2019年8月29日木曜日

ミネラルを補う

ミネラル添加の飲料水で血圧が低下?

高血圧患者は一般的に塩分を控えるべきとされます。しかし、米エモリー大学ロリンス公衆衛生大学院のアブ・モハメッド・ナセル氏らの研究で、少量の塩分を含む飲料水を飲む人は、真水を飲む人よりも血圧が低い可能性があることが分かりました。同氏らは「飲料水に含まれるナトリウム(Na)ではなく、カルシウム(Ca)マグネシウム(Mg)が血圧の低下に関連した可能性がある」と指摘しています。(「米心臓協会誌」190507オンライン版に発表)

この研究は、飲料水の水源とする地下水や池水に海水が侵入するバングラデシュの沿岸地域の住人を対象に、飲料水の水質が健康に及ぼす影響について調べたもの。飲料水に含まれる塩分量が変動する雨季と乾季に、複数の沿岸地域の住民を追跡した2件の研究データを統合し、少量または適度な塩分を含む飲料水を飲んでいる人たちと真水を飲んでいる人たちの血圧値を比較検討しています。

 その結果、少量の塩分を含む水を飲む人達は、真水を飲む人達に比べて収縮期血圧の平均値は1.55mmHg低く、拡張期血圧の平均値は1.26mmHg低かったのです。また、尿検査の結果、血圧値が低かった人達のCaとMaの尿中排泄量が多いことも明らかになっています。

 研究者らは、CaとMgには血圧を下げる働きがあることから、「今回の結果は、飲料水に含まれるCaとMgによる降圧効果が、Naによる有害な影響を上回ったことによるのではないか」との見方を示しています。

 この結果に、別の専門家は「今回のようなわずかな降圧でも、心血管疾患や脳卒中の低減に大きな効果をもたらす可能性がある」と話します。ただ、飲料水にCaやMgが含まれていたことと血圧の低下の関係性については、臨床試験での検証が必要であるとしています。

 一方、ナセル氏は「この結果が裏付けられれば、人口集団全体の血圧の調整が可能」とし、「高血圧になったら生活習慣を是正し、降圧治療を開始するというこれまでの手法とは別のアプローチが可能になる」と説明しています。

 多くの研究から、CaとMgはいずれも、血圧を保つのに重要な栄養素であることがわかっています。ただ、米国栄養士会は、慢性疾患の予防を目的としたビタミンやミネラルのサプリメントの摂取は推奨しておらず、米国心臓協会としては、栄養価の高い食事からこれらの栄養素を摂ることを勧めています。

 しかし、米国人の多くは1日に必要なミネラルを食事から摂れていないのが実情です。ナセル氏は「飲料水にミネラルを加えることは、ミネラル不足の解消につながるかもしれない」と述べています。また、食品中の化学物質はミネラルの吸収を妨げる可能性があるため、「水から摂取した方がミネラルの吸収率は高いとも考えられる」と同氏は指摘しています。
(出典:https://www.carenet.com/)

■予防医学から見る、減塩の弊害

現在、食塩摂取量は6g/1日以下が目標とされています(日本高血圧学会)が、この6gという数値に科学的な根拠はありません。1988年に米・ノースウエスタン医科大学の医師が食塩摂取量と血圧の関係について厳密な調査を行った結果、「食塩摂取量と高血圧発症率との関係はないか、あっても弱い」という結論に達したのですが、この結果は表に出てきませんでした。確かに高血圧で減塩すると血圧が下がる人もいるのですが、かなりの少数派です。
 さらに、塩分を控えることは健康とは全く逆方向であることが解りました。まず、血液中のナトリウム(Na)が減ると、腎臓から血圧を上げるホルモンが分泌されます。これは『標準生理学』(医学書院)という医学生の教科書に載っています。それ以外にも、様々な生活習慣病の悪化に結びつくような弊害ばかりがあるのです。

■塩を控えすぎると ミネラル不足になる

減塩で問題となるのはミネラル不足です。人の体は、約96%が炭素(C)・水素(H)・酸素(O)・窒素(N)の4つでできています。ミネラルとは、残りの4%にあたる元素の総称です。具体的には塩の主成分のNa、酸素を運搬する赤血球の鉄(Fe)、骨や筋肉の収縮にカルシウム(Ca)など、微量の元素を指します(右図)。
 私たちの体を構成する約60兆個の細胞は、1個あたり100万回の異なった化学反応を行っています。これらの化学反応は触媒となっている「酵素」の力で成立しています。そして酵素の活躍に不可欠なものが、ビタミン(補酵素)とミネラル(補助因子)です。
 ミネラルが不足すれば代謝が滞り、スムーズな生命活動が行えなくなってしまいます。この大切なミネラル補給源の一つである塩をやみくもに減らしてはいけないのです。

■精製塩は、ミネラルバランスが崩れた化学合成物質

ただし、ミネラル豊富な"本物の塩"に限ります。食卓塩(精製塩)は、塩化ナトリウム(NaCl)のみの不自然な塩です。これは食品ではなく化学合成物質なので、当然、血圧に良くありません。体内でのミネラルバランスを大きく崩します。日本では、"イオン交換膜法"という製塩方法で専売塩が誕生した1971年以降、高血圧患者が増え始めました。

■ミネラルを補えるのは 体の組成に近い天然塩

それに対し、天然塩はNaClの他、様々なミネラルからできています。この微量ミネラルがとても重要なのです。天然塩は精製塩と異なり、ミネラルバランスが既に整っているため、身体への負担はほとんどありません。
「日常の食卓では天然塩をおいしく取り入れた方が健康的」だということです。


いつもありがとうございます。
愛・感謝 村雨カレン

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