免疫を増やすことによって、病原菌から体を守ることができます。

 免疫が過度になると、身体の外部の物に異常に反応しやすくなり「アレルギー反応」を引き起こします(アレルギー性鼻炎、アレルギー性喘息、じんましん、食物アレルギー等)。重篤な場合、自分の体内の組織や細胞に反応し、自己免疫疾患(全身性エリテマトーデス、1型糖尿病等)になる恐れがあります。そんな場合、霊芝は免疫の働きを調整して異常反応を押さえます。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2025年2月5日水曜日

睡眠時無呼吸症候群

 女性の“隠れ”睡眠時無呼吸症候群

 睡眠時無呼吸症候群(SAS)といえば、中年以降の太った男性に多い病気というイメージがあります。太った男性は確かにSAS患者の典型例ですが、痩せている人にも多いです。

 世界的にも問題視されているのが、女性のSAS。女性のSASは誤診される人も多く、熊本・くわみず病院の池上あずさ院長はこれを「隠れSAS」と呼んでいます。

 睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が止まったりする状態(無呼吸・低呼吸)を繰り返し、体の低酸素状態が発生する病気です。肥満、小さい顎、舌の根元が落ち込む舌根沈下や扁桃肥大などによる上気道の狭窄が原因になると言われており、睡眠中に呼吸が止まることで眠りの質が低下し、日中の眠気や体のだるさなどが生じ、QOL(生活の質)が低下します。

 低酸素状態や無呼吸・低呼吸に対する脳からの覚醒反応で交感神経系が強く働くと心拍数が増え、血圧が上昇して血管に負担がかかり、心血管障害(心筋梗塞や脳梗塞等)の発症リスクが高くなります。SASで心筋梗塞は3倍、脳梗塞は4倍リスクが増すとの報告もあります。

「隠れSASの人は、SASを放置していることで、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを抱えたまま。速やかに適切な 治療に結びつける必要がある」(池上院長=以下同)

 女性のSASが“隠れ”となってしまうのは、多くのSASの典型例(「太っている」「就寝中の大いびきで突然呼吸停止、しばらくして大いびき再開」)が見られないからです。「女性ホルモンには呼吸をスムーズにしたり、代償する働きがあり、よほど肥満でない限り、更年期までは女性はSASになりにくい。ところが更年期以降、女性ホルモンの分泌の急激な減少で、睡眠中の呼吸に影響が生じる。無呼吸とまではいかなくとも、気流制限や呼吸が浅い低呼吸を起こす。さらに、女性では、男性ではあまり反応しない程度の気流制限でも脳が反応し、中途覚醒となったり、自律神経の異常が生じやすい」

 SASの重症度は一般的には「無呼吸低呼吸指数(AHI)」(呼吸が止まる回数、浅くなる回数が1時間にどれくらいあるかを示すもの)で示されます。AHIが5以上でSASと診断され、5~15が軽症、15~30が中等症、30が重症とされています。

「ところが女性のSASではAHIで見る重症度と、実際の症状やQOLの低下とは一致しないことがよくある。女性によく見られる気流制限くらいでは、AHIではカウントされずSASの診断には至らない。しかし、症状はあるのでつらい。心筋梗塞や脳卒中のリスクも高く、男女の比較試験では、AHIは女性の方が明らかに低いものの、心筋梗塞のリスクは高齢女性では、むしろ高かったとの結果が出ている」

 SASを疑う症状としては「多少の差はあれ、いびきがある」「起床時の頭痛」「日中の眠気や倦怠感」「中途覚醒」「息苦しくて目が覚める」が挙げられます。

(出典:https://www.nikkan-gendai.com/)


■睡眠時無呼吸症候群と高血圧

「睡眠時無呼吸症候群(SAS(Sleep Apnea Syndrome))」は眠り出すと呼吸が止まってしまう病気です。呼吸が止まると、血液中の酸素濃度が低下するため、目が覚め、再び呼吸し始めますが、眠り出すとまた止まってしまいます。これを一晩中繰り返すため、その結果十分に睡眠がとれず、日中の眠気、集中力の低下などが表れます。

 睡眠時無呼吸症候群になると、酸素濃度が下がるのを補うために心臓の働きが強まり、高血圧となります。また、酸素濃度の低下により動脈硬化も進み、心筋梗塞や脳卒中のリスクが増します。さらに、睡眠不足によるストレスにより、血糖やコレステロール値が高くなり、さまざまな生活習慣病やメタボリック・シンドロームが引き起こされやすくなります。

SASの可能性がある症状

□大きないびきをかく □就寝中に息が止まることがある □いくら寝ても疲れが取れない □肥満 □高血圧 □寝汗をかく □眠りが浅い □昼間の眠気、居眠りで困る

※3項目以上当てはまる場合は、念のため受診を。家族と一緒にチェックするのが「有効」です。

 1時間あたり10秒以上の呼吸停止が20回以上出現するような睡眠時無呼吸症候群を放置すると、心筋梗塞、脳梗塞、生活習慣病、眠気による事故、などのため、死亡率が非常に高くなるため、すぐに治療が必要です。ひどいイビキ、睡眠中の呼吸停止がある場合には速やかに対策をとることが大切です。

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SAS対策

 SASの、無呼吸に伴うストレスや睡眠障害等の影響による高血圧や心・脳血管障害などの対策には、「HM-3000(特系霊芝)」をお勧めします。高血圧対策(表参照)の他、血栓、酸素供給に影響するデータもあります。

 また、SASは睡眠の質の低下を招きます。睡眠を促すホルモン「メラトニン」の原料が「セロトニン」です。セロトニンは体内リズムの“朝の目覚め(昼間の健康的な活動)”に影響し、夜の“質の良い睡眠”に作用するのがメラトニンです。「ラフマ葉エキス」はセロトニン活性に働き、この体内リズムを改善して正常に維持します。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2025年1月29日水曜日

出血傾向

 大人の鼻血は重大病のサイン?

「鼻血」は、大人になるにつれ少なくなります。成人してから1カ月に何度も繰り返したり、止血をしてもなかなか止まらなかったり場合には注意が必要です。

「左右の鼻の穴は鼻中隔という壁で隔てられていて、鼻の入口から1cmほど奥にある“キーゼルバッハ部位”には、動脈が集結している。鼻の中は柔らかい粘膜で覆われているので、洗顔したり、鼻をかんだりするだけで簡単に出血しやすい。大人の鼻血で受診される8~9割以上は、このキーゼルバッハ部位(右図)からの出血だ」(日本橋大河原クリニック大河原大次院長)

 アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎(蓄膿症)があると、鼻水の量が増えて何度も鼻をかむようになり、粘膜は傷つきやすくなります。また冬の時季は、粘膜を覆う粘液が乾燥し、少しの刺激で鼻血が出やすくなります。ティッシュを丸めて鼻の中をグリグリする人もいますが、粘膜の表面を傷つけます。アレルギーによる鼻血なら、原因となる病気の治療が必要です。

 鼻血は押さえなければ止まりません。いざ鼻血が出たら椅子やソファにリラックスした状態で腰かけ、親指サイズに丸めたティッシュまたは綿を鼻の穴に詰め、出血した側の小鼻を親指で30分間押さえて圧迫します。その際、喉へ血液が流れ出て飲み込むと胃が刺激され吐き気を催しやすいので、嘔吐を防ぐためにも飲み込まず吐き出しましょう。

「血が固まる前にティッシュを取り出すと、再び出血したり傷口が広がる恐れがある。入れたティッシュは12時間入れたままに。止血後もかさぶたが取れないよう鼻はなるべく触らず、当日は飲酒を避け、入浴はせずシャワーを浴びる程度にしてください」(同院長)

 注意したいのが、止血を行ってもなかなか止まらず、何度も繰り返す鼻血です。稀に、白血病や再生不良性貧血などの血液疾患があると、血小板の数が減少し、鼻血が止まりにくくなります。また、それらの病気の初発症状として鼻血が現れるケースもあります。

ある30代の男性は、水のような鼻血が長時間止まらない日もあると耳鼻科を受診。検査の結果、白血球の数値に異常な増加が見られ、白血病の疑いが高いと言われました。

「大人の鼻血の場合、背後に重大な病気が隠れている場合も少なくない。白血病だけでなく、鼻腔や副鼻腔に悪性腫瘍があると鼻血が出やすいので、診察では血液検査をはじめ、鼻咽腔ファイバースコープなどの内視鏡で鼻の奥を観察し異常がないか確認している」(同院長)

