2022年2月10日木曜日

葉酸

 日本人は葉酸不足、認知症リスク大

 この20年、日本人全ての世代で、重要な栄養素の摂取が不足しています。中でも深刻なのは「葉酸」です。日本人の世代別栄養摂取率のデータを見ると、ビタミンA、B1、B6、葉酸、ビタミンC、D、カルシウム、マグネシウムのうち、摂取率がほぼ100%なのが、唯一、葉酸です。これだけを見ると葉酸は十分なのではと思いますが、実は違うのです。

『日本人の食事摂取基準』(厚労省)では、妊婦を除く18歳以降の葉酸推奨量は1日240マイクログラム(μg)。しかし、これはWHOが推奨する量の半分程度。日本では推奨量の設定が著しく低く、見かけ摂取率100%前後となっていますが、実際は足りていません。

 アメリカでは1992年、妊娠の可能性のある女性全てに1日400μgの葉酸を摂取するように勧告が出され、イギリス、カナダが追随。98年にはアメリカ、カナダで主食用の穀類に葉酸が添加される葉酸強化が行われ、葉酸強化は現在、世界84カ国で実施されています。主食だけで自然と葉酸を摂取できるので、多くの人が1日400~500μgの葉酸摂取量を維持できるようになったのです。

 しかし日本では、40年ほど前に“葉酸を多く摂ると体に害がある”という誤った論文が発表され、それ以降も葉酸強化が行われていません。葉酸は特に妊婦に必要で、国際的には600μg摂れているのに対し、日本では230μgでした(令和元年調査)。

 葉酸が様々な病気予防に役立つことは研究で明らかになっています。いち早く指摘されたのが、胎児時に発症する「神経管閉鎖障害(NTDs)」です。流産や死産の割合が高くなり、脊髄が外に飛び出す二分脊椎の発症率を高めます。妊娠前からの葉酸摂取でNTDsの発症率が抑制できることは複数の研究で証明されており、実際に葉酸強化実施国ではNTDsのリスクが下がっています。

 日本では妊活中の人や妊婦は推奨量240μgに加えサプリメントなどでさらなる量の摂取が望ましいとなっているものの、NTDs予防の観点から言えば、既に妊娠初期に奇形ができてしまうので、妊娠に気付いてからの葉酸摂取では遅いのです。日本でのNTDs発症率は先進国の中で決して低くなく、二分脊椎発生率も増加傾向にあります。

 さらに、葉酸は動脈硬化のリスクを高める物質・ホモシステインの血中濃度を低下させます。認知症もホモシステインが関係しており、葉酸は認知症対策に非常に重要です。また、うつ病にも葉酸不足が関わっています。国立精神・神経医療研究センターの研究では、うつ病の4人に1人が血液中の葉酸値が低いというデータが出ています。

 葉酸を非常に多く含むのが海苔、緑茶、レバー、枝豆、ほうれん草など。ただし、食品だけで400μgを摂取するのは不可能なので、サプリメントを活用するとよいでしょう。

(出典:https://hc.nikkan-gendai.com/)


■葉酸の性質と働き

 葉酸(C19H19N7O6)はビタミンB群の水溶性のビタミンであり、プテロイルモノグルタミン酸及びその派生物の総称です。ビタミンB12とともに赤血球を作るので「造血のビタミン」とも言われています。さらに、DNAやRNAなどの核酸やたんぱく質の合成を促進し、細胞の生産や再生を助けます。特に胎児の正常な発育にとって重要な栄養素であり、女性は妊娠前から産後にかけて摂取することが推奨されています。

 葉酸は人体の成長に必要な栄養素です。DNAの合成を促進して、赤血球の生成や多くの生体機能に関わっているため、女性に限らずすべての人に重要な栄養素といえます。


脳・骨・血管!大切なカラダを守るために

 DNA合成の働きの他に、研究が行われてきた葉酸のもう一つの働き。それは、アミノ酸の一種「ホモシステイン」を減らすことです。ホモシステインは、脳や骨、血管で活性酸素を発生させるなどして、脳の萎縮や骨粗しょう症、動脈硬化の原因になっていると考えられています。そのためこれまで、葉酸の摂取がそうした病気の予防に役立つのではないかと、世界中で、葉酸の摂取と様々な病気の発症率・死亡率の関係を探る研究が行われてきました。

 その一つが、葉酸の摂取量別にアルツハイマー病の発症率を調べた研究。最も摂取量が少ないグループに比べて、最も摂取量が多いグループは、アルツハイマー病の発症率が半分だったというデータを発表しています。他に、心筋梗塞による死亡率が40%も低かったという研究データもあります。

 日本でも、健康への効果を期待して葉酸の積極的な摂取を進めている自治体があります。それは、埼玉県の坂戸市。女子栄養大学と共同で行っている「さかど葉酸プロジェクト」に参加した市民の方々は、葉酸が豊富な野菜をより多く取り入れるなどして葉酸の摂取量をアップ。その結果、ホモシステインの値が下がるなどの結果が出ています。同市では、脳や骨、血管の病気との関連の可能性を考慮して、400μgを毎日の目標としています。

葉酸を野菜から採るためのポイント 

・葉酸は水溶性なので、野菜によっては「ゆでることで半減する」というデータも。 蒸したり炒めたりすれば、ほとんど葉酸を損失せずに摂取できる

・葉酸は光によって分解されていきます。お茶は入れたての方が、効率良く葉酸を摂取できる

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 葉酸は、認知症の予防には一定の効果が認められていますが、認知症になった人の症状を改善することはできません。当学会の研究により生まれた「HM-3000(特系霊芝)」配合の製品は「認知機能障害改善用組成物」としての特許を取得しています。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

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