2026年2月4日水曜日

動脈硬化

 細菌由来の脂質と動脈硬化の関係

 動脈硬化は、高血圧や脂質異常症、喫煙、糖尿病などが主な原因とされ、血管の壁にコレステロールなどがたまって硬くなる病気です。近年、これらの伝統的なリスク因子に加え、細菌、特にその成分である「脂質」が引き起こす慢性的な炎症が、動脈硬化の発症や進行に深く関わっていることが明らかになってきました。

 注目されているのは、主にグラム陰性菌の細胞壁の外側にある「リポ多糖(LPS)」という脂質です。LPSは「内毒素(エンドトキシン)」とも呼ばれ、私たちの体内で免疫反応を引き起こす強力な物質です。このLPSが体内、特に血中に侵入する主な経路として、歯周病と腸内環境の乱れが挙げられます。

 歯周病 

:歯周病は、歯周病菌による歯ぐきの感染症です。進行すると歯周ポケットが深くなり、そこから歯周病菌やその成分であるLPSが容易に血管内に侵入します。実際に、動脈硬化を起こした血管の病巣から歯周病菌が検出されたという報告もあります。

 腸内環境の乱れ(リーキーガット) 

:腸内細菌のバランスが崩れると、腸の粘膜バリア機能が低下し、LPSなどが血中に漏れ出しやすくなります。高脂肪食の摂取は、このような「メタボリックエンドトキセミア」と呼ばれる軽度なエンドトキシン血症を引き起こし、動脈硬化のリスクを高める可能性が指摘されています。

 血中に入ったLPSは、免疫細胞の一種であるマクロファージを活性化させます。活性化したマクロファージは、炎症を引き起こす様々な物質(炎症性サイトカイン)を放出します。この反応が慢性的に続くことで、血管の内側を覆う内皮細胞が傷つけられます。

 血管内皮細胞が傷つくと、血液中の悪玉(LDL)コレステロールが血管壁に侵入しやすくなり、酸化LDLへと変化します。マクロファージは、この酸化LDLを異物とみなして取り込みますが、処理しきれないほど大量にあると、コレステロールを溜め込んだまま死んでしまいます。この死んだマクロファージの残骸などが粥状の塊(プラーク、アテローム)となり、血管壁に蓄積していくことで動脈硬化が進行します。つまり、細菌由来の脂質は、直接血管の壁を厚くするのではなく、免疫システムを介して「慢性炎症」を引き起こし、その結果として動脈硬化のプロセスを加速させる「引き金」の役割を果たしているのです。

 動物実験では、LPSの投与による動脈硬化の悪化が確認されています。また、歯周病を持つ人はそうでない人に比べて脳梗塞のリスクが2.8倍高いという報告もあり、細菌感染と動脈硬化性疾患との関連が強く示唆されています。しかし、この分野はまだ研究途上であり、細菌由来の脂質が動脈硬化に与える影響の全容解明には至っていません。

 とはいえ、細菌由来の脂質が原因の慢性炎症が動脈硬化の重要なリスク因子であることは間違いありません。日常の歯周病予防やバランスのとれた食事による腸内環境整備が、従来の生活習慣病対策と並行して、動脈硬化を防ぐ上で極めて重要であると言えるでしょう。


■動脈硬化と一酸化窒素(NO)

 心臓疾患には、心臓の冠動脈の血管が徐々に狭窄する「狭心症」、詰まってしまう「心筋梗塞」などがあり、その原因の大半が動脈硬化です。

血管内皮細胞の損傷 ⇒ 動脈硬化

 血管の内側にある血管内皮細胞は、高血圧、高血糖、コレステロール、喫煙、ストレスなど様々な原因により損傷します。右図のように、損傷した部分からは血液中の悪玉コレステロールなどの有害物質が侵入し、血管壁を厚くし、血管が狭くなり、その結果として動脈硬化となってしまいます。

血管内皮機能を調整しているNO

「一酸化窒素(NO)」は、主に血管の一番内側を覆っている「血管内皮細胞」から作られます。運動などで血流が速まると、それを刺激としてNOが放出されます。このNOには、中膜の筋肉層に働きかけて血管を柔らかくし、拡張させる「血管拡張作用」や、血栓ができるのを防ぐ「血小板凝集抑制作用」、また、単球などの白血球が血管内皮細胞に接着したり内皮細胞下組織に浸潤したりするのを防ぐ作用などがあります。

 これらの働きにより、NOは"血管を若々しくしなやかに保つために不可欠な物質"と言えます。※この発見は非常に重要視され、1998年にはノーベル生理学・医学賞の対象となりました

 しかし、血管内皮細胞が損傷するとNOは減少、血管内皮細胞の機能が低下し、動脈硬化も進行します。

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 血管内皮細胞は、微小循環をはじめとする毛細血管を円滑に維持しています。NOの産生が低下すると、血管が収縮し、炎症を起こしやすく動脈硬化になりやすい血管になってしまいます。

 また、生活習慣などの悪影響によって、過剰になった活性酸素による酸化ストレスが動脈硬化を進行させてしまいます。

 康復医学学会の主要研究生薬である「HM-3000(特系霊芝)」には、NOの産生促進に関するデータ、および抗酸化酵素GSH-Px(グルタチオンペルオキシダーゼ)の産生促進・活性化に関するデータがあります。


いつもありがとうございます。

愛・感謝 村雨カレン


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