2017年5月10日水曜日

アルコールと認知症

認知症を予防する飲酒量は?

飲酒は認知症の発症リスクになることが知られていますが、少量飲酒は予防に働くそうです。中国海洋大学(山東省)の研究チームからの報告です。

 研究者らは、飲酒量と認知症発症との関係を検討した複数の試験結果を体系立てて再解析しました。全認知症4586症例を含む7万3330人、11試験のデータと、アルツハイマー型認知症1267例を含む5万2715人、5試験のデータ、そして血管性認知症542例を含む4万9535人、4試験のデータを用いています。
 解析の結果、全認知症と大量飲酒との間には、以前から指摘されているように発症リスクが増加する傾向が認められました。その一方で、少量飲酒では全認知症の発症リスクが低下していたのです。

具体的には、リスク低下に働くアルコール摂取量(純アルコール換算)は1日あたり12.5グラムまで。アルコール度数5%のビールなら250ミリリットル缶1本、350ミリリットル缶の8分目といったところです。また、ロング缶なら2人で半分こするといいようです。アルコール度数15度の日本酒なら0.5合が1日の上限です。

 また、最もリスク低下効果が示されたのは6グラム/日でした。この場合、ビールは135ミリリットル缶1本でおしまい。日本酒ならぐい飲み1、2杯ほどです。
 逆に1日あたりのアルコール摂取量が38グラムを超えると、全認知症発症リスクが明らかに上昇。また、飲酒の影響は60歳未満の中高年層で一層大きいことがわかりました。

 同じような調査研究は、欧米でも行われています。各国でおおむね一致しているのは、1日のアルコール摂取量が12グラム以上だと認知症の発症リスクが上昇すること。逆に1日5~10グラム程度の摂取はお酒を全く飲まない人よりリスクが低下する点です。試験によってはリスクが半減するとの報告もあります。とはいえ、下戸の方は無理に飲酒する必要はありません。
 さて、日本の厚生労働省では「節度ある適度な飲酒(アルコール摂取量)」を1日あたり20グラムとしています。しかし認知症予防の観点からすれば、その半分でも多いのです。

 今日の一杯が明日の認知機能に影響することをお忘れなく。
(出典:http://diamond.jp/)

■アルコールと認知症

 アルコール依存症及び大量飲酒者には、脳萎縮が高い割合でみられることや認知症になる人が多い等の疫学調査結果から、大量の飲酒は認知症の危険性を高めることがわかっています。一方で少量の飲酒は認知症の原因にはならないだけでなく、認知症を予防する可能性があります。

脳への影響

以前から、大量に飲酒する人には脳萎縮が高い割合でみられることは知られていましたが、最近の調査によれば、飲酒量と脳萎縮の程度には正の相関が見られることが報告されています。すなわち飲酒量が増えるほど脳が萎縮するということです。また、飲酒による脳萎縮は断酒することによって改善することも知られています。萎縮以外の影響としては、アルコールが加齢による記憶・学習低下を促進することが動物実験では証明されています。

大量飲酒と認知症について

アルコールには脱水作用があり、これで血液中の水分が奪われると、血管が詰まり脳梗塞などを発症するリスクが増します。また、血管性認知症の原因になります。
 施設に入っている認知症高齢者の29%は大量飲酒が原因の認知症という調査結果があります。また別の調査では、過去に5年間以上のアルコール乱用や大量飲酒経験のある高齢男性では、そのような経験のない男性と比べて認知症の危険性が4.6倍、うつ病の危険性が3.7倍と報告されています。大量の飲酒は、認知症のリスクを高めるということです。
 一方で、アルコールには善玉コレステロールを増やしたり、血管を拡張したり、血液をサラサラにしたりする働きがあります。少量だとこれらが効果的に作用するのではないかとみられています。飲酒しないまたは大量飲酒する人より少量飲酒する人のほうが認知症の危険性を下げる、言い換えれば少量飲酒は認知症の予防になる可能性を示唆しています。
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当学会の研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」の持つ、高血圧・高血糖・脳血管障害に対する微小循環の血流改善作用は、認知機能改善に有効であるばかりか、肝臓保護・肝障害改善効果も期待できます。
 また、アミノ酸の一種「グリシン」にはアルコール代謝促進作用肝機能障害予防効果が認められています。当学会はグリシン製品の開発にも携わっています(和漢生薬研究所『甘みストレスフリー』


いつもありがとうございます。
光・愛・感謝 村雨カレン

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