2012年11月3日土曜日

微小循環基礎講座 対策編② 【血管内皮細胞】


がんや寿命にも関係する血管内皮細胞

微小循環基礎講座③で、血管内皮細胞は血流を正常にし、血管の健康状態を維持するのに重要と解説しました。この血管内皮細胞は、がんの転移にも関わっています。
 国立循環器病研究センターと大阪大のチームが、心臓から分泌されるホルモンにがんの転移を抑える働きがあることを突き止めました。心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)(同センター研究所松尾壽之名誉所長らが1984年に発見)というホルモンで、心不全の治療薬に使われています。がん細胞は血液を通じて移動し、血管内皮に潜り込んで転移します。がん患者は抗がん剤や放射線による治療で血管内皮が傷つき、がん細胞が潜り込みやすいのです。再発の多くは、手術時に血中にがん細胞が流れ出すことによる転移が原因です。チームはANPが血管内皮を保護してがん細胞をブロックすると見ており、「様々な種類のがんの転移を抑制できる可能性が高い。来年中に臨床研究を始めたい」としています。日本癌(がん)治療学会(横浜市)で26日に発表しました。
 そして、血管内皮細胞は寿命にも影響します。東北大学・片桐秀樹教授(代謝学)は、高血圧などで血管が傷つくと、炎症を起こし動脈硬化の要因となるため、血管の最も内側にある血管内皮細胞で炎症反応が出ないような遺伝子操作を行い平均寿命が通常より約3割長いアンチエイジングマウスを作ることに成功した、と米医学誌「サーキュレーション」に発表しています。通常は寿命が約1年9か月のマウスに対し、遺伝子操作で作ったマウス約20匹を比較したところ、平均寿命が約2年3か月と3割程度延び、最長で約2年8か月生きたものもいました。筋肉内の血流と活動量も上昇しました。また、食事制限で寿命が延びると言われていますが、食事制限はしませんでした(食べ過ぎは問題がありますが)。片桐教授は「血管内皮細胞の炎症だけを抑える新薬を作れば、直接人間の長寿につながる可能性がある」としています。
 がんの転移や人の寿命にも影響する血管内皮細胞の機能を正常に維持していくことが、健康を回復する「康復医学」の要になります。


康復医学の基本 微小循環基礎講座

■〔対策編〕②

 血管内皮細胞は、血球細胞同様、血管内で血液と直接接触しているので、血液内のいろいろな変化を鋭敏に察知して、血流の状態を調節するなど、多機能で特に重要な細胞ですものです。

一酸化窒素を産生する血管内皮細胞

血管内皮細胞から産生される一酸化窒素(NO)は、血管拡張作用(降圧作用)、血小板凝集抑制作用(抗動脈硬化作用)、単球の白血球が血管内皮細胞に接着したり内皮細胞下組織に浸潤するのを防ぐ作用、血管平滑筋細胞の増殖を抑制する作用、などがあります。血管内皮細胞の障害は、生活習慣・ストレスや肥満・タバコなどが原因で、高脂血症→動脈硬化→様々な疾患に至ります。



霊芝は、血漿一酸化窒素の産生を促進します。


 一酸化窒素の産生促進作用を有する化合物の開発は、動脈硬化の薬として非常に注目されています。上記のデータのように、霊芝には一酸化窒素の産生促進作用があります。一酸化窒素産生の低下は、血管の拡張作用低下のみならず血小板の凝集にも影響し、血流低下の原因になります。
 微小循環の血流改善のベースになるのが、生薬類似食品の「霊芝」です。康復医学学会も推奨しています。
※資料抜粋:「HM真菌エビデンス~自然食菌の同定から臨床まで~」(微小循環研究所刊)


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 五月雨ジョージ

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