2020年2月6日木曜日

膵臓がん

食べ過ぎ飲み過ぎ "膵炎"に気をつけて

膵臓の病気、特に膵炎が増えています。膵炎は膵臓がんのような怖いイメージはありませんが、重症になると約10%は命を落とす侮れない病気です。
 
急性膵炎は良性の病気ですが重症になると命に関わり、慢性膵炎は自分では気づかないうちに少しずつ膵臓の働きを失っていく怖い病気です。
 膵臓は胃の奥にあり、長さ約15cmの横長の臓器で、膵液という消化液を作り、食物の消化に関与しているほか、インスリンなどのホルモンによる血糖調節を行っています。通常の血液検査や健康診断では、異常を指摘されることは稀で、異変が見つかったときには病気がかなり進んでいることがあります。

 急性膵炎は「お腹の火事」というほどの激烈な痛みを伴います。膵臓で作られた膵液(消化酵素)は、腸に分泌されてから活性化するのですが、急性膵炎になると膵臓内で活性化してしまい、自己消化(自分の細胞を溶かす)の炎症を起こします。その主な原因は飲酒です。
 また、膵炎が起こると自分を守る免疫の機能でサイトカイン(化学物質)が分泌され、飛び火を防ごうとするのですが、それが肺や腎臓など全身の臓器にダメージを与えてしまいます。局所の炎症が全身に広がり、重症例では臓器不全を合併して命に関わることがあります。
  ●お酒や食事の後から調子が悪い
  ●みぞおちの奥から背中に痛みがある、胃あたりが重だるい
  ●微熱がある
‥‥これらの自覚症状は要注意です。急性膵炎は、典型的には強い腹痛を伴いますが、軽症の場合は「我慢しようと思えば我慢できる」「なんとなく胃が重い」など症状がはっきりしないことあります。血液検査で膵酵素(アミラーゼやリパーゼ)の上昇を伴うことが多いため、まずは血液検査を行うことをお勧めします。

 慢性膵炎は、小さな炎症を繰り返しながら20年後、30年後には膵臓が機能しなくなってしまう病気です。一度膵炎が起こると膵臓にダメージが残り、膵液の流れが滞ってしまうことがあります。そうなると、その後一生膵炎を起こしやすい状態となり、繰り返す膵炎によって急に具合が悪くなり社会生活にも影響し、負のスパイラルに陥るようになります。
 まずは急性膵炎を予防し、慢性膵炎にならないようにすることが大切です。また、急性膵炎になってしまったら、患者、かかりつけ医、膵臓の専門医が早期に医療情報を共有し、適切な治療や再発予防をしていくことが重要です。
 実は膵臓が原因なのに、胃や肝臓の不調と思い込み発見が遅れることがよくあります。また、酒量に関係なく、少量の飲酒で発症することもあります。膵臓に詳しい専門医は全国的に少なく、膵炎に対する予防や医学的な啓発が行き届いていないことがあります。
 膵炎は予防が最良の治療法です。飲食や飲酒の機会が多いこの時期は、膵臓に負担を掛けないように注意しましょう。
(出典:https://www.healthcare.omron.co.jp/)

■発見が難しい膵臓がんとその予防

◆小さい膵臓がんを見つけることは難しい

日本では、2人に1人は何らかのがんにかかり、3人に1人ががんで亡くなっています。しかし、がんは、発見が早ければ完治する病気です。日本人に多い胃がんは、検診や検査の体制も整い、発症後も元気を回復される方が増えています。
 一方で、膵臓がんは難治がんといわれます。膵臓は深いところ(胃の裏)にあり、臓器や血管に囲まれているため、腫瘍の発見や診断のための細胞採取が困難とされています。周辺にある動脈に膵臓がんが拡がると、がんの大きさが小さくても手術が行えないことが多々あります。これが、膵臓がん全体の7割は手術で治すことができないこと、がんによる臓器別の死亡数で第4位と不良であることの理由です。

◆膵臓がんは、小さく見つければ根治する確率が上がる

日本の膵臓がん患者のデータ(2万人超)によると、膵臓がん全体の5年生存率は13%と非常に不良ですが、10mm~20mmの大きさで見つけた場合は50%、10mm以下で見つけることができれば、80%以上に改善することが分かっています。しかし、その発見率は、10mm~20mmの大きさで全体の5%、10mm以下に至っては0.8%にすぎません。
 膵臓がんの症状として、腹痛、食欲不振、腹部膨満感、体重減少、黄疸、糖尿病の発症・増悪、背中の痛みなどが挙げられます。一般的に、初期は無症状なことが多いと思われていますが、20mm以下の患者の80%以上は、何らかの症状を認めることが明らかになっています。すなわち、上記症状で病院を受診した膵臓がんの患者が、不十分な検査で「異常なし」と診断されたために、発見が遅れて手術できない状況となってしまうことが多いのです。

◆膵臓がんの予防

膵臓がんの危険因子として、膵炎、胆石症、糖尿病があります。膵臓の炎症を繰り返しおこしていると、がん化しやすくなります。また、がんが存在していて、炎症を繰り返す場合もあります。慢性膵炎や急性膵炎もともに膵臓がんの発症と関係があります。糖尿病を患っている方も発生率が高いといわれています。
 生活習慣については、危険因子として、コーヒーの多飲喫煙肉食傾向肥満が膵臓がんの発生する確率を高くするといわれています。適度な運動をし、肥満を防いで、喫煙や食生活の改善を心がけることでリスクを減らすことが大切です。


いつもありがとうございます。
愛・感謝 村雨カレン

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