老いのスピードに大きな個人差
老化の進行速度には個人差が大きく、これは遺伝的要因だけでなく、環境や生活習慣など多岐にわたる要因が関与しています。
■ 遺伝的要因:
老化の速度において、遺伝子の影響は約25~30%、そして残りの70%以上は、環境要因や生活習慣によって決まると言われています。これは、同じ遺伝的背景を持つ双子でも、生活環境や習慣の違いにより老化の進行に差が出ることを示唆しています。
■ 生活習慣と環境要因:
生活習慣や環境要因は、老化の速度に大きな影響を及ぼします。特に食生活、運動習慣、喫煙、飲酒、ストレス管理などが重要な要素とされています。例えば、バランスの取れた食事や定期的な運動は、老化の進行を遅らせる効果があるとされています。一方で、不健康な食生活や運動不足、喫煙、過度の飲酒は、老化を加速させる要因となります。さらに最近の研究では、環境要因が遺伝的要因よりも老化と死亡率に大きな影響を与えることが示されています。具体的には、環境要因が死亡リスクの17%を占めるのに対し、遺伝的要因は2%未満であると報告されています。
■ 生物学的老化の評価と研究:
ニュージーランドのダニーデン市で行われた「ダニーデン研究」(1972~1973年に生まれた1037人が対象)は、20年以上にわたり追跡調査した研究です。この研究では、腎臓、肝臓、肺、代謝、免疫系の機能や歯の健康、コレステロール、心肺の状態、肺機能など、多岐にわたる健康指標が評価されました。その結果、同じ年齢であっても、生物学的な老化の速度には個人差があり、45歳時点での健康状態が、その後の老化速度の分岐点となる可能性が示唆されました。
■ 老化の特徴と対策:
老化には以下の4つの特徴があるとされています。
(1)生理的機能の低下:筋力や視力、聴力などの身体的機能が徐々に低下します。
(2)代謝機能の変化:基礎代謝の低下により、太りやすくなるなどの変化が生じます。
(3)免疫力の低下:感染症にかかりやすくなるなど、免疫機能が低下します。
(4)細胞の老化:細胞の再生能力が低下し、組織の修復が遅れるようになります。
これらの老化現象に対して、適切な生活習慣を維持することが重要です。具体的には、バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠、ストレスの適切な管理などが推奨されます。
また、定期的な健康チェックや早期の医療介入も、老化の進行を遅らせるために有効です。
■ 結論:
老化の速度には個人差があり、その主な要因は遺伝的要因だけでなく、生活習慣や環境要因が大きく関与しています。特に、生活習慣や環境要因は、遺伝的要因よりも老化と死亡率に大きな影響を与えることが示されています。したがって、健康的な生活習慣を維持し、環境要因を適切に管理することが、老化の進行を遅らせ、健康寿命を延ばすために重要であると考えられます。
(出典:president.jp/thesun.co.uk/jast1.jp/suntory-kenko.com)
■生物学的老化はサビとコゲで加速
過剰な「活性酸素」が体をサビ付かせ、老化を速める
体内で発生した「活性酸素」には、免疫機能の一部として体内に侵入した細菌などの異物を攻撃する働きなどの役割があります。しかし、活性酸素が過剰に発生すれば、体を酸化させて老化や病気の原因になってしまいます。体に取り込まれた酸素は細胞内のミトコンドリアでエネルギー代謝に利用されますが、代謝の過程で1~2%が活性酸素に変化し、細胞内のミトコンドリアや核のDNA、さらに細胞膜を酸化させ傷つけます。活性酸素により酸化の連鎖反応が起こり、細胞膜は機能を失い細胞は死んでしまいます。ミトコンドリアをはじめ細胞の内外にはSODなどの抗酸化酵素が存在し、活性酸素を速やかに分解し無毒化しますが、抗酸化酵素の活性は加齢に伴って低下します。こうして活性酸素の攻撃と抗酸化酵素の防御のバランスが崩れると細胞は酸化により損傷し、老化が少しずつ進行していくのです。「糖質+たんぱく質」 が体をコゲ付かせ、老化を促進する
「糖質」は適量であれば体の中でエネルギー源として利用されますが、多すぎる糖はたんぱく質を糖化させて最悪のコゲ=老化物質「AGE(終末糖化産物)」を生成・蓄積させます。AGEは、肌や血管、骨、脳など、細胞全般を生物学的に老化させてしまうのです。
「酸化(サビ)」と「糖化(コゲ)」は連動している
活性酸素によって体が酸化ストレスの攻撃を受けると、たんぱく質や糖質がその影響を受けて糖化が進み、AGEが発生しやすくなります。逆にAGEは、RAGE(AGEの受容体)に結合して、NADPH酸化酵素の発現を促し、ROS(Reactive Oxygen Species:活性酸素種)の産生を促進させ、酸化ストレスを作り出します。
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【対策】 抗酸化×抗糖化で老化に歯止めを
ストレス、たばこ、紫外線などは、体内の活性酸素発生量が増大させ、老化を一段と加速させます。老化にブレーキをかけるには、生活習慣を見直すとともに、抗酸化物質の活性を高める運動や抗酸化食品をとり入れることが必要です。また、抗酸化酵素が糖化されると活性が低下してしまうため、抗酸化と抗糖化を同時に行うことが大切です。当学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」は、強い抗酸化作用を持つ「GSH-Px(グルタチオンペルオキシダーゼ)」と、HbA1c(糖化ヘモグロビン)の生成阻害作用のある「2,3-DPG(グリセリン2,3-リン酸)」の産生を促進させます。まさにHM-3000は“抗老化生薬”といっても過言ではありません。
いつもありがとうございます。
愛・感謝 村雨カレン