2024年3月19日火曜日

生体内の酸素

低酸素ストレス

 現代人の生活習慣の中では、慢性的に低酸素状態にあるといわれています。ストレス、喫煙、機密性の高い住宅での換気不足、大気汚染による空気中の酸素濃度低下など、多くの理由が指摘されています。酸素は、免疫や細胞活性・エネルギー産生などに影響し病気や健康を左右します。酸素は1回の呼吸で約5%が身体に供給され、約16%が呼気として体外へ排出されます。身体に供給される5%の酸素は、ストレスや生活習慣、病気などの影響で、その5%も完全に供給されているとは限りません。

 健康や老化については、活性酸素による「酸化」で話題になりますが、むしろ酸素の供給量が低下する「酸欠」の方が問題なのです。

 低酸素と代謝 

:低酸素は生物的環境における酸素の欠乏と定義され、細胞ストレスや正常な代謝活性の変化を引き起こします。低酸素により活性酸素種が蓄積し酸化ストレスが生じることで、様々な細胞成分に有害な作用を及ぼします。細胞は低酸素に応答し、細胞内シグナル伝達のメカニズムを適応させることで生存率を維持します。これらの機能は、低酸素でも細胞が生存、回復できるように全体的な代謝活性を抑制します。低酸素は多くの固形がんに共通する特徴です。がんの増殖が血液の供給を上回るため、がん組織は周囲の正常組織と比較して著しく酸素濃度が低くなります。

 低酸素の定義  

:低酸素は、病態生理学的には細胞の酸素消費量と血流の不均衡により、酸素が欠乏している状態です。低酸素では、電子伝達系の最終的な電子受容体である酸素分子が不足するため、活性酸素の産生が増加します。活性酸素の蓄積により、活性酸素の産生と細胞の抗酸化防御のバランスが崩れます。これが「酸化ストレス状態」です。過剰な活性酸素は、脂質やたんぱく質、DNAなど全ての細胞成分に対し有害な作用を及ぼします。

 細胞は、低酸素応答に特化した機能を活性化して、低酸素に適応します。これらの働きは、代謝活性を抑制することで生体エネルギー産生機構の過剰な活性を防ぎます。

 活性酸素種(ROS:Reactive oxygen species) 

:活性酸素は、酸素分子に由来する反応性の高いフリーラジカルです。活性酸素は、ミトコンドリアの電子伝達系におけるATP産生時に作られる正常な副産物であり、細胞のシグナル伝達や恒常性において重要な役割を担います。健常な細胞では、カタラーゼやグルタチオン、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)などの細胞内抗酸化システムにより、活性酸素の毒性を抑制しています。細胞が低酸素などのストレスを受けると、活性酸素の蓄積による酸化ストレスが引き起こされます。

 過剰な活性酸素の蓄積はDNA、RNAへの損傷やアミノ酸の酸化、脂質の過酸化、酸化による酵素の不活化など、細胞成分に有害な作用を及ぼします。

(出典:https://blog.cellsignal.jp/)


■酸素の役割と抗酸化システム

生体内酸素の主な作用

細胞の活性作用:酸素は細胞による代謝活動を活発にし、体内のガス(一酸化炭素、二酸化炭素)や老廃物の排泄を促進します。そのため細胞が活性化され多くの疾患予防や抗老化にも影響します。 

疲労回復効果:人は活動するのにエネルギーが必要です。このエネルギーを産生するのに必要なのが酸素です。エネルギーの不足が疲労の原因のひとつなのです。酸素がエネルギーを作り、疲労の回復物質の乳酸も、乳酸を炭酸ガスと水とに分解してしまいます。 

脂肪分解:酸素は新陳代謝を活発にし、脂肪を効率よく燃焼させます。酸素が有効に活用されるだけでも、細胞が活性化され、基礎代謝も上がり脂肪が分解されます。 

記憶力や集中力に影響:脳の働きは、酸素と密接な関係があり、酸素の消費量も最大なのは脳です。酸素不足になると、まず影響がでるのが脳です。軽い症状として、眠気・イライラ・目の疲れ・視力の減退などの様々な症状が出てきます。また、記憶力や集中力が低下し、仕事や学習力にも影響します。

酸化ストレスを防御する抗酸化作用

 活性酸素やフリーラジカルの発生を抑制したり、発生したラジカルを捕捉して分解処理したり、生じたダメージを修復・再生したりする抗酸化作用をもつものが抗酸化酵素や抗酸化物質です。例えば、抗酸化酵素にはスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、カタラーゼ(CAT)・グルタチオンペルオキシダーゼ(GSH-Px)などがあり、お互いに作用しあいながら抗酸化機能を発揮しています。これらの酸化還元酵素は、亜鉛、銅、鉄、マンガン、セレニウムなどのミネラルに加え、たんぱく質などが必要になります。体内にこれらの原材料が少ないと、酸化還元酵素を作ることができなくなります。また加齢により生産量も低下します。

低酸素と酸化

 低酸素ストレスは、上記のような作用を低下させ、生体の恒常性の維持に支障をきたします。また、酸素は同時に活性酸素による酸化ストレスも引き起こします。

 康復医学学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」は、酸素の供給量を上げる物質「2,3-DPG(グリセリン2,3-リン酸)の分泌を促進し、血液粘度の適正化、赤血球の凝集予防、毛細血管の拡張など血流改善のポイントから低酸素ストレスに対処します。また、活性酸素による酸化ストレスに対しては、抗酸化酵素「GSH-Px(グルタチオンペルオキシダーゼ)の活性化データがあります。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン 

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