 他にも脳梗塞や心臓病の治療で抗凝固薬を服用していると、血液がサラサラになって鼻血が止まりにくい上に、容易に出血しやすくなります。また血管の形成異常が起こるオスラー病は、血管がもろくなりあらゆる部位から出血が起こりやすいです。患者の8~9割は鼻血を繰り返すとされ、放置すると肺の血管に血栓ができ脳梗塞のリスクが高くなります。

 たかが鼻血だと放置せず、1カ月に何度も鼻血を繰り返していたら耳鼻科でしっかりと検査を受けることです。

(出典:https://www.nikkan-gendai.com/)


■“出血傾向”の出現

 人間の身体には、出血を止めるための機能として、血液中にある血小板や凝固因子(血液を固まらせるたんぱく質)を持っています。何らかの理由でこの働きが崩れると「出血傾向」が出現します。出血傾向とは、「血が止まりにくくなる」あるいは「ささいな怪我でも出血しやすくなる」状態のこと。ひどい場合には明らかな原因がないのに体から血が出ます。

 出血傾向の症状としては、「青あざ」「鼻血」「歯茎の出血」「皮下出血」「下血」「吐血」「黒色便」「血痰」「血尿」などがあります。「吐血」「下血」「黒色便」があれば、胃や腸など消化管からの出血を疑います。そのような場合には、同時に血便や腹痛、腹部膨満感などが現れることも。下血や吐血の前に食欲不振や吐き気などの症状が現れることもあります。

「血尿」が出たら、腎臓や尿管、膀胱などからの出血の疑いがあります。同時に頻尿、排尿時の痛み、下腹部痛などがみられることがあります。

 出血が原因と気が付きにくい症状としては、頭蓋内出血の際に見られる吐気・めまい・激しい頭痛・項部硬直・意識障害・麻痺・視力障害・感覚障害など、また眼底出血時の目のかすみなどの症状、関節内出血に伴う関節の変形や腫れ・痛み・運動制限などがあります。

 このような明らかな症状で出血傾向に気がつく場合もありますが、「手術(抜歯)により出血が止まらない」などをきっかけに、初めて出血傾向に気がつくこともあります。

出血傾向の原因

 高齢者の場合、加齢で皮下組織や血管の壁がもろくなっているので、ちょっとしたことで皮下出血しがちです。明らかな原因がなく両方の手や腕にできる出血斑は「老人性紫斑」という良性のものです。この場合、特に治療は必要ありません。

 病的な出血傾向の原因としては、以下の3通りに分かれます。

(1)血小板の形や働き・数に問題がある場合

 血小板が産生しづらくなる再生不良貧血や急性白血病、骨髄異形成症候群などの血液疾患、または悪性腫瘍の骨髄への転移や抗がん剤の影響などがあります。特発性血小板減少性紫斑病・全身性エリテマトーデスのようにせっかく造られた血小板が壊されてしまう病気も考える必要があります。また、生まれつき血小板の働きに問題があるような場合(血小板無力症など)もあります。

(2)凝固因子の数や働きに問題がある場合

 血友病などでは、生まれつき凝固因子の働きが悪いことがあります。また、ワルファリンなど抗凝固薬の影響で凝固因子が働かなくなり、出血傾向をきたすことがあります。

(3)血管の壁に問題がある場合

 老人性紫斑はこのタイプ。またクッシング病など副腎皮質ホルモンに異常がある病気でも出血傾向がみられることがあります。

出血傾向の予防・ケア

 出血傾向がある方が怪我をすると、血が止まらなくなります。転倒や怪我には十分注意しましょう。ワルファリンなどの抗凝固剤、抗血小板剤を内服している方は、出かける時には「おくすり手帳」を持ち歩くと安心です。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2025年1月22日水曜日

血管モレ

 女性の更年期に血管が老化する?

 お腹まわりが太ってきた、健康診断の数値が悪くなった──これらは更年期を迎えるころから体が「内臓肥満型」に変わり、「血管老化」が進行しているサインかも。女性の更年期は生活改善のギアチェンジが必要な時期です。

 健康に気を配り食事にも気をつけているつもりなのに、更年期に入ってからお腹まわりが太りやすく、洋服のボトムスがきつくなる一方。同時に、血糖値やLDLコレステロール値といった健康診断の数値も悪化するなど、“更年期メタボ”のような現象に戸惑っている人が多いようです。女性の場合、変化の始まりはエストロゲン(卵胞ホルモン)やプロゲステロン(黄体ホルモン)といった女性ホルモンの分泌の低下からです。

「女性は更年期に卵巣機能が低下し、女性ホルモンのエストロゲンの分泌が低下していく。男性と同様に内臓肥満が起こりやすく、メタボになりやすい体質に変わる。その結果、血管の老化が一気に進行し、脳梗塞や心筋梗塞といった病気のリスクが高くなってくる」(大阪大学大学院特任准教授・野口緑氏)

 更年期の血管老化は、エストロゲンの減少による動脈硬化脂肪が蓄積する場所の変化LDLコレステロールの増加──という3つの変化とともに進んでいきます。

(1)エストロゲンの減少が、ダイレクトに血管を硬くする 

⇒エストロゲンは、血管の最も内側にある血管内皮細胞で分泌される血管拡張物質NO(一酸化窒素)の産生を高め、血管をしなやかに保つ。しかし、エストロゲンが減少するとNOの産生が減るので、NOが担っていた血管拡張作用が発揮されず、血管の弾力性が低下する。

(2)脂肪がたまる場所が変わる

⇒女性は、更年期まではエストロゲンの働きによって余剰エネルギーを優先的に「皮下脂肪」にためる性質がある。柔らかくて指でつまむことができる皮下脂肪。更年期以降は、男性同様「内臓脂肪」として蓄積するようになる。

(3)血管が詰まる要因を作るLDLコレステロールの増加

⇒たとえ肥満でなくとも、女性は更年期以降、LDLコレステロール値の悪化が起こりやすくなる。コレステロールはホルモンや細胞膜、胆汁酸という消化液などの材料になる。しかし、更年期以降は女性ホルモンを作る必要がなくなるために、材料のコレステロールが余る。

「更年期にエストロゲンの分泌が減少すると、ホルモン作りに使われていたコレステロールが消費されなくなります。必要量が減っているのに、食事からコレステロールやコレステロールの材料となる飽和脂肪酸をとり続けると、LDLコレステロールの数値が悪化することになります」(野口氏)

 そして、コレステロールは脂質の仲間とはいっても、中性脂肪とは違ってエネルギーを作るために消費することができず、運動をしてもなかなか減らないのが難点です。食事の見直しが重要です。                    

(出典:https://gooday.nikkei.co.jp/)


■毛細血管の機能低下 “血管モレ”とは

 毛細血管は、体中の細胞に血液を通じて栄養と酸素を届けます。この毛細血管は、45歳を境に急激に傷つきやすくなり、栄養分が漏れ、消滅しやすくなります。これを「血管モレ」といい、これが老化に多大な影響を及ぼすことがわかっています。

「血管モレ」はこうして起こる!

 毛細血管がダメージを受けて傷つき、老化して血管モレを起こすメカニズムは、毛細血管の外側にある壁細胞と内側の内皮細胞のゆるみにあります。

 毛細血管は加齢や紫外線、活性酸素によるダメージが原因で、外側の壁細胞が剥がれやすくなります。壁細胞が剥がれてしまうと内側の内皮細胞に影響が及び、不安定な血管に。内皮細胞にも隙間ができて、栄養分や酸素が漏れ出てしまいます。これが血管モレの正体です。

 血管モレが続くと、毛細血管の末端まで血液が届かなくなり、そうなると、毛細血管は無機能血管になってしまいます。周囲の細胞も血管も消滅して"ゴースト血管"となり、さまざまな不調の原因になるのです。

 安定した血管は、外側の壁細胞と内側の内皮細胞が密着して安定した構造を維持しています。加齢や活性酸素などで壁細胞がダメージを受けると、壁細胞と内皮細胞の構造がゆるみ、血管は不安定になります。血流が滞り、写真のように毛細血管はゴースト血管になってしまうのです。

 血管モレによるゴースト血管こそが肌や髪、全身の不調の原因です。このゴースト血管を防ぐには、毛細血管の壁細胞と内皮細胞との接着剤の役割をする“Tie2(タイツー)”という受容体を活性化させることです。“Tie2受容体”が活性化すると、剥がれそうな血管を補強したり、壁細胞自体を強く丈夫にしたりする働きをします。

「血管モレ」を生活習慣で防ぐ

 血管モレは以下のような生活習慣の実践で予防することができます。

塩分と糖質、悪い油を摂らない

血液の質をよくする腸内環境もケア

全身の血流を改善して体を温める

ふくらはぎ運動

毛細血管復活の救世主“Tie2活性植物”ヒハツシナモン月桃葉ルイボスハス胚芽スターフルーツなどがTie2受容体の活性化に効果が認められている)

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 康復医学学会のメイン研究テーマは「HM-3000(特系霊芝)」です。霊芝は微小循環系*の改善に最適です。また、抗酸化作用や健寿延命への影響が期待されます。

*微小循環系とは:毛細血管床その輸入・輸出血管である細動脈・細静脈を一括した呼称。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン


2025年1月15日水曜日

筋トレと認知機能

 認知症が増えた背景

 認知症が初めて世に発表されたのは今から119年前です。1906年、ドイツのアロイス・アルツハイマー医師により発表されました。つまり、それより以前は認知症のような症状は稀だったのです。当初から認知症は文明の発達によってもたらされた現代病と考えられていました。それを証明するために昔の人々の認知症の有病率を調べようとしましたが、残念ながら資料が全くなく、当時の人々も生存していないため調査手段がありませんでした。

 総合能力研究所所長の本山輝幸氏は次のような仮説を立てています。「近代化によって人々の暮らしが便利になった反面、現代人の"感覚神経"が休眠状態になってしまい、筋刺激が脳に戻りにくくなった結果、認知症が増えてしまった。昔の人々は負荷の強い日常生活で全身を使うため感覚神経が良好になっており、認知症のような人は少なかった」

 2022年に南カリフォルニア大学から『アルツハイマー病予防への新たな洞察』という論文が学術誌に掲載されました。それは、南米・ボリビアで暮らす先住民の高齢者を対象に、認知症の有病率を調べたものです。ボリビアは学校や最低限のインフラなどもあり他国と極端な違いはないものの、先住民は昔ながらの自給自足の生活をしていて文明の利器を使っていない点が現代人と大きく異なります。専門医が心理テストやCTなどを使って彼らの脳機能を厳密に検査したところ、その結果は、認知症の有病率は0.6%で、100人中1人にも満たないという驚異的なものでした。日本の認知症有病率は17%、運動が習慣化しているアメリカでも11%です。論文発表した研究者は、「産業革命以前の生活の中にある"何かしらの要素"が、この地域の高齢者を認知症から保護しているようだ」と述べています。

「私はこの"何かしらの要素"は"感覚神経の良好さ"であると確信している。世界の研究者たちは認知症が増えたのは高齢化、身体活動量の減少、食物摂取の変化やストレス、遺伝子など様々な要因を列記している。どれも一因ではあると思うが、私は"感覚神経"の不具合が認知症増大の大きな要因と考えている。なぜなら感覚神経を良好にしたMCI(軽度認知障害)や認知症の人たちは健常者に戻るし、感覚神経が良好であろう民族には認知症の人がほとんどいないからだ」(本山氏)

 事実、認知症が多いのは近代化が進んだ先進国であり、身体に負荷のかかる生活をしている国では認知症は少ないのです。

 そして、2022年、アメリカの『neurology(神経学)』という科学誌にも「2000人異常の高齢者を11年追跡した結果、下肢の感覚が鈍い人はそうでない人に比べて認知症になりやすかった」との研究結果が発表されています。

 現代人は幼少期から過保護になり過ぎ、身体に負荷を与えるようなことを避ける傾向にあります。自ら積極的に動き、感覚神経を良好にすることで、認知症を予防していきましょう。

(出典:ダイレクト出版『ルネサンス』)


■筋トレで脳を覚醒する

 認知症やMCI(軽度認知障害)の人たちは、筋肉の痛みや疲れを感じにくいという身体的特徴があります。例えば、驚くような距離を一晩で徘徊したり、スクワットをとめどなく続けられたり、といったことです。こんなことができてしまうのは、筋肉と感覚神経とのつながりが悪く、筋肉の情報が脳に伝わりにくくなっているからだと言われています。通常、長距離を歩いたり、何度もスクワットをすれば、足が疲れてしまって歩けない、筋肉が痛くなって続けられないなど、疲労や痛みを感じます。しかし、筋肉の情報が脳に伝わらないと、疲れや痛みを脳が感知できず、歩き続けたり、スクワットを続けたりができてしまうのです。

 伝わりにくくなってしまった筋肉からの情報が、再び脳へ伝わるように回復する可能性はあります。低下した感覚神経の働きの改善方法として「強めの筋トレ」が効果をあげます。

意識した筋肉への強い刺激が脳を覚醒させる

 筋肉からの刺激が通る脳幹という部分には、生命活動の中枢を担う「脳幹網様体」という神経繊維の集まりがあります。ここに筋肉からの強い刺激が伝わると脳が覚醒します。その結果、失われていたり、眠っていたりした脳細胞の機能を取り戻すことができるのです。

 脳に伝わる筋刺激は強いほど効果が高く、筋肉の太さに比例します。つまり、体の中で最も大きい筋肉である太ももの筋肉を鍛えるのが最も効果的です。筋トレのポイントは「鍛える部分に意識を集中させること」です。トレーニングする筋肉を意識することで、運動神経を通して「この筋肉を動かす」という指令が脳から目的の筋肉に伝わり、その筋肉で生じた「筋トレによる痛み」が強い電気信号となり、感覚神経を通して大脳へ戻ってきます。目的の筋肉を意識していた場合には脳が感じ取る痛みが増し、感覚神経の改善につながるのです。

 感覚神経の働きが回復すると、筋肉で生じた痛みや疲れが脳に伝わり、「足が疲れた」「太ももが痛い」と感じられるようになるのです。

感覚神経が回復すると認知機能も向上する

 強めの筋トレを続けると、感覚神経のつながりが良くなり、痛みや疲労を感じるようになります。それに合わせて認知機能も向上することが多いようです。MCIの方が週1回の筋トレを3ヶ月続けた結果、記憶力スコアが健常者レベルにまで回復したという報告もあります。

筋トレを行う頻度と強度

 筋トレは、極限近くまで筋肉を使う強度で週1回行うことがお勧めです。残りの6日間で筋繊維が修復され、より強い筋肉に若返ります。自分の体力レベルに合ったトレーニングを実践すれば、早い人はその日のうちに、通常では2~3ヶ月で効果を実感できるでしょう。

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 認知症の予防・改善のためにはサルコペニア(筋肉減少症)やフレイル(虚弱)にならないよう、日々の運動と食事が大切です。脳機能の維持に有効な微小循環の改善には「HM-3000(特系霊芝)」が、また、体力の維持・強化には「コエンザイムQ10」がお勧めです。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2025年1月9日木曜日

睡眠と肥満

 適度な"小太り"の基準とは?

 新年が明けました。今年も健康的に参りましょう。

 さて、ここ数年「小太りの方が長生きする」という記事が多いようです。「痩せ過ぎより少し小太りの方が長生きと言われるが、小太りとはどのくらいまで?」こんな疑問に、心療内科本郷赤門前クリニック院長で医学博士の吉田たかよし氏が答えます。

 小太りの方がいい :「肥満によって動脈硬化が進み、心筋梗塞とか脳梗塞になるので、昔は肥満がよくないと言われていた。その後の研究で『少し太っている方が死亡率が低い』ということがわかってきた。最近では小太りの方がいいというのは、ほぼ定説になっている」

 小太りの基準 :「これは結論が共通している。以前はBMI(体重kgを身長mで2回割った値)が22を理想としていた。しかし、死亡率を詳しく調べたら、最も死亡率が低いのが女性=BMI 23.5、男性=26前後だった。例えば女性の場合、身長160cmなら体重59kg、男性は身長170cmなら75kgが、最も死亡率が低い値。これが“良い小太り”の基準」

 なぜ小太りは死亡率が低い? :「痩せた人は骨粗鬆症になりやすく、転んで骨折⇒寝たきり⇒老化が進み死亡、という因子が大きい。免疫力も低い傾向にあり、それで肺炎も起こしやすい。さらに痩せた人は脳梗塞は少ないが、それ以上に脳出血が増えて、それで死亡する要因も大きい。また、皮下脂肪が健康を守る働きをしていることもわかってきた。ペプチンという物質を作って食欲を抑えて安定させてくれる。だから健康的な、ほどよい食事をずっと続けられる。血糖値が安定して、老化を抑えてくれる効果も見つかってきている」

 脂肪が健康によいか悪いかは、その脂肪がどこについているかで決まります。健康によくないのは内臓脂肪。血圧を上げて動脈硬化が進み、心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病にもなります。一方、皮下脂肪は、圧倒的にこうした悪さは少ないのです。

 内臓脂肪は減らすコツ :「できるだけ遅いスピードでダイエットをすることにより、内臓脂肪はかなり減る。多くの人はダイエットとリバウンドを繰り返しているが、実はこれが最悪。極端なダイエットは、内臓脂肪も落とすが、皮下脂肪も落とす。その後、リバウンドすると皮下脂肪はなかなか元に戻らず、内臓脂肪だけが優先的に増える仕組みになっている。だからダイエット、リバウンドを繰り返すと老化が早まり、死亡率を上げてしまう」

 健康的な体重を維持するための基準 :「体重の管理より、腹囲の測定が重要。腹囲を測れば内臓脂肪の変化を正確に把握できる。同じ人で比較すると、腹囲を測ると正確に内臓脂肪の増減がわかる。腹囲が1cm減れば、内臓脂肪が600g減っている。腹囲が1cm増えたら、内臓脂肪が600g増えている。腹囲は空腹時に立った状態でおへその高さを測ること。自然に呼吸して息を吐き切ったところで測定する」

 腹囲の変化に注目して、内臓脂肪をしっかりコントロールするのが大切なようです。

(出典:https://hicbc.com/)


■正月太り対策:睡眠不足と肥満

 小太りが健康的だとは言え、太り過ぎ=肥満も重大な健康障害をもたらします(右表参照)

睡眠時間と食欲の関係

 睡眠不足が食欲増進につながるということを示したデータがあります。健康成人男性1,024名を対象に「睡眠時間と食欲に関するホルモンの関連を調べた報告」によれば、睡眠時間が短くなると、レプチン(食欲抑制ホルモン)の分泌が低下して、グレリン(食欲増進ホルモン)の分泌が増えることが示されています。つまり、睡眠時間が短いと食欲に関するホルモンのバランスが乱れて食欲が増進してしまい、肥満につながりやすいと考えられます。

健康と美容には、まず“睡眠”の改善

「ストレスは寝て解消する」という習慣は、本来、すべての人間にプログラミングされていた自然な習慣のひとつなのだと考えられています。それが大人になるにしたがって、仕事や趣味などで夜更かしが増え、睡眠がもたらすストレス解消と肥満予防の効果効能を忘れ去ってしまった人が多いのです。しかし、健康的に肥満を解消したいのであれば、十分な睡眠時間と質の高い睡眠を心がける生活習慣に変えていく必要があります。

 睡眠不足状態が体から消えていくにしたがって、心身の疲労やストレスが解消されていき、昼間も軽やかにしっかり動けるようになっていきます。もちろん睡眠は健康だけではなく、見た目にも大きな影響を与えます。睡眠をしっかりとると、全身の代謝がアップするので、むくみがとれ、リンパ管から老廃物が排出されやすくなるので、顔も体もスッキリと引き締まるようになるのです。

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 康復医学学会が長年研究を続けている天然生薬「ラフマ葉エキス」は、睡眠ホルモンと呼ばれる「メラトニン」の原料「セロトニン」に影響を与えます。セロトニン神経を活性し、セロトニン分泌を促進するというデータがあるのです。年末年始で不規則になった生活習慣やストレスによる睡眠障害の改善には最適です。

 また、睡眠が改善されればエネルギー消費に関わる基礎代謝が高くなります。基礎代謝は1 日の総消費エネルギーの60~70%を占め、ミトコンドリアの活性に影響します。ミトコンドリアでエネルギー産生するに最も重要なのが「コエンザイムQ10」 です。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン