2024年10月2日水曜日

ビタミンB1

 疲れを感じたとき、摂るべき栄養素

 身体がだるい、朝なかなか起きられない、やる気が出ないなどの症状が出てきたら、疲れが溜まっているサインかもしれません。休養しても解消しない場合は慢性化している恐れもあります。この状態が続くと、免疫力が低下して病気にかかりやすくなってしまいます。

 疲労回復には、バランスの取れた食事でエネルギーと栄養をしっかり補給することが大切です。ダイエットで食事を控えている人は特に、栄養が不足して疲れやすくなります。活動エネルギーとなる糖質や、体のもとになるたんぱく質をしっかり摂ることを心がけ、それらを効率よく利用するためにビタミン、ミネラルも摂ることが基本となります。

 糖質や脂質をエネルギーに変えるには、ビタミンB群が不可欠です。炭水化物ばかりの食生活では、ビタミンB群が不足して疲れやすい体になってしまいます。

 ビタミンB群(ビタミンB1、B2、ナイアシン、B6、B 12、葉酸、パントテン酸、ビオチンの8種類)は炭水化物、脂質、たんぱく質の3大栄養素の代謝やエネルギー生成に関わっていて、3大栄養素とチームで働いています。中でも、特に疲労回復には「ビタミンB1」が欠かせません。ビタミンB1は、糖質をエネルギーに変える時に必須の成分で、不足すると糖質の代謝が乱れ、エネルギーの産生が滞って疲労につながります。元々日本人は、体内でビタミンB1の消費量が多く、意識して摂らないとB1不足に陥ってしまいます。

 また、疲れた時に甘いものを食べる方がいますが、疲労時に糖質を摂取するとビタミンB1の消費が増え、より疲れやすくなります。また、糖質摂取で血糖値の乱高下が起こり、これもまた疲れやすくなる原因となります。疲労時は甘いものではなく、通常の食事をしっかり摂って栄養補給した方が早く回復します。特に暑くなる季節は清涼飲料水やアイス、冷たい麺類等を摂りがちですが、これらも糖質が多くビタミンB1の消費につながります。頻度を減らし、またビタミンB1を多く含む食品も一緒に摂取しましょう。

 ビタミンB1は、水溶性なので、調理によって損失しやすい栄養素です。茹でるなど水分を使う調理法はできるだけ避けましょう。また、タマネギやニンニク、ニラなどの臭気成分であるアリシンと組み合わせて摂ると吸収が高まり、血液中に長く留まってくれます。豚肉のニンニクソテーや、豚肉とタマネギ、ニラなどの炒め物などはお勧めのメニューです。

 米ぬかや胚芽部分にも、ビタミンB1は含まれています。精製米ではなく、玄米や胚芽米を主食にすることで、エネルギーとなる糖質と代謝に役立つビタミンB1を同時に効率よく摂取できます。主食を玄米や胚芽米、胚芽パンや全粒粉パンに変えてみましょう。

 疲労は、発熱や痛みと同様に体に何かしら異常があるというサインです。無理を続けると自律神経失調症などを発症することもあるので、日々の食事を見直して、早めの対策で解消していきましょう。

(出典:https://diamond.jp/)


■ビタミンB1不足を解消する

 ビタミンB1は、 豚肉、うなぎ、玄米等に多く含まれ、その働きとして、糖質がエネルギーに変わるときに、必要な補酵素の役目をします。

 ビタミンB1欠乏症になると、食欲不振、倦怠感、手足のしびれ、むくみ、動悸等が見られます。代表的な欠乏症は脚気(かっけ)。過剰摂取しても排泄され、毒性は知られていません。ビタミンB1は「疲労回復ビタミン」とも言われ、肉体疲労に効果があります。

ビタミンB1の豊富な豚肉を効果的に摂る

 豚肉を夕食に取り入れるなどして、ビタミンB1欠乏症にならないように注意が必要です。

 豚肉と一緒に調理すると疲労回復ビタミンの吸収率を上げてくれるのが、にんにく、ニラ、玉ねぎなど。全部ニオイが強い野菜ですが、この香り成分「アリイン」にパワーがあります。食べ方のコツは細かく刻んで香りをツンと出すこと。アリインは刻むことで「アリシン」という成分に変わり、油と一緒に加熱すると「アホエン」に進化。その状態で豚肉のビタミンB1とくっつくと、「アリチアミン」という成分に変わり、疲労回復の効果が期待できるのです。

病院の栄養点滴に匹敵する疲労回復飲料

 実は、豚肉を摂らなくても、日本には昔から体力回復に即効性のある飲料があります。「甘酒」です。江戸時代、庶民は質素な食生活の中で、暑い夏を乗り切るために甘酒を飲んでいました(甘酒は俳句の“夏”の季語です)。

 甘酒はご飯に米麹と湯を加えて温めておくとできますが、分析するとブドウ糖がきわめて多く、20%以上にもなります。また、米のたんぱく質も麹菌の酵素によって必須アミノ酸群に変えられて豊富に含まれています。そして、特筆すべきは、麹菌が繁殖するとき、ビタミンB1、B2、B6、パントテン酸、ビオチンなど、生理作用に不可欠な重要なビタミン群を生成し、これが米麹にきわめて多量に蓄積しているということです。甘酒は米麹とお湯だけでも簡単に作れます。甘酒の一杯が豚肉に変わるほど、疲労回復に効果的なのです。また、ぬか漬けの“ぬか”もビタミンB群の宝庫です。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン