2025年7月31日木曜日

体の“サビ”と“コゲ”

 老いのスピードに大きな個人差

 老化の進行速度には個人差が大きく、これは遺伝的要因だけでなく、環境や生活習慣など多岐にわたる要因が関与しています。

■ 遺伝的要因:

 老化の速度において、遺伝子の影響は約25~30%、そして残りの70%以上は、環境要因や生活習慣によって決まると言われています。これは、同じ遺伝的背景を持つ双子でも、生活環境や習慣の違いにより老化の進行に差が出ることを示唆しています。

■ 生活習慣と環境要因:

 生活習慣や環境要因は、老化の速度に大きな影響を及ぼします。特に食生活、運動習慣、喫煙、飲酒、ストレス管理などが重要な要素とされています。例えば、バランスの取れた食事や定期的な運動は、老化の進行を遅らせる効果があるとされています。一方で、不健康な食生活や運動不足、喫煙、過度の飲酒は、老化を加速させる要因となります。さらに最近の研究では、環境要因が遺伝的要因よりも老化と死亡率に大きな影響を与えることが示されています。具体的には、環境要因が死亡リスクの17%を占めるのに対し、遺伝的要因は2%未満であると報告されています。

■ 生物学的老化の評価と研究:

 ニュージーランドのダニーデン市で行われた「ダニーデン研究」(1972~1973年に生まれた1037人が対象)は、20年以上にわたり追跡調査した研究です。この研究では、腎臓、肝臓、肺、代謝、免疫系の機能や歯の健康、コレステロール、心肺の状態、肺機能など、多岐にわたる健康指標が評価されました。その結果、同じ年齢であっても、生物学的な老化の速度には個人差があり、45歳時点での健康状態が、その後の老化速度の分岐点となる可能性が示唆されました。 

■ 老化の特徴と対策:

 老化には以下の4つの特徴があるとされています。 

(1)生理的機能の低下:筋力や視力、聴力などの身体的機能が徐々に低下します。

(2)代謝機能の変化:基礎代謝の低下により、太りやすくなるなどの変化が生じます。

(3)免疫力の低下:感染症にかかりやすくなるなど、免疫機能が低下します。

(4)細胞の老化:細胞の再生能力が低下し、組織の修復が遅れるようになります。

これらの老化現象に対して、適切な生活習慣を維持することが重要です。具体的には、バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠、ストレスの適切な管理などが推奨されます。

また、定期的な健康チェックや早期の医療介入も、老化の進行を遅らせるために有効です。

■ 結論:

 老化の速度には個人差があり、その主な要因は遺伝的要因だけでなく、生活習慣や環境要因が大きく関与しています。特に、生活習慣や環境要因は、遺伝的要因よりも老化と死亡率に大きな影響を与えることが示されています。したがって、健康的な生活習慣を維持し、環境要因を適切に管理することが、老化の進行を遅らせ、健康寿命を延ばすために重要であると考えられます。

(出典:president.jp/thesun.co.uk/jast1.jp/suntory-kenko.com)


■生物学的老化はサビとコゲで加速

過剰な「活性酸素」が体をサビ付かせ、老化を速める

 体内で発生した「活性酸素」には、免疫機能の一部として体内に侵入した細菌などの異物を攻撃する働きなどの役割があります。しかし、活性酸素が過剰に発生すれば、体を酸化させて老化や病気の原因になってしまいます。体に取り込まれた酸素は細胞内のミトコンドリアでエネルギー代謝に利用されますが、代謝の過程で1~2%が活性酸素に変化し、細胞内のミトコンドリアや核のDNA、さらに細胞膜を酸化させ傷つけます。活性酸素により酸化の連鎖反応が起こり、細胞膜は機能を失い細胞は死んでしまいます。ミトコンドリアをはじめ細胞の内外にはSODなどの抗酸化酵素が存在し、活性酸素を速やかに分解し無毒化しますが、抗酸化酵素の活性は加齢に伴って低下します。こうして活性酸素の攻撃と抗酸化酵素の防御のバランスが崩れると細胞は酸化により損傷し、老化が少しずつ進行していくのです。

「糖質+たんぱく質」 が体をコゲ付かせ、老化を促進する

「糖質」は適量であれば体の中でエネルギー源として利用されますが、多すぎる糖はたんぱく質を糖化させて最悪のコゲ=老化物質「AGE(終末糖化産物)」を生成・蓄積させます。AGEは、肌や血管、骨、脳など、細胞全般を生物学的に老化させてしまうのです。

「酸化(サビ)」と「糖化(コゲ)」は連動している

 活性酸素によって体が酸化ストレスの攻撃を受けると、たんぱく質や糖質がその影響を受けて糖化が進み、AGEが発生しやすくなります。逆にAGEは、RAGE(AGEの受容体)に結合して、NADPH酸化酵素の発現を促し、ROS(Reactive Oxygen Species:活性酸素種)の産生を促進させ、酸化ストレスを作り出します。

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【対策】 抗酸化×抗糖化で老化に歯止めを

 ストレス、たばこ、紫外線などは、体内の活性酸素発生量が増大させ、老化を一段と加速させます。老化にブレーキをかけるには、生活習慣を見直すとともに、抗酸化物質の活性を高める運動や抗酸化食品をとり入れることが必要です。また、抗酸化酵素が糖化されると活性が低下してしまうため、抗酸化と抗糖化を同時に行うことが大切です。当学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」は、強い抗酸化作用を持つ「GSH-Px(グルタチオンペルオキシダーゼ)と、HbA1c(糖化ヘモグロビン)の生成阻害作用のある「2,3-DPG(グリセリン2,3-リン酸)の産生を促進させます。まさにHM-3000は“抗老化生薬”といっても過言ではありません。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2025年7月23日水曜日

睡眠障害

 睡眠と健康

 睡眠は、健康増進・維持に不可欠な休養活動です。良い睡眠は、心血管、脳血管、代謝、内分泌、免疫、認知機能、精神健康の増進・維持に重要であり、睡眠が悪化することで、様々な疾患の発症リスクが増加し、寿命短縮リスクが高まることが報告されています。また、良い睡眠は、眠気や疲労が原因の事故や怪我のリスク低減にも役立ちます。さらに、睡眠は心身の疲労を回復する機能や、成長や記憶の定着・強化など環境への適応能力を向上させる機能を備えているため、睡眠の悪化は成長や適応能力の向上をも損なうことにつながります。

 良い睡眠は、十分な睡眠量(睡眠時間)の確保と、良質な睡眠で担保され、不適切な睡眠環境、生活習慣、嗜好品の摂り方および睡眠障害の発症によりこれが損なわれます。

 国民健康・栄養調査によると、1日6~8時間睡眠している人の割合は総じて5~6割程度で、特に40~60歳では、平成21年に比べて平成29年以降は減少しています。この調査によると、睡眠で休養がとれている人の割合は8割程度で、特に20歳以上で7割程度と低く、年々減少傾向にあります。

 睡眠で休養がとれている感覚(睡眠休養感)は、睡眠時間の不足だけでなく、睡眠環境、生活習慣、日常的に摂取する嗜好品、睡眠障害の有無などの様々な要因により影響を受けますが、将来の健康状態に関わることが確認されており、良い睡眠の指標となります。

 一晩に眠ることができる時間には限りがあります。体が必要とする睡眠時間以上に眠ろうと床の上で長く過ごすと、「寝つくまでに長く時間がかかる」「途中で目が覚める時間(回数)が増える」「熟眠感が減る」など、眠りの質が低下することがわかっています。

 夜間、実際に睡眠可能な時間は、加齢により徐々に短くなることがわかっています。15歳前後では約8時間、25歳で約7時間、45歳では約6.5時間、65歳では約6時間というように、成人後は20年毎に30分程度の割合で夜間の睡眠時間が減少します。これと相反して、夜間に床の上で過ごす時間は、20~30歳代では7時間程度ですが、45歳以上では徐々に増加し、75歳では7.5時間を超える傾向があります。これらから、若い世代は床上時間の不足に伴い睡眠不足になりやすく、高齢世代では逆に必要な睡眠時間に比べ床上時間が過剰になりやすいといえます。さらに、加齢が進むと早寝早起きの傾向が強まり朝型化します。これは特に男性で強く、適切な睡眠習慣を考える上で年代別・性別の配慮が必要となります。

 適正な睡眠時間 

 複数の研究から、7時間前後の睡眠時間の人が、生活習慣病やうつ病の発症および死亡に至る危険性が最も低く、これより長い睡眠、短い睡眠のいずれもこれらの危険性を増加させることから、成人においておおよそ6~8時間が適正睡眠時間と考えられています。こうした睡眠充足の個人差を把握する目安として、朝目覚めたときの睡眠休養感(睡眠で休養がとれている感覚)が役立つこともわかってきました。

(出典:https://www.mhlw.go.jp/)


■高齢者の睡眠障害

 年齢とともに睡眠は変化します。健康な高齢者でも睡眠が浅くなり、"中途覚醒"や"早朝覚醒"が増加します。また、睡眠を妨げる心や体の病気にかかると睡眠障害が出現します。

高齢者に多い睡眠障害

 高齢者では心理的なストレスに加えて、不活発でメリハリのない日常生活、体の病気、その治療薬の副作用などによって、不眠症をはじめとするさまざまな睡眠障害が現れます。

【入眠障害】

 一般的には、寝つくまでに30分以上かかると入眠障害の可能性があるとされています。入眠障害の原因のひとつめは、床入りする時間が早いことも原因です。また、「今日は眠れるだろうか?」という不安や「眠らなければ」という義務感にとって代わり、更に寝つきが悪くなるという悪循環を生む可能性があります。

【中途覚醒】

 物音や尿意のようなこれといった理由は無いにも関わらず、何故か睡眠の途中で目が覚めてしまうのが中途覚醒です。一度目が覚めると寝直すことが難しい場合があります。そして、睡眠中に足がつり、そのために目が覚めてしまう周期性四肢運動障害。また、睡眠中に起こる無呼吸症候群も原因のひとつです。

【早朝覚醒】

 早朝4時や5時頃に目が覚めてしまい、更にその後、寝付けなくなってしまうのが早期覚醒です。高齢者の間では特に多い種類です。早朝の起床に慣れていない場合は、日中の眠気に悩まされることもあります。早期覚醒はうつ病患者に多く見られています。

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 睡眠・覚醒のリズムに影響するのが神経伝達物質のセロトニンとメラトニンです。年齢とともに減少するメラトニンは、原料であるセロトニンが慢性的に不足しているからです。

 康復医学学会が研究テーマ素材「ラフマ葉」は、セロトニン分泌の促進に期待でき、睡眠・覚醒のリズムを整えますので、高齢者特有の睡眠障害にお勧めです。

また、睡眠には脳内の老廃物を掃除する効果があるという研究データがあります。睡眠中のマウスのたんぱく質アミロイドβ(アルツハイマー病に関係しているとされる)を調べたところ、覚醒時に比べて睡眠中は2倍速く脳から取り除かれていました。良質な睡眠は認知症の予防にも有効です。

「HM-3000(特系霊芝)」には、霊芝エキスが血液脳関門(右図参照)の働きを高める効果などが確認されており、脳の神経細胞に関連する効果が期待できるとともに、アミロイドβの神経伸長抑制作用を軽減させる効果も認められています。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2025年7月16日水曜日

脳神経細胞

 高齢でも脳神経細胞は増え続ける

 高齢になると脳細胞は減るばかりで増えることはないと考えられてきました。しかし近年、ラットや猿を使った動物実験から海馬領域の神経細胞は高齢でも新生することが明らかになってきています。そして人間でもこうした神経細胞の新生があることを示唆する研究もされてきていますが、2018年に報告された、新しい研究結果を紹介します。

 報告では、14~79歳で急死した健康な男女28人の脳を剖検した結果、高齢者でも若い人と同様に、記憶や学習に重要な役割を担う脳の海馬で前駆細胞から新しい神経細胞(ニューロン)を生成する能力がある可能性が示唆されたといいます。

 その結果、高齢者と若者の脳では中間型の前駆細胞と未熟な神経細胞がほぼ同数見つかったほか、海馬の容量に年齢で差はみられないことが分かりました。

 研究を率いた米コロンビア大学のボルドリーニ准教授は「高齢になっても脳内に(神経細胞に分化する)前駆細胞の存在を示すこの結果は、高齢者にとって朗報だ」と述べています。

 ただし、健康な79歳の脳が29歳の若々しい脳と全く同じというわけではなさそうです。高齢者の脳は血管新生が少なく、一部の海馬領域では静止期の前駆細胞プールが小さいことも明らかになっています。

 専門家の間では、高齢者の脳でも若い人の脳と同じように新しい神経細胞同士で信号を伝達したり、機能したりするかどうかは分かっていないが、この研究結果は有望だとも評価。そして、高齢者の脳で神経細胞を生成させ、細胞同士の信号伝達を促進する因子について、さらに研究を進めていく必要があると指摘しています。また、健康な高齢者と認知症の高齢者の脳を比較することにも興味を示しています。

 これまでの研究で、アルツハイマー病で死亡した人の脳の海馬では神経細胞の数が減ることが分かっています。しかし、この理由が、神経細胞が生成されなくなったためなのか、神経細胞が死滅した結果なのかは明らかになっていません。

 健康な高齢者の脳と認知症患者の脳を比較することで、高齢でも認知機能が衰えない人がいる理由を突き止められる可能性や新しい認知症治療の開発につながる可能性があると期待します。さらに、高齢になっても若々しい海馬を維持している人が実践している生活習慣を知ることも大切だとも強調しています。

 アルツハイマー病協会によると、多くの研究で、喫煙をしない、適正体重や正常血圧を維持する、健康的な食生活を送る、定期的に運動するといった生活習慣因子や、社会的活動、知的活動が認知症リスクと関連することが報告されているほか、運動によって海馬の神経細胞の生成が促進される可能性も示されているといいます。

(出典:https://www.gurutto-mama-yokohama.com/)


■脳神経細胞と認知症

 脳の神経細胞が機能低下したり、損傷を受けたりすると、認知症を発症します。

【認知症の原因となる神経変性疾患】

アルツハイマー型認知症:脳の機能を担う神経細胞が死滅することで、記憶障害や生活機能障害を引き起こす病気です。

レビー小体型認知症:脳の神経細胞に「レビー小体」というたんぱく質のかたまりができ、神経細胞を傷つけて壊します。

【認知症の原因となる脳血管障害】

脳血管性認知症:脳梗塞や脳出血などの脳血管障害(脳卒中)により脳の神経細胞が破壊されることで起こる認知症です。

【認知症の症状】

記憶障害、見当識障害、理解・判断力の低下、実行機能の低下などの中核症状のほか、多くの周辺症状(BPSD)があります(右図参照)。

【認知症の治療】

脳で生き残っている神経細胞を活性化させ、覚えたり考えたりする働きをある程度保つ薬(認知症の薬)があります。

脳血管性認知症の場合は認知症の治療のみならず、脳血管障害の治療も必要になることがあります。

【認知症のメカニズム】

脳に蓄積したアミロイドβの毒性で神経細胞が死滅して脳が委縮し、認知症を発症する「アミロイドβ仮説」が有力な説とされています。一方、タウタンパクが関与するアルツハイマー病の程度と関係する「タウオパチー」に焦点をあてた「タウ仮説」にも注目が集まっています。タウオパチーとは神経原線維変化を主な病理像とするものの総称で、多くの疾患が知られていますが、アルツハイマー病もその中の1つとされています。

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「HM-3000(特系霊芝)」は必要な栄養素を各臓器や器官に供給する微小循環血流を総合的に改善し、エネルギー産生に必要な酸素の供給に影響を与えます。また、それが脳血管性認知症やアルツハイマー病の発症も抑えると考えられています。

また「ラフマ」によるセロトニン産生の促進がうつ症状の抑制に影響し、仮性認知症対策として有効になります。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2025年7月9日水曜日

肝臓病と霊芝

 薬の排泄には肝臓が活躍

 飲んだ薬の全部が効力を発揮するわけではありません。内用薬は、主に小腸で吸収された後肝臓に入り、薬の一部または大半が効能のない物質に変えられ、多くは腎臓から排出されます。病気を治すための薬ですが、通常は体に存在しない"異物"です。体外へ排出できず体内に留まっていたら、それはそれで問題です。

 肝臓は、栄養成分からエネルギーを産生、体を作る成分に変換、異物である薬や有害物質の処理などを行う体の中の化学工場です。内用薬の場合、肝臓を通過し、血液にのって全身を巡る薬の量は、小腸での吸収量よりも少なくなります。そのため薬の使用量は、この"目減り"の量を考えて決められます。肝臓を通過せずに血中に入る注射薬や外用薬は、この目減りを避けて体を巡ります。肝臓で失効・効力低下する薬は、内用薬ではなく舌下剤、噴霧剤、坐剤として使うのはこのためです。役目を終えた薬は、主に肝臓の酵素の働きで、排出されやすい性質へと変えられます(薬の「代謝」)。その後、腎臓に送られ、尿と一緒に体外へ排出されます。一部の薬は、胆汁と一緒に消化管へ入り、便とともに排出されます。量的には多くないものの、だ液や汗、吐く息、母乳から排出される薬もあります。

 大人の薬が使えるのは15歳から。15歳未満は子供とみなします。子供は、薬の代謝や排出に関わる肝臓や腎臓、そして薬の影響を受けやすい脳が未発達です。「体が小さいから、薬も半分でいい」という単純な計算は、必ずしも成り立たちません。大人用の薬には、子供での有効性や安全性が確立されていないものもあります。子供用と大人用とでは、成分量だけではなく成分そのものが異なる場合もあります。市販薬も、「小児用」「ジュニア」と書いてある薬を選び、保護者と相談しながら使うことが重要です。

 高齢者では、肝臓での代謝や腎臓からの排出機能が低下するため、薬が効き過ぎることがあります。特に肝臓や腎臓の病気を持っている場合、副作用の危険性が高くなります。複数の病気にかかり、使う薬が増えればますます肝臓や腎臓に負担をかけることになります。高齢者は、生活習慣病のような慢性的な病気が多いので、薬を使う期間も長くなりがちです。量を変える、より安全な薬に変える、などの検討が必要になってきます。

 重要なのはもちろん「狙い通りに効くこと」ですが、薬の役目を終えたら「速やかに代謝、排出されること」も同じくらい大切なのです。   

(出典:https://www.sumitomo-pharma.co.jp/)


■肝臓病と霊芝

 肝炎などの障害が生じると、肝細胞が破壊され、血液中にGOT、GPTが流れ出します。これら"肝臓の機能を評価する血液検査の指標"の数値が高いことは多くの肝臓の細胞が壊れていることを意味します。高値は急性肝炎・慢性肝炎などが疑われます。GOT、GPTは同じくらいの数値になることが多いのですが、GOTの方が高い場合は肝炎の急性期やアルコール性肝障害の疑いが高くなります。

 GOT、GPT、特にGPTは他の臓器にあまり含まれていないため、その血液中の数値の高さは肝障害を反映することになります。また、細胞膜の障害程度も反映します。

 健康な肝臓には、3%を少し超える程度の脂肪(中性脂肪・コレステロール・リン脂質など)が含まれています。しかし、10%を超えると細胞の中に脂肪滴という泡状のものが現れるようになります。この脂肪滴が、肝細胞の小さな集合体である肝小葉の中の肝細胞の3分の1以上に現れるようになった状態を「脂肪肝」といいます。

 脂肪肝の分類 

(1)過栄養性脂肪肝 (2)栄養欠乏性脂肪肝 (3)アルコール性脂肪肝 (4)薬物性・中毒性脂肪肝 (5)非アルコール性脂肪肝炎(NASH) (6)急性妊娠脂肪肝

 ほとんどの薬剤は肝臓にて肝臓酵素によって分解、解毒され、腎臓にて排出されます。長期間に薬を服用している場合、肝臓の負担は重くなり、肝細胞の仕事限度を超えると肝細胞にダメージを与える事になり、肝臓障害を引き起こします。例えば、高血圧薬、高脂血症薬、心臓病薬、血流改善薬、鎮痛剤、睡眠導入剤などがあります。また短期間でも薬剤の毒性が強ければ、肝臓障害をもたらす薬もあります。例えば、抗癌剤、免疫抑制剤(自己免疫疾病―リウマチなど)、ホルモン剤、精神神経系薬などがあります。

HM-3000(特系霊芝)の肝機能への保護作用

■肝機能の低下は、ストレスに対抗する体の力(ストレス耐性)を低下させます。肝機能の低下は、メタボ、飲酒などの生活習慣なども原因のひとつです。「HM-3000(特系霊芝)」は、肝臓を保護し肝機能低下の予防に期待が持てます。

■右の霊芝のデータは、肝臓代謝性障害(脂肪肝・アルコール性肝炎を含む)に顕著な保護作用があるというエビデンスです。

■抗癌剤だけではなく、一般的な薬も肝臓に負担をかけます。そして、活性酸素やフリーラジカルは、さまざまな病気の原因や老化、美肌などに影響を与えます。霊芝には、SOD(スーパーオキシドジスムターゼ)GSH-Px(グルタチオンペルオキシダーゼ)という生体内最も重要な二つ抗酸化酵素の活性を促すというエビデンスがあります。活性酸素やフリーラジカルによる損傷から組織細胞を守る働きがあることが認められています。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン

2025年7月2日水曜日

熱中症と自律神経

 自律神経酷使で“脳のオーバーヒート”

 体を動かすと全身が温かくなるのは、筋肉が熱を作るからです。しかし、実は体の中で最も発熱しやすいのは「脳」です。脳は、自律神経を通して、体内の全器官の動きをコントロールする司令塔です。自律神経の働きは生命活動の維持に不可欠なので、休むことなく働き続け、常に発熱の状態です。自律神経に負荷がかかれば、それだけ脳の発熱量も増えます。しかも、頭蓋骨に覆われている脳は、外気に晒して熱を放散することができません。特に、視床下部と前帯状回にある自律神経中枢は、鼻腔の奥に位置し、脳の深部にあります。熱を冷ますには、首や脇の太い血管を冷やすか、あるいは鼻から冷たい空気を吸い込むしかありません。発熱が抑えきれないと頭の中に熱が籠り、脳が「オーバーヒート」を起こして、のぼせや疲労感、頭痛などが生じます。

 自律神経の負荷が増えて、脳を疲れさせる原因は二つあります。一つは環境要因で、脳の発熱を抑えられない場合。気温が高くなると、体温調節で自律神経が酷使されるため、脳の温度が上がりやすくなります。二つ目は自律神経中枢の消耗。精神的・身体的なストレスが増すと、自律神経中枢の負荷が増して、脳が発熱しやすくなります。

 脳は体の全ての器官の動きを司っているので、脳がオーバーヒートすると、体内のコントロールが乱れます。体温や心拍、呼吸、血圧の調節などが乱れれば、あらゆる臓器の働きが低下するため、頭痛や発熱、めまいなど、体に不調が表れます。集中力を失い、パフォーマンスが低下します。体を安定した状態に戻そうと、自律神経中枢に負荷がかかり続け、脳のオーバーヒートが悪化、さらに脳が疲労するという悪循環が生まれるのです。

 脳のオーバーヒートの予防で最も大切なのは、自律神経に負荷をかけすぎないこと。暑い季節は、脳に合わせた環境づくりも重要です。脳にとっての最適温度は22~24℃と言われており、少し涼しいくらいが理想的です。気温が25℃以上になると、1℃上がるごとにパフォーマンスが2%下がるという研究報告もあります。

 日本人は欧米人に比べて筋肉量が少なく、体が発熱しにくいので、寒がりだと言われています。しかし、体に合わせてエアコン温度を設定するよりも、脳に合わせた室温にしておき、着る服で調整したほうが、脳のオーバーヒートは予防できます。

 さらに、6月頃から脱水症状を起こしやすくなります。湿気があるために汗が蒸発せず、喉の渇きを感じにくいので、水分の補給を怠りがちです。その結果、血流が悪くなって体に熱がこもりやすくなり、熱中症や脳梗塞などのリスクが増します。喉が渇く前に、意識的に水分補給を心がけましょう。              

 (出典:https://kenko.sawai.co.jp/)


■自律神経と体温調節

 人は体温を一定に保つことが重要ですが、体内で生産された熱と、体外へ放出される熱のバランスがうまく取れていないと体温を一定に保つことはできません。重要なのは体温を調節するシステムです。

体温調節の要:自律神経

 通常は、体内で作られた熱で血液の温度が上昇し、温まった血液が体表を通るときに皮膚から放熱して体温を下げます。しかし、猛暑の夏など、体表からの放熱だけでは間に合わない場合、皮膚に分布する汗腺からどんどん汗が出てきて皮膚の表面をぬらすことによって温度を下げる働きをします。汗腺も自律神経に支配されており、発汗を促進するのも交感神経の役割です。

熱中症とチアノーゼ

 血液中の酸素濃度が低下して、唇や爪の色が紫色になるチアノーゼですが、通常、健康な人の血液では、酸素とヘモグロビンが結合していて、それが血液の赤い色を作っています。

 しかし、熱中症で体温調節が限界を超えると皮膚血管の拡張のために皮膚に血液が集中し、発汗などのため血液粘度も上昇し血流障害を起こします。重症の場合、心負担⇒血圧低下⇒チアノーゼを経て虚脱状態や意識障害などになります。

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普段からの良好な血流の維持が大切

 現代人の汗をかけない原因の一つに、東洋医学でいうところの「瘀血(おけつ)の問題があります。つまり、微小循環血流の滞りです。血液は酸素や栄養素とともに体内の熱を運ぶ役割も持っていますから、微小循環血流を改善し、血流を良好に維持すれば、体温調節システムも効率よく働きます。康復医学学会の主要研究生薬「HM-3000(特系霊芝)」微小循環の改善作用と、「ラフマエキス」自律神経調整作用が、熱中症の予防にも役立ちます。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン