2015年7月3日金曜日

肥満による免疫機能低下

肥満は感染症の危険因子になる!?

肥満が、感染症発症の危険因子でもあることが様々な研究で明らかになりつつあります。肺炎などの重篤な症状を引き起こすこともあるといい、専門家は「肥満は様々な病気のリスク要因であることを改めて認識してほしい」と呼び掛けています。

 日本女子大の佐藤和人学長(家政学部食物学科教授)らのグループは15年前から肥満と免疫に関する研究を続けてきました。その中で、高脂肪食を与え高度の肥満状態にしたマウスと普通食を与えたマウスの比較実験を行ったところ、前者の免疫機能が後者に比べて多様に変化していることが分かりました。

 同実験を指導した佐藤学長は「肥満によって免疫機能の調節をするサイトカインという生理活性物質のバランスが崩れ、免疫機能に変調を来した」と分析しています。

 免疫機能の変調は、さまざまな病気につながる恐れがあります。例えば、免疫機能が低下し過ぎると肺炎などの感染症を引き起こし、過剰になるとアレルギーの原因になります。特に小児のぜんそくの危険因子になることが指摘されています。

 2009年に世界的に大流行した新型インフルエンザでは、死亡者や重症者に占める肥満の人の割合が高かったとする論文が昨年、発表されました。肥満による免疫機能の低下が原因でインフルエンザに対する防御力が落ちたことが要因とのこと。
 また別の論文では、内臓脂肪蓄積型肥満の人が大腸がんの術後、肺炎になったり、傷が化膿しやすくなったりすることが報告されています。人工関節を入れる手術の後、関節に炎症が起きやすくなることも分かりました。
 さらに、内臓脂肪蓄積型肥満の人は、脂肪細胞が肥大化して脂肪組織内で炎症を起こし、感染症を悪化させる可能性があるそうです。
 海外の研究では、がんを引き起こすリスク要因となっていることも指摘されています。

 佐藤学長は「内臓脂肪蓄積型の肥満は認識不足のため放置されていることも多い。正常な免疫機能を維持するためには食事療法と運動療法による肥満の予防と改善が一番」と指摘。「高度の肥満になった人は専門医に相談するといい」と助言しています。

肺炎が再び増加、死因3位に

感染症のリスクで怖いのは、子供や高齢者で重症化の恐れがある肺炎です。抗菌薬の進歩と公衆衛生の向上により日本では制圧されたと思われていましたが、近年は再び増加傾向にあります。
 2011年の人口動態統計によると、日本人の死因で肺炎は、がん、心疾患に次ぎ、脳血管疾患を抜いて第3位に浮上。2013年も同じ順位でした。
 高齢化の進展により誤嚥性肺炎などが増えていることが主な原因ですが、肥満の人の増加も一因とみられています。
(150505_産経ニュース)

■肥満に関係する2つの善玉ホルモン

脂肪には大きくわけて、皮下脂肪内臓脂肪があります。皮下脂肪は一番とれにくく、最後の手段として体がエネルギーを使う脂肪です。それに比べ内臓脂肪は一時的に体が蓄える脂肪で、比較的とれやすい脂肪です。

動脈硬化や糖尿病を抑制する「アディポネクチン」

アディポネクチンとは、体の脂肪(脂肪細胞)から分泌される生理活性物質(アディポサイトカイン)の一種で、動脈硬化や糖尿病を防ぐ善玉ホルモンです。
 生理活性物質の多くは肥満に伴って脂肪細胞からの分泌が亢進しますが、内臓脂肪が増えれば増えるほど、脂肪細胞が肥大・分裂し、悪玉物質がたくさん分泌される一方で、アディポネクチンの分泌量は大幅に減少(血液中の濃度が低下)してしまいます。
 したがって、肥満を改善し内臓脂肪を減らし、アディポネクチンの分泌を正常化させることが大切になります。

満腹信号を脳に送る「レプチン」

レプチンは、アディポネクチンと同じ脂肪細胞から分泌される善玉ホルモンです。
 このホルモンは、食事を始めてから20~30分後に分泌され始まります。血液中にレプチンが流れ出して、血中のレプチン濃度が上がると、脳に対して“満腹信号”を発信します。内臓脂肪が増えるとレプチンの働きが低下します。つまり、なかなか満腹感が得られないので、つい食べ過ぎてしまうのです。食事は30分以上かけてゆっくり摂ることが重要です。
 一方で、レプチンは自然免疫細胞を刺激して炎症性サイトカインを産生させ、獲得免疫ではIFN-γを産生するTh1というTリンパ球の働きを増強して、多発性硬化症の病態を悪化させてしまいま
す。

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 肥満は高インスリン血症、インスリン抵抗性などの内分泌・代謝異常を伴い、その長期の合併症として脳動脈及び冠動脈疾患、高血圧、高脂血症、2型糖尿病の頻度が高いことが知られています。
 一方、肥満者では、感染症や種々の癌の発症率も高いことが報告されており、これには肥満によって生じる免疫機能の低下が関与していると推測されています。
 どうやら肥満に関連したホルモンは、免疫機能を変化させ、炎症を促進する傾向にもあるようです。感染症、アレルギー、がんの予防としても、体重のコントロールが大切になってきます。

 康復医学学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」は、生体の免疫バランスを保ち、生体機能恒常性の維持に有効な作用があります。肥満やメタボによる免疫機能変化の抑制、および脂肪組織内でおこる炎症対策にも期待できます。
 


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 村雨カレン

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