2021年2月4日木曜日

アクリルアミド

 発がん性物質 アクリルアミド

 現代人の健康に大きな影響を与えてしまう食課題の一つが食品の調理法です。特に高温調理は気をつけなければなりません。揚げ物やいわゆるジャンクフードをよく食べる人には注意が必要です。これらの食品に含まれる老化物質が老化や病気の引き金となります。

 AGE(終末糖化産物)はよくご存じのことと思います。糖質と結びついたたんぱく質が生成する老化物質です。高温調理の副産物という点ではこのAGEによく似た物質があります。それが「アクリルアミド」です。


アクリルアミドとは

 ジャガイモなどのでんぷん質の多い食品を高温調理、特に油で揚げたときなどに副産物として生成されるのがアクリルアミドです。フライドポテトやポテトチップス、ビスケットなどに含まれます。また、玄米を炊くとき圧力鍋を使用するとアクリルアミドが発生してしまいます。

 このアクリルアミドはIARC(国際がん研究機関)の発がん性部類でグループ2Aに分類されていて、発がん性や遺伝毒性が認められています(下表参照)


がんとの関係

 2002年にスウェーデン国立食品局は、アクリルアミドの遺伝毒性発がん性を明らかにし、でんぷんの高温加熱で生成すると報告しています。

 このアクリルアミドは実際にヒトのがんに対してどのくらい影響を及ぼしているのか、その疫学研究をまとめてメタ分析したものがあります。それによると、アクリルアミドの曝露は、多くのがんにおいてそのリスクの増加はないと結論付けました。しかし、腎臓がんのリスクは高いとしており、また遺伝毒性や変異原性、生殖毒性は認めています。


 いずれにしても、アクリルアミドは健康を害する毒性の高いものであることは間違いありません。アクリルアミドそのものを摂らないことが一番です。

(出典:https://www.youtube.com/ 栄養チャンネル)


■解毒物質グルタチオン

 基本的に私たちの体は、アクリルアミドを解毒する仕組みを持っています。活躍するのが、抗酸化物質の一つ、「グルタチオン」です。

 グルタチオンは活性酸素を捕まえる以外にも、アクリルアミドなどの猛毒を吸着し(グルタチオン抱合)、そのまま一緒に尿の中に排泄していきます。グルタチオン抱合した毒物を細胞の外に排出する際にはATP(アデノシン三リン酸)というエネルギーを必要とします。そしてこの時、補因子としてマグネシウム(イオン)が働きます。

 アクリルアミドの一部は、皮肉にもCYP2E1という代謝酵素(解毒酵素)によって別の毒物(グリシドアミド)を生成してしまいます。これも一定量であればグルタチオン抱合によって体外へと排泄されていきます。しかし、アクリルアミドの摂取が多すぎると、グルタチオン抱合だけでは賄いきれないグリシドアミドが生成されることになり、これが遺伝毒性や発がん性につながってしまうのです。


アクリルアミドの解毒を促進する

 現代の食生活において摂取が増え続けるアクリルアミド。グルタチオンの生成を促す栄養素や食品(*右表上)の摂取も必要ですが、アクリルアミド自体を減らしてグルタチオンの働きをサポートするための栄養素や食品(*右表下)も大切になっていきます。

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霊芝による保護効果

 ラットを使った小腸組織のアクリルアミド誘発損傷に対する研究では、霊芝多糖(PSG-1)の前処理がアクリルアミド誘導の酸化ストレスを軽減し、炎症反応を減少させ、腸のバリアを保護することでアクリルアミドの吸収を阻害することが確認されています。霊芝は、カタラーゼ(CAT)、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、グルタチオン(GSH)および総グルタチオン(T-GSH)の活性を大幅に増加させ、アクリルアミドによる酸化ストレスの減少、さらには抗炎症性サイトカインの量を増加させることがわかったのです。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

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