2012年6月21日木曜日

健康寿命に関して


健康寿命と康復医学

【健康を実現することは、元来、個人の健康観に基づき、一人一人が主体的に取り組む課題であるが、個人による健康の実現には、こうした個人の力と併せて、社会全体としても、個人の主体的な健康づくりを支援していくことが不可欠である。そこで、2010年度を目途とした具体的な目標等を提示すること等により・・・(中略)・・・健康づくりに関する意識の向上及び取組を促そうとするものである】

 これは、2000年(平成12年)に厚生省(当時)により進められた『21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)』の趣旨です。


 そして来年度から、10年間の新たな国民健康づくり運動『第2次健康日本21』が始まります。中心課題となるのは“健康寿命”です。健康寿命とは、介護を受けたり寝たきりになったりせず、制限なく健康な日常生活を送ることが可能な期間のことを言います。国民生活基礎調査で、健康上の問題によって日常生活に影響の「ない」と回答した者の割合から、生命表を使って健康寿命を初めて割り出しました。結果は、平成22年の段階で男性が70.42歳、女性が73.62歳でした。厚労省では、22年の平均寿命を男性が79.64歳、女性が86.39歳と推計しており、健康寿命との差、つまり不健康な期間(寝たきりや疾病など)は、男性で9.22年女性で12.77年あります。 この結果を受け厚労省では、次期健康づくり計画に、平均寿命の伸び幅を健康寿命の伸び幅が上回るとする目標などを盛り込む方針を示しました。
 少子高齢化が進む中、時期健康づくり計画では、高齢者の生活の質の低下を防ぎ健康な状態で長生きするための社会環境づくりを目指しているそうです。
 このほか、計画にはがんや脳卒中、心臓病など生活習慣病の死亡率の低減に向けた数値目標や、成人の喫煙率を22年の19.5%から、34年度までに12%に下げることも盛り込むとのこと。

 私の関係している「NPO微小循環予防医学の会」もこの健康日本21に賛同し、“自らの健康は自ら創り守る”という意識をもって微小循環の重要性に取り組み、心豊かに生活する健康づくり運動を推進してきました。そして、このNPOは、健康寿命の延伸の基本となる取り組みとして、“健康を回復する医学”を中心に見直しをはかり、「康復医学学会」(学術研究団体)と名前を変えて新たなスタートを切っています。

★中国では、内科や外科と並行して、普通に「康復医学科」があります(写真は、上海中医学大学)。

※康復医学学会ホームページ ⇒ www.koufukuigaku.org


■健康寿命の要、血圧と動脈硬化

高血圧の状態が続くと、血管はその圧に負けまいとして壁の厚さを増します。血管の内腔をおおっている血管内皮細胞は直接高い圧にさらされるため、小さな傷ができたり、うまく機能しなくなったりします。すると、血管壁に慢性的な炎症反応が生じ、動脈硬化が進んでしまいます。高血圧→動脈硬化は、制限なく健康な日常生活を送る“健康寿命”の妨げになるのです。

血行動態要因


 血圧は様々な因子が複雑に関与し合って規定されています。高血圧の90~95%を占める本態性高血圧(30~60歳代に多い)は血行動態の要因が原因と考えられています。
○血行動態因子:末梢血管抵抗・大動脈血管弾性・循環血流量・血液粘度など


 二次性高血圧の場合、自律神経・ホルモン・腎臓などが関係してきます。

加齢も要因、動脈硬化

高血圧動脈硬化は、お互いに危険因子となって血管の老化を促進してしまいます。そして、動脈硬化によって様々な疾患が引き起こされ、健康寿命を脅かします。 動脈硬化は高血圧でなくても加齢(60代以降)によっても進行します。また、男性は、女性と比較して動脈硬化を起こしやすいのですが、女性でも閉経期を過ぎるとLDL(悪玉コレステロール)を低下させる作用を持つエストロゲン(ホルモン)が低下するため動脈硬化を起こします。


いつもありがとうございます。
愛・感謝 五月雨ジョージ

